患者・家族の医療参加 安全は名前から! ~ 新生医療安全室の取り組み ~

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患者・家族の医療参加 安全は名前から! ~ 新生医療安全室の取り組み ~ 患者・家族の医療参加      安全は名前から! ~ 新生医療安全室の取り組み ~         平成25年3月4日                 大橋 裕  渥美友久            加藤理智子 田代佳生             ○寺田晴美 ご承知の通り、今年度医療安全室は大橋副院長・田代薬剤師さんを新たに迎え、新生医療安全室としてスタートしました。

取り組みの経過 平成24年度医療安全室目標 医療安全文化の浸透と 職種を超えた協力体制を構築し 組織能力向上を目指す。    職種を超えた協力体制を構築し        組織能力向上を目指す。 今年度の目標は、      です。ちょっとかっこいいでしょ。 けれどこれをどう具体化させるのか頭を悩ませました。そんな4月の後半、ちょうど行われた医療安全全国共同行動フォーラムに参加し、ああこれだ・・・と霧が晴れた思いでした。

安全は名前から(患者と医療者協同によるフルネーム確認) 医療安全全国共同行動への参画 1.行動目標7「事例要因分析から改善へ」 2.行動目標8-a「患者・市民の医療参加」  患者・市民と医療者のパートナーシップを通じてケアの質・安全と相互信頼を向上させる。 ↓ 安全は名前から(患者と医療者協同によるフルネーム確認) 医療安全全国共同行動というのは、3階にいらっしゃる上原鳴夫先生も参加されている活動で 医療の質・安全学会、日本病院団体協議会、日本医師会、日本看護協会、日本臨床工学士会の呼びかけにより、平成20年5月に発足した全国的な医療安全のキャンペーンで、全国の病院と医療従事者、病院団体、各種医療団体が行動目標を共有し、力を集結して取り組むことで、医療の質・安全の向上を目指す取り組みが広く全国に普及し、目に見える成果を達成し、医療に対する患者・市民の信頼を高めることを目的としています。 参加病院は一般病院がほとんどで、精神科はわずかなので、すごく難しそうな行動目標もありますが、7     8    については当センターも参画できると考えました。 7は、この後看護部のチームが発表しますが、医療安全室は8の取り組みをお話しします。

外来での取り組み 人物誤認で注射をしてしまった事例(2009年6月) ↓ フルネーム確認を強化 個人情報保護の観点から番号制を導入 ◎患者と医療者協同によるフルネーム確認◎ 2011年~  診察室ドアにポスターを貼付。フルネーム確認の必要性を広報、  協力をお願いしている。 この取り組みをさらにバージョンアップしたい 実は、私が外来にいたころ、痛い経験がありました。

外来は、看護師のみならず、医師・薬剤師・栄養士・検査技師・よろず相談・micsなど多種多様な職員が入り乱れて仕事をしています。 ここなら職種を超えた協力体制の取り組みが可能ではないかと考えました。

実際の浸透率は・・・ アンケート・実態調査実施 実施前 平成24年10月 実施後 平成25年1月      実施前 平成24年10月      実施後 平成25年1月 でゃ、このポスターによる広報活動は、患者さんにどれだけ認知されているのでしょう。

診察室ドアに「入室にお名前を名乗って下さい」というポスターが貼ってあるのをご存じですか?

入室時に名前を名乗る理由を知ってますか?

診療や処置で入室する際、ご自分から名前を名乗っていますか?

「はい」と答えた方、その理由は何ですか? (あてはまる番号にいくつでも○を付けて下さい) 「はい」と答えた方、その理由は何ですか?     (あてはまる番号にいくつでも○を付けて下さい) ①ポスターを見た ②放送を聞いた ③ビラをもらった ④間違えられると困る又は  間違えられた経験がある ⑤以前からそうしている  そうしている ⑥医師から名乗るように  言われた ⑦自然に ⑧他の病院でやっている ⑨その他

「いいえ」と答えた方、その理由は何ですか? (あてはまる番号にいくつでも○を付けて下さい) 「いいえ」と答えた方、その理由は何ですか?     (あてはまる番号にいくつでも○を付けて下さい) ①先生と顔見知りだから ②名前を呼ばれて入ったから ③面倒だから ④意識していなかった ⑤言いにくい又は言いたくない ⑥その他

自ら名前を言うことは大切だと思いますか? これを生かさない手はない。

精神科の患者さんには名前を言うのは無理ですよ。 それぞれの既成概念(医師) 患者の顔を覚えてこそ 精神科医じゃろう。 精神科の患者さんには名前を言うのは無理ですよ。

患者さんは・・・ 先生とは長い付き合いだし、間違えるわけないですよ。 名前を言われて入ったんだから 間違いないでしょ。

今までにあった事例では・・・ 名前を呼ばれた患者と違う患者が入室し、診察が始まってしまった。 患者名の違う画面を開き、処方した。 違う患者のカルテを開き診察、記録した。 どうすれば事故を 防げるかしら。

医師も患者も間違える 取り組み ① ポスターの張り替え 10月~ ② 院内放送 10月~      音割れ・暖房排気音 ③ ビラ配り 12月2週間

診察室ドアに「入室にお名前を名乗って下さい」というポスターが貼ってあるのをご存じですか? 整理と 入れ替え

入室時に名前を名乗る理由を知ってますか?

診療や処置で入室する際、ご自分から名前を名乗っていますか? まだまだ多い

「はい」と答えた方、その理由は何ですか? (あてはまる番号にいくつでも○を付けて下さい)

「いいえ」と答えた方、その理由は何ですか? (あてはまる番号にいくつでも○を付けて下さい) 名前を言う事の重要性 ①先生と顔見知りだから ②名前を呼ばれて入ったから ③面倒だから ④意識していなかった ⑤言いにくい又は言いたくない ⑥その他 違和感! 名前を呼ばれて入ったのに又名前を言うの?

まとめ ・アクシデントになる前の医療安全教育・広報 ・患者参画は可能 ・組織的活動の継続 「そうなんですか、気を付けます」 「他の病院でもやってますね」 「やっとこの病院もはじめたんですね」 医師も人間だから間違える。

自ら名前を言うことは大切だと思いますか? ここを 大切に!

今後の活動の課題 自分で名前を言う習慣の定着 患者・家族・医療者がともに協力しながら安全文 化を育てていける風土に。 病院職員が一致団結して行う地道な継続活動 ↓ 自分で名前を言う習慣の定着 患者参加の試みはアドヒアランス獲得にも重要な意味を持つ 患者・家族・医療者がともに協力しながら安全文 化を育てていける風土に。

今後は外来から入院へ 連動した取り組みを実施したい。 ご清聴ありがとうございました。 医療安全室 *病棟オリエンテーション *服薬ダブルチェック *初診外来オリエンテーション *入院案内  自分の治療に積極的に参加する