家庭医研修プログラムの現状と将来-家庭医療専門医に向けて- 日本家庭医療学会 山田隆司
今医療の現場で何が起こっているのか? 臨床研修必修化に伴う大学医局在籍医師の減少 地域の中小病院からの派遣医師の撤退 大病院に集まる専門医 中小病院の経営危機 専門医の開業志向 地域的な医師の偏在 時間外対応の脆弱さ
医育機関 (大学病院) 派遣病院 (地域中核病院) 国 (厚生労働省・ 文部科学省) 自治体 (市町村) 自治体 (都道府県) 総合医療 専門医療 高度先端医療 医療機関 (診療所・ 地域病院) 地域医師 派遣病院 (地域中核病院) 医育機関 (大学病院) 地域の 医療ニーズ 都市部の医療 高次医療 生涯教育 臨床研修 卒前教育 専門医教育が地域医療のニーズと必ずしも一致しなくなってきた
専門医の集合だけでは 医療ニーズに応えることはできない 都市部 あふれる医療機関、豊かな医療資源 夜間帯での提供者不足 包括性、継続性の欠如 ネットワークの機能が不十分 地方 絶対的医師数の不足 臓器専門医の不適合 全科対応の厳しさ 専門的定型的疾病以外の入院患者への対応の厳しさ
日本に不足している医師 地域の医療ニーズに見合った医師 患者さんが合わせる医療から、患者さんに合わせる医療へ 総合的な診療能力を持った医師 常に変わる求められる医師像 時間的、空間的(離島、夜間) 患者さんが合わせる医療から、患者さんに合わせる医療へ 自分の専門性を提供するのではなく、地域が求めるニーズに合わせる 総合的な診療能力を持った医師 総合的外来診療能力 一時的救急能力 総合的入院患者管理能力 継続的に診療の質が保たれている医師 CMEプログラム
総合医療 医育機関 (大学病院) 教育・研修 医療機関 (診療所・ 派遣病院 地域病院) (地域中核病院) 地域医師 国 (厚生労働省・ 文部科学省) 自治体 (市町村) 自治体 (都道府県) 総合医療 専門医療 高度先端医療 医療機関 (診療所・ 地域病院) 地域医師 派遣病院 (地域中核病院) 医育機関 (大学病院) 地域の 医療ニーズ 都市部の医療 高次医療 教育・研修 臨床研修 卒前教育 地域の医療ニーズに沿った医師の育成が望まれている
専門医から家庭医へ 全科的診療能力 一次的救急,診療能力 外来診療能力に重点 他の資源との協調能力 継続的診療 Comprehensive Care 一次的救急,診療能力 Accessible Care 外来診療能力に重点 Contextual Care 他の資源との協調能力 Coordinative Care 継続的診療 Continuity of Care
資格認定試験重視からプログラム重視へ 研修プログラム認定 Acrreditation 研修プログラム評価 Review
研修プログラム認定と評価 RRC ACGME ABFM 家庭医療認定委員会 研修プログラム評価機構 研修プログラム認定機構 専門医評価機構 AAFP=日本家庭医療学会 AFMDR=研修責任者部会 ABFM=家庭医療認定委員会 ACGME=専門医評価機構 Resident 研修医代表 研修プログラム認定機構 ACGME NGO 専門医評価機構 認定試験 ABFM 家庭医療認定委員会 NPO 家庭医療学会 PC学会 総合診療学会 = 専門医認定制機構
RRC (Residency Review Committee) ACGME ABFP AAFP AFMRD (Accreditation Council for Graduate Medical Education) ABFP (American Board of Family Practice) AAFP (American Academy of Family Practice) AFMRD (Association of Family Medicine Residency Directors)
生涯学習プログラム 生涯学習プログラム 家庭医療専門医 再研修プログラム (1-2年間) 経過処置 後期家庭医療専門研修プログラム (3年間:要認定) 地域診療所研修 地域病院研修 総合診療部門研修 各科 専門医研修 プログラム PC医 (臨床経験数年以上) 初期臨床研修(2年間)
日本家庭医療学会の具体的戦略 法人化による組織強化 研修機能の強化 後期研修プログラムの認定と評価 研究活動の支援 海外交流 友好団体から社会に開かれた責任ある組織へ 研修機能の強化 若手医師部会、研修医学生部会 後期研修プログラムの認定と評価 研究活動の支援 倫理委員会 海外交流 WONCA,各国家庭医療学会 国内学会、団体との協調 学会、医師会、自治体病院協議会等
患者中心の医療の方法 Patient-centered clinical method (1)疾患と病気の経験両方を探る (2)地域・家族を含め全人的に理解する てがかり・きっかけ 病気 疾患 人間 疾患 病気 病歴・診察 検査 解釈・期待 感情・影響 Proximal context (3) 共通の理解基盤 を見出す EBM NBM Distal context 問題・ゴール・役割 (4)診療に予防 健康増進を 取り入れる (6)実際に 実行可能 であること 相互意志決定 (5)患者-医師関係を 強化する
今後の予定 Ⅰ、第1回研修プログラムディレクター会議ワークショップ Ⅱ、第2回研修プログラムディレクター会議ワークショップ 自己紹介、施設紹介 プレゼンテーションおよび質疑 家庭医療とは 日本に求められる家庭医 家庭医療研修プログラムの必須要素について 家庭医教育 Ⅱ、第2回研修プログラムディレクター会議ワークショップ 家庭医研修プログラム作成WS 海外の事例 Ⅲ、第3回研修プログラムディレクター会議ワークショップ 家庭医研修プログラム評価 公開シンポジウム「日本の家庭医」