丸鋸 38 内刃形工具を用いたパイプ材の高能率切断法 塑性加工研究室 山﨑 義史 断続切削回数が増加 刃先が切り屑をかみ込む

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丸鋸 38 内刃形工具を用いたパイプ材の高能率切断法 塑性加工研究室 山﨑 義史 断続切削回数が増加 刃先が切り屑をかみ込む 塑性加工研究室 山﨑 義史 丸鋸 断続切削回数が増加 刃先が切り屑をかみ込む 工具コスト  中実棒の数倍 工具損傷が発生しやすい 切り屑 パイプ材 表紙

内刃形工具 パイプ材 パイプ材切断専用 内刃形工具 切断方法 内刃形工具

刃先が切り屑に かみ込まない 切断工程 ワンカットでの断続切削回数が少ない A 半径送り 公転送り C B 半径送り

実験方法 N (rpm) D=55 X 切削工具 di 主軸刃物台 do 三ッ爪チャック Y コーテッド超硬合金 PVDコーティング TiCN 工具材種 P種 刃幅 2.2mm Y X N (rpm) 切削工具 主軸刃物台 D=55 三ッ爪チャック di パイプ材 材質 S45C 外径 do 50mm 内径 di 30mm do 切断機概要

切断加工条件 切込量 切削速度 回転数 刃先径 D 55 mm N 650,830,1020 rpm V 112,143,176 m/min 切削時間 T (sec)   (1枚刃) ワンカットの切削回数 n t (mm) 0.10 0.15 0.20 N (rpm) 1020 37.7 25.1 18.9 830 46.3 30.9 23.1 650 59.2 39.5 29.6 t (mm) n 0.10 641 0.15 427 0.20 321 条件

工具損傷過程 境界損傷 チッピング 100cut 150cut 200cut V=143m/min, t=0.10mm, Dry 工具損傷工程

すくい面磨耗 境界損傷発生個所 t=0.10mm t=0.20mm V=143m/min, Dry, 100cut 150cut 損傷個所

切断個数 チッピング 寸法精度   仕上げ面精度 悪化 切断中止 切断個数

切断工程別 A B C A工程が不適当 工程別切削回数 t (mm) 0.15 0.20 A 83 63 A+B 344 259 A+B+C 427 321 V=143m/min, Dry 行程別回数

B 最少切削回数 C A A工程が不適当 ダウンカット切込 A B C

ダウンカット切込 切込量 境界損傷 より進行 すくい面 クレータ磨耗 実験条件 回転数 600 rpm 切削速度 104 m/min 切込量 切削回数 478回 切削時間 47.8秒 ワンカット切削回数 12%増加 境界損傷 より進行 すくい面 クレータ磨耗 切削回数増加切断個数増加 チッピングが起こりにくい ダウンカット条件

変動送り 切込量 送り速度 A B C A B C 境界損傷個所の分散 クレータ磨耗の防止

V=104m/min, t=0.10~0.20mm, Wet (植物性) 連続切断 ダウンカット切込 変動送り 潤滑 刃先に微量の植物性切削油をミスト A B C チッピング防止 正常な工具磨耗 V=104m/min, t=0.10~0.20mm, Wet (植物性) 連続切断加工

まとめ 1)切削パターンをダウンカット切込にすることで,工具刃先のチッピングが防止できた 2)変動送りにより,工具すくい面の境界損傷個所を分散され,境界損傷の進行を遅らせることができた 3)切断加工中,刃先に微量の植物性切削油をミストすることで切断加工面精度,工具寿命が向上がみられた 4)これらの方法を組合せ,工具費と加工能率の点で実用に耐える切断加工方法が確立できた  まとめ