病理学実習1:女性生殖器Ⅰ 子宮頚部,子宮体部の疾患 20190410 器官病理学 野坂加苗 特に断りが無い限り,本プレゼンテーションの図表は自作もしくはRobbins and Cotran, Pathologic basis of Disease, Professional edition,9eからの引用である
今回の実習で学ぶ疾患 尖圭コンジローマ Condyloma acuminatum 子宮頚部上皮内腫瘍 cervical intraepithelial neoplasia (CIN) LSIL (low-grade squamous intraepithelial lesion) HSIL(high-grade--) 子宮内膜増殖症 Endometrial hyperplasia 異型内膜増殖症 Atypical endometrial hyperplasia 類内膜癌 Endometrial carcinoma 漿液性癌 Serous carcinoma 子宮内膜症 Endometriosis 子宮腺筋症 Adenomyosis
実習課題 1.#1-3の外陰及び子宮頚部の病変について ・子宮頚部細胞診でこのような細胞が最も採取されやすいのは#1-3のうちどの病変か ・このような変化をきたすウイルスとして最も可能性が高い型を2つ述べよ ・#2,3の病変はどのような所見で鑑別されるか ・写真の明るく抜けた領域に多量に含まれているものは何か 33歳の女性.妊娠を契機に受診した産婦人科においてルーチンチェックの子宮頚部細胞診が行われ,右図に示すような細胞が検出された.
実習課題 2.#5 Endometrial tumorについて この検体は不正出血を主訴に来院し,その後子宮内膜腫瘍の診断の元に子宮摘出が行われた56歳女性の組織である 標本内における非腫瘍性内膜組織を同定せよ 非腫瘍部と腫瘍部ではどのような違いが見られるか,列挙せよ この病変の発生に関して,高率に検出される遺伝子異常は何か
実習課題 3.#6,7,8 Endometrial tumorについて 62歳女性.3年前に閉経した.数日前より不正性器出血を自覚したため産婦人科を受診した.出血以外に特に気になる症状はない. #6について組織型を診断し,Gradeを評価せよ #6には前癌病変(非浸潤病変)が含まれている.それはどの部位か. #6と#7,#8は同じ組織型の腫瘍である.それぞれの分化度を比較せよ これらの腫瘍について,以下のリスク因子について考察せよ(なぜリスク因子かも含め) 卵巣の腫瘍で有名なもの: 抗癌剤で有名なもの: 体型:
実習課題 4.#4 Myometrial tumorについて この疾患が良性であると判断するためには病理標本上でどのような所見を確認するべきか.できるだけ多く列挙せよ. (参考:総論 1.Leiomyosarcoma)
実習課題 5.#10,11 Ovarian cyst wallについて 同一カテゴリーの疾患だが,異なる患者の組織である。 この病変は腫瘍性病変か,非腫瘍性病変か。 #11の所見を元に組織型を診断せよ。 #10では嚢胞内腔面に泡沫状の組織球が集簇するとともに,褐色調の色素沈着が見られる。この色素は何か。また,この色素沈着は病変のどのような性質と関連しているか。 これらの病変が健康上どのような影響をもたらすか。列挙せよ。