特論B 細胞の生物学 第6回 エネルギーはどこから 和田 勝 東京医科歯科大学教養部
グルコースの合成 6CO2+6H2O+熱→ C6H12O6+6O2 12H2O+12NADP++光エネルギー ●合成反応(仮想的で、ありえないが) 6CO2+6H2O+熱→ C6H12O6+6O2 ●生体内 12H2O+12NADP++光エネルギー →12NADPH+12H++6O2 6CO2 +12NADPH+12H+ → 2グリセルアルデヒド-3-リン酸 +12NADP + +6H2O 2グリセルアルデヒド-3-リン酸 →C6H12O6
電子(とプロトン)の運搬 ここに電子が2個ある 水素添加酵素 (→還元) 酸化← アデニンのリボースにリン酸付加
葉緑体
第一段階(光合成電子伝達系) チラコイド膜にクロロフィル。 クロロフィルが光エネルギーを受けて、電子を活性化する。 光化学系Ⅱで、チラコイド膜を挟んでプロトンの偏りを起こす。 このプロトン勾配を利用してATPを生成(ミトコンドリア内膜の場合と同じ)
ATP合成酵素(ATPsynthase) チラコイド内腔 a1b2c12 チラコイド膜 α3β3γ1δ1ε1 ストロマ aからεは、いずれもポリペプチド鎖
第一段階(光合成電子伝達系) 電子は水から供給される。ここで酸素が発生する。 電子は光化学系Ⅰに渡され、再び光エネルギーで活性化される。 この電子を使ってNADP+にH+を付加してNADPHを生成
光電子伝達系のまとめ
光電子伝達系のまとめ 光エネルギーを使って電子を活性化し、電子を受け渡して次の2つのことをする。 1)ATPの合成 2)NADPHの生成(還元力)
第二段階(炭酸同化反応) ストロマにカルビン・ベンソン回路 この回路に二酸化炭素が入り、これを第一段階で生成したNADPの水素とATPのエネルギーを使って還元する。 生成するのはグリセルアルデヒド-3-リン酸。これから糖が合成される。
炭酸同化反応
光合成のまとめ
エネルギーの流れと炭素循環 地球船宇宙号 太陽エネルギー 動物 植物 生きるための エネルギー 糖+O2 NAD+→NADH CO2とH2O の発生 チラコイド膜両側の プロトンの偏り 地球船宇宙号 ミトコンドリア内膜両側の プロトンの偏り ADP+Pi → ATP NADP+→NADPH ADP+Pi → ATP H2O+CO2 →糖+O2 生きるための エネルギー
エネルギーの流れと炭素循環