「地域分娩環境確保の方策について」 その1 海野信也 私の今回の演題に関連して、開示すべき利益相反状態はありません。 第26回狛江調布府中産婦人科臨床研究会 慈恵医大産婦人科集談会 合同学術講演会 2017年2月2日 「地域分娩環境確保の方策について」 その1 海野信也 北里大学病院長・北里大学医学部産科学教授 日本産科婦人科学会医療改革委員会委員長 「周産期医療の広場」 http://shusanki.org/index.html 私の今回の演題に関連して、開示すべき利益相反状態はありません。
産婦人科医の年齢性別分布 2005年
いつでも、どこでも、 どんなときでも 安全で安心な 「地域分娩環境の確保」 いつでも、どこでも、 どんなときでも 安全で安心な 「地域分娩環境の確保」
いつでも、どこでも、どんなときでも 安全で安心な「地域分娩環境の確保」 出生数の減少 分娩取扱施設の減少によるアクセス困難 分娩取扱産婦人科医確保困難 産婦人科医不足 産婦人科医の中の女性の割合の増加 産婦人科の他のサブスペシャルティ領域の発展 周産期救急医療システム運営上の課題 新生児科医不足 母体救命システム整備の不十分さ 搬送受入困難事例(未受診妊婦等)への対応 大規模災害時の体制未整備 「産婦人科医療改革グランドデザイン」に基づく提言 地域基幹分娩取扱病院の 大規模化・重点化 産科診療所の重要性の強調 災害時小児周産期リエゾン養成の開始
【アクセス時間】 妊産婦の住所地から直近の分娩施設への運転時間 Access by car <15min <30min <60min >60min 各メッシュからのアクセスの考え方、出生数の算出と配賦 1.8% の妊婦は、直近の分娩施設に行くのに30分以上かかる。
【アクセス時間】 分娩取扱医療機関から周産期母子医療センターへの運転時間 (国際医療福祉大 石川雅俊先生提供) 【アクセス時間】 分娩取扱医療機関から周産期母子医療センターへの運転時間 (国際医療福祉大 石川雅俊先生提供) 周産期母子医療センター(総合・地域) 30分以上 354施設 60分以上 74施設 平成27年度 地域格差是正を通した周産期医療体制の将来ビジョン実現に向けた先行研究 「周産期母子医療センターの施設基準と評価に関する研究」
本講演の構成 第9回 産婦人科動向意識調査 中間報告 わが国の周産期医療の概要:全国と東京都・神奈川県 産婦人科医師数の現状 第9回 産婦人科動向意識調査 中間報告 わが国の周産期医療の概要:全国と東京都・神奈川県 産婦人科医師数の現状 周産期医療体制の課題と日本産科婦人科学会の基本方針 産科病床数について 産婦人科医の必要数に関する試算 「産婦人科医確保に向けた地域枠学生の卒後臨床研修に対する提言」 「災害時小児周産期リエゾン」について
日本産科婦人科学会 第9回 産婦人科動向意識調査 2016年12月調査 中間報告 2017年2月2日 日本産科婦人科学会 第9回 産婦人科動向意識調査 2016年12月調査 中間報告 日本産科婦人科学会 医療改革委員会
日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 調査結果 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 調査結果 調査対象施設数 (専攻医指導施設) 回答数 回答率 2008年 756 332 44% 2009年 742 462 62% 2010年 744 458 2011年 726 456 2012年 723 349 48% 2013年 666 442 66% 2014年 667 406 61% 2015年 636 403 63% 2016年 627 414
日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「1年前と比較して、全体としての産婦人科の状況」 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「1年前と比較して、全体としての産婦人科の状況」
日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「1年前と比較して、自施設産婦人科の状況」 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「1年前と比較して、自施設産婦人科の状況」
日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「1年前と比較して、全体としての産婦人科の状況」 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「1年前と比較して、全体としての産婦人科の状況」
日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「1年前と比較して、自施設産婦人科の状況」 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「1年前と比較して、自施設産婦人科の状況」
動向指数の計算 全国および各地域における「全体」と「自施設」に関する回答について以下の方法で動向指数を計算した。 【(良くなっている+少し良くなっている)ー(悪くなっている+少し悪くなっている】/全体の回答数
日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数の変化 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数の変化
日本産科婦人科学会 第8回産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数 地域別 全体としての産婦人科の動向 日本産科婦人科学会 第8回産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数 地域別 全体としての産婦人科の動向
日本産科婦人科学会 第8回産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数 地域別 自施設の産婦人科の動向 日本産科婦人科学会 第8回産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数 地域別 自施設の産婦人科の動向
日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数の変化 地域別 全体としての産婦人科の動向 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数の変化 地域別 全体としての産婦人科の動向
日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数の変化 地域別 自施設の産婦人科の動向 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数の変化 地域別 自施設の産婦人科の動向
2016年12月 日本産科婦人科学会 第9回 産婦人科動向 意識調査 全体としての産婦人科の状況 回答の理由(複数回答) 2016年12月 日本産科婦人科学会 第9回 産婦人科動向 意識調査 全体としての産婦人科の状況 回答の理由(複数回答) 悪くなっていると感じる理由 良くなっていると感じる理由 人員増 5 入局者増 4 産婦人科志望研修医増 1 学会・医会の取り組みを評価 1 社会の評価・行政の対応 1 地域医療システムの改善 1 診療ガイドラインを評価 1 待遇改善 1 産婦人科医師数減 40 産婦人科新規専攻医減 30 女性医師の増加・男性医師の減少によるマンパワー低下 23 女性医師の出産育児等への対応困難 14 人手不足 14 医学生・研修医における志望者減 13 高齢化 12 地域格差拡大 12 業務の増加・労務環境悪化 10 分娩施設減 8 中堅層減少・人材難 6 分娩数減少 5 医療紛争・事故の懸念増 4 新専門医制度の影響懸念 4 社会・行政の変化 4 産科医減 4 産婦人科施設減 3 経営難 2 展望の欠如 2 癌治療体制危機 2 患者対応困難例増 2 母体保護法問題懸念 1 集約化が進まない 1
2016年12月 日本産科婦人科学会 第9回 産婦人科動向 意識調査 自施設産婦人科の状況 回答の理由(複数回答) 2016年12月 日本産科婦人科学会 第9回 産婦人科動向 意識調査 自施設産婦人科の状況 回答の理由(複数回答) 悪くなっていると感じる理由 良くなっていると感じる理由 産婦人科医師増員・充足 46 診療の質の向上・活性化 8 研修希望者増 7 勤務軽減 4 症例数増 4 女性医師の活躍 2 トラブル減少 1臨床研修制度改革で複数大学と人事交流が可能になった 1 産婦人科医減少・未充足 57 女性医師(産休・育休を含む)への対応困難 47 人手不足 28 業務負担増 15 医師(特に男子医師)の高齢化 14 産婦人科新規専攻医の減少 11 患者数・分娩数・手術数減 9 研修医の中での産婦人科志望者の減少 7 中堅層の減少 3 周辺施設、診療所閉院 3 処遇改善悪化・改善しない 3 分娩とりやめ 2 助産師不足 2 小児科医減 2 地域偏在 1 行政の対応悪化 1 労基署の介入による勤務制限 新専門医制度への懸念 1
わが国の周産期医療の概要 全国と東京都・神奈川県
東京都とは:国際比較 東京都 13,044 111 2,191 神奈川県 8,967 73 2,416 ギリシャ 11,128 108 人口(千人) 出生数(千人) 面積(km2) 東京都 13,044 111 2,191 神奈川県 8,967 73 2,416 ギリシャ 11,128 108 131,957 ノルウェー 5,043 63 323,787 ポルトガル 10,608 92 92,212 シンガポール 5,412 54 714 スウェーデン 9,571 115 450,295 東京は、人口的には一国家となってもおかしくないだけの規模を有している
わが国の出生数の推移
わが国の出生率の推移 1.46 in 2015 1.42 in 2014
From The Telegraph (English Newspaper) Nowadays, Korea has experienced significantly decreased birth rate phenomenon. at 1970, more than one million babies were born in Korea. After that, Annual birth number has been decreased abruptly to 435,000 in 2006. From The Telegraph (English Newspaper)
周産期死亡率の国際比較
わが国の妊産婦死亡数の推移
妊産婦死亡率の国際比較
東京都の出生数推移 (全国)
都道府県別 出生数の変化率 (2000年ー2015年)
東京都の出生数の推移
出生数の減少している地域 2005年ー2015年
出生場所の推移
分娩施設の現状 2012年 都道府県別 出生場所別 出生割合 分娩施設の現状 2012年 都道府県別 出生場所別 出生割合 地域による分娩取扱の病診比率の大きな幅を考慮した制度設計が必要