厚生白書 人口減少社会の到来と少子化への対応 971221 波多野宏美
出生数と合計特殊出生率の推移 資料:厚生省大臣官房統計情報部 「人口動態統計」
戦後1回目の出生率低下 第1次ベビーブーム(1947~1949)の後から下がる 有配偶出生率の低下によるもの 多産少死→少産少死へ人口構造転換の終了 子どもをたくさん産むことに経済合理性があった 多くの兄弟姉妹に囲まれながら育つ家族の姿は、人口転換期の世代に特有である
戦後の出生率安定期 1950年代半ばから1970年代半ばまで この時期の社会状況 男女の固定的役割分業の徹底 総人口の増加 若年労働力の増加、経済の高度成長 日本型雇用慣行の普及 郊外住宅地の形成 核家族化、専業主婦化の進行 高等教育の普遍化 高等学校等への進学率 51.5%→91.9% 大学、短期大学等への進学率 10.1%→37.8% 男女の固定的役割分業の徹底 「男は仕事、女は家庭」
戦後2回目の出生率低下 1970年代半ばを過ぎた頃から下がる 晩婚化の進行(年齢別未婚率の上昇)によるもの 既婚女性の就業率の上昇 女性(25~29歳) 1975年の20.9%→1995年の48.0% 約2.3倍上昇 男性(30~34歳) 1975年の14.3%→1995年の37.3% 約2.6倍上昇 既婚女性の就業率の上昇
少子化がもたらす経済面の影響 労働力人口の減少 経済成長の制約 現役世代の社会保障給付にかかる負担の増大 現役世代の手取り所得の低迷 6787万人(1997年) 約6260万人(2025年)予測 経済成長の制約 現役世代の社会保障給付にかかる負担の増大 18.5%(1995年度) 29.5%~35.5%(2025年度)予測 現役世代の手取り所得の低迷 勤労者一人当たり手取り所得伸び率 0.3%減(2025年度)予測
少子化がもたらす社会面の影響 家族形態の多様化 子どもの健全な成長への影響 住民に対する基礎的なサービス提供の困難 親の過保護、過干渉 異年齢の子ども同士の交流機会の減少 住民に対する基礎的なサービス提供の困難 65歳以上人口割合が3割を超える市町村数 1995年 1割程度→2025年 約6割程度 国土資源管理等の役割が維持できない 環境保全、防災、食料生産力の確保等の問題
21世紀には 人口は、2007年に頂点を迎えた後、減少すると予測されている 老年人口は、総人口が減少した後も増加する 老年人口割合 現在 1億2600万人 2050年 約1億人 2100年 約6700万人 60万人ずつ人口が減少しつづける時代になるだろう 老年人口は、総人口が減少した後も増加する 1828万人(1995年) 3245万人(2050年)予測 老年人口割合 15.7%(1997年) 32.3%(2050年)予測
人口減少社会への対応 人口減少時代に適合した社会の枠組みにする 就業意欲と能力を持つ人が、生活環境に応じた働き方ができるようにする 企業の活力や競争力、個人の活力を維持できるようにする 社会保険制度の世代間の給付と負担の公平を図る 地方が責任を持てる行政体制を整備し、地域社会への住民参加を推進する 子どもの独創性や社会性を養う