2-1 世界・日本の動向 地球がおかしくなっている?① 大阪市 さて、この生きものを知っていますか? 2-1 世界・日本の動向 大阪市 地球がおかしくなっている?① さて、この生きものを知っていますか? ホッキョクグマとペンギンです。ホッキョクグマは北極海の氷の上で暮らしています。なんだか困っているようですね。 どうしたんでしょうか。 ホッキョクグマが生活するうえで、とても大切な氷の大地が最近少なくなってきています。
2-1 世界・日本の動向 北極海の氷の減少 1979年9月 2007年9月 地球がおかしくなっている?② 大阪市 2-1 世界・日本の動向 大阪市 地球がおかしくなっている?② 北極海の氷の減少 これは、北極海の氷の様子です。 水色が氷の部分ですね。 左側は1979年9月の氷です。真ん中にありますね。そして、約30年後の2007年9月が、右側です。 ずいぶん小さくなっていますね。 この年の氷の面積は観測史上最小となりました。これではホッキョクグマも住みづらいですね。 1979年9月 2007年9月 写真提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
山でも 2-1 世界・日本の動向 地球がおかしくなっている?③ 大阪市 1941年 W. O. Field, B. F.Molnia 2-1 世界・日本の動向 大阪市 地球がおかしくなっている?③ 山でも 1941年 その他、このようなことも世界では起こっています。 これは、氷河の写真です。 寒いアラスカのミューア氷河の写真ですが、左上は1941年のものです。 白く見えるのが氷河ですが、一帯が大きな氷河になっています。 右下がそれから約60年ほどたった写真です。 奥の方まで後退して手前は湖になっているのがお分かりいただけると思います。 W. O. Field, B. F.Molnia Muir Glacier Pair Glacier Photograph Collection. Boulder, Colorado USA National Snow and Ice Data Center/World Data Center for Glaciology 2004年
島でも 島でも 2-1 世界・日本の動向 地球がおかしくなっている?④ 大阪市 2-1 世界・日本の動向 大阪市 地球がおかしくなっている?④ 島でも 島でも 寒いところだけではありません。 暑い南の島でも変化が起こっています。 これは、赤道に近い島国、ツバルのフナフチ島の写真です。 左上の写真の奥に見える建物は、 右下の写真のように、海面が上昇したために水につかってしまっています。 © shuuichi endou / Tuvalu Overview
海でも 2-1 世界・日本の動向 地球がおかしくなっている?⑤ 大阪市 1994年 写真提供:阿嘉島臨海研究所 1998年 2-1 世界・日本の動向 大阪市 地球がおかしくなっている?⑤ 海でも これは海の中です。 左上はサンゴ礁ですね。たくさんの魚がいます。 豊かな海だということがわかります。 そして右下ですが、サンゴが白くなっていることがわかりますね。 これは死んでいるのです。 原因は海水の温度の上昇です。 1994年 写真提供:阿嘉島臨海研究所 1998年 出典:全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/)
2-1 世界・日本の動向 地球の平均気温上昇の予測 大阪市 出典:大阪市環境局資料(エコして得して役に立つ) 2-1 世界・日本の動向 大阪市 地球の平均気温上昇の予測 国際的な専門家でつくる組織によって、将来的にどのくらい気温が上昇するか?という予測が行われました。 その結果、2100年までに、平均気温が2.4~6.4℃上昇すると予測されています。 では、日本はどうなのでしょう。 出典:大阪市環境局資料(エコして得して役に立つ)
2-1 世界・日本の動向 日本の年平均気温の変化 大阪市 出典:気候変動監視レポート2010 これは、日本の年平均気温の変化です。 2-1 世界・日本の動向 大阪市 日本の年平均気温の変化 これは、日本の年平均気温の変化です。 最近100年間で約1℃上昇してます。 世界では0.6℃あがったといわれていることを考えると、それ以上に日本は暑くなっているということです。 これ以上暑くなると大変ですよね。 出典:気候変動監視レポート2010
2-1 世界・日本の動向 地球温暖化の影響 大阪市 2-1 世界・日本の動向 大阪市 地球温暖化の影響 地球温暖化の影響として、国際的な専門機関であるIPCCの第4次報告書のごく一部を御紹介しておきます。 気候変動については、過去100年間で0.74℃の気温上昇がみられます。また、将来予測については21世紀末までのいくつかのシナリオを想定しており、一番少なく見積もっても1.1℃の気温上昇が予測されています。 海面上昇については、18~59㎝上昇すると予測されています。 そして、強い熱帯低気圧が増えることも予測されています。2005年に、アメリカに上陸したハリケーン「カトリーナ」では、1800人を超える死者がでましたが、今後はこういった被害が増えるかもしれません。 また、海洋・陸地ともCO2の吸収量が減少するとともに、海洋が酸性化し生物に悪影響を与えます。 こういったことで、私たちの健康にも影響があると考えられます。
2-1 世界・日本の動向 地球温暖化の影響(大阪湾の海面上昇) 大阪市 2-1 世界・日本の動向 大阪市 地球温暖化の影響(大阪湾の海面上昇) これは、大阪市を中心とした大阪湾に面する地域の地図です。 青い部分は海、緑は陸地です。 ではこの水色は? この部分は、もし海面が1m上昇した場合、どのあたりまでが水につかるかを示しています。 新大阪駅や尼崎のあたりまで水没すると考えられています。 出典:全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/)
2-1 世界・日本の動向 地球温暖化の仕組① 大阪市 それでは、地球温暖化の仕組の説明に移ります。 2-1 世界・日本の動向 大阪市 地球温暖化の仕組① それでは、地球温暖化の仕組の説明に移ります。 大気中の温室効果ガスの量が適度なら、地球全体の気温は程よく保たれ、生き物が生きやすい環境になりますが、温室効果ガスが増えすぎると熱が余分に残るので地球全体の気温が上がってしまいます。
2-1 世界・日本の動向 地球温暖化の仕組② 大阪市 では、なぜ大気中のCO2が増えてしまうのでしょう? 2-1 世界・日本の動向 大阪市 地球温暖化の仕組② では、なぜ大気中のCO2が増えてしまうのでしょう? それは、CO2の排出量と吸収量のバランスがとれていないからです。 人間の様々な活動によるCO2の人為的排出量は、年間約264億トンといわれています。 一方、CO2は、森林や海に吸収されますが、そういった自然の吸収量は年間114億トン程度です。 現状では、排出量が吸収量の約2.3倍となっており、この差の分、大気中にCO2が蓄積されていくわけです。
2-1 世界・日本の動向 燃料使用と大気中の二酸化炭素濃度の推移 大阪市 2-1 世界・日本の動向 大阪市 燃料使用と大気中の二酸化炭素濃度の推移 ご覧いただいているのは、大気中のCO2濃度とエネルギー消費の歴史的な推移です。 地球温暖化は、産業革命以降進んでいるといわれています。この産業革命以前のCO2濃度は、約280ppmでした。長らくこの水準でCO2の濃度は安定していたのですが、産業革命以降CO2濃度は上昇し、1995年から2005年間の平均では、年間1.9ppmずつ増加し、現在では、36%も多くなって380ppmになっています。 これは、19世紀以降、石炭や石油などの化石燃料を大量に燃やしてエネルギーとして使うことで、大量のCO2を排出するようになったからです。
2-1 世界・日本の動向 二酸化炭素排出状況(国別) 大阪市 2-1 世界・日本の動向 大阪市 二酸化炭素排出状況(国別) それでは、現在の国別の二酸化炭素の排出量を見てみましょう。 一番多いのは、中国、2番目はアメリカ、3番目がロシアとなっています。いずれも、人口も面積も多い国です。 日本は、4%で、5番目です。 出典:全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/)
2-1 世界・日本の動向 一人あたりの二酸化炭素排出量(国別) 大阪市 2-1 世界・日本の動向 大阪市 一人あたりの二酸化炭素排出量(国別) 日本は国全体では、世界で5番目でしたが、国民一人あたりの排出量で見ると、4番目にあがっています。 一番多いのは、アメリカで、2番目がロシア、3番目がドイツです。日本の一人あたりの二酸化炭素排出量は、中国の約2倍、アフリカ諸国の合計に対しては約9倍の排出量となっています。 資料:全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)設立 2-1 世界・日本の動向 大阪市 世界の取組① 1972年 ストックホルム会議 1988年 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)設立 1992年 地球サミット(ブラジルのリオデジャネイロで開催) 次に世界の国々は、これまでどういった取組を行ってきたのか見てみましょう。 まず、1972年のストックホルム会議です。世界で最初の環境をテーマにした国際会議がひらかれました。 1988年に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が設立され、各国の研究者が地球温暖化問題について話し合いをはじめました。これまでに、その研究報告書を4回出しています。 次に、1992年のブラジルのリオデジャネイロで開催された、地球サミット、いわゆるリオサミットです。 ここでは、持続可能な開発の実現のための具体的方策が話し合われました。 世界の国々が協力して、地球温暖化に取り組むための約束をしました。
気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)京都で開催 2-1 世界・日本の動向 大阪市 世界の取組② 1997年 気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)京都で開催 2002年 リオ+10 2012年 リオ+20 続いて、1997年の気候変動枠組み条約第3回締約国会議です。 コップスリーと呼ばれていますが、京都で開催され、先進国を中心に世界の国々の代表によって、温室効果ガスを減らすための話し合いが行われました。 2002年には、先のリオサミットで決めた、「アジェンダ21」の実施状況を調べました。 「アジェンダ21」とは、21世紀に向けて持続可能な開発を実現するための具体的な行動計画 のことです。 2012年の6月には、1992年のリオサミットから20年経ることを機に、ブラジルのリオデジャネイロで国際会議が予定されています。 リオサミットで採択された「アジェンダ21」及び、2002年にヨハネスブルグサミットで開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議」で採択されたヨハネスブルグ実施計画の実施状況の確認、持続可能な開発に向けて残されている課題の検討、それらの課題の克服に向けた新たな世界的な取り組みの構築等が議論される予定となっています。
2-1 世界・日本の動向 日本の二酸化炭素の排出状況(部門別) 大阪市 出典:平成23年版環境白書 2-1 世界・日本の動向 大阪市 日本の二酸化炭素の排出状況(部門別) 続いて、日本国内の現状です。部門別の二酸化炭素排出量を見ると、一番多く二酸化炭素を出しているのは、産業部門ですが、年々減ってきています。運輸部門も一時期は増えていましたが、現在は減少傾向です。 一方、業務部門も1990年に比べると増加しています。 また、私たちが直接関係している、家庭部門も同様に1990年に比べると増えています。 日本全体の二酸化炭素排出量を下げるためにも、私達は行動を起こさなければなりません。 出典:平成23年版環境白書
2-1 世界・日本の動向 二酸化炭素の排出状況(日本、家庭) 大阪市 2-1 世界・日本の動向 大阪市 二酸化炭素の排出状況(日本、家庭) 一方、家庭部門のエネルギー別の二酸化炭素排出量を見てみると、電気からが一番多く、2番目がガソリンとなっており、この2つをあわせると、約70%となっています。 家庭部門の地球温暖化対策は、この2つのエネルギーをいかに少なくできるかが鍵だということがわかります。 出典:全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/)
2-1 世界・日本の動向 大阪市 日本の取組① 国は、現在、「チャレンジ25キャンペーン」として、CO2削減に向けた具体的な行動を提案し、その実践を広く国民の皆様によびかける運動を展開中です。取組を促すために、エコポイントなども実施しているのはご承知のとおりです。
2-1 世界・日本の動向 大阪市 日本の取組② 「チャレンジ25キャンペーン」では、6つのチャレンジごとに、国民に実行してもらいたい具体的な「25のアクション」をまとめています。 温室効果ガス排出量25%削減には、身近な日々の暮らしの中で、私たち一人ひとりの実践が非常に重要です。家庭、地域といった、私たちの身近な生活の中から、一緒に行動することが大事です。 6つの具体的な内容は、 ①エコな生活スタイルを選択しよう ②省エネ製品を選択しよう ③自然を利用したエネルギーを選択しよう ④ビル・住宅のエコ化を選択しよう ⑤CO2削減につながる取り組みを応援しよう ⑥地域で取り組む温暖化防止活動に参加しよう です。
●私達の行動が対策に必要(地域の取組が重要) ●都市の形態に応じて、低炭素社会(持続可能な社会)を構築する 2-1 世界・日本の動向 大阪市 世界・日本の動向のまとめ ●私達の行動が対策に必要(地域の取組が重要) ●都市の形態に応じて、低炭素社会(持続可能な社会)を構築する 地球が暑くなってきており、さまざまな影響が出てきています。何もしなければ、2100年には今より6.4℃も気温が上昇するといわれています。 私達の行動が対策に必要となっています。また、地域ごとの取り組みが重要です。 つまり、都市の形態に応じて、低炭素な社会、すなわち持続可能な社会を構築していくことが重要といえます。 この講座の説明はこれで終了です。 お疲れ様でした。