フィルター利用 対象物は何か? 細胞をフィルターにかけるという従来技術は? どういった点で勝てそうか?夢ある応用は? フィルターをかける対象物 ウィルスなど:直径30~50 nmの粒子 タンパク質(例:ヘモグロビン):直径6.4 nm ミトコンドリア:1 mm リボゾーム(タンパク質合成の起こる所)の直径:20 nm DNAの直径:2 nm ・ ・
フィルターという概念の従来技術(ナノピラー構造体) 名古屋大学化学・生物工学専攻 馬場教授(図1参照) 直径80nm~200nm、高さ600nm~5000nmの柱(ナノピラー)を数100nmの等間隔で マイクロチャネル内に林立させた構造(X線フォトリソとホットエンボシングとの融合により作製) →DNAチップ上の流路内に上記の構造体を配置して、効率的な特定DNAの抽出を試みている (プロジェクトとして、京都大学 田畑先生も参加されていました) 図1 ナノピラー NEC 2002年のμTASにおいてシリコン上にピラー型ナノフィルタを形成したナノデバイスを発表。 DNA/タンパク質の分離を狙ったもので、動作原理は分子サイズが大きいものほど高速に 移動するという基本原理である。 構造は直径150 nmの円柱を100 nmの間隔で切り、50 nmピッチのピラー型フィルタ →ttp://www.labs.nec.co.jp/Topics/data/r021105/index.html
ナノピラー構造体を利用したその他の応用例 日立製作所 ナノピラー構造を有するシートを細胞培養として用いている。この場合の利用としては、 細胞よりも微小なナノピラー構造体を形成することで、細胞が下地から剥離しやすいという 点を利用している。この発想は、蓮の葉を応用して、撥水性を向上させるという概念に似ている。 →ttp://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2005/02/0224.pdf 平面的なフィルーとしての例 米Algonide社 直径2 nmのアルミナのファイバーでフィルターを形成している。 アルミナがプラスに帯電しているために、ウィルスやバクテリアを効率よく吸着除去させて、 内毒素,DNA,RNA,電気的にマイナスを帯びたたんぱく質やナノレベルの無機及び 有機超微細粒子を濾過可能。 構造体の特徴は図2を参照。 図2 アルミナファイバーのフィルター AlOOH, 2~4 nm dia., アスペクト比 >100 (株式会社 ニューメタルス アンド ケミカルスより引用)
どういった点で勝てそうか? ナノピラー構造体としては、等間隔および同じ大きさの構造体が配置されているという印象。 →無秩序に配置させた独自の構造体だからこそ勝てるポイントがあるのでは? 調査した結果より、平面的なフィルターよりもナノピラー構造をアレイ配置で平面的に 用いる技術の方が多い。 →平面的フィルターに入り込むチャンスがあるかも?
・ ・ ・ + フィルターとしてDNAチップ流路に 組み込む。 金属組織を金型として複雑形状の樹脂成型品を作製→ 樹脂で形成した流路 ・ ・ ・ 樹脂成型した平面的なフィルターを介す 樹脂 +