つながりマップサポーター 養成講座に参加して つながりマップ作成方法を学ぶ まちづくり委員 清水 忠雄
行政の行う地域包括ケアシステムとは 1.2面性 (1) 医療・介護・介護予防・住まい・日常生活支援を包括的に確保するという視点は、くらしを支えるという医療福祉生協の認識と一致する (2) 一方、次のような5つの問題があげられる。 ①都市部の高齢者対策から検討されたもの ②自治体間格差を前提としている ③医療・介護・生活支援におけるマンパワーの確保があいまい ④医療・介護従事者の負担を前提としている ⑤公的負担の軽減策という側面を持っている
2.医療・介護一体改革の下での事業者の選別 2014年の診療報酬改定、2015年の介護報酬改定、2018年の 医療介護報酬同時改定等を経て2025年向けての動きが進む。 医療・介護事業者のグループ化や、地域の医療介護事業者の 機能・役割が決められ、 医療福祉生協の医療・介護事業の存続の危機の可能性もある。
医療福祉生協の地域包括ケアとは 医療福祉生協は「地域まるごと健康づくり」に取り組み、 地域包括ケアは次の4つの視点を持つ。 都市部の高齢者だけでなく地方の課題にも対応している。 (2) 社会保障制度の充実をめざす活動と一体のものである。 (3) 組合員の自主的活動を基本としている。 (4) 地域連携を大事にしている。 医・福・食・住の事業を通じ 全国どこでも安心して暮らし続けられる地域を作ること、 効率的なシステムから漏れる人々の暮らしを、制度の充実を求めつつ 協同の力でささえること
つながりマップ研修会 なぜ、つながりマップサポーター養成なのか 誰もが安心して暮らし続けられる地域を作るためには、くらしを支えあう つながりを広げることが必要。 医療福祉生協は、2015年度の全国の医療福祉生協の中心テーマとして 「協同の力でいのち輝く社会をつくる」 を掲げている。(医療福祉生協の2020年ビジョンにも掲げられている。)
医療福祉生協の地域包括ケアをすすめる重点課題として 3つの「つくろうチャレンジ」をすすめる。 (ⅰ)地域を見える化するために「つながりマップ」作りをすすめる (ⅱ)居場所づくりは安心づくり(サロン、たまり場つくり) ○だれでも気楽に安心して寄れる居場所を事業所、地域につくる ○ボランティアを増やす ○くらし助け合い・支え合いの事業(活動)を広げる (ⅲ)健康で安心してくらし続けられるまちづくり(支部つくり) ○生活圏域(小学、中学校区)での支部づくりをすすめる
1.医療福祉生協のつながりマップ (1)つながりマップとは? 医療福祉生協のつながりマップ つながりマップ(組合員活動版) ・地域資源リスト ・つながりマップ ・つながりつくろう宣言シート (2) 事業連携マップ(事業所版) (1)(2)を合わせて「医療福祉生協のつながりマップ」と呼ぶ。
つながりマップは、 地域全体が暮らしやすいものとなるように、地域の現状を知り、私たちができること、他の組織や人々と連携できることを「見える化」すること。 つながりマップは、 支部(組合員活動)と事業所(事業所活動)の両者が取り組み、活動を重ね合わせることで、医療福祉生協が地域でどんな組織や人とつながりを持っているかを「見える化」する。
マップをもとに、 地域にある資源を知り、何が足りないか、医療福祉生協で事業化 できることはないか、他の組織との協力はできないか。 これらを考え具体化する。 目的はあくまで、地域で暮らしを支えるために自分たちでできることを 創り出し、様々なつながりを広げる行動を起こすこと。
2.つながりマップ(組合員活動版)の作り方 (1)最初にすること ①マップ作製の範囲を決める 中学校区、小学校区、支部活動範囲、クリニックを中心に など。 ②マップのテーマを決める。 居場所づくり、助け合いづくり、孤立を防ぎ孤立死をなくすまちづくり、 認知症になっても住み続けられるまちづくり、子育て支援、 高齢者にやさしいまちづくり、社会保障を充実させる運動、自治体との連携 等
(2) 3つのステップ ① 地域資源リスト マップのテーマに沿って、地域にある資源リスト (公共施設、交通機関、テーマに関係ある人材 等 「医・福・食・住」 に関するもの)を作成する。 資源には、支部の運営委員、班長、支部が行う機関紙手配り網や 健康チェック開場や班会なども含む。 地域資源チェックリスト例
② 地図で場所を確認し、(簡略)地図に資源を書き込み、支部とのつながり(連携関係)がある組織や人、活動の範囲などを矢印や囲み線などで表す。 (目に見えないつながりの「見える化」) マップを見て、組合員活動が空白の地域や利用できるサービスが少ない地域などを確認する。 支部でできること、事業所と協力して取り組みたいこと、つながりを作りたいと思う(組織や人)はどこかを検討し、点線矢印などで分かるようにする。 (「未来のつながり」の「見える化」)
③ つながりつくろう宣言シート マップをもとに、支部が取り組むことを整理する。 居場所づくりや見守り活動など、自分たちができること・実現したいことや、 つながりたい対象(組織や人)とはどうしたらつながりができるか を話し合い「宣言」する。 優先順位や実施時期を決めて取り組みを開始、 つながりマップ運動のスタート。
つながりマップ作りの実際 課題Ⅰ 地域資源リストをもとにマップを作る。 地域資源リストを実際の地図に書き込み、場所を確認する。 地域資源リストを実際の地図に書き込み、場所を確認する。 実際には、地元の組織と組合員が携わるので、 医療生協関連施設や支部の運営委員、班長、 支部が行う機関紙手配り網や健康チェック開場や班会場所なども 確認できる。
それをもとに、(簡略化した)地図に必要な資源リストを書き込み、 現在のつながりも書き込む。 例えば、班会を中心に班会メンバーとのつながりを矢印で表したり、囲んだりする。 また、いろいろな形を用いてわかりやすく工夫するのもよい。 作業風景1 作業風景2 記入例
課題Ⅱ.「つながりつくろう宣言シート」を作るための準備 ○作成したつながりマップをもとに、テーマに基づいたそれぞれのつながりと、 そこから考えられる今後つながりたい相手(もしくは、行うことがよいこと) を考える。作業はつながりつくろう宣言シートを用いて進める。 ○資源リストを参考に、参加者それぞれが、医・福・食・住の項目に従い、 作業を進める。医・福・食・住に含まれないと思える場合は、新たに項目を 追加してよい。 作業を進めるために
[1] つながり宣言シートの「今あるつながり」と 「これからつながりたい相手」を記入する。 [1] つながり宣言シートの「今あるつながり」と 「これからつながりたい相手」を記入する。 a)個人作業(次で考えたことを、付箋1枚に1つ書きだす。) (1)医療・福祉・食・住まいの各分野について「今あるつながり」を 3つ以上考える。 (2)医療・福祉・食・住まいの各分野について「これからつながりたい相手」 を3つ以上考える。
b)グループワーク ○各自の書いた付箋を、「医療・福祉・食・住まい」のそれぞれについて 出し合い、類似性や親和性によって、直感的にグループ化する。 まとまらないグループは1グループとする。 ○グループ内容を要約するタイトルをつける。グループ同士の 関連性があれば、その関係を示す線を引く。 作業例
[2] つながりつくろう宣言シートの「どう実現するか」を記入する。 [2] つながりつくろう宣言シートの「どう実現するか」を記入する。 a)個人作業(付箋への書き出し) 医療・福祉・食・住まいの各分野について、 これからつながりたい相手とつながるための実現方法を考える。 3つ以上出す。 b)グループワーク 各自が書いた付箋を、医療・福祉・食・住まいごとに出し合い、 検討する。 記入したつながりつくろう宣言シート
[3] 出された意見をまとめる。 「テーマ実現のために、どんな相手とどのようにしてつながりを 作っていくか」のストーリーを話せるようにグループで確認する。 課題Ⅲ.「つながりつくろう宣言シート」を作る ・課題Ⅱで考えたことをまとめる。 ・まとめたものを「つながりつくろう宣言シート」に記載
・つながりをつくりたい同士を、つながりマップに点線で書き込む。 つながりマップ作成例1 つながりマップ作成例2 つながりマップ作成例(佐賀県医療生協・徳島健康生協)
医療福祉生協の提案 「つながりマップ」運動を全ての生協で取りくみましょう 「つながりマップ」運動のスケジュール 「つながりマップ」は「2020ビジョン」を実現するために必要な手立てを考えるためのツールとして活用されるべきもの。 「2020ビジョン」そのものは来るべき2025年見越したありたい姿を現したものだが、そのありたい姿になるために、その前の年から近づけていく必要がある。 そこで、当面は2016年末を1つの区切りとして、「つながりマップ」を活用したありたい姿への前進を呼びかけます。
ご清聴ありがとうございました。