小学校プログラミング教育の 展開のポイント 講義3 小学校プログラミング教育の 展開のポイント では、次に小学校プログラミング教育の展開のポイントについて説明する。 兵庫県版プログラミング教育スタートパック構築事業
小学校プログラミング教育の展開のポイント ① Q&A ② 実践事例 ③ 兵庫県版プログラミング教育 スタートパック ④ 参考となる資料やサイト まず、小学校プログラミング教育について、よく聞かれる質問・疑問と、その回答、関連する実践事例について。 また、今年度、県教委が作成をすすめている「スタートパック」の概要を紹介する。 次に、小学校プログラミング教育に関する有益な参考資料やサイトを紹介する。
小学校プログラミング教育 Q&A Q1 学習指導要領に例示されている算数・理科・総合的な学習の時間だけでプログラミング教育を実施するのか? 小学校プログラミング教育 Q&A Q1 学習指導要領に例示されている算数・理科・総合的な学習の時間だけでプログラミング教育を実施するのか? Q1 学習指導要領に例示されている、5年算数・6年理科・総合的な学習の時間だけで、プログラミング教育を実施すればいいのか? 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q1 学習指導要領に例示されている算数・理科・総合的な学習の時間だけでプログラミング教育を実施するのか? 小学校プログラミング教育 Q&A Q1 学習指導要領に例示されている算数・理科・総合的な学習の時間だけでプログラミング教育を実施するのか? A1 多様な教科・学年・単元等で取り入れる。 各教科等とは別に取り入れることも可能。 A1 文部科学省の手引きでは、例示している単元はもちろんのこと、多様な教科・学年・単元等で取り入れることが求められている。 また、各教科等とは別に取り入れることも可能であるとされている。 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q2 A・B分類と、C分類のちがいは? 小学校プログラミング教育 Q&A Q2 A・B分類と、C分類のちがいは? Q2 小学校プログラミング教育の分類にある、A分類とB分類の違いがよくわからない。 また、C分類がよくわからない。 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
B 例示はないが、各教科等の内容を指導する中で実施 教育課程内のプログラミング教育 A 学習指導要領に例示されている単元等 B 例示はないが、各教科等の内容を指導する中で実施 C 各教科等とは別に実施 D クラブ活動など 教育課程外のプログラミング教育 文科省は小学校プログラミング教育を、A~Fの6つに分類している。 このうち、教育課程外のEとFは説明を省略する。 D分類とは、クラブ活動など、特定の児童を対象として実施するものである。 E 学校を会場 教育課程外のもの F 学校外でのプログラミングの学習機会 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q2 A・B分類と、C分類のちがいは? A2 A 学習指導要領に例示されている単元等 小学校プログラミング教育 Q&A Q2 A・B分類と、C分類のちがいは? A2 A 学習指導要領に例示されている単元等 A分類とB分類の違いは、学習指導要領に例示されているか、いないかが異なるだけである。 一方、C分類は、各教科等に位置づけるものではない。 B 例示はないが、各教科等の内容を指導する中で実施 C 各教科等とは別に実施 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A A 例示あり 「プログラミング的思考」の 育成 ・プログラムのよさ等への気付き 小学校プログラミング教育 Q&A A 例示あり 「プログラミング的思考」の 育成 ・プログラムのよさ等への気付き ・コンピュータ等を上手に活用しようとする態度の育成 B 例示なし そのため、C分類は、小学校プログラミング教育の3つのねらいの1つ、「③各教科等の学びをより確実なものにする」、ことをねらいとしない。 では、C分類では、どのような学習を想定しているのか。 C 各教科等とは別に実施 各教科等の学びを深める 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A C分類の例 ① プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材で、プログラミングを体験 小学校プログラミング教育 Q&A C分類の例 ① プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材で、プログラミングを体験 ② 各教科等のプログラミング教育に先立って、プログラミングの基礎について学習する ③ 各教科の学習を関連させて具体的な課題を設定する C分類の例として、文部科学省 「小学校プログラミング教育の手引き」では ① プログラミングの楽しさを味わう体験 ② 後の学習に先だって、プログラミングの基礎を学ぶ などが例に挙げられている。 この②は、たとえば、先ほどの模擬授業 6年生理科を学ぶ場合、児童がプログラムを作成する際に、先生が、ブロックの説明や、数値の変え方などをいちいち教えていたら、理科の学習にならず、プログラミングの説明で、授業が終わってしう。プログラミングブロックを並べたプログラムの作り方を事前に教えておけば、児童の思考は理科の学習に集中する。 このように、事前に教えることが、各教科の学びを円滑に進める上で、C分類として取り組む値打ちがあるため、手引きでは紹介されている。 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q3 授業を効率的に実施するため、教師が実演を示し、児童はワークシートで自分の考えを持たせる学習でよいか? 小学校プログラミング教育 Q&A Q3 授業を効率的に実施するため、教師が実演を示し、児童はワークシートで自分の考えを持たせる学習でよいか? Q3 授業を効率的に実施するために、教師がプログラムの実演をして、児童はワークシートに書くだけでもいいのか? 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q3 授業を効率的に実施するため、教師が実演を示し、児童はワークシートで自分の考えを持たせる学習でよいか? 小学校プログラミング教育 Q&A Q3 授業を効率的に実施するため、教師が実演を示し、児童はワークシートで自分の考えを持たせる学習でよいか? A3 児童がコンピュータを活用して、自らが考える動作の実現を目指して試行錯誤を繰り返す体験が重要 A3 もちろん、教師が実演し、児童はワークシートにプログラムを書いて考える授業も有効である。 しかし、児童がコンピュータを活用して、自らが考える動作の実現を目指して試行錯誤を繰り返す体験が重要であるため、文科省も、児童自身がプログラミングを体験することを求めている。小学校プログラミング教育全体をとおして、全くコンピュータを使わなかったということがないように。 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q4 算数や理科でプログラミング教育するために、総合的な学習の時間などで、プログラミング言語に習熟させる必要があるのか? Q4 プログラミング言語を習熟させる必要があるのか? 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q4 算数や理科でプログラミング教育するために、総合的な学習の時間などで、プログラミング言語に習熟させる必要があるのか? A4 必要に応じ、あらかじめプログラミングを体験させ、慣れ親しませることは有効。ただし、それのみで学習が簡潔しないように。 A4 小学校プログラミング教育は、児童がプログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得したりすることをねらいとするものではない。 しかし、たとえば、5年生算数「正多角形」の学習を行う際に、効率的に授業を進めるには、あらかじめプログラミングを体験させ、プログラミング言語や、コンピュータの操作などに慣れ親しんでおくことは、算数の学習を円滑に進めるため、有効である。 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q5 ICTが得意な教師とそうでない教師がいる。プログラミング教育をしっかりするには、どんな工夫がある? 小学校プログラミング教育 Q&A Q5 ICTが得意な教師とそうでない教師がいる。プログラミング教育をしっかりするには、どんな工夫がある? Q5 得意な教員と、得意ではない教員がいる。 得意ではない教員のため、どんな工夫があるか。 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q5 ICTが得意な教師とそうでない教師がいる。プログラミング教育をしっかりするには、どんな工夫がある? 小学校プログラミング教育 Q&A Q5 ICTが得意な教師とそうでない教師がいる。プログラミング教育をしっかりするには、どんな工夫がある? A5 プログラミングやICTに関する高度な専門性が求められるものではありません。 A5 小学校プログラミング教育は、プログラミングやICTに関する高度な専門性が求められるものではない。 本日の体験や演習で用いた、プログラミングソフトも、直感的に操作を理解できただろう。 研修会を行うと、「体験すると、それほど難しいものではなかった」という感想が多い。 このあと紹介する、文部科学省や、県教委で、実践事例や基本的な考え方などを数多く紹介しているので、参考に。 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q6 プログラミング教育では評価はどうするのですか? 小学校プログラミング教育 Q&A Q6 プログラミング教育では評価はどうするのですか? Q6 小学校プログラミング教育では、どのように評価すればいいのか。 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q6 プログラミング教育では評価はどうするのですか? A6 小学校プログラミング教育 Q&A Q6 プログラミング教育では評価はどうするのですか? A6 プログラミングで評価しない。プログラミングを学習活動として実施した教科等において、評価する。 A6 プログラミングを実施したからと言って、それだけを取り立てて評価するものではない。 プログラミングを学習活動として実施した教科等において、それぞれの教科等の評価規準により評価する。 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
小学校プログラミング教育 Q&A Q7 本日の模擬授業と同じICT環境がないので授業できないのでは? 小学校プログラミング教育 Q&A Q7 本日の模擬授業と同じICT環境がないので授業できないのでは? Q7 本日の模擬授業と同じICT環境ではない。だから私の学校ではプログラミング教育ができないのではないか。 平成30年11月 小学校プログラミング教育の手引(第2版):文部科学省
実践事例 A7 教科等のねらい、プログラミング教育のねらいに応じて多様なアプローチが可能です。 小学校6年生 理科 発電と電気の利用 小学校6年生 理科 発電と電気の利用 同じ単元でも、プログラミング教育の実践は様々である。 それぞれのアプローチで、理科の学びをより深いものにするとともに、体験をとおして「プログラミング的思考」を育んでいる。 ですから、この教材がないと、タブレットがないと、実践できないということはない。 A7 教科等のねらい、プログラミング教育のねらいに応じて多様なアプローチが可能です。
実践事例 多可町立中町南小学校 A7 教科等のねらい、プログラミング教育のねらいに応じて多様なアプローチが可能です。 小学校5年生 算数 拡大図と縮図 多可町立中町南小学校 ロボットや基板を必ず使用しないとできない訳ではない。 たとえば、学習指導要領に例示されている5年生算数「正多角形」や、提示している「拡大図・縮図」などの実践では、ICT機器としては、コンピュータのみ使用している。タブレットパソコンでなく、デスクトップやノートパソコンでも授業は可能である。 A7 教科等のねらい、プログラミング教育のねらいに応じて多様なアプローチが可能です。
兵庫県版プログラミング教育スタートパック ①指導資料 県教委では、県内の研究指定校や有識者、民間企業と連携し、「兵庫県版プログラミング教育スタートパック構築事業」を進めている。 本事業で作成する「スタートパック」とは、授業の概要、単元計画、指導案、ワークシート、授業のポイント、プログラムの見本などをパッケージにした、指導資料集である。今年中に、まず、12種類の指導資料を作成する。作成する学年や教科は、1年生の生活科、3年生音楽、5年生社会、など、できるだけ多くの学年・教科で用意する。 また、先生方の多くが、自分自身にプログラミングの経験がない。だから、紹介する指導資料は、プログラミング教育やコンピュータに詳しいからできるというものではなく、初心者でも実践可能な事例にする。
兵庫県版プログラミング教育スタートパック ②体系表 また、小学校プログラミング教育で、どんな資質・能力を育成するのかを整理した体系表も作成する。 その体系表をもとに、どの学年のどの教科等の、どの単元で、それらの資質・能力を育むのかを配列したモデルカリキュラムを作成する。
兵庫県版プログラミング教育スタートパック ③イメージ図 プログラミング教育に関する学習は、そんなに時間数も多くならないだろう。 各学年の学びが、点で終わることがなく、学びが継続し、育む資質・能力が積み上がっていくよう、カリキュラムを配列したこのようなイメージも作成する。
兵庫県版プログラミング教育スタートパック ④研修資料 また、各小学校では、来年4月スタートに向け、小学校プログラミング教育に関する校内研修会を今後も計画されているだろう。 そこで、プログラミング教育に関する研修内容をモジュール化し、各モジュールに説明スライドとシナリオを付けたものを、今年度中にみなさんに提供する予定である。
参考サイト 小学校プログラミング教育の手引き (文科省) 最後に、参考資料や参考サイトを紹介する。 最後に、参考資料や参考サイトを紹介する。 文部科学省からは、小学校プログラミング教育の手引きという冊子が発刊されている。 本日、紹介した プログラミング教育のねらいや、分類、Q&Aなどもこの冊子をもとに作成している。 文部科学省のHPからダウンロードできる。 小学校プログラミング教育を包括的にとらえるのに適しています。担当者は、ぜひ、一度、ご覧願う。
参考サイト プログラミング教育ポータル (未来の学びコンソーシアム) これは、文部科学省・総務省・経済産業省が連携して立ち上げた「未来の学びコンソーシアム」である。 2020年からのプログラミング教育必修化にむけて、 教育課程内外における取り組みや教材など、必要な情報を共有するために設立された。 多様な授業実践事例がわかりやすく掲載されているので、どんな授業があるのかイメージをつくる際に適している。
小学校プログラミング教育に関する研修教材 参考サイト 小学校プログラミング教育に関する研修教材 (文科省) 文部科学省は5月に、小学校プログラミング教育に関する研修教材を公開している。 研修教材は、映像教材とテキスト教材から構成されている。 テキスト教材は指導案や参考資料など、より詳しい内容が収録されている。 映像教材は、Youtube動画で、現在、10本の動画が公開されている。 ナレーションがついていますので、校内研修会でこのまま使用できる。 これらの資料を活用し、それぞれの学校でプログラミング教育についての校内研修を進めていただきたい。
小学校プログラミング教育の 展開のポイント 以上で、プログラミング教育を展開するポイントについての説明を終了する。 兵庫県版プログラミング教育スタートパック構築事業