秘密保全法立法過程情報公開と市民への2つのリスク

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個人情報保護講座 目 次 第1章 はじめに 第2章 個人情報と保有個人情報 第3章 個人情報保護条例に規定されている県の義務 第4章 個人情報の漏えい 第5章 個人情報取扱事務の登録 第6章 保有の制限 第7章 個人情報の取得制限 第8章 利用及び提供の制限 第9章 安全性及び正確性の確保 第 10.
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1 個人情報保護について 弁護士法人龍馬 弁護士 舟木 諒,板橋俊幸. 情報化社会 □ 個人情報保護法の概要 2003 年(平成 15 年) 5 月 23 日成立, 2005 年(平成 17 年) 4 月 1 日全面施行。 ◆成立の背景 プライバシー侵害 国際上の問題 住民基本台帳問題 個人情報漏洩問題.
1 1.制度の理解と住民説明 平成 28 年 1 月 個人番号の利用開始(申請者等に対し、各種申請書類へ個人番号の記入を求め る等) このため、窓口担当者を含め関係業務に関わる職員は、住民等からの問合せに対応できるよう、 番号制度への理解を深める必要がある。 ※ マイナンバーホームページ(内閣官房 HP.
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紋別市総務部庶務課(危機対策担当). 1 ■改正の背景 ○東日本大震災では、被災地全体の死者数のうち、高齢者の死者数が6割 ○障害者の死亡率は被災住民全体の死亡率の約2倍 要配慮者 ⇒ 高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者で、 従来は「災害時要援護者」と総称 避難行動要支援者 ⇒ 要配慮者の内、災害発生時等に自ら避難することが困難な者で、
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2013.2.13 at 弁護士会館 第一東京弁護士会 シンポジウム 新海聡(NPO法人 情報公開 市民センター 理事長)
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資料8-1 第11次大阪府鳥獣保護管理事業計画の概要
データカタログサイト『DATA.GO.JP』(試行版)における掲載データの概要
地域包括支援センター 初任者研修 定員 50名 研修 内容 土屋 幸己 H27年度 講 師 日 時 会 場 対象者 参加料 主 催 後 援
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社会保険ワンポイント情報 13号 マイナンバーと社会保険、法人番号 社会保険 法人番号 社会保険実務の留意事項
1.情報通信技術(IT)の利活用に関する制度整備検討会の概要
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秘密保全法は市民に どのような影響を与えるか
於:大阪弁護士会館 2013年6月22日(土) 介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット 共同代表 弁護士 藤 岡 毅
金沢市議会9月議会 金沢市議会議員 広田みよ.
PCT規則改正(2012年7月1日発効).
4.2 著作権の適用範囲と制限.
フランスの年金調整会議 年金調整会議は、2000年に創設された。常設の団体であり、メンバーは国会議員、経営者・労働組合の代表、専門家、国の代表である。その主たる目的は、フランスの年金制度を監視すること、年金に関連する公的政策への勧告をすることであり、専門的知識と全ての参加者による協議に基づいている。
教職員学習資料 『部落差別解消法』より学ぶ 大分県教育庁人権・同和教育課.
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ボランティア講座 「プチ・オンブズマン」 始めませんか?
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政府が目指している 秘密保全法の どこが問題か
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大分県「協育」ネットワーク協議会 (資料)*繋がろう!「私たち」*創ろう!「私たちのまち」情報提供者募集中 =大分県『協育』ポータル=
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「調査事項」 ・米国 National Security Agency の年間予算はいくらか。 ・その国家予算に占める割合は どれだけか
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行政保有データ(手続等関連)の棚卸結果概要 (平成30年3月とりまとめ)
Kinjo-Gakuin Univ. © 2007 Motohiro HASEGAWA
Situation of Japan’s corruption and Anti-Corruption Measures
別紙2 地域情報化アドバイザー派遣事業 概要 ■地域情報化アドバイザーの枠組み ■地域情報化アドバイザーの構成
6月制定の横浜市市民協働条例をめぐるラウンドテーブル
知的財産高等裁判所 の設立経緯と意義 大阪高等裁判所判事       塩 月 秀 平.
オープンデータリーダ育成研修 資料集 講義ノート:
地方公共団体のオープンデータ取組済み(※)数の推移
第2回実務者会議の議論を受けた検討 資料14 1 第2回実務者会議での議論の概要 (○:有識者意見、●:関係府省意見) 1
内部統制とは何か.
資料2 2 政府標準利用規約(1.0版)の見直し.
行政保有データ(行政手続等関連)の棚卸結果概要 (平成31年3月とりまとめ)
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秘密保全法立法過程情報公開と市民への2つのリスク 2013.4.20 at 大阪弁護士会館 大阪弁護士会 シンポジウム 新海聡(NPO法人 情報公開 市民センター 理事長)

有識者会議(H23年1月〜) 議事録作成せず。 *立法は官僚が主導 →では ・官僚が検討している法案と ・議論の中身を 秘密保全法の立法過程 開示請求 有識者会議(H23年1月〜)  議事録作成せず。 *立法は官僚が主導 →では ・官僚が検討している法案と       ・議論の中身を  情報公開請求してみよう!

秘密保全法の立法過程 請求先など ・請求先:内閣官房 内閣情報調査室 ・請求日 H24年3月26日+10月15日 秘密保全法の立法過程 請求先など  ・請求先:内閣官房 内閣情報調査室  ・請求日 H24年3月26日+10月15日  ・対象文書「秘密保全法制に関する   法令等協議、法令以外の協議」に関する文書  ・一部不開示決定    H24年5月28日(H23.8-10の資料)    H24年9月27日(H23.11-H24.3の資料)    H24年12月14日(H24.3.27-H24.4の資料)

法案・協議内容全部非公開

秘密保全法の立法過程 決定内容 (1)法案だけでなく、省庁間での議論のほとんどが法5条5号、6号で不開示 理由:国民の間に以下のおそれ  ・未成熟な情報に基づく混乱を不当に生じさせる   ・率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれる  ・今後の法案化作業に支障が及ぶなど、内閣情報室の事務の適正な遂行に支障をおよぼす

秘密保全法の立法過程 決定内容 (2)公にすることを伝達することなく諸外国の行政機関等から入手した情報も法5条3号不開示  理由「他国との信頼関係を損なうおそれやそれによって今後の調査研究に支障が及ぶ」 (3)その他課長職未満の職員や防衛省の職員の氏名(1号、3号) →名古屋地裁に提訴(H24.11.21)  開示文書 http://www.jkcc.gr.jp/menu6.html

法令協議の状況 法案の提示 内閣法制局 内閣情報 調査室 H24.4までに26回審査 意見・質問 法案の提示 回答 協議回数 調査 内閣情報 調査室 H24.4までに26回審査 意見・質問 法案の提示 回答 協議回数 調査 関係各省庁

内閣情報調査室と 協議先の機関(回数) 警察庁 25回 外務省 18回 内閣官房 12回 防衛省 11回 公安調査庁 5回 経済産業省 4回 警察庁   25回 外務省   18回  内閣官房  12回 防衛省   11回  公安調査庁 5回 経済産業省 4回  法務省    3回 海上保安庁 3回   →警察庁が熱心

1.非公開リスク 「公共の安全」を理由に特定秘密に指定 2.圧力リスク 市民にとっての 秘密保全法の2つのリスク ↓ 非公開  「公共の安全」を理由に特定秘密に指定     ↓    非公開 2.圧力リスク    市民活動への監視

1.非公開リスク 秘密保全法ができたら 現在 特定秘密指定☓ 防衛・外交・公共の安全 3号4号で☓ 5号6号で☓ 特定秘密指定+4号 ☓ 特定秘密指定+4号 ☓ 審議検討・事務事業 特定秘密指定4号 ☓      上記以外 開示○

市民活動への圧力 2.圧力リスク ・内部告発募集→そそのかし? ・「特定秘密」と知らずに得た情報を元に追及  →当局が「どこから情報を得たか聞きたい、        パソコン見せてほしい」  →内部告発者との接触の有無を監視 市民活動への圧力

秘密保全法の立法過程から見えるもの ①平成24年3月時点で法案化完了 →いつでも国会に提出できる ②できるだけ議論をさせない作為    →いつでも国会に提出できる ②できるだけ議論をさせない作為   →法案の開示による反対世論の形成に警戒    →国論を二分しかねない重要な事項に    ついては、できる限り非公開にしたい   →同じことは国家安全保障基本法や 憲法改正についても?

  忍び寄る  国家安全保障基本法案の影  平成24年7月12日 自由民主党が発表 http://www.jimin.jp/activity/news/117612.html 第3条3項(国及び地方公共団体の責務)  国は、我が国の平和と安全を確保する上で必要な秘密が適切に保護されるよう、  法律上・制度上必要な措置を講ずる。