RCはりをU字型補強した連続繊維シートによる せん断補強効果に関する検討 161007 安藤 寿勝 161129 田畑 嘉克 161144 中工 洋平
補修・補強による延命措置の必要性が重視されている 背景 ・我が国における道路橋の多くは,高度経済成長期に集中的に建設されている ・橋梁寿命を50年とすると,2010年より老朽化のため一斉に更新期を迎える ・架替えには2~3倍のコストがかかり,現在の社会情勢を考えると非常に困難 補修・補強による延命措置の必要性が重視されている 閉合型 支承 高弾性 : 鉄筋の応力負担を軽減 適応性 : 様々な形状への貼付けが可能 高強度 : 鉄筋の約10倍の引張強度 軽量 : 比重が鉄筋の1/5倍 特徴 上縁部がはく離することによって荷重低下 U字型シートのせん断補強効果を評価する手法は 未だ確立されていない 自由 端部 U字型
目的 U字型シートの貼付量を 付着面積や積層数により変化 ・せん断スパン間におけるシートの平均ひずみ の分布形状の検証 ・シートの付着面積やシート補強量比がシートの 分担せん断力に及ぼす影響の検討
実験概要
供試体概要 せん断破壊先行型
載荷方法 一点集中荷重 2400mm 高感度変位計
実験結果
荷重-変位関係
荷重-変位関係
荷重-変位関係
荷重-変位関係 シート補強量の増加によりせん断耐力は向上 補強量比一定では 耐荷性能,変形性能に違いが見られた
最大荷重における各々のシートひずみを平均化 既往の研究で示された提案モデルの検証 平均ひずみ せん断補強筋降伏 最大荷重 斜めひび割れ 初期ひび割れ
シートの平均ひずみ分布 せん断スパン中央の値が大きく,支点側,載荷点側が小さい SS35 SS70 SS35L2
シートの平均ひずみ分布 既往の研究結果と同様の傾向 SS35 SS70 SS35L2 計算値の算定精度の検証 1.25d d
シートの平均ひずみ分布 SS35 SS70 SS35L2
シートの平均ひずみ分布 モデルとの整合性に斜めひび割れの発生状況が影響
シートの平均ひずみ分布 せん断スパン間の各シートが分担するせん断力を算出 シートの付着面積やシート補強量比がシートのせん断補強効果に及ぼす影響の検討
シートの分担せん断力 SS35 SS70 SS35L2 SS35 SS70 SS35L2 12.0 17.4 17.3
シートの分担せん断力 シート貼付量を幅や積層数により変化させると,シートの分担するせん断力は異なる シートの分担せん断力の合計 (kN) 10 20 30 40 50 60 50.6 38.6 25.3 シートの分担せん断力の合計 (kN) SS35 SS35L2 SS70 約1.3倍 シート貼付量を幅や積層数により変化させると,シートの分担するせん断力は異なる 付着面積の大きいSS70は,曲げ破壊に移行するまでのせん断力を,シートにより分担した
まとめ せん断スパン中央が最も大きく,支点側,載荷点側では小さくなった.しかし,斜めひび割れがシートを貫通するか否かによってモデルとの整合性の良否が分かれる U字型シートの分担するせん断力 シート厚さと付着面積の関係により変化し,シート補強量比一定の場合,シート幅が大きい方が大幅なせん断補強効果の向上が期待できる U字型シートのせん断補強効果