計算力学技術者2級 (熱流体力学分野の解析技術者) 認定試験対策講習会 -第5章 格子生成法-

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2. 数値微分法. 数値微分が必要になる場合として、次の 2 つが考えられる。 関数が与えられていて、その微分を近似的に計算する。 (数値微分の精度が十分で、かつ、計算速度が数値微分の方が 早い場合など。) 離散的な点の上で離散的なデータしかわかっていない関数の微 分を近似的に計算する。(偏微分方程式の数値解を求めたい時.
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計算力学技術者2級 (熱流体力学分野の解析技術者) 認定試験対策講習会 -第5章 格子生成法- 計算力学技術者2級 (熱流体力学分野の解析技術者) 認定試験対策講習会  -第5章 格子生成法-

構造格子と非構造格子の特徴について,適切でないと思われる記述は次のうちどれか. 問 5-1  構造格子と非構造格子の特徴について,適切でないと思われる記述は次のうちどれか. ① 格子線が規則的な方向性をもち,かつ格子点の並びに規則的な順序付けができるものを構造格子と呼ぶ.    ② 非構造格子は格子点の並びに規則性がなく,その柔軟性のため複雑形状への適用が容易である. ③ 境界層の挙動が支配的な流れ場の粘性流解析を行う場合,境界層を精度良く計算しなければならないため,非構造格子が最適である. ④ 非構造格子を用いた解析プログラムは,リストベクトルやポインタを用いたプログラムとなる.

問 5-1 解説 構造格子 格子点の並びが規則的 計算機の主記憶内では配列として連続的にデータを格納 問 5-1 解説  構造格子 格子点の並びが規則的 計算機の主記憶内では配列として連続的にデータを格納 計算効率は高く,有限差分法や有限体積法で離散化 粘性流の解析の場合には,境界層を精度良く捉えるため,物体上に沿った格子が適切である.簡単な物体形状周りの場合,物体(境界)適合格子が用いられることが多い

問 5-1 解説 非構造格子 格子点の並びに規則性がない 自由に格子点配置を決められるので形状表現の自由度が高い 問 5-1 解説  非構造格子 格子点の並びに規則性がない 自由に格子点配置を決められるので形状表現の自由度が高い 主記憶内においては通常リスト構造データ管理 管理用のリストベクトル(補助的な配列)を必要とする メモリアクセスは間接参照となるので計算速度が遅い 正解:③ キーワード:構造格子,非構造格子,データ並び,         メモリアクセス

直交格子法の特徴として,適切でないと思われる記述はどれか. 問 5-2  直交格子法の特徴として,適切でないと思われる記述はどれか. ① 直交格子法で物体を階段状に近似する場合,物体境界付近では形状が正しく反映されないため物体近傍の予測精度が低下する. ② 物体から離れた遠方領域では格子の直交性のため,誤差の入り方が等方的であり計算精度は良い. ③ 曲線座標系のようにメトリックの計算が必要ないため,格子点あたりに必要な主記憶量と演算量が他の方法と比べて少ない. ④ 物体や界面の形状近似度を改善する方法として,カットセルなどの形状表現手法と局所的に空間格子を細分化する方法がある.  

問 5-2 解説 直交格子法 直交デカルト座標系の格子 差分法の概念とよく一致 物体から離れた空間については直交性から格子の品質は良い. 問 5-2 解説  直交格子法 直交デカルト座標系の格子 差分法の概念とよく一致 物体から離れた空間については直交性から格子の品質は良い. 特に直交等間隔格子の場合には,等方性から誤差の片寄りが少なく最適な計算格子である. 等方的でない場合には,座標変換の誤差を伴う. 適合格子(一般曲線座標系)のように変換のメトリクスが不要あるいは少ない 幾何形状をより正確に:カットセルや8 分木を用いた局所的細分化法 正解:②

格子生成方法にはさまざまな手法が提案されているが,下記の中で構造格子の格子生成法として適切なものはどれか. 問 5-3  格子生成方法にはさまざまな手法が提案されているが,下記の中で構造格子の格子生成法として適切なものはどれか. ①  マルチブロック法 ②  デローニー分割法 ③  アドバンシングフロント法 ④  ボロノイ分割法

問 5-3 解説 構造格子形成法 複雑形状に対応する方法 マルチブロック法 重合格子法 接合格子法 格子をつなぎ合わせる 接合面で情報交換 問 5-3 解説  マルチブロック法 ブロックごとに計算(境界面で情報交換) または,物体内部も格子を張り,全空間を一度に解く 各ブロック内の格子生成は容易 ブロック分けに困難が伴う場合あり 構造格子形成法 複雑形状に対応する方法 マルチブロック法 重合格子法 接合格子法 格子をつなぎ合わせる 接合面で情報交換 (以下,後述) 代数的生成法 等角写像を用いる方法 各種補間関数を用いて線分や面を作成する方法 偏微分方程式を解く方法 楕円型,放物型,双曲型 重合格子法 接合格子法 重なり領域で情報交換 物体形状が複雑になると重ね合わせる格子数増大(例: ボーイング747周りのNS計算:37格子の重ね合わせ) 移動境界も容易に適用可能

問 5-3 解説 非構造格子形成法 デローニー分割法 問 5-3 解説  非構造格子形成法 デローニー分割法  空間に任意に置かれた格子点群に対して,それらを結んだ三角形の外接円内に他のいずれの格子点も含まないような分割 ボロノイ分割法  平面内の点を,どの点に最も近いかによって分割.ボロノイ辺は,ドロネー辺の垂直二等分線である.ボロノイ領域は凸領域である. アドバンシングフロント法    領域境界から三角形要素の先端を領域内へ順次前進させていく方法. 正解:① アドバンシングフロント法(先端前進法)

問 5-4  計算格子は,形状の再現性とともにその質が重要であり,直交性,曲率,滑らかさ,密度,境界層近傍などに注意を払う必要がある.構造格子の品質に関して,次のうち適切でないと思われるものはどれか. ① 格子線に沿う方向の微分が連続であることが望ましい. ② 格子の捩れや歪みは,計算時の数値不安定性に影響する. ③ 物体近傍の最小格子幅は境界層を捉えるために重要なパラメータであるが,非圧縮粘性流れの場合には,層流平板境界層厚さである√Re が参考となる. ④ 一般曲線座標系の座標変換において,微分の近似誤差の影響を小さくするため,隣接する格子間隔の比は1.5 倍以下にとることが望ましい.

問 5-4 解説 流れの支配方程式は微分方程式:偏微分方程式を解いて求めた計算格子は微分の連続性が損なわれることは少ない. 問 5-4 解説  流れの支配方程式は微分方程式:偏微分方程式を解いて求めた計算格子は微分の連続性が損なわれることは少ない. 隣接セルとの大きさ比は1.5倍以下(1.2倍以下を推奨):急変すると離散化に伴う打ち切り誤差を増大させ,精度悪化 計算格子は現象の主要なスケールに対して十分細かくする:外部流の場合, RANSに対し:最小格子幅は一般的には層流平板境界層厚さである1/√Re を基準に,境界層内に数点から10 点ほど入るように決めることが多い. または,摩擦速度で定義されるスケールΔy+min=1~3程度にする.壁関数を用いる場合はΔy+min=30程度 DNSに対し:乱流変動の最小スケールであるコルモゴロフスケールを基準に,その数倍程度 正解:③

問 5-5  解適合格子法(Solution-Adaptive Grid) は,計算結果を基に格子点分布を最適化しながら計算する方法である.格子点を移動させるr 法と新たに格子点を追加・削除するh 法がある.また,有限要素法では要素内の精度を高次化することにより局所的に計算精度を上げるp 法も用いられる.次のうち,正しいと思われる記述はどれか. ① 構造格子ではr 法とp 法のみが適用可能である. ② 格子幅の制御関数は一意であり,物理量変化の大きさの関数となる. ③ 流体計算時における解適合は,毎時間ステップ行う必要がある. ④ 解適合は場の状況と共に応じて格子点配置を変化させるものであるため,定常流の解析には不要である.

問 5-5解説  解適合格子法 構造格子:局所的な格子点の追加や削除は不可能なため,基本的には格子点を移動させるr 法のみが用いられる.p 法に相当する要素内の高次化はMUSCL 内挿などで用いられている. 非構造格子:r, h, p 法すべて適用可能である. 解適合格子の例 格子点配置の制御:物理量の勾配の大きさだけでなく,誤差評価に基づく方法もある. 任意の時間ステップ間隔で実施できる. 新しく格子点を追加あるいは削除すると,その点の値は内挿により初期化処理される. 広い適用範囲:定常流の衝撃波や非定常的な渦の成長など 正解:①

8 分木格子について次の記述のうち,適切と思われるものはどれか. 問 5-6  8 分木格子について次の記述のうち,適切と思われるものはどれか. 8分木格子は,物体境界や解の変化に応じて必要な部分を各方向2 分割により8 分割して格子密度を上げる方法であるので,構造格子に分類される. 8 分木格子は,部分的に格子密度を高くすることができるので,物体の形状を正確に表現できる. 8 分木格子に解適合法を適用する場合,物理量分布に応じて,計算格子密度を高くするだけでなく,格子密度を粗くするともできる. ④ 8 分木格子は,直交格子にのみ適用可能な方法である.

問 5-6 解説 8 分木格子 正解:③ キーワード:八分木,解適合 2次元の例(4分木) 問 5-6 解説  8 分木格子 格子の並びはケースごとに異なり,計算機の主記憶内で配列として連続的にデータを格納することができないので,非構造格子に分類される. 格子を細かくできるが,格子の分解能と形状表現とは別問題.形状近似度を向上するためには,格子間を斜めに横切る面の取り扱いなどを考慮する必要がある. 格子を動的に細かくする操作と,結合して粗くする操作の両方が可能 曲線座標系の各基底座標方向に対しても分割が可能 正解:③ キーワード:八分木,解適合 2次元の例(4分木)

構造格子を用いて,複雑な物体形状を計算する場合に重合格子法が用いられる.重合格子法について,適切でない記述はどれか. 問 5-7  構造格子を用いて,複雑な物体形状を計算する場合に重合格子法が用いられる.重合格子法について,適切でない記述はどれか. ① 重合格子法は,流体計算の前に内挿係数を計算しなければならないため,時間と共に格子が移動する問題には適用できない. ② 重合格子においては,重合部分で情報を交換しながら各領域の計算を進めるが,この重合部分の格子密度はほぼ同程度にとるのが良い. ③ 各々の計算格子間では,厳密に保存性を満たすことは難しい. ④ 重合格子は,中心に穴をもつようなO 型格子に対しても適用できる.

問 5-7 解説  重合格子 各領域の内挿係数が求められれば,どのような格子トポロジーにも対応. 時間と共に変化する格子も可(各タイムステップ毎に内挿係数を計算) 重合格子の重合部:物理情報を相互に内挿しながら各領域の計算を進める.重合部では数値誤差を小さくするため,格子幅(格子密度)は同程度が適当 内挿には,通常線形内挿が用いられるが,保存性を考慮した内挿も提案されている.線形内挿の場合には,保存性が満たされないので,領域境界は流れの変化の小さなところにとる. 正解:①

境界適合格子(一般曲線座標系格子)における座標変換について,適切と思われる記述はどれか. 問 5-8  境界適合格子(一般曲線座標系格子)における座標変換について,適切と思われる記述はどれか. Jacobian は,三次元セルにおけるセル体積を表し,その絶対値のみが意味を持つ. 物理空間と計算空間は1 対1 の写像関係が要求される. Jacobian の定義は,計算空間から物理空間への変換として定義されなければならない. ④ 支配方程式は,座標変換された計算空間で解かれる.

問 5-8 解説 Jacobian:物理空間と計算空間のセル体積比を表し,符号は正 変換の定義は,物理空間と計算空間の双方へ可能 座標変換: 問 5-8 解説  V U v u J:Jacobian Jacobian:物理空間と計算空間のセル体積比を表し,符号は正 変換の定義は,物理空間と計算空間の双方へ可能 座標変換: 数値的に局所的な対応のみを要求 解析的な写像対応は不要 座標変換の微分項:通常二次精度中心差分で近似 支配方程式:物理空間ではなく,矩形領域に変換され格子幅が一定の計算空間で解かれる. 正解:④

構造格子における格子生成法の特徴として,適切でない記述はどれか. 問 5-9  構造格子における格子生成法の特徴として,適切でない記述はどれか. ① 代数的方法は補間関数と写像関数を用いて格子を形成する方法であり,補間関数には,ラグランジェ多項式,エルミート多項式,トランスファイナイト内挿関数などがある. ② 偏微分方程式を用いる方法には,楕円型方程式と双曲型方程式があるが,放物型方程式を用いる方法はない. ③ 複雑形状へは,重合格子,接合格子,マルチブロック法の併用がある. ④ ラプラス方程式は,格子の平滑化に利用される.

問 5-9 解説 構造格子形成法 正解:② 代数的生成法 計算領域の境界から境界に向かって内挿を行い,格子点分布を適切に決めていく方法 問 5-9 解説  構造格子形成法 代数的生成法 計算領域の境界から境界に向かって内挿を行い,格子点分布を適切に決めていく方法 対話的な操作により格子を作成するのに向く. 計算時間が少なく,格子点間隔の制御が比較的容易 複雑形状では,格子点が重なりやすいという欠点 偏微分方程式を解く方法 汎用性あり 楕円型:良く使用される.微分が連続な滑らかな格子を得る.内部流に適している.直交格子の形成が困難.反復計算を用いるため計算時間が多い.平均化の特性があり,平滑化に利用される. 双曲型:初期値問題.物体表面格子を初期値とし,離れる方向に逐次生成.外部境界格子をあらかじめ設定不可.外部流に適している.計算時間が非常に短く,直交性に優れた格子生成が可能. 放物型:外部境界から領域内部へ解き進める. 正解:②

問 5-10  下図は物体(黒い部分)とその周りの計算格子の様子を表している.境界適合格子において,物理空間と計算空間のトポロジーの組み合わせとして適切と思われるものはどれか. ①  (1)-(a) ②  (3)-(b) ③  (4)-(c) ④  (3)-(c)

問 5-10 解説  O 型格子:格子点の無駄が最も少ない C 型格子:伴流部に格子が集まり,粘性流に適する H 型格子:物体表面に沿う格子線が遠方まで伸び無駄だが,格子形成が比較的簡単,マルチブロック法に使用 L 型格子:格子形成が比較的簡単,マルチブロック法に使用

より複雑な形状では,単一の境界適合格子では形状表現困難:重合格子やマルチブロック法 問 5-10 解説  3次元問題 上述の格子トポロジーを組み合わせる 計算コストと格子形成の手間から最適な格子トポロジーを選択する より複雑な形状では,単一の境界適合格子では形状表現困難:重合格子やマルチブロック法 正解: ③ キーワード:トポロジー,座標変換

格子作成にあたり,次のうち最も適切と思われるものはどれか. 問 5-11  格子作成にあたり,次のうち最も適切と思われるものはどれか. ① 二次元円柱周りの粘性流解析を行うため,O 型格子を用い,計算対象の物理空間を周方向と半径方向とも等間隔の格子点で覆った. ② 二次元定常粘性流解析を行い,高レイノルズ数の条件で円柱に作用する平均空気力を予測する.時間変動がないので半径方向に等間隔の格子幅で計算した. ③ 二次元円柱周りの粘性流解析を行うためO型格子を用い計算格子を作成した.流れを精度良く解析する上で変動を捉える必要があるため,よどみ点付近に格子を集中させた. ④ 噴流の計算を行うため,出口付近および剪断層が位置すると予想される部分に細かい格子を配置した.

問 5-11 解説  格子生成の基本 物理量の時空間的な変化の大きな場所に格子を細かくする(微分方程式の離散化のときに,離散点は物理量の変化を十分に捉えることができるだけ十分な格子点が必要であるから) 物体形状の複雑さ(曲率)に応じて細かくする場合 物理量の変化に応じて細かくする場合 空間方向の変化(多くの場合,渦の空間スケールに対応) 時間方向の変化(多くの場合,渦の時間スケールに対応) 解適合格子を利用して格子点を細かくする場合には,閾値となる物理量勾配を指定するが,どの指標を選択するかは一意ではない ①:境界層の解像を考慮して等間隔の格子を作成すると,計算格子点が膨大になり計算不能かコスト高となるので不適切 ②:定常計算でも境界層内の速度変化を考慮するために壁近傍で十分な格子密度が必要 ③:変動の大きな場所は剥離点付近なので,格子を集中する場所が異なる ④:噴流の場合,物理量の変化の大きい部分は,出口付近と剪断層の部分 正解: ④

三次元空間の複雑な形状周りに構造格子を作成する場合に,代数的な方法がある.下記に記述のうち,適切でないものはどれか. 問 5-12  三次元空間の複雑な形状周りに構造格子を作成する場合に,代数的な方法がある.下記に記述のうち,適切でないものはどれか. 一次元の曲線上に格子点を分布させる方法として,tan,tanh,スプライン関数などで滑らかに補間する方法が利用される. 面や空間の補間には,Transfinite 補間が利用される. マルチグリッド法は,代数的格子生成の代表的な方法である. ④ 比較的簡単な形状の場合には,写像関数を用いることもある.

問 5-12 解説 代数的方法 正解: ③ 複雑な物体形状に対して試行錯誤しながら格子を生成 問 5-12 解説  代数的方法 複雑な物体形状に対して試行錯誤しながら格子を生成 一次元のストレッチ関数により,格子間隔や分割数を制御しながら線分上に格子点を配置 二次元格子:面を構成する4 辺を一次元的に分割した後,transfinite 内挿を用いて格子を作成する.transfinite 内挿に用いる混合関数により,格子密度を制御することが可能 三次元格子:6 面を作成した後,transfinite 内挿により格子ブロックを作成する.        正解: ③ transfinite 内挿の例

計算格子の作成について,双曲型偏微分方程式の特徴を述べたものは次のうちどれか. 問 5-13  計算格子の作成について,双曲型偏微分方程式の特徴を述べたものは次のうちどれか. ① 計算格子のすべての境界に境界条件を与え,境界値問題として方程式を解き,得られた解を格子点とする. ② 物体表面の格子点座標を初期値にして方程式を解き,計算空間側の外部境界に向かって解を解き進める.格子の直交性は優れるが,外部境界の形状を定めることができない. ③ 計算空間の外部境界から物体表面(内部境界)に向かって解き進め,計算格子を作成する. ④ 方程式の特徴から,計算格子の平滑化に利用される.

問 5-13 解説 偏微分方程式を用いた格子形成法 正解: ② 滑らかな格子線が得られるのでメトリックスの計算に適する 問 5-13 解説  偏微分方程式を用いた格子形成法 滑らかな格子線が得られるのでメトリックスの計算に適する 楕円型:境界値問題を解く楕円型方程式の性質を反映し,閉じた解析空間の境界を指定すると内部の値が定まる. ・ラプラス方程式は,平滑化作用をもつ. ・格子点密度の制御をするために,ソース項を付加したポアソン方程式が用いられる.ソース項の形式には様々なものが提案されている. 双曲型:格子線の直交条件とセル体積に関する条件から構成される双曲型方程式を解く.物体表面の値を初期・境界条件として与え,外部空間側へ解き進めるので,外部境界の形状は制御できない. 放物型:双曲型とは逆に外部境界を指定し,計算空間内部へと解き進める.このため,内部境界形状を指定できない. 双曲型と放物型のハイブリッドも提案されている. 正解: ②

① STL形式 ② STEP形式 ③ IGES形式 ④ ASCII形式 問 5-14 問 5-14  格子作成時の幾何形状の入力としてはCADフォーマットのファイルが利用される.以下に示すファイルフォーマットのうち,CADフォーマットファイルとして,適切でないものはどれか. ① STL形式 ② STEP形式 ③ IGES形式 ④ ASCII形式

STL形式は,主に光造形等による,ラピッドプロトタイピングシステムで使用される.現在,多くのCADシステムから出力できる. 問 5-14 解説  STL形式は,主に光造形等による,ラピッドプロトタイピングシステムで使用される.現在,多くのCADシステムから出力できる.  SPEP形式は,製品データの表現,及びその変換を規定したISOの国際標準フォーマットでISO10303(JIS B3700)シリーズ群をいう.CAD/CEMなどのシステムでのデータ交換に使用される.  IGES形式は,米国防省が主導となって策定された3次元データのANSI標準フォーマットで,自動車産業を中心に世界標準フォーマットとして使われている.  ASCII形式は,CADデータではないが,3次元の座標データをテキストファイル形式で記述したもの. 正解:④ キーワード:CAD,中間フォーマット