「土質・基礎構造」 5回目の授業 透 水 permeability 平成31年 5月13日(月) 今岡 克也.

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「土質・基礎構造」 4回目の授業 地盤内応力 平成31年 5月 6日(月) 今岡 克也.
本時の目標 いろいろな立体の表面積を求めることができる。
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「土質・基礎構造」 5回目の授業 透 水 permeability 平成31年 5月13日(月) 今岡 克也

土中の水の分類 粘土のイオン結合 表面張力 重力水と地下水は、重力に従い、 水位の高い所から低い所へ流れる

ダルシ-の法則(1856) v h v = k i = k L 水位の差 (水頭差) (層流) 流線 供試体中の水の流速 k : 透水係数 (cm/s) h L v = k i = k 供試体の長さ

透水係数 k(cm/s) と算定法

定水位透水試験法(砂) 水頭差 h が一定の状態で、 t(s)間の水の流量が Q(c㎥) ダルシーの法則

変水位透水試験法(シルト) 最初の時刻 t 1 の水頭差 h 1 で、 終了時刻 t 2 の水頭差 h 2 で、 t(s)間の水の流量が Q = a⊿h 水頭差 が下る a

原位置での揚水法透水試験 半径 r での透水断面積 A = 2πr h (㎡) 円環 d r での水頭差 d h より 速さ v (r) = k となるので d h d r 2ヶ所の観測井戸の半径と地下水位より

被圧地下水の揚水法透水試験 半径 r での透水断面積 A = 2πr D (㎡) 円環 d r での水頭差 d h より 速さ v (r) = k となるので d h d r 2ヶ所の観測井戸の半径と地下水位より D

土の粒径と透水係数の関係 Hazen(ヘーゼン) の経験式 Hazen(ヘーゼン) の実務式 Fc :細粒分含有率 Creager(クレーガー) の式

土の粒径と透水係数の関係 → 10%通過粒径などの細かい粒径で、透水係数は決まる

地盤の掘削に伴う浸透力の作用 ポンプ で排水 :水頭差 水頭差 による 浸透力 :根入れ深さ Depth of Foundation で排水  :水頭差 水頭差 による 浸透力 :根入れ深さ  Depth of Foundation 上向きの 浸透力

水頭差による上向き浸透流 h γ' L γw 深さ z での 水頭差 h(z) h(z) 限界動水勾配 i c = = = γ’AL > γw Ah

掘削に伴う ボイリング 現象 限界動水勾配 h L γ' γw i c = = 動水勾配がこれ以上 になると地盤が崩壊

掘削に伴う 盤ぶくれ 現象 地下水位    ▽ 盤ぶくれ

テルツァーギのボイリング安全率 矢板底面での安全率 Fs W :対象範囲(D f / 2× D f )の 土被り圧の有効応力の合力   土被り圧の有効応力の合力 Uw :水頭差 h/2 による浸透力 W Fs > 1.2 (建築学会の      山留め設計施工指針) Uw

演習問題〔4-1〕 ボイリング

演習問題〔4-1〕の解答 W Uw ポンプ で排水 W :(D f / 2× D f )の有効応力の合力 で排水  W :(D f / 2× D f )の有効応力の合力 W = (17.6-9.8)×D f×D f / 2 W Uw :水頭差 h/2 による浸透力 Uw = 9.8× h/2 ×D f / 2 矢板底面での安全率 Fs D f = 4 – h を代入 W Uw 7.8× D f Fs = = > 1.2 7.8×(4-h) 9.8× h/2 Fs = > 1.2 4.9× h 31.2 – 7.8 h > 5.88 h ∴ h < 2.281(m)

演習問題〔4-1〕の解答

演習問題〔4-2〕 限界動水勾配

演習問題〔4-2〕の解答 体積 V = 1000 (c㎥) とする m w = V w = 1000 - V s V w V = 1000 水 V = 1000 (cm ) 3 m s = 2.68 (g/c㎥)×V s = 1700 (g) V s 土粒子 ∴V s = 634.3 , V w = 365.7 = m w γ’= (1700 + 365.7) /1000×9.8 – 9.8 = 10.44 (kN/㎥) 深さ 30(cm)での土被り圧による有効応力   σ’= 10.44 (kN/㎥)×0.3 (m) = 3.133 (kN/㎡)

演習問題〔4-2〕の解答 9.8×0.2 0.6 土試料の単位体積当たりの浸透力 j = = 3.27 (kN/㎥) 0.6  j =       = 3.27 (kN/㎥) 浸透力を考慮した有効単位体積重量 γ’ - j = 10.44 – 3.27 = 7.17(kN/㎥) 深さ 30(cm)での浸透力を考慮した有効応力   σ’= 7.17 (kN/㎥)×0.3 (m) = 2.152 (kN/㎡)

演習問題〔4-2〕の解答

演習問題〔4-2〕の解答 h γ' 10.44 L γw 9.8 80 1.065 2) 限界動水勾配 i c = = = = 1.065 3) h = 80(cm)に変えた時の限界動水勾配での長さ L 80 1.065 L = = 75.12 (cm) 実際の長さは L = 60(cm)なので、15.12(cm)分の荷重 q が必要 q = γ’× ⊿ L = 10.44×0.1512 = 1.579 (kN/㎡)

演習問題〔4-2〕の解答