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Published byたかよし ちゃわんや Modified 約 8 年前
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小さなピカソたちの夢 本当にあった話だよ
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生まれた時から口の中に障害があったなお 君は、食べる事も話す事もうまくできない ダウン症の男の子。 赤ん坊の頃から何度も手術を受け言語指導 や手作りの絵カードや写真を使って長い年 月、訓練を続けてきましたが効果は少しも 現れず、お母さんは なお君から「お母さ ん」と呼んでもらえる日は永遠に訪れない のではないかと気持ちが暗く沈んでしまう こともありました。 パジャマで朝食の話
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そんな なお君がやっと「おかか ん」「おとったん」と言えるように なった頃、 なお君には四つ年下の元気な弟が出 来ていました。 お母さんはこの二人の男の子を障害 のある子もない子も平等に育てよう と どんな時でも同じように接してきた つもりでしたが、弟の成長があまり にも早く、 なお君が出来る事を獲得する為に一 つ一つ積み重ねてきた努力の日々を、 弟はあっという間にたやすく追い越 していったのです。 パジャマで朝食の話
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弟は小学校高学年の反抗期にさしか かった頃、学校が休みの日になると 一日中パジャマのまま過ごすように なり お母さんがいくら注意しても 「めんどくせぇ」 「どうせ夜になったらまたパジャマ 着るんだからこのままでいいんだ」 などと言い決して言うことを聞きま せんでした。 とうとうお母さんも根負けしていつ しか注意するのをあきらめてしまい ました。 パジャマで朝食の話
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そんなある日、ついに なお君まで もがパジャマのまま朝ごはんを食べ にテーブルについたのです。 一度身に着けた事はきちんと守るな お君で朝起きたら自分で着替えをし 食卓に着くのがすっかり習慣になっ ていたのでお母さんはびっくりして 「パジャマのままご飯を食べるのは 病気の時だけよ。お着替えしておい で」 すると なお君はだまって自分の部 屋へ戻っていきました。 やっぱりあの子は素直でいい子だ なぁとホッとしているお母さんのも とへ 再び現れたなお君は、なんと 別のパジャマに着替えて来たのでし た。 パジャマで朝食の話
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弟は大笑い。 でもお母さんは口では言い返せないなお君 が、弟のことは許し、自分だけ着替えをさ せられた事に全身で抗議しているように思 えて衝撃を受けたのでした。 パジャマで朝食の話
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なお君も思春期を迎え心の成長を 言葉ではなく自分なりの方法で周 りの人たちに伝えようとしている のです。 それもとびっきりのジョークで。 その日は 兄弟仲良くパジャマ姿 で朝ごはんをいただきました。 パジャマで朝食の話
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PandA-J研究所 平成25年 4月発行 小さなピカソたちの夢
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