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Published byともひろ あわたけ Modified 約 7 年前
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火山爆発災害軽減のための 支援情報のあり方について 症状監視と減災コミュニケーション (1)大規模な爆発的噴火の認知プロセスと火山情報
2 days before 1 day before 火山爆発災害軽減のための 支援情報のあり方について 症状監視と減災コミュニケーション (1)大規模な爆発的噴火の認知プロセスと火山情報 (2)火山爆発危機における規制と解除をめぐる減災課題 特定研究災害軽減A05班会議 2006年11月26日 東京日本橋ルノアール第四会議室 北海道大学理学研究院 地震火山研究観測センター 岡田弘 immediately after 1996 Komagatake Tokachi
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→→噴煙柱高度が10km以上の20世紀のわが国の主な火山爆発
規模の大きな火山爆発 →→噴煙柱高度が10km以上の20世紀のわが国の主な火山爆発 桜島 1914 駒ケ岳 1929 十勝岳 1963 爺爺岳 1973 有珠山 1977 伊豆大島 1986 三宅島 2000 地震観測 あり 函館 道東 前兆地震 なし? あり? 爆発地震 なし 噴火中地震静穏化 不明 ? 噴火微動 X? X? 記録 記録? 連続 噴火空振 噴煙推移 △ 記述情報 良好写真
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三宅島2000年噴火は、 連続空振が始めて記録され、 火山灰情報センターも機能していた、 はじめて全ての面で完璧な記述が可能な
噴煙柱を高く上げる爆発的噴火の定量化 物理量:初速、噴出率(履歴)、噴出総量、構成物質 遠隔観測量: 噴火微動:振幅、スペクトル、時間推移 連続噴火空振:振幅、スペクトル、時間変化 噴煙高度 三宅島2000年噴火は、 連続空振が始めて記録され、 火山灰情報センターも機能していた、 はじめて全ての面で完璧な記述が可能な 規模の大きな爆発的噴火だった 21世紀の次の爆発では、 過去の教訓が生かされるべし
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1929年駒ケ岳の大噴火 森港から
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朝日新聞社による(北海道防災会議1971) 1962年十勝岳の大噴火 噴煙高度は13kmに達した
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SMO1962
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1977年8月7日有珠山噴火 風上では火山灰もなく すごい!と思うだけで 恐怖感もなかった
洞爺湖温泉から最初に見た噴煙 1977年8月7日岡田弘撮影 壮瞥温泉から噴煙の絶壁を望む 1977年8月7日岡田弘撮影 1977年8月7日有珠山噴火 風上では火山灰もなく すごい!と思うだけで 恐怖感もなかった
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1997年有珠山噴火 噴煙活動の推移 火山性地震 火山性微動 Seino, 1983 噴煙高度 Katsui et al. 1978
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日本で20世紀 最大級の爆発的噴火 という認識が何故 欠けていたか? 空振記録 地震記録 世界初の連続空振 が記録された 危険な噴火だった
17:02 噴火発生 17:15 噴煙5.7km (パイロット報告) 17:20 噴火の臨時火山情報 噴煙5km以上、注意 17:29 噴煙12km以上(パイロット) 17:32 噴煙13.8km 17:44 噴煙10km(パイロット-JMA) 18:00 噴煙15km 18:38 噴煙15.5km(衛星画像) 18:45 火山観測情報 20:10 火山観測情報 22:50 火山観測情報 18:30以降に5機の 航空機が三宅島の 噴煙に遭遇した。内 2機はエンジン交換 が必要で、損害額は 1,200万ドル(約14 億円)以上。 危険な噴火だった 都道には噴石がめり 込み、こぶし大の岩 がごろごろ、牧場の 牛もたくさん死んだ。 空振記録 地震記録 世界初の連続空振 が記録された
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54年ぶりの駒ケ岳の小噴火 地震・微動記録共有の課題 1996年3月5日 駒ケ岳の小噴火 18:10 微動発生(小噴火6分間続く)
18:10 微動発生(小噴火6分間続く) 18:14 噴火微動発生中に気象台・北大・地元で情報共有 -- :-- 地元役場は独自調査で降灰確認、警戒強める 19:35 臨時火山情報①微動観測、降灰・噴火に触れず 20:55 臨時火山情報②消防によると東大沼で降灰 23:00 臨時火山情報③気象台ようやく噴火発生確認 H.Okada H.Okada 地震・微動記録共有の課題 1996年3月5日 駒ケ岳の小噴火 (岡田・宇井、1997)
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地震・微動記録共有の課題 1990年2月10日 クルート山(インドネシア) 火砕流2時間前の非公式警報で2万人が避難
(岡田、宇井、1997) 北大の観測所から事前に 気象台と現地観測班へ 噴火注意の連絡 10:00避難命令 警戒は事前に発せられたが 11:41水蒸気爆発 →12:00火砕流発生 1990年2月10日 クルート山(インドネシア) 火砕流2時間前の非公式警報で2万人が避難 上:1988年十勝岳噴火(住民避難) 下:1994年ムラピ山火砕流(64人死)
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Soufrier Hills Volcano, June 25, 1997
Three Main PF Pulses
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宿泊施設(登山客・湯治客)、オンネトー日帰り観光、観光道路、北大の火山研究施設など
雌阿寒岳・・火口から近接2km圏に保全施設 ポンマチネシリ火口 阿寒富士 ナカマチネシリ 火口 赤沼火口開口 外斜面噴火 融雪泥流発生 泥流人家接近 500m 雌阿寒温泉 2km圏 →→ 秘境の湖 オンネトー キャンプ場 登山口 登山口 観光道路 宿泊施設(登山客・湯治客)、オンネトー日帰り観光、観光道路、北大の火山研究施設など
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雌阿寒岳の火山性地震と小噴火との関係 過去34年間の月別地震数と4回の小噴火
1988 1996 1998 2006 1988 1996 1998 2006 (graph by isv, SMO data source till Oct 20, 2006)
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噴火開始前5ヶ月間および噴火開始後50日間の相互比較 全てで前兆、日時単位の予測は無理、Months~Weeksで注意
雌阿寒岳 三回の小噴火と前兆地震群との関係 役立った過去三回の小噴火経験 噴火開始前5ヶ月間および噴火開始後50日間の相互比較 全てで前兆、日時単位の予測は無理、Months~Weeksで注意
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雌阿寒岳1996年の小噴火 噴火微動発生 * * 1996年雌阿寒岳噴火は、地震で開始、 噴火微動が収まると群発地震が9時間継続
噴火翌日の96火口からの噴煙 96火口開口 地震で 噴火開始 噴火後9時間 小地震多発 防災ヘリ、H.Okada 噴火直前前兆(時・分)なし 噴火微動発生 2006年噴火も群発地震は3段階たどった * * 噴火後9時間地震多発 1996年雌阿寒岳噴火は、地震で開始、 噴火微動が収まると群発地震が9時間継続
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→2000年の噴火では、事前からのハザードマップや監視機器の整備・ 防災訓練などが役立ち、落ち着いた小噴火対応がとれた
10年前の1996年の噴火時は 風評被害が大きな課題だった R Oct 3, 1996 臨時情報で 注意喚起 Oct 5, 1996 現地観測で 兆候なしと報道 7月末 地震増加(第1段) 9月上旬 地震再び増加(第2段) 9月中旬 地震増加 10月2日 臨時火山情報発表(R) 10月2-3日 気象台現地調査 10月5日 噴火兆候なしの記事 10月下旬 地震再び増加(第3段) 11月22日 小噴火発生(▲) →→→ 2000年噴火への教訓に →2000年の噴火では、事前からのハザードマップや監視機器の整備・ 防災訓練などが役立ち、落ち着いた小噴火対応がとれた 3段階の群発地震が前兆となった ▲噴火 R data source UVO & JMA 一回目の群発地震 二回目 三回目
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2006年3月の雌阿寒岳の小噴火と火山性地震の活動
3月21日の 小噴火 3月の 群発地震 2月の 群発地震 5月の 群発地震 2006年3月の小噴火で入山禁止、その後5月の群発地震以後静穏な火山活動が持続し ていることを根拠に、9月1日入山規制は解除された。入山名簿や、必要箇所への的確 な掲示、非常時のサイレンやラジオによる緊急伝達などの支援対策が新たにとられた。
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最近の雌阿寒岳 Oct 5, 2006 北海道開発局ヘリより 赤沼火口 旧火口 ポンマチネシリ火口全景 96火口 青沼火口
北西外斜面の噴気・地熱列
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2006年3月の雌阿寒岳の小噴火・・防災ヘリより
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最大の成果は「落ち着いた小噴火対応」をとれたこと
2006年雌阿寒岳小噴火をめぐる 減災情報の論点 ・ハザードマップ作成後、初めての噴火体験 →ハザードマップは役立ったか、残る課題は? ・防災会議協議会は機能したか?教訓を今後どう生かすか? ・前年の雌阿寒岳総合防災訓練(050714)は役立ったか? ・強化されていた監視網、情報は役立ったか?残る課題は? ・地方気象台に代わり、札幌管区気象台火山監視・情報センターが 情報担当となり初の噴火対応、情報とコミュニケーションの実態は? ・住民から一番要望の強かったことは何だったか? 最大の成果は「落ち着いた小噴火対応」をとれたこと しかし、過剰警戒の可能性があった
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臨時火山情報 第1号 平成18年3月21日06時43分 札幌管区気象台 ** 見出し ** 雌阿寒岳で火山性微動が観測されました。
2006年雌阿寒岳噴火、気象台の噴火速報 臨時火山情報 第1号 平成18年3月21日06時43分 札幌管区気象台 火山名 雌阿寒岳 ** 見出し ** 雌阿寒岳で火山性微動が観測されました。 ** 本 文 ******************** 雌阿寒岳で6時28分頃から火山性微動が観測されています。場合によっては噴火が発生した可能性も考えられます。 噴煙の状況は、悪天のため確認できません。今後の火山活動に十分注意して下さい。 火山観測情報第7号 平成18年3月21日10時50分 札幌管区気象台 火山名 雌阿寒岳 ** 見出し *************************** 雌阿寒岳山麓で微量の降灰が確認されました。 ** 本 文 *************************** 雌阿寒岳の山麓で微量の降灰が確認されました。降灰の状況について、気象台が行った調査の結果、雌阿寒岳南東山麓の温根内橋付近(火口から約10km)で微量の降灰を確認しました。このことから、火山性微動が観測された6時28分頃に噴火したと考えられます。10時30分現在、白色の噴煙が火口上400メートルで南東の方向に流れています。火山性微動は現在も継続中ですが、振幅は小さい状況が続いています。地震活動の活発化は見られず、地殻変動にも特に変化は見られません。今後の火山活動に十分注意して下さい。特に、火口近傍では注意が必要です。火山活動に変化があった場合は、火山情報で随時お知らせします。
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・主な噴出は大振幅の噴火 微動継続の4~5分間だけ ・微動継続の4時間危機が 続いたと誤解された ・マグマの活動と誤解された
06:27 微動発生開始 06:29-32 微動大振幅 06:37 微動減・地震増へ 06:43-48 地震大 06:51 微動・地震危機終了 06:27微動発生 大振幅微動を噴火微動と解釈 気象庁の火山情報の内容 臨時情報(1)06時43分 06:28頃から火山性微動、噴火の可能性も 観測情報(5)07時05分 06:28頃から火山性微動、現在も継続中 観測情報(6)08時50分 火山性微動継続中、振幅は徐々に小 観測情報(7)10時50分 噴火確認、火山性微動(小)継続10:30 観測情報(8)12時20分 火山性微動は10:30に終了 06:43 臨時情報→ 噴火の可能性 ・主な噴出は大振幅の噴火 微動継続の4~5分間だけ ・微動継続の4時間危機が 続いたと誤解された ・マグマの活動と誤解された 地震・微動記録共有の課題 北海道大学地震火山センター資料 雌阿寒岳観測点P1
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赤沼火口の主噴出はどう確認されたか 噴火の当日(3月21日) 噴火の翌日(3月22日) その後の観察
06:27頃 火山性微動を記録開始(大振幅は当初の数分間、最大は06:30-31) 06:34 帯広土木現業所の監視カメラがポンマチネシリ山頂火口の噴煙を記録(稲葉他2006) 06:37頃 帯広土木現業所の監視カメラが北西斜面から小規模な火山灰噴出開始を記録(稲葉他) 06:43 札幌管区気象台が臨時火山情報 「雌阿寒岳で火山性微動、噴火の可能性も」 06:44頃 帯広土木現業所の監視カメラが北西斜面から小規模な泥流の流下開始を記録(稲葉他) 08:00頃? 地元の住民北西斜面からの灰色噴煙に気づく(赤沼噴煙見えたはず) 08:10頃 気象庁の監視カメラがを噴煙を観測 ???? 地元の住民、足寄町役場へ北西斜面の噴煙について電話連絡(写真に赤沼噴煙) 10:50 気象台、現地調査で降灰を確認、噴火を確認(観測情報7号) 12:20 気象台、火山観測情報8号、「小規模な噴火は北西側斜面で発生とみられる」 ???? 気象台職員、自衛隊ヘリで現地観測(赤沼噴煙見えたはず?) 15:00頃 道庁、気象台、北大で足寄町役場提供の写真を北大で検討(役場→支庁→道庁) 「本命は白色噴煙充満の赤沼火口、北西斜面での噴出は副次的」との認識共有. 16:10 気象台火山観測情報9号、自衛隊ヘリ観察の結果「噴火地点は山頂北西側斜面」 噴火の翌日(3月22日) 午前 民間ヘリで北大の研究者、赤沼火口底観察、「環状割れ目・噴気と泥水沼」確認 昼頃 道庁防災ヘリ現地観測(北大、気象庁他)、赤沼火口噴煙充満、空港・道庁で解説 16:30 気象台、火山観測情報11号「道庁防災ヘリの観察、赤沼火口噴煙充満」、 「赤沼火口で噴火した可能性も」と初めて触れる.「火山活動は活発」と初表現. その後の観察 3月27日 道庁防災ヘリによる観察、「白色噴煙で火口内の詳細は不明」 4月11日 道庁防災ヘリで赤沼火口の本格観察、赤沼火口底の複合火口を確認 4月17日 観測情報24号、「11日の防災ヘリ観察で赤沼火口底に火口地形と環状地熱域」
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最大の成果は「落ち着いた小噴火対応」 しかし、極端な過剰警戒の可能性があった ・赤沼火口の本格的な噴火の恐れ
しかし、極端な過剰警戒の可能性があった ・赤沼火口の本格的な噴火の恐れ ・歴史時代初めての外側斜面での噴火 ・噴火泥流の発生と人里への漸次接近 ・休日対応に伴う人的資源の確保 ・初めての経験:市町村合併・情報体制 過去の小噴火体験・・住民・観測者・地元行政・メディア 地震計で本命は最初の4~5分間と即断できたこと 噴火は小規模、赤沼噴煙多いが低く弱い 噴火泥流は遅く小規模、破壊的ではなさそう 現地で噴火推移が見えたこと・・地元情報の重要性 3地域の個別リスク対応 幸い冬季で登山者の問題がなかったこと 雌阿寒温泉・・経験、専門家がかけつけたこと 阿寒湖温泉・・経験、落ち着いた観光客対応 噴火経験から 噴火規模認識 観測・観察で 即時状況把握 遠隔監視と 現場情報の活用 即時入山規制 ハザードマップの活用 風評被害なし
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レベル化情報の課題 2006年4-6月期の気象庁の火山情報文は、非論理的で分かりにくい問題が残った。「この期間噴火なし、噴煙も mで、地震は小さく少なく、微動もない、GPSでの格段の変動もない、」と静穏な観測事実を述べた後に、突然「雌阿寒岳の火山活動は活発な状態が続いています」と締めくくっている。 この表現では「観測データと結論との論理的整合性」が問題となろう。論理性が欠けるならば、公的情報の信頼性は保ちにくい。どうなったら静かになるのかさっぱり分からないからでもある。根拠を示さず「活発です」とか「やや活発です」と表現するのは、公的情報として望ましくないだろう。 分かりやすい火山情報をめざして、最近気象庁は全国で「火山情報のレベル化」を順次進めている。しかし、防災のためと称して単一な数字だけで火山の活動度を表現することには所詮無理が残る。最近の浅間山・雌阿寒岳・櫻島などの噴火では既に多くの問題点が明らかになってきている。分かりやすいことを目的にしながら、実態は分かりにくくなってしまっている問題点を正視し、必要な軌道修正をなさなければならないだろう。 雌阿寒岳では、入山対策の段階、2km圏の観光地と道路、7km圏の阿寒湖畔温泉と、少なくとも3つの独立な安全・安心情報を社会は必要としている。しかしながら、一つの数字をどう使うかの課題は、必要な支援情報の役割を無視しがちになるからである。 火山から離れた航空機や石油積出港対策を主目的とする米国のアラスカの火山でのレベル化情報は、わが国のような複雑な社会対応に当てはめると無理が生ずる側面がある。気象庁でもこの問題に既に気付いており、十分な検討と早急な解決策が必要である。
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火山情報3原則・・正確で、迅速で、役に立つ情報
レベル化情報の当面の課題 臨時火山情報をだしにくくなった 臨時情報はレベル3、「活発な状態」でしか出さない いったん出したら長期間継続の原則 不確定性の高い火山現象に的確に対応できない 従来、異常時はまずは警戒/注意、必要に応じ下げる 言葉の本来の意味からの乖離による分かりにくさ 火山活動はやや活発な状態です ーーー普通は新たにやや活発になったと思う 防災情報としての意味の分かりにくさ 何に注意-警戒か 分かりやすい目的が、分かりにくい実態に 火山情報3原則・・正確で、迅速で、役に立つ情報
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1.はじめに・・活動が落ち着きを見せる中、 多面的な実態調査・点検が必要.登山規制への対処。 2.登山規制の解除に関する参考助言
2006/05/10 「2006年雌阿寒岳噴火にかかわる減災対策助言資料(私案)」(4p)作成、 関係機関へ「岩手山登山規制解除資料一式」と共に送付 1.はじめに・・活動が落ち着きを見せる中、 多面的な実態調査・点検が必要.登山規制への対処。 2.登山規制の解除に関する参考助言 (1) 一般的な手続きについて 現地調査(研究者→防災行政担当者) (2) 当初の入山規制解除のスケジュール案(5月8日案) (3) 5月9日の群発地震の影響の暫定的評価 (予測の範囲内) (4) 段階的解除について (5) 登山規制解除へ向けた条件整備について ① 活動急変時の登山者への緊急通報の整備 休日対応 ② 緊急通報装置の整備 (2km圏登山口のサイレン活用など) ③ 入山・下山者の把握 (6) 長期的な住民避難のガイドライン (登山者、2km圏、数キロ圏) (7) 参考事例 (静穏時の長期規制のデメリット、岩手山の参考資料) 謝辞;勝井義雄氏、宇井忠英氏、斎藤徳美氏、土井宣夫氏、大島弘光 氏、森済氏、中西清氏、地紙昭氏、福井史雄氏、三松三朗氏
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2. 長期的な観測データ及び過去の3回の小噴火との比較 3. 雌阿寒岳の地震・微動以外の火山活動について
2006/08/20 足寄町および釧路市の要望に応じ 「雌阿寒岳の火山活動と規制緩和に関する意見」(9p、関係機関へ送付) (付属参考資料として、 ①3.28防災会議座長報告 3p、②ルアペフ火山資料7p、③トゥングラワ火山資料7p、④セントヘレンズ火山山岳登山解除関連資料10p添付) 1. 雌阿寒岳の火山活動の現状とその評価 2. 長期的な観測データ及び過去の3回の小噴火との比較 3. 雌阿寒岳の地震・微動以外の火山活動について 4. 雌阿寒岳の入山規制検討への意見 (1)3月21日の小噴火と関係した雌阿寒岳の火山活動は、5月中旬以降既に3ヶ月以上にわたってかなり静かな状態が安定的に継続しており、このような火山活動の現状からみて規制緩和は十分可能な段階であると考える。(2)火山防災協議会などによる、調査登山会や、住民を含めて検討会議、緊急情報伝達手法の現地調査など、既に行われてきた減災対策も進行しており、解除の具体的な条件作りが愁眉の課題になっていると思われる。 最大の安全対策は、登山者自身が雌阿寒岳の火山活動について、十分な知識を持っていることに尽きる。このためには、具体的で的確な情報を現場でも与える必要性があると、筆者は考える。例えば、以下のような具体的な看板を登山道の必要な地点に配置すること。 「セントへレンズ火山は活火山です。登山者各自は、予告なしに発生するかもしれない火山噴火による災害に遭遇する可能性があります。火口内への立ち入りは固く禁止されています。」 「車で逃げようと思うな、道路は泥流通路であり、すぐ追いつかれる」、「泥流警報装置でサイレンが鳴ったら、すぐ手時かな安全な高台へ避難し、指示があるまで動くな」 (ルアペフ山)とか、極めて的確な情報啓発の参考例. 5. まとめにかえて
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3. 予測されない噴火に遭遇するチャンスは少ないが、まれには起こる可能性があることを、どういう形で周知させるか、知恵を絞っていただきたい。
「雌阿寒岳の火山活動と規制緩和に関する意見」 5.まとめにかえて 雌阿寒岳の火山活動は、2006年3月21日の小噴火以後、5月の群発地震があったものの、全体としては活動度は低く、登山規制の解除に踏み切ることについては、登山客の安全・安心の条件作り次第で、可能になっているものと考える。札幌管区気象台との8月17日の意見交換でも、この点で両者は意見の一致をみている。 2. 具体的で的確な安全・安心情報を、それぞれ最適な場所・場所で登山客に与える仕組みを充実させていただきたい。特に、登山者一人一人が、いざというときに安心・安全行動が取れるように、寒さ対策や食料・飲み物、体力、雷や天候などで準備する登山の一般的注意事項と同様に、活火山に対する無知を一掃し、理解して行動できる条件作りの整備充実が重要である。 3. 予測されない噴火に遭遇するチャンスは少ないが、まれには起こる可能性があることを、どういう形で周知させるか、知恵を絞っていただきたい。 4. 観光客が集まる場所などに、関連した資料や情報を整備し、多くの方々が自然とそれらに触れることが出来るような仕組みも考えていただきたい。
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「雌阿寒岳の火山活動と規制緩和に関する意見」
5. もし、条件が整備され登山解除がなされるならば、当面極めて魅力ある登山ルートになることは間違いない。是非とも、多くの登山者に、活きている感動的な活火山の姿に直接ふれてもらい、しいては生きている地球とのより良い共存にむけて理解を深めていただきたい。登山マニュアルを整備し、登山者の理解と協力を得ることもよい。 6. 登山者は、火口の観察者でもある。火口などで変わった現象があったら、役場などに知らせるなど協力して欲しい事。その際、日付や時刻入りの写真が役に立つこと。また、各所に配置されている監視・観測施設や防災施設や看板などを大切にすることなどの注意も、重要である。
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オンネトー登山口の掲示情報 1988年1-2月の小噴火対応 および1992年9-10月の群発地震対応 有毒ガスと明記 1991年6月
地震多発と明記 1992年10月
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登山口と登山路、4種類、総計21箇所で掲示 4種類の色別に 異なる文面の注意看板が 新たに設置された
雌阿寒岳で2006年噴火後にとられた4段階の登山者安全情報の掲示(設置地点) 雌阿寒温泉登山口 オンネトー登山口 阿寒湖畔登山口 4種類の色別に 異なる文面の注意看板が 新たに設置された 登山口と登山路、4種類、総計21箇所で掲示
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Mount St. Helens is an active volcano.
2006年雌阿寒岳噴火による登山規制の解除・・よりよい条件つくりを求めて Mount St. Helens is an active volcano. Climbers may be exposing themselves to volcanic hazards that may occur without warning.
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2006年雌阿寒岳噴火後の登山路の注意掲示 登山口と登山路、合わせて4種類の掲示
主な注意すべき項目である火口壁 の崩壊・突発的な噴火・有毒火山 ガスを併記 緊急時の情報体制である防災無線 放送(サイレン)を明記
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北海道大学理学研究院付属地震火山研究観測センター 岡田 弘
雌阿寒岳 2006年の小噴火と火山情報の課題 北海道大学理学研究院付属地震火山研究観測センター 岡田 弘
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