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第39回「交通ビジネス塾」 道路・自動車から鉄道への 運輸政策のモーダルシフト
第39回「交通ビジネス塾」 道路・自動車から鉄道への 運輸政策のモーダルシフト (株)ライトレール 代表取締役社長 阿部 等 平成22年12月20日
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1.クルマ離れと 鉄道の活躍への期待
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(1) 縮むクルマ経済(日経 H20.6.19-21) 主要先進国で初めて自動車台数が減り始めた日本、様々な産業にモデルの転換を迫る
クルマ社会が膨張を続けるとの前提で事業を展開するのは難しい、新たな商機 高齢化とともに運転を敬遠する人が増え、ロードサイド型店舗の売上げ・出店が減少 クルマを一生保有すると4000万円 クルマの使い方を見直すことは世界的に共通した課題 クルマ経済の縮小という逆風は世界に先駆けて新たな事業モデルを築く好機
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(2) 近年の各誌の特集 時代のトレンド 鉄道の活躍への期待 自動車・道路の衰退 鉄道革命:世界で大復権がはじまった!
鉄道進化論:JR、私鉄・・・鉄道ビジネス大研究! 鉄道の世紀:新興国成長、環境性で需要爆発 鉄道完全解明:ここまできたニッポンの鉄道 自動車・道路の衰退 自動車全滅!:ニッポン大恐慌の現実シナリオ 自動車100年目の大転換:世界日本の自動車市場 トヨタ土壇場:工場閉鎖、正社員削減の危機 道路の終焉:補正執行停止、高速無料化
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2008/4/19号
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2008/5/24号
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2008/12/20号
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2009/6/20号
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2009/7/4号
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2009/7/25号
10
2009/10号
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2009/10/10号
12
2009/11/10号
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2010/1/12号
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2010/2/22臨時号
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2010/4/3号
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2010/7/9臨時号
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(3) バフェット氏が鉄道大手を買収 ウォーレン・バフェット氏 発言に対するコメント
鉄道大手バーリントン・ノーザン・サンタフェを440億ドル(債務100億ドル含む)で買収 米国の将来の繁栄のためには効率的で整備された鉄道システムが不可欠 正当な利益を確保することを容認するしっかりとした規制当局が必要 発言に対するコメント 米国を日本・中国・人類に改めても同様 鉄道の活躍には儲けを認めることが不可欠
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2.自動車へ過度に 依存した交通体系の問題点
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(1) 空間利用の非効率性 道路建設では渋滞は解消せず 複々線鉄道と4車線道路 人口1000万人のロサンゼルス都市圏
道路の建設 << 自動車の増大 複々線鉄道と4車線道路 同じ用地幅:例えば信濃町-千駄ヶ谷 片方向1時間当り15万人対2500人 さらに道路交通は都心に莫大な駐車場を要す 人口1000万人のロサンゼルス都市圏 都市の3分の1が道路、3分の1が駐車場 人々の活動領域は残り3分の1のみ
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(2) エネルギー利用の非効率性 輸送単位が小さい 走行抵抗が大きい 動力源が異なる 鉄道と乗用車のエネルギー消費原単位
1人当り車両重量 1.0:0.3[t/人] 走行抵抗が大きい ゴムタイヤ・アスファルトの転がり抵抗は車輪・レールの数倍 動力源が異なる 自動車は内燃機関と燃料を搭載 鉄道はエネルギー効率の優れたモーター 鉄道と乗用車のエネルギー消費原単位 旅客1:6、貨物1:7
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(3) 環境負荷の大きさ 自動車は小型内燃機関を搭載 鉄道は発電所で有害物質を排出 自動車は鉄道と比べて、 鉄道と乗用車のCO2排出原単位
有害物質除去が高コスト 鉄道は発電所で有害物質を排出 スケールメリットで高除去レベル 自動車は鉄道と比べて、 エネルギー消費が多いことと相まって環境負荷が極めて大 鉄道と乗用車のCO2排出原単位 旅客1:9、貨物1:7
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(4) 交通事故の頻発 自動車はドライバーの注意力頼り 日本国内のみで過去50年間に 福知山線の脱線事故 エラーのバックアップシステムなし
車間距離保持、車線変更、信号・速度制限順守・・ 鉄道レベルの安全度:膨大なコスト 日本国内のみで過去50年間に 死者50万人以上、負傷者4,000万人近く 福知山線の脱線事故 死者106人 = 自動車事故の3.5日分 負傷者500人 = 自動車事故の5時間分
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(5) 車を運転できない人の移動制約 超高齢で自動車を運転できないと、 未成年の中高校生も、 人生80年、最初20年と最後10年運転できず
とたんに不便な生活 家族に送迎の負担 無理して運転して交通事故 やむを得ず「引きこもり」生活 未成年の中高校生も、 通学範囲が限定され学校選択が狭く 塾等の送迎が親の大きな負担 人生80年、最初20年と最後10年運転できず 人生の8分の3は交通弱者
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(6) 中心市街地の衰退 モータリゼーションの進展に伴い、 「コンパクトシティ」の志向 公共施設・商店・住宅等が郊外化
中心市街地は公共交通が不便に 駐車場も確保できず空洞化、「シャッター通り」 薄く広い街の広がりで行政コストが増大 上下水道整備、ゴミ収集、福祉サービス、除雪・・・ 「コンパクトシティ」の志向 行き過ぎた郊外化への反省 中心市街地の活性化への期待 人口減少社会での公共サービスの効率化
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(7) その他 徒歩の減少による健康への影響 非効率な道路投資 地方では100m先のタバコの自販機まで車で
車での移動が主体だと歩く距離が短く、 肥満度も体脂肪率も高くなるとの研究報告 非効率な道路投資 雇用を生み出す建設工事そのものが目的化 道路利用の受益と負担の乖離が原因 旧道路特定財源は道路経費の60%を賄うのみ 暫定税率は高過ぎるのでなく、むしろ低過ぎ 道路特定財源の一般財源化は問題を潜在化
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電気自動車とITSで問題解決? 空間利用の非効率性 エネルギー利用の非効率性 環境負荷の大きさ 交通事故の頻発 車を運転できない人の移動制約
中心市街地の衰退 その他
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3.交通に関する民意と 実際の運輸政策
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(1)「政策コンテスト」パブコメ交通関連 鉄道と道路への国民の関心は高い 民意は運輸政策のモーダルシフト
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(2)「政策コンテスト」評価結果交通関連 民意と遊離した結論
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(3) 道路整備の財源構成 道路サービスを生産コストの6割で販売
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(4) 高速道路の割引施策 H21.3からの自民党の施策 高速道路無料化の社会実験 H23.4からの民主党の方針
景気対策のため土休日上限1000円 JR・高速バス・フェリー等へ大打撃 高速道路無料化の社会実験 JR各社は国交相等へ見直しを繰返し要望 政策コンテストで88%反対でも1200億円見込み 公共交通活性化453億円に97%賛成でも減額方針 H23.4からの民主党の方針 土休日上限1000円、平日上限2000円
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(5) 高速道路の割引施策の問題点① 受益者負担の原則を無視 道路渋滞の悪化 環境負荷の増大 公共交通機関の経営へ影響
国として税金を投じて自動車利用を奨励 国の財政を悪化させ他の使い道を抑制 道路渋滞の悪化 昨年のGWや盆の経験が年中行事に 環境負荷の増大 自動車利用の増加が悪影響 公共交通機関の経営へ影響 民業圧迫、自由主義競争社会の秩序を崩壊
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(6) 高速道路の割引施策の問題点② 自動車事故の増大と大規模化 地域の足の衰退 自動車保険の料率も向上
高速バスの稼ぎでの路線バス運行ができず
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4.交通基本法
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(1) 経緯 野党時代の民主党・社民党が共同提出 民主・社民・国民新党の政権発足後、 国交省の関係者は非常に熱心
平成18年に提出して21年に廃案 民主・社民・国民新党の政権発足後、 平成23年の成立を目指して本格的に検討開始 前原大臣-辻元副大臣-三日月政務官 政務三役交替後も引続き検討 既に検討会13回とパブコメ3回を実施 平成22年3月:中間整理、6月:基本的な考え方 国交省の関係者は非常に熱心 残念ながらマスコミや国民の関心は低調
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(2) 36
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(3) 37
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(4) 38
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(5) 制定されたら社会が大きく変わる 関係資料 法律が制定され有効策が実行されれば、 交通基本法案 交通基本法案に対する意見
人々の生活が変わる 鉄道の活躍の場が広がる 産業構造が変わる 世界の模範となる
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5.求められる 運輸政策のモーダルシフト
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(1) モーダルシフト 必要性は議論の余地なし 公共交通を産業として成長さすことが肝要 自動車への過度の依存の問題点は明白
多くの国民は既に気付き、政治の動きに辟易 人や物がモーダルシフトするとは、 産業従事員や研究開発者がモーダルシフト 公共交通を産業として成長さすことが肝要 際限のない公的支援を要さず持続性を持たす 多数の雇用を維持できる充分な売上げ 消費者から選考される良質なサービス 公共交通と自動車で異なる安全基準を同水準に
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(2) モーダルシフトを実現するには? 国民の意識変革だけで実現できるか? 事業者の企業努力だけで実現できるか?
消費者は費用対効果の高い商品を選ぶ 事業者の企業努力だけで実現できるか? 50年間、道路サービスをコストの6割で販売 税金を投じてさらに値引きしようとする動き 公平な競争環境とは程遠い 国民の意識変革だけで実現できるか? 不便だけど環境にやさしいから使おう
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(3) 運輸政策のモーダルシフト① 最優先で実行すべきこと 公共交通の充実のための財源確保 道路財源を公共交通に投ずる
道路サービスの販売価格を適正化 道路関係諸税を道路投資を償う水準に増税 公共交通の充実のための財源確保 商品価値に応じた値付けの徹底 低負担高サービスは持続可能でない 大都市の公共交通利用にユニバーサル税 電話のユニバーサル料金と同様の考え 地方や社会的弱者へ所得再分配 最優先で実行すべきこと 道路財源を公共交通に投ずる
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(4) 運輸政策のモーダルシフト② 公共交通と自動車の安全基準を同水準に 情緒論でない丁寧で合理的な議論を
安全性向上にコストを投入するほど、 利便性向上の度合が下がる 消費者は総合的な品質と負担を勘案して選択 現実は、安全性より利便性を優先 公共交通が盲目的に安全ばかりを追求すると、 消費者の選考を得られず、社会に貢献できない 決して安全をないがしろにするのではない 社会全体として安全と利便性のバランスを考える
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(5) 空間利用のモーダルシフト① 現状の地上と地下の使い分け モノの運搬が地上と高架、ヒトの移動が地下
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(6) 空間利用のモーダルシフト② 本来の地上と地下の使い分け ヒトの移動が地上と高架、モノの運搬が地下
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