関東地方会 症例検討(治療) 東京医科大学　乳腺科学分野 　　　　寺岡冴子.

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1 関東地方会 症例検討(治療) 東京医科大学　乳腺科学分野 　　　　寺岡冴子

2 症例 30代　女性 【主訴】なし 【現病歴】 　会社の検診マンモグラフィにて左乳腺石灰化病変を指摘され、マンモトーム生検を施行し、左乳癌(DCIS)の診断で、治療目的に当院紹介受診した。　

3 患者背景 【既往歴】30代 虫垂炎 【家族歴】乳癌（叔母） 【内服】なし 【アレルギー】なし 【生活歴】喫煙なし/機会飲酒 未婚 出産歴なし 閉経前

4 初診時：MMG(MLO) MLO SPOT 右　C-1 左　上外側に多形性不均一の 　　集簇石灰化　C-5

5 初診時：MMG(CC) CC SPOT

6 初診時：MUS① 左C領域２時方向に淡い3cm程度の低エコー域 非腫瘤性病変　C-4

7 初診：MUS② 右乳腺内には所見なし

8 初診：MUS③ 右腋窩レベルⅠ/Ⅱに 複数のリンパ節腫大あり (径7～12mm)

9 ＣＴ① 遠隔転移なし 左乳腺上外側に範囲30mm程度の境界不明瞭な造影域。 左腋窩リンパ節腫大なし。

10 ＣＴ② 右乳腺上外側に12mm大の結節状造影域(対側より目立つ) 線状や点状の造影効果が連続。右腋窩リンパ節腫大。

11 MRI① 左乳房上外側に早期濃染を示す30mm大の淡い造影域。

12 MRI② 右乳房のＣ領域から乳頭直下まで、分枝状、点状、小結節状の造影効果が多発。造影効果は左側より強い。

13 2nd look: MUS 右乳腺内には腫瘤性病変はないが血流が比較的豊富な豹紋状低エコー域あり

14 右腋窩リンパ節 MUS上、右乳腺内に病変は描出されなかったが、 腋窩リンパ節の腫大を認めた。 ↓ 右腋窩リンパ節の細胞診を施行。 【class V】 Ductal carcinomaのリンパ節転移を確認。

15 右乳腺 CNB施行 MRIの造影域に一致する低エコー領域を穿刺。 病理結果 Invasive ductal carcinoma.
ER+5+3　PgR5+3　HER2 1+　Ki67:1%

16 臨床診断 左乳癌　cTisN0M0 stage0 右乳癌　cT2N1M0 stageⅡB ※ご本人、再建希望あり

17 Q1: リンパ節転移を伴う症例の一次再建 　 手術について

18 手術 【術式】 両側NSM(Nipple sparing mastectomy) 左センチネルリンパ節生検 右腋窩郭清術 両側テッシュエクスパンダ- 挿入

19 術後病理結果 ※病理画像は当日に供覧いたします
術後病理結果　　　　※病理画像は当日に供覧いたします 左乳癌 非浸潤癌 T=4.0x2.7x1.8cm SLNB(0/1) ER:0+0 　PgR:0+0 HER2: 3+(乳管内) Ki67: 20%(乳管内) 右乳癌 硬癌 T=2.8x2.2x1.51cm 乳管内進展なし 核Grade1　組織Grade1 Ly(+)　V(+) Ax(18/23) ER: 7+ 　PgR: 8+ HER2: 1+ Ki67: 5%

20 Q2:　Luminal typeでpTNMと生物学的悪性度
　　 が異なる場合の術後補助療法について