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Published byはるまさ むこやま Modified 約 7 年前
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CHA2DS2-VAScスコア別 RE-LY®サブグループ解析結果の考察 小川 久雄 熊本大学大学院 生命科学研究部 循環器病態学
今回は、ACC2011で発表されたRE-LY試験のCHA2DS2-VASc別サブグループ解析結果についての考察を述べます。 1 1
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CHA2DS2-VASc スコア C H A2 D S2 V A Sc 9 Maximum Score 危険因子 スコア 1 2
Congestive heart failure/LV dysfunction 心不全・左心室機能不全 1 H Hypertension 高血圧 A2 Age ≥75y 75歳以上 2 D Diabetes mellitus 糖尿病 S2 Stroke/TIA/TE 脳卒中/TIA/血栓塞栓の症既往 V Vascular disease (prior myocardial infarction, peripheral artery disease, or aortic plaque) 動脈疾患(心筋梗塞、末梢動脈疾患、大動脈プラーク) A Age 65-74y 65歳以上74歳以下 Sc Sex category (ie female gender) 性別(女性) Maximum Score 9 CHA2DS2-VAScスコアは、2010年にLipよって提唱された、新しい脳卒中リスク評価です。年齢に重きを置き、新たに動脈疾患やSex categoryを加えた8項目、最高9点のリスク評価です。 従来のCHADS2スコアの0-1の部分がより細分化されたとの見方もできます。 今回は、この最も新しい脳卒中リスク評価におけるサブグル―プ解析が発表されました。 maximum score is 9 since age may contrubute 0, 1, or 2 points Lip GY, et al., Chest 137, , 2010 2
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RE-LY® : CHA2DS2-VASc別の 脳卒中/全身性塞栓症の発症率 (%/年) 0-1 634 2 3,408 3 5,365 4
4,378 5 2,566 6 1,185 7 451 8-9 125 患者数 1 RE-LY試験のPrimary Endpointである脳卒中/全身性塞栓症のCHA2DS2-VASc別の発症率では、リスク上昇にともない、脳卒中・全身性塞栓症の発症率が増加しており、この新しいリスク評価が臨床試験においても、十分、通用する事が示されました。 The ACC 60th Scientific Sessions, New Orleans, March 2011
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RE-LY® : CHA2DS2-VASc別の 大出血(頭蓋内出血を含む)の発現率 (%/年) 0-1 634 2 3,408 3
5,365 4 4,378 5 2,566 6 1,185 7 451 8-9 125 8 患者数 大出血 頭蓋内出血 一方、頭蓋内出血を含む大出血においても、リスク上昇にともない、その発現率が上昇している事から、CHA2DS2-VAScスコアは、出血のリスクも反映している可能性が示唆されました。 The ACC 60th Scientific Sessions, New Orleans, March 2011
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ワルファリン: CHADS2 スコア別Net Clinical Benefit
2.22 4-6 0.58 3.75 2.07 3 1.21 2.79 0.97 2 0.43 1.41 0.19 1 -0.27 0.45 従来のワルファリン療法は、CHADS2 0-1点のような低リスク患者においては、その効果と出血リスクのバランスから、積極的な推奨がなされていませんでした。 ATRIA試験における脳卒中抑制作用と頭蓋内出血リスクの解析でも、CHADS2 0-1のメリットはしめされず、CHADS2 0-1の患者に対する最適な抗血栓療法は、我々、循環器内科医の悩みでもありました。 -0.11 -0.44 -0.20 -1 -0.5 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 Worse with Warfarin Better with Warfarin Singer DE, et al. : Ann Intern Med. 151, , 2009
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脳卒中/全身性塞栓症の発症率 150mg×2回/日 vs. ワルファリン 110mg×2回/日 vs. ワルファリン 3 4 5-9 0.5
0.50 1.00 1.50 ダビガトラン がよい ワルファリン 交互作用P値 0.60 150mg×2回/日 vs. ワルファリン 0.50 1.00 1.50 ダビガトラン がよい ワルファリン 110mg×2回/日 vs. ワルファリン 交互作用P値 0.81 年率, % CHA2DS2-VASc D150 D110 ワルファリン ≦2 3 4 5-9 0.5 0.8 1.0 2.1 0.9 1.3 1.6 2.4 0.8 1.4 2.0 2.8 今回ACCにて発表された、RE-LY試験のCHA2DS2-VASc別解析結果を見ると、CHA2DS2-VASc 2未満、3、4、5-9の4段階のリスク層別にかかわらず、ダビガトラン150mg1日2回投与群は、ワルファリンに対する一貫した優越性をしめし、110mg1日2回投与群は、一貫した非劣性を示していました。 The ACC 60th Scientific Sessions, New Orleans, March 2011
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頭蓋内出血の発現率 150mg×2回/日 vs. ワルファリン 110mg×2回/日 vs. ワルファリン 3 4 5-9 0.11
0.50 1.00 1.50 ダビガトラン がよい ワルファリン 交互作用P値 0.09 150mg×2回/日 vs. ワルファリン 0.50 1.00 1.50 ダビガトラン がよい ワルファリン 交互作用P値 0.77 110mg×2回/日 vs. ワルファリン 年率, % CHA2DS2-VASc D150 D110 ワルファリン ≦2 3 4 5-9 0.11 0.32 0.21 0.63 0.15 0.16 0.29 0.32 0.38 0.76 1.04 0.84 頭蓋内出血の発現においては、低リスクから高リスクまで、両群ともにその発現を低下させていた事は、非常に大きなインパクトをもって受け止められました。 The ACC 60th Scientific Sessions, New Orleans, March 2011
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ダビガトランは、脳卒中低~高リスク患者において、 ベネフィットが期待できる。
まとめ CHA2DS2-VAScスコアが高くなると、脳卒中、出血のリスクは上昇する。 ダビガトランのワルファリンに対する脳卒中発症抑制は CHA2DS2-VAScスコアにかかわらず 150mg×2回/日投与で優越性が示された。 110mg×2回/日投与で非劣性が示された。 ダビガトランの両用量群はCHA2DS2-VAScスコアにかかわらず、頭蓋内出血のリスクを低下させた。 ダビガトランは、脳卒中低~高リスク患者において、 ベネフィットが期待できる。 今回の発表をまとめますと、CHA2DS2-VAScスコアが高くなると、脳卒中のみならず、出血のリスクも上昇する事がしめされました。 ダビガトランのワルファリンに対する脳卒中発症抑制効果は、CHA2DS2-VAScスコアにかかわらず、150mg群で優越性が、110mg群で非劣性が示されました。 また、重篤な出血である、頭蓋内出血においても、ダビガトランは、150mg群、110mg群ともにCHA2DS2-VAScスコアにかかわらない、リスク低下を示しました。 以上の点から、ダビガトランは、脳卒中の低リスク群から高リスク群まで幅広い患者に有効かつ安全に使用する事ができ、多くの患者にベネフィットをもたらすと考えられます。
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