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東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科
M2内科系統講義 糖尿病の治療 東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 山内 敏正 2013年 5月 31日(金)13:00〜13:50 教育研究棟14階 鉄門記念講堂
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わが国の2型糖尿病急増の背景 環境因子 遺伝因子 2型糖尿病発症 35倍 インスリン抵抗性 インスリン分泌低下 インスリン作用不足
50年で脂肪 摂取量4倍 高脂肪食・運動不足 50年で4倍 2300万人 肥満・内臓脂肪蓄積 相互作用 膵臓 脂肪組織 (欧米人の 約2分の1) インスリン抵抗性 インスリン分泌低下 骨格筋 肝臓 2210万人 糖 尿 病 患 者 数 増 加 率 35 インスリン作用不足 2型糖尿病発症 30 1620万人 予 備 群 1370万人 1320 万人 25 35倍 880 万人 20 690 万人 15 10 患 者 680 万人 740 万人 890 万人 5 1 55 60 70 80 90 2002 08 1997 2002 2007
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我が国における生活習慣病(メタボリックシンドローム・糖尿病)の病態
生命の危険性 動脈硬化症:心筋梗塞、脳卒中、閉塞性動脈硬化症など (約87万人) (約137万人) X2 X4 大血管障害 肥満 メタボリックシンドローム 内臓脂肪型肥満 +脂質異常 +高血圧 +高血糖 糖尿病 (890万人) X5 糖尿病へ移行 有病者920万人 予備群980万人 インスリ分泌低下 +インスリン抵抗性 肥満 インスリン抵抗性 糖尿病の細小血管障害 腎症 網膜症 神経障害 下肢切断 腎不全(透析) (年間新規導入 16,000人) 失明・視力障害
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「糖尿病死因に関する委員会」(堀田饒委員長)の報告より
我が国の糖尿病患者の平均寿命 「糖尿病死因に関する委員会」(堀田饒委員長)の報告より (1) (2) (3) 男性 女性 男性 女性 男性 女性 (A)日本人の平均寿命(年) 73.4 78.8 75.9 81.9 77.6 84.6 (B)糖尿病患者の死亡年齢(年) 63.1 64.9 66.5 68.4 68.0 71.6 (B)-(A) -10.3 -13.9 -9.4 -13.5 -9.6 -13.0 糖尿病, 50(1);47-61,2007
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糖尿病とがんのリスク メタアナリシス2005-2008 膵癌 (Huxley, Br J Cancer, 2005); 試験数=36
結腸直腸癌 (Larsson, J Natl Can Inst, 2005); 試験数=15 膀胱癌 (Larsson, Diabetologia, 2006); 試験数=16 前立腺癌 (Kasper, Cancer Epi, 2006); 試験数=19 肝癌 (El-Serag et al, 2006); 試験数=12 乳癌 (Larsson, Int J Can, 2007); 試験数=20 子宮内膜腺癌 (Friberg, Diabetologia, 2007); 試験数=16 非ホジキンリンパ腫(Mitru et al, 2008); 試験数=5 1.82 1.30 1.24 0.84 2.50 1.20 2.10 1.41 Summary OR: 0.6 0.9 1.0 1.3 1.6 1.9 2.1 3.0 3.5 リスク減 リスク増 2005年から2008年の間に検討された糖尿病と癌のリスクの報告をメタ解析した Johnson J:ADA 71th Scientific Sessions,2011,San Diego.より作図
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糖尿病患者では癌のリスクが高まる可能性がある
〈JPHC Study〉 総人数(糖尿病歴なし/糖尿病歴あり) ハザード比(95% CI) 男性 1.27(1.14 – 1.42) # すべての癌 3,907(3,541/366) 1.20(1.06 – 1.35) # 肝癌を除く癌 3,595(3,281/314) 1.18(1.04 – 1.33) # 肝癌と膵癌を除く癌 3,477(3,179/298) 女性 1.21(0.99 – 1.47) すべての癌 2,555(2,451/104) 1.16(0.94 – 1.43) 肝癌を除く癌 2,435(2,341/94) 1.15(0.93 – 1.43) 肝癌と膵癌を除く癌 2,343(2,254/89) 0.6 0.9 1.0 1.3 1.6 リスク減 リスク増 # 癌発現のリスクが糖尿病群で有意に高い 年齢、地域、脳血管疾患の既往、虚血性心疾患、喫煙、アルコール摂取、BMI,運動、野菜の摂取、 コーヒー飲用で補正 40歳~69歳の日本人97,771人(男性:46,548、女性:51,223)を対象に糖尿病の有無と癌の発現状況を前向きに 検討した。 Manami Inoue et al. Arch Intern Med 2006;166: より作図
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糖尿病治療の目標 健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、 健康な人と変わらない寿命の確保
糖尿病細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)および 動脈硬化性疾患(虚血性心疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症)の 発症、進展の阻止 血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール状態の維持 日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド2012改変
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早期介入(血糖値の正常化)
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早期の積極的な血糖コントロールが合併症抑制につながる
UKPDS80 早期の積極的な血糖コントロールが合併症抑制につながる The earlier, the better! Legacy effect(遺産効果) 強化療法群におけるリスク軽減(vs.従来療法群) (%) 20 全死亡 心筋梗塞 脳卒中 細小血管合併症の 進展 10 リスク低下率 11 -6 p=0.007 -13 -15 p=0.01 p=0.39 -9 p=0.001 -24 p=0.52 -16 -25 -10 p=0.44 -20 p=0.052 p=0.0099 -30 1997 2007 1997 2007 1997 2007 1997 2007 (年) UK Prospective Diabetes Study Group, UKPDS33 Lancet 352:837,1998 Rury R. Holman, UKPDS80, N Engl J Med 359:1577,2008
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-16% -28% -37% -47% ピオグリタゾンの心血管イベント発症抑制作用(PROactive)
対象:大血管障害の既往を有する2型糖尿病患者(追跡期間2.9年) 心筋梗塞既往例 サブグループ解析 (2,445例) 脳卒中既往例 サブグループ解析 (984例) 全例解析 (5,238例) 総死亡・心筋梗塞・ 脳卒中の再発抑制 心筋梗塞 再発抑制 ACS 再発抑制 脳卒中再発抑制 -16% -10 -28% p=0.027 NNT=48 -37% -20 -47% -30 p=0.045 NNT=46 -40 p=0.035 p=0.008 Early benefit(早期からの恩恵) -50 (%) Dormandy JA. et al.:LAncet,366,1279,2005. Erdmann. E. et al.:JACC,49,17,1772,2007. Wilcox R. et ai.:Stroke,38,865,2007. 10
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低血糖を起こさない
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(進行した糖尿病において)厳格な血糖コントロールは 心血管疾患を抑制できるのか? Is glucose lowering a reasonable strategy to reduce CVD ?
ADVANCE ACCORD VADT 11,140例 10,251例 1,791例 強化療法群 目標HbA1c 6.5%以下 強化療法群 目標HbA1c 6.0%未満 強化療法群 目標HbA1c 6.0%未満 インスリンを中心にした多剤併用 グリクラジド中心 経口薬多剤+インスリン *HbA1cはいずれもNGSP値であり、 JDS値に比して約0.4%高値である。
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ACCORD ADVANCE VADT *HbA1cはいずれもNGSP値 症例数 10,251人 11,140人 1,791人 平均観察期間
3.5年 5年 6.3年 平均年齢 62.2歳 66歳 60.4歳 平均罹病期間 10年 8年 11.5年 2次予防の比率 35% 32% 40% *HbA1c (前) 8.1% 7.5% 9.5% *HbA1c (目標) <6.0% 7-7.9% <6.5% 各国基準 8-9% *HbA1c (最終) 6.4% 6.5% 7.3% 6.9% 8.4% 心血管病変 10%減少(p=0.16) 6%減少(p=0.32) 13%減少(p=0.13) 細小血管症 ND 14%減少(p=0.01) 変化無し 死亡 22%増加(p=0.04) 7%減少(p=0.28) 7%増加(p=0.61) 重篤低血糖 16.2% 5.1% 2.7% 1.5% 21.1% 9.7% 体重変化 +3.5kg +0.4kg 強化27.8% (>10kg) -0.1kg kg +8.2kg +4.1kg インスリン 77.3% 55.4% 40.5% 24.1% 85% 70% *HbA1cはいずれもNGSP値 13
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糖尿病治療ガイド2012-2013における「血糖コントロール目標」の改訂
6月1日より運用開始
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熊本宣言2013 日本糖尿病学会は、糖尿病の予防と治療の向上に取り組んでいます。
日本糖尿病学会は、糖尿病の予防と治療の向上に取り組んでいます。 糖尿病は、放置すると、眼・腎臓・神経などに合併症を引き起こします。 また、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化症も進行させます。 糖尿病となった方が健康で幸福な寿命を全うするためには、早期から 良好な血糖値を維持することが重要です。 血糖の平均値を反映するHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)を7%未満に保ちましょう。 あなたとあなたの大切な人のために Keep your A1c below 7% 新バージョンです。 HbA1cのあとの(NGSP)を追加なしでよいのでは、というご意見が多数を占めましたので、NGSPはなしにしました。 門脇理事長および植木理事より、「日本でも、糖尿病の増加が問題となっています。」の表現が少し漠然としているのではないかとの指摘があり、「日本糖尿病学会は、糖尿病の予防と治療の向上に取り組んでいます。」に変更しました。 2013年5月16日 熊本にて 第56回日本糖尿病学会年次学術集会 会長 荒木栄一
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門脇理事長および植木理事より、現在のロゴマークでのbelowの表記のみでは「7%未満」の趣旨が伝わりにくいのではないかとの指摘があり、図案のように「< 7%」と書いてあるプレートをくまモンの上方に配置いたしました。なお、前回ありました襷は熊本県に申請しましたところ、くまモンが特定の団体を宣伝していてはいけないという規定に抵触すると指摘され、削除せざるを得なくなりました。当方の下調べが足りず、皆様を混乱させたことを、陳謝いたします。同様に、「< 7%」と書いてあるプレートを旗にしてくまモンに持ってもらうという案、プラカードを持ってもらうという案、またこれらをくまモンに片手で指してもらうという案も考えましたが。いずれも抵触するとのことで、実現しませんでした。結果として、原案で申請し、許可を得ることができました。皆様方には不満が残るかと思いますが、このロゴマークを使用することに、ご許可願えましたら幸いに存じます。
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2型糖尿病患者における複数危険因子介入試験(StenoⅡスタディー)
Gaede P, et al: N Engl J Med 2003; 348: 50 従来療法群 エンドポイント: 心血管死, 非致死的心筋梗塞, 冠動脈バイパス手術, 経皮的冠動脈治療, 非致死的脳卒中, 四肢切断, 閉塞性末梢動脈硬化症手術 40 P=0.007 53%低下 30 エンドポイント (%) 20 強化療法群 10 12 24 36 48 60 72 84 96 か月 StenoⅡにおける各危険因子のコントロール目標達成度 80 P<0.001 P=0.21 70 P=0.19 60 P=0.001 50 達成 (%) 40 強化治療群 従来治療群 30 P=0.06 20 10 HbA1c <6.5% コレステロール <175mg/dl 中性脂肪 <150mg/dl 収縮期血圧 <130mmHg 拡張期血圧 <80mmHg
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危険因子のコントロール指標 血糖コントロール 高 血 圧 肥 満 脂質代謝異常 喫 煙 HbA1c (N) 7 %未満
高 血 圧 肥 満 HbA1c (N) 7 %未満 空腹時血糖 130 mg/dL未満 食後2時間血糖 180 mg/dL未満 130/80 mmHg未満 BMI 22未満 脂質代謝異常 喫 煙 総コレステロール 200 mg/dL未満 LDLコレステロール 120 mg/dL未満 中性脂肪 mg/dL未満 HDLコレステロール 40 mg/dL以上 禁 煙 日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド2012
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糖尿病はコントロールできます 糖尿病 食事療法 運動療法 運動・食事がうまく行けば、薬を減らしたり、止めることも可能 薬物療法
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食事・運動・薬物療法のバランスが悪くなると
糖尿病が悪さをする 糖尿病 運動不足 食べ過ぎ 薬物療法
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糖尿病の合併症の管理 ー日常診療を向上させる7つのポイントー 生活習慣介入と自己管理をベースにした糖尿病治療 早期からの厳格血糖コントロール
アディポネクチン作用を改善する血糖コントロール 食後高血糖是正をはじめとして Early benefit と Legacy effect 低血糖リスクを最小限に しつつ良好な血糖コントロール(特に進行例) 肥満を起こさない血糖コントロール 血糖・血圧・脂質管理をすすめる統合的糖尿病治療 23
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病態に合わせた経口血糖降下薬の選択 経口血糖降下薬 2型糖尿病の病態 糖毒性 高血糖 インスリン抵抗性 増大 ビグアナイド薬 チアゾリジン薬
種 類 主な作用 インスリン抵抗性 増大 抵抗性改善系 インスリン ビグアナイド薬 肝臓での糖新生の抑制 骨格筋・肝臓での インスリン感受性の改善 チアゾリジン薬 血糖依存性のインスリン 分泌促進とグルカゴン 分泌抑制 インスリン 分泌能低下 DPP-4阻害薬 分泌促進系 インスリン 糖毒性 糖毒性 スルホニル尿素薬 インスリン分泌の促進 インスリン作用不足 より速やかなインスリン 分泌の促進・食後高血糖の改善 速効型インスリン分泌促進薬 食後高血糖 改善系 食後高血糖 高血糖 α-グルコシダーゼ 阻害薬 炭水化物の吸収遅延・ 食後高血糖の改善 空腹時高血糖 日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド より
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SU薬・グリニド薬によるインスリン分泌のメカニズム
グルコース 電位依存性Ca2+ チャネル KATPチャネル Ca2+↑ ATP/ADP↑ 代謝 膵β細胞 インスリン分泌 GLUT2 Ca2+ SU薬・グリニド薬 Ca2+ 電位依存性Ca2+ チャネル KATPチャネル ATP/ADP↑ 代謝 Ca2+↑ グルコース GLUT2 細胞外のグルコース濃度が上昇すると、2型糖輸送担体(GLUT2)を介してグルコースが細胞内に取り込まれ、糖代謝過程でATPが産生される。 次いで、ATP感受性Kチャネル(KATPチャネル)の閉鎖、細胞膜脱分極、電位依存性Ca2+チャネルの開口により、細胞内Ca2+濃度が上昇し、インスリン分泌が起こる(惹起経路)。 インクレチン(GLP-1、GIP)は、膵β細胞膜上のGLP-1、GIP受容体に作用し、細胞内cAMP濃度を上昇させる。そして、グルコースによるインスリン分泌経路があるときに初めて、インスリン分泌の促進が起こる(増幅経路)。 このように、インクレチンは血糖依存性にインスリン分泌を促進する。 膵β細胞 インスリン分泌
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血糖値、インスリン値の24時間の変動 SU薬の効果(朝食後あるいは朝夕食後1日1~2回服用) 200 血糖値 (mg/dl) 糖尿病 SU薬
100 健常者 50 40 30 20 10 追加インスリン 分泌 インスリン値 (mU/ml) 健常者 基礎インスリン 分泌 SU薬 糖尿病 6 12 18 24時 朝食 昼食 夕食
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血糖値、インスリン値の24時間の変動 グリニド薬の効果(1日3回各食前) 200 血糖値 (mg/dl) グリニド薬 糖尿病 100 健常者
50 40 30 20 10 追加インスリン 分泌 インスリン値 (mU/ml) 健常者 基礎インスリン 分泌 グリニド薬 糖尿病 6 12 18 24時 朝食 昼食 夕食
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(ボグリボース・アカルボース・ミグリトール)
“食後高血糖”コントロールの手段 速効性インスリン分泌促進薬 (ナテグリニド・ミチグリニド) 血糖 食事 インスリン 前 後 a-グルコシダーゼ阻害薬 (ボグリボース・アカルボース・ミグリトール) 血糖 食事 前 後 インスリン
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脂肪組織 肝臓 チアゾ リジン薬 骨格筋 チアゾリジン薬は“脂肪細胞小型化”、“アディポカイン正常化” 、
“エネルギーの流れの正常化”、により肝臓・骨格筋インスリン抵抗性を改善する。メトホルミンは直接肝臓のAMPキナーゼを活性化する。 脂肪組織 肝臓 インスリン 抵抗性 内臓脂肪 PPAR-g チアゾ リジン薬 AMPキナーゼ 糖新生 糖取り込み 脂肪沈着 アディポ ネクチン FFA TNFa アディポ ネクチン FFA TNFa エネルギー流入 メトホルミン 骨格筋 皮下脂肪 インスリン 抵抗性
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2型糖尿病 ピオグリタゾン の様々な効果 膵β細胞 機能保護 容量増加 メタボリック シンドローム 膵β細胞 機能不全 代償性過形成不全
肝臓・骨格筋 異所性脂肪沈着解除 抗炎症・インスリン抵抗性解除 肝臓・骨格筋 異所性脂肪沈着・炎症 インスリン抵抗性 内臓脂肪減少 脂肪細胞機能正常化 内臓脂肪蓄積 脂肪細胞機能不全 皮下脂肪蓄積能正常化 過栄養・高脂肪食・運動不足 +皮下脂肪蓄積能低下
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インクレチンとは GIP GLP-1 インスリン 栄養素 K細胞 膵β細胞 L細胞 小腸
インクレチンとは 食後に消化管から分泌され、膵β細胞からのインスリン分泌を増幅 血糖値に応じてインスリン分泌を促進 DPP-4により速やかに分解される 栄養素 インスリン GIP GIP 受容体 K細胞 膵β細胞 グルコース, 脂肪酸, アミノ酸 GLP-1 GLP-1 受容体 L細胞 小腸 31 31
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GLP-1などインクレチン経路を標的とした糖尿病治療薬
GLP-1/GIP経路(糖尿病で低下) GLP-1誘導体 (DPP-4抵抗性) DPP-4阻害薬 DPP-4(分解酵素) 膵b細胞 インスリン分泌
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インクレチン作用の特徴 β 血糖 依存的 α 膵保護* β β細胞量増加* (GLP-1のみ) 膵作用 低血糖のリスクが 少ない 膵外作用
インクレチン療法で 期待されるメリット 膵作用 β インスリン分泌促進 グルカゴン分泌抑制 (GLP-1のみ) 低血糖のリスクが 少ない 血糖 依存的 α 膵保護* β β細胞量増加* 膵外作用 食欲抑制(GLP-1のみ) 胃排出遅延(GLP-1のみ) 体重減少 (GLP-1のみ) インクレチンは、膵β細胞に作用してインスリン分泌を促進するとともに、α細胞にも作用してグルカゴン分泌を抑制する(グルカゴン分泌抑制はGLP-1のみ)。これらの作用は血糖依存的である。 また、非臨床試験においてβ細胞量の増加が認められている。 膵外作用として、GLP-1は脳、胃において食欲抑制、胃排出遅延に働く。 そのため、DPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬を用いるインクレチン療法では、低血糖のリスク低下、膵保護作用、体重減少などが期待される。 *非臨床試験でのみ確認されている Schemitz O: J Clin Endocrinol Metab 93, , 2008 Drucker DJ, et al: Gastroenterology 132, , 2007より作成
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GLP-1の血糖依存性インスリン分泌促進作用 およびグルカゴン分泌抑制作用
Cペプチド グルカゴン (mg/dL) (nmol/L) (pmol/L) 50 100 150 200 250 300 GLP-1または生理食塩水 持続注入 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 GLP-1または生理食塩水 持続注入 5 10 15 20 25 30 GLP-1または生理食塩水 持続注入 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * GLP-1 プラセボ –30 30 60 90 120 150 180 210 240 (分) –30 30 60 90 120 150 180 210 240 (分) –30 30 60 90 120 150 180 210 240 (分) 時間 時間 時間 mean±S.E. *p<0.05 vs プラセボ Student’s t 検定 対象:食事療法と経口血糖降下薬治療で十分な血糖コントロールが得られていない外国人2型糖尿病患者10例 方法:空腹時にGLP-1(7–36アミド)1.2 pmol/kg/分またはプラセボ(生理食塩水)を4時間持続静注した。 GLP-1=glucagon-like peptide-1 Nauck MA, et al: Diabetologia 36, , 1993より改変
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インクレチンによるインスリン分泌のメカニズム
グルコース 電位依存性Ca2+ チャネル KATPチャネル GLP-1、GIP 受容体 Ca2+↑ インクレチン (GLP-1、GIP) ATP/ADP↑ 代謝 増幅経路 惹起経路 Gs アデニル酸 シクラーゼ cAMP↑ 膵β細胞 インスリン分泌 ATP GLUT2 Ca2+ インクレチン (GLP-1、GIP) Ca2+ GLP-1、GIP 受容体 電位依存性Ca2+ チャネル KATPチャネル Gs アデニル酸 シクラーゼ ATP/ADP↑ 代謝 Ca2+↑ グルコース ATP 惹起経路 cAMP↑ GLUT2 増幅経路 細胞外のグルコース濃度が上昇すると、2型糖輸送担体(GLUT2)を介してグルコースが細胞内に取り込まれ、糖代謝過程でATPが産生される。 次いで、ATP感受性Kチャネル(KATPチャネル)の閉鎖、細胞膜脱分極、電位依存性Ca2+チャネルの開口により、細胞内Ca2+濃度が上昇し、インスリン分泌が起こる(惹起経路)。 インクレチン(GLP-1、GIP)は、膵β細胞膜上のGLP-1、GIP受容体に作用し、細胞内cAMP濃度を上昇させる。そして、グルコースによるインスリン分泌経路があるときに初めて、インスリン分泌の促進が起こる(増幅経路)。 このように、インクレチンは血糖依存性にインスリン分泌を促進する。 膵β細胞 インスリン分泌 GIP=glucose-dependent insulinotropic polypeptide GLP-1=glucagon-like peptide-1 監修: 京都大学大学院医学研究科 糖尿病・栄養内科学 稲垣暢也
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インスリン注射療法の実際 A. 速効型インスリン3回注射 2型糖尿病 B. 速効型インスリン3回注射 C.混合型インスリン朝夕2回注射
超 速効型インスリン3回注射 2型糖尿病 速効型インスリン イ ン ス リ 作 用 (6~12U、毎食前30分) 朝食 昼食 夕食 就寝 B. +持効型中間型 朝食 昼食 夕食 就寝 イ ン ス リ 作 用 1型糖尿病、2型糖尿病進行期 速効型インスリン (6~12U、毎食前30分) 持効型 (12~24U、就寝前) インスリン 速効型インスリン3回注射 インスリン就寝前注射 超 (中間型) インスリン (中間型)インスリン就寝前注射 C.混合型インスリン朝夕2回注射 混合型インスリン (18~24U、朝食前30分) (10~20U、夕食前30分) 朝食 昼食 夕食 就寝 イ ン ス リ 作 用 2型糖尿病
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Pioglitazone : Weight of Evidence
体重増加 心不全 骨折 膀胱がん? インスリン抵抗性を軽減 持続した血糖降下作用 脂質異常改善 抗炎症作用 CVイベント抑制の可能性 NAFLDを改善 好ましくない作用 好ましい作用 ベネフィットリスクのバランスを考慮しながら 有効な治療手段であるTZDを活用すべきと強調された Adapted from Choi et al. Trends in Endocrinology and Metabolism May 2012
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All Diabetes Drugs Have Limitations
クラス 制限(Limitations) 安全性の懸念 ビグアナイド 胃腸関連の副作用 乳酸アシドーシス スルフォニルウレア 持続性のなさ 低血糖 体重増加 DPP-4 阻害薬 血糖降下作用が限定的 膵炎? α-グルコシダーゼ 阻害薬 腸の不快感 トランスアミラーゼ上昇 GLP-1 作動薬 注射しかない 膵炎? 全ての薬剤はベネフィットをリスクのバランスを 考慮して使用すべきである Adapted from Nissen S ; ADA Scientific Session Oral Presentation 2012, Philadelphia
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