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11 行動分析学特論(8) 障害者の就労支援: 「障害のある個人」への就労支援 あるいは、「キャリア支援」
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この単元の課題 障害のある個人の就労支援 「援助つき就労(行動)の成立」の記述
「援助つき就労(行動)の成立」の記述 ・(応用)行動分析学の行動表現が、なぜ就労の支援において有効なのか? ・ 個別のスキル獲得からメタスキルの獲得へ ●自分で、自分の行動が成立しやすくするように、環境を変える行動を育成するには?
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障害のある個人への就労支援 Ⅰ.「支援」(対人援助)という概念: 「援助」・「援護」・「教授」の考え方
Ⅰ.「支援」(対人援助)という概念: 「援助」・「援護」・「教授」の考え方 Ⅱ.「(応用)行動分析」(ABA)を用いる理由 Ⅲ.事例集: 課題分析と機能分析 望月ら「対人援助学の可能性」(福村出版) WEB-CTに、望月.pdf、nakasika.pdf として資料倉庫にあります。 Ⅳ.今後の課題:
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行動分析学的の一般目標 正の強化で維持される行動の選択肢の拡大
徹底的に正の強化で維持しながら、(障害のある個人の)職業行動を成立させ維持していくには? ●当事者がどう仕事にコミットできるか やり方を工夫(カイゼン)したり、自分の仕事を楽しくする(=セルフ・マネジメント) これは一般的な職業人にも共通する要件(キャリア支援)であろう。
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Ⅰ.援助・援護・教授 「対人援助」あるいは「支援」とよばれる実践活動には、3つの機能が含まれる。 (行動分析学的「対人援助学」)
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3 2 1 Jobの指導・学習 治療・教授 援護 援助 ジョブの獲得、職場への定着のための対人援助 Instruction advocate
Assist 1 進歩するとは? 援助定着のための要請 今、job行動を成立させる環境設定
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援助、援護、教授を想定する意義 *当事者に過大な努力を求めたり(教授のみ) *機会のみ与えて放任してないか(援助のみ) *燃え尽きてないか (援護としての伝達や要請をせずにいないか) キャリア支援:当事者と援助者がともに「正の強化」で維持されること。
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Ⅱ.応用行動分析を用いる理由 「援助」「援護」「教授」に関わって・・・ 1)「教授」の記述:どう教えたら、ある行動の獲得ができるのか?
1)「教授」の記述:どう教えたら、ある行動の獲得ができるのか? 2)「援助」の記述:「なにがあれば」ある行動ができるのか? 3)「援護」の方法:他者に、1)2)を「確実」に 情報移行できるか? 1)2)3)の要件をみたすこと:そのまんま 支援プラン(キャリアプラン)の必要事項
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A B C 応用行動分析による行動の定義の意味 先行事象 反応(行動) 後続事象 「援助」は、AとCで表現可能
だから、「応用行動分析」という記述方法が包括支援プランにおいて採用される
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Ⅲ.就労支援の事例 0) 支援の基本:記録 1)実習ノートの形態を変化する 2)「幕張メモリーノート」の使用
0) 支援の基本:記録 1)実習ノートの形態を変化する 2)「幕張メモリーノート」の使用 3)「課題分析表」の自己チェック 課題分析→機能分析
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0)支援の基本:記録と表現 和食系ファミレスでの就労実習 記録の呈示による「援護活動」 記録はそのまま援護(advocacy)になる。
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獲得過程の記録例:表記(作業効率)
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積極的学習者へ Active Learner (積極的学習者) 自分で自分の行動を維持するために、 自分で環境設定を変える。
自分で自分の行動を維持するために、 自分で環境設定を変える。 自己管理行動(Self-management)とも言う 自立的自律ではなく、「他立的自律」でOK 工夫やカイゼンによって就労行動の達成が 正の強化で維持されるようにする →継続的就労のための支援
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1) 実習ノートの改変とフォローによる 生徒の表記変化について(高等部Aさん)
期間 2005年10月31日から11月11日(平日のみ9日間) 場所 立命館大学内 書籍購買部 今回の職場体験実習の目的 記録行動に及ぼす項目シールの効果を検討し、相澤さんの実習支援を行う。 実習ノートの記入項目を業務に関して具体的に記録ができるように改訂。 予備実験の位置づけ 与えられた仕事に関する記述を行うことによって、業務遂行に関するセルフマネジメントが可能かどうかを検討するために、記述行動に関しての操作が可能かどうかを確認する。 目的:実習ノート項目を変えることにより、生徒自身が自らの行動をモニターし、記録し、評価すること。 期間:2005年10月31日から11月11日(平日のみ9日間) 対象生徒:養護学校高等部1年生女子、知的障害 独立変数:記入項目シール 従属変数:記入内容と記入量 強化子:生徒が好きなキャラクターのシール ABデザイン
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変数 介入の方法(独立変数1) 記入量に従って、提供するもの(独立変数2) ジョブコーチがチェックする対象(従属変数) 記入項目シール
Aさんが好きなキャラクターのシール ジョブコーチがチェックする対象(従属変数) 記入内容と記入量(文章の数)
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書籍実習で使用した シール付き実習ノート
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記入項目シールを使用した結果 ○ 記入内容のうち、具体的な業務行動を明示しているものについてのみ強化を与えるとか。 言行一致について
体験実習ノートに記入した内容について、実際に行動として業務遂行に反映されていたかについて、うまく評価をとれなかった。パフォーマンスとの相関が不明瞭 実習先の職員さんにお願いしたが、すべて「○」としてくれて、注意や指導は口頭で随時おこなっていたので、変化などをおうことはできなかった。 生徒自身が毎回記入した項目が、実際にできたかどうかなどの評価を細かくしていなかったので、生徒の自己記録に対する自己評価が確実に取れていなかった。 →生徒が書いたことについて、生徒が実習後にひとつづつ評価するような記録ノートの体裁にするのがよかった。 今日の目標 ○/× 入力を間違えないようにする ○
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2) 幕張メモリーノート(+マニュアル) ●ホームセンターの就労実習において、物品の売り場の照会に対する回答ができるようにする。
2) 幕張メモリーノート(+マニュアル) ●ホームセンターの就労実習において、物品の売り場の照会に対する回答ができるようにする。 1)物品名と売り場を示したノートに書いた マニュアルを使用 2)わからない時には、ノートに当該物品名を記入し、店舗店員に取り次ぐ
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案内行動の達成率 図1.案内行動の達成率の推移 図1.案内行動の達成率の推移 ●接客中に、ノートを使用して物品探索と依頼
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3)自己チェックの効果 1)課題分析表中心の外的評価 問題点の発見 ↓ 2)機能分析による「自己管理型」の課題挿入
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宿泊施設での「清掃作業」の業務
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ここで問題が生じた! A君は、職員やジョブコーチに、過剰に「できました」と報告し時間を食ってします。 そのくせ、「仕上げ」ができない。
●課題分析表のみなおし? ★もっと細かい「課題」に別けて指導する?
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2つの行動の「機能」を考える YESMANを作ってしまう対応は、どういうものなのか? 図式できるでしょうか
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機能分析の結果 「自分で自分の仕事の完成度を評価する」 この行動の成立のための、援助設定と教授
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自己チェック表という援助
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他者への確認行動の減少 B君の報告・確認行動は、図1のチェックリストが無いときは平均18回であったが、B条件でチェックリストに自分で記入するようになったら平均4回に減少した。
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作業達成の変化 B条件「チェック表有」 A条件「チェック表なし」 A条件 ○ B条件ではA条件と比較してB君の課題達成率が上昇した。これはB君自身 が確認することを促す作業チェック表を用いることで、作業の完成度が高くなった ためであると考えられる。
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就労支援からみた現在の問題 他者依存・他者評価から、自己評価、あるいは自己管理(Self-Management)へ
学校教育へのフィードバックと連携 これに対応する「個別包括支援プラン」があるか? さまざまなセクター(複数の教員、親、企業、支援者)が、今、この生徒に必要な援助・教授・援護の内容を知ることのできる「情報プラットフォーム」
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Ⅳ.今後の課題:問題点 1)障害者の雇用は、企業にどんなメリットを生むか? 2)それを促進するようなジョブコーチのありようとはどんなものか?
3)継続的キャリアアップの経過を、どのように、組織内、組織間で情報移行し、ゼロスタートさせないようにするか?
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