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「情報は力」 Svensson and Yanagizawa (2009) “Getting Prices Right: The Impact of the Market Information Service in Uganda” Journal of the European Economic.

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1 「情報は力」 Svensson and Yanagizawa (2009) “Getting Prices Right: The Impact of the Market Information Service in Uganda” Journal of the European Economic Association, 7(2-3): 報告者:有本寛 2009/10/21

2 背景 市場が有効に機能するためには情報が重要 情報の欠落や情報の非対称性は,途上国では日常的な問題
Q. どんな情報が必要? 取引相手の所在,価格,品質,取引相手の特徴,etc 情報の欠落や情報の非対称性は,途上国では日常的な問題 しかし,情報へのアクセスの改善が市場の機能を改善させたことを示す実証的な知見は少ない

3 背景 ウガンダのMarket Information Service (MIS)プロジェクト 2000年4月より開始
市場での農産物価格を収集し,ラジオで放送 21 districts, weekly basis, 19 commodities ただし,実施地域と未実施地域がある  農家は正確でタイムリーな市場の価格情報へのアクセスが可能に

4 Q. 市場情報へのアクセスが改善されると,どのようなことが起こるだろうか?
農家の販売価格が変化 地域間の価格差の縮小 一物一価の法則の成立

5 課題と方法 課題: 仮説: 市場価格に関する情報の非対称性が,農家の農産物(トウモロコシ)の庭先販売価格に与える影響を識別すること
農家が市場の価格情報を得ることで交渉力を持ち,より有利な価格で販売できるようになる

6 課題と方法 検証戦略: 市場情報へのアクセスの相違: 市場情報へのアクセスの相違で,販売価格の相違を説明する MISの実施地域と未実施地域
ラジオ所有者,ラジオ非所有者

7 課題と方法 検証戦略: 市場情報へのアクセスの相違: 市場情報へのアクセスの相違で,販売価格の相違を説明する MISの実施地域と未実施地域
ラジオ所有者,ラジオ非所有者

8 主な結果 結果: 解釈: 市場情報へのアクセスがある農家は,そうでない農家に比べて,高い庭先販売価格で売っていた
市場情報へのアクセスが農家に優位な交渉力を持たせることができるという仮説と整合的

9 構成 導入 背景・コンテクスト 仮説と検証方法 検証結果 検証結果の吟味 結論 Introduction
Institutional Setup and Ugandan Maize Markets The Market Information Service Data and Identification Effect of Market Information on Farm-Gate Prices Robustness Concluding Remarks 導入 背景・コンテクスト 仮説と検証方法 検証結果 検証結果の吟味 結論

10 価格の時系列変化

11 地域ごとの価格のバラツキ

12 方法 観察単位:農家(N=2739) 推計式: 被説明変数:庭先販売価格 Radio: ラジオ所有ダミー MIS: MIS実施地域ダミー

13 方法 観察単位:農家(N=2739) 推計式: 被説明変数:庭先販売価格 Radio: ラジオ所有ダミー MIS: MIS実施地域ダミー

14 Radio MIS no MIS no Radio

15 結果

16 結論 MIS実施地域で,ラジオを持っている農家は,ラジオを持っていない農家に比べて,メイズの販売価格が有意に高かった
よって,市場情報へのアクセスが農家の価格交渉力を高め,有利な販売価格を実現したことが示唆される

17 Jensen, Robert (2007) "The Digital Provide: Information (Technology), Market Performance, and Welfare in the South Indian Fishery Sector". Quarterly Journal of Economics, 122(3):

18 ケータイの普及 事例:インド・ケララ州の漁民 漁港が無数にあるため,価格の把握が困難 ケータイの普及
1997年からケータイが徐々に使えるように 2001年には60%の漁船,仲買人,小売業者がケータイを持つようになった その結果,海上で買い手と価格交渉し,一番条件が良い漁港へ水揚げするようになった

19 ケータイの効果 市場間の価格差(変動係数)が60-70%から15%未満に下がった 一物一価の法則が成立するようになった
漁民の利潤が平均すると8%向上 小売価格が4%下がり,消費余剰は6%増えた

20 データ 3地域,15の市場(各地域から5) 300の漁業単位(各市場20) 1996/9/3~2001/5/29まで250週,毎週調査
サンプル数: 地域レベル: 3 x 250= 750 漁業単位レベル: 300 x 250 = 750,000 調査項目:漁獲量,販売(相手,量,価格,時刻),コスト,ケータイ所有,天候,漁場

21 普及以前の状況

22 ケータイの普及

23 ケータイの普及率

24 ケータイの普及と販売行動

25 各地域内の市場ごとの価格

26 推計式 推計式

27 推計結果

28 推計結果


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