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すべての人がともに生きるまちづくり -障害者差別解消法にふれて-
すべての人がともに生きるまちづくり -障害者差別解消法にふれて- 神奈川工科大学 創造工学部 小川 喜道 2019/2/24
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差別の解消は、「人の意識」に気づきが伴い、「法的な整備」が進んでいくことで達成できる
アメリカの例 イギリスの例 そして、日本では・・・ 2019/2/24
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アメリカの例 1964 公民権法 1966 「ハンディキャップをもつ人々による公共施設利用に係る法律」(バリアフリー・デザイン委員会設置)
1964 公民権法 1966 「ハンディキャップをもつ人々による公共施設利用に係る法律」(バリアフリー・デザイン委員会設置) 1968 「建築バリア(除去)法」 1973 リハビリテーション法504条 1990 ADA(障害をもつアメリカ人法) 成立 (American with Disabilities Act 1990) いわゆる「米国障害者差別禁止法」 2019/2/24
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1973 リハビリテーション法504条 504条では、・・・例えば特別な教育環境や支援といった合理的配慮が生徒一人ひとりに必要であることを認めるなどして、障害のある子どもや大人が、教育・雇用など様々な環境で機会を得られるようにしている。 政府機関、及び政府の援助を受けた団体には、それぞれに504条の施行規則が定められている。・・・障害をもつ被雇用者への合理的配慮、プログラムの利用のしやすさ、視聴覚障害者とのコミュニケーション、及び新規の建設や改築がアクセシブルであることが含まれている。 2019/2/24
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アメリカ障害者自立生活運動 1962 エド・ロバーツ カリフォルニア大 1970 「障害学生への援助プログラム」
1962 エド・ロバーツ カリフォルニア大 1970 「障害学生への援助プログラム」 1972 自立生活センター(バークレイ)発足 1986 「自立に向かって」(全米障害者評議会) 1988 ADA(障害をもつアメリカ人)法案 1990 ADA(障害をもつアメリカ人法) (American with Disabilities Act 1990) いわゆる「障害者差別禁止法」成立
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アメリカでは、障害者差別禁止法の前にその基となる法律がすでに存在していた。
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イギリスの差別禁止法に向かうあゆみ 1995 障害者差別禁止法 2000 平等法(すべての差別禁止を統合) 1970 慢性疾患及び障害者法
1970 慢性疾患及び障害者法 1975 性差別禁止法 1976 人種差別禁止法 1981 教育法 1985 住宅法 1989 地方自治体及び住宅法 1990 国民保健サービス及びコミュニティケア法 1993 改正教育法 1995 障害者差別禁止法 2000 平等法(すべての差別禁止を統合) 2019/2/24
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イギリス障害者差別禁止法1995 (現在は、イギリス平等法)
イギリス障害者差別禁止法1995 (現在は、イギリス平等法) 第2章 雇用 第3章 他の領域における差別 第4章 教育 第5章 公共交通 第6章 全国障害者評議会 2019/2/24
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イギリスでは、障害者差別禁止法の前にその基となる法律がすでに存在していた。
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では、日本はどうか・・・ 2019/2/24
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日本の差別解消法への道のり 1981 日本建築学会ハンディキャップト小委員会 「ハンディキャップ者配慮の設計手引き」
「ハンディキャップ者配慮の設計手引き」 「バリアフリー」の用語と国際社会での事例を解説 1994 ハートビル法 2000 交通バリアフリー法 2006 新バリアフリー法 2019/2/24
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日本では 国連・障害者権利条約(2006)の後に 差別を解消する 法的な整備が 進んでいく・・・
日本では 国連・障害者権利条約(2006)の後に 差別を解消する 法的な整備が 進んでいく・・・ 2019/2/24
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国連・障害者権利条約 批准国 174カ国 (2016年現在) 日本は、140番目に批准
批准国 174カ国 (2016年現在) 日本は、140番目に批准 条約: 国と国との文書による約束事 批准: 国がこの義務を守り、誠実に履行することが求められる 2006年12月13日 国連総会において採択 2007年 9月28日 日本は条約には署名 2008年 5月 3日 発効 2014年 1月20日 批准書寄託 2014年 2月19日 日本での効力発生 2019/2/24
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日本国憲法 障害者権利条約 2006 法律 障害者基本法(改正)1993, 2011 バリアフリー法2006, 2018
障害者権利条約 2006 法律 障害者基本法(改正)1993, 2011 バリアフリー法2006, 2018 障害者虐待防止法2011 障害者雇用促進法1960,1976, 1997, 2006, 2016
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日本の障害者運動の成熟性 日本が遅れて批准した、それなりの理由 2007年9月28日、日本は条約に署名。
ただし、安易に批准をしないという”力”があった。 権利を侵害していても問題とならないような制度政策をそのままにしているのでは、批准しても意味がない、との理由。 そして、新たな法の制定、改正が行われた。 2011年 障害者基本法改正 2012年 障害者総合支援法(自立支援法改正) 2016年 障害者雇用促進法改正 日本の障害者運動の成熟性 2019/2/24
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差別なき社会に向けて 国レベル (障害者基本法 2011) 障害の有無によって分け隔てられることなく、相
国レベル (障害者基本法 2011) 障害の有無によって分け隔てられることなく、相 互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会 県レベル(神奈川県障がい者福祉計画 5期2018~) 一人ひとりを大切にする。 「ともに生きる社会かながわ」 厚木市レベル(厚木市障がい者計画 5期2018~) 「すべての人がともに生きるまちづくり」 2019/2/24
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障害者差別解消法にみる 「障害者」とは・・・
身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)・その他の心身の機能障害 これらの障害者や社会的障壁により、日常生活や社会生活を送るのに継続的に相当な制限を受ける状態にある者 障害者差別解消法は、障害基本法(上記の定義)と同一 障害者雇用促進法では同一障害について「職業生活に相当の制限を受け、または職業生活を営むことが著しく困難な者」 2019/2/24
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社会的障壁の例 障壁 内容例 物理的な障壁 ・建物に段差があって入れない ・道路に点字ブロックがない
・車いすに乗ったままでは自販機のボタンが押せない 制度的な障壁 ・障害があると取れない資格がある ・点字で試験をしてくれない ・盲導犬と一緒にお店に入ろうとしたら断わられる 文化・情報面の障壁 ・チャイムや放送の音が聴こえない ・機械のボタンが多すぎて、わからない ・テレビや講演会で何をいっているのかわからない 意識上の障壁 ・障害者だからできないのは仕方ない ・この辺りに施設を作ってほしくない 2019/2/24
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差別を解消するための措置 法的義務 法的義務 努力義務 差別的取り扱いの禁止 国・地方公共団体等 民間事業者 合理的配慮の不提供の禁止 要領
指針 2019/2/24
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国・地方公共団体及び事業者の 「法的義務」
国・地方公共団体及び事業者の 「法的義務」 不当な差別的取り扱いの禁止(第7条、第8条) 事業を行うにあたり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取り扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。 具体的には、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否する、または提供にあたって場所・時間帯などを制限する、障害者でない者に対しては付さない条件を付ける、など・・・。 2019/2/24
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「合理的配慮」とは (国・地方公共団体は法的義務、事業者は努力義務)
(障害者権利条約第2章「定義」より) 障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享受し、または行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。 <障害の有無に関わらず、同じ機会を提供することであり、事業内容を本質的に変えることではない。> 場面や状況によって必要となる配慮が異なり、個別性が高い。 2019/2/24
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合理的配慮の例 障害の種類 配慮例 身体障害 ・安全に移動できるよう、手すりを付ける。 ・スロープをつける。 知的障害
・わかりやすく具体的に伝える。 ・作業手順をわかりやすくする。 精神障害 ・短時間勤務できるようにする。 ・休憩時間を細かく入れる。 ・通院しやすい環境をつくる。 発達障害 ・感覚過敏に配慮する(音に敏感であれば、イヤーマフをつける等) ・抽象的な表現を使わない。 難病 ・機能的な障害があれば、それらに対応できるようにする。 2019/2/24
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合理的配慮に対する法的義務 合理的配慮に対する努力義務 国の行政機関 独立行政法人 地方公共団体
地方独立行政法人(水道・交通・電気などを扱う公営企業) 合理的配慮に対する努力義務 民間事業者 2019/2/24
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対応要領、対応指針を定める (いわゆる ”差別解消のガイドライン”)
対応要領、対応指針を定める (いわゆる ”差別解消のガイドライン”) 国等の職員、対応要領 地方公共団体等の職員、対応要領 事業者のための対応指針 2019/2/24
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本法には罰則規定はない 報告請求 ↓ 助言 指導 勧告 ただし、報告義務違反、虚偽の報告を行った場合、20万円以下の過料 2019/2/24
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差別を解消するための支援 紛争解決・相談 既存の相談、紛争解決の制度の活用・充実 地域における連携 障害者差別解消支援地域協議会における関係
既存の相談、紛争解決の制度の活用・充実 地域における連携 障害者差別解消支援地域協議会における関係 機関等の連携 啓発活動 普及・啓発活動の実施 情報収集 国内外における差別及び差別の解消に向けた 取り組みに関わる情報も収集、整理及び提供 2019/2/24
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厚木市における差別解消法に関するアンケート調査 2015.8.
回答数188人(障害は多岐) 複数回答274件 悪かった事例 福祉: 親身になって相談にのってくれなかった 医療: 病院での診断の際に、コミュニケーションの手段を適切にとってもらえなかった 行政: 公共の建物の設備が不十分であった 販売・飲食: 対応が悪かった 情報通信: テレビの字幕放送が不十分 学校教育: 行事に参加できなかった 労働雇用:健常者等と比較して賃金が低い 2019/2/24
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厚木市における差別解消法に関するアンケート調査 2015.8.
回答数188人(障害は多岐) 複数回答274件 よかった事例 福祉: 対応がよかった 医療: 診療などの説明がていねいであった 行政: 公共の建物の設備がよくなった 販売・飲食: 障害に応じた対応をしてくれた 情報通信: 公共料金等の使用料金が点字で知らせてもらえる 学校教育: 先生に障害に応じた配慮をしてもらった 労働雇用:就労している際に感謝の言葉をかけられた 2019/2/24
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市民、事業者、行政職員の気づき! 共に生きる地域社会への意識!
豊かな暮らしづくりのために -障害者差別解消法にふれて- 大切なこと・・・ 市民、事業者、行政職員の気づき! 共に生きる地域社会への意識! 2019/2/24
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質問・お問い合わせ 神奈川工科大学 創造工学部 小川 喜道 E-mail: ogawa@rm.kanagawa-it.ac.jp
引用・参考文献 1) 日本柳覚編: これならわかる障害者差別解消法、翔泳社、2016 2) DPI日本会議編: 障害者が町を歩けば差別に当たる?!、現代書館、2017 3) 小川喜道: 工学的支援と合理的配慮、小川・杉野編著「よくわかる障害学」、 ミネルヴァ書房、2018 質問・お問い合わせ 神奈川工科大学 創造工学部 小川 喜道 2019/2/24
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