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看取りのクリニカルパス:Liverpool Care Pathway(LCP)日本語版の開発経過とパイロット試用の結果

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1 看取りのクリニカルパス:Liverpool Care Pathway(LCP)日本語版の開発経過とパイロット試用の結果
東芝病院 緩和ケア科 茅根義和

2 Liverpool Care Pathwayとは

3 Liverpool Care Pathway(LCP)
Dr. John Ellershaw(Marie Curie Center Liverpool)により2003年に提唱された看取りのクリティカル・パスである チェック・リスト形式のパスで、患者を看取るまで、そして看取り後の治療とケアの手引きとなり、経過記録を支援することを目的として作られている LCPを導入することによって看取りのケアの標準化が図られ、必要なケアがもれなく行われることができるようになる

4 LCPの概要 看取りへのケアにおける治療の手引きを示し、経過記録を支援することを目的としている。
チェックすべき項目は「目標」としてきさいされており、それぞれの目標を達成するために必要な介入も記載されている。 症状緩和のアルゴリズムと屯用指示が別に用意されており、具体的な症状緩和について使用できるようになっている。 LCPはクリティカルパスであるため、治療者は専門職としての判断に基づきパスが指示する以外の診療を自由に行うことができるが、パスと異なった診療行為についてはバリアンスとして記載する。

5 LCPの構成 パスの適応基準 Section 1 Section 2 バリアンス分析シート 症状緩和のアルゴリズムと屯用指示
初期アセスメント Section 2 継続アセスメント 死別後のケア バリアンス分析シート 症状緩和のアルゴリズムと屯用指示 痛み 悪心・嘔吐 喘鳴 呼吸困難 鎮静

6 LCP日本語版の開発過程

7 開発の過程1 2004年6月 研究チーム(LCP Working Group Japan)の立ち上げ 2004年12月
  著作者の非英語圏へのLCP普及プログラムへの登録 2004年12月〜2008年10月   EORTC guidelinesに沿った翻訳作業

8 翻訳過程 逆翻訳1 翻訳専門家1名(日本語→英語) 逆翻訳2
(医師8名、看護師3名) 逆翻訳1 翻訳専門家1名(日本語→英語) 逆翻訳2 逆翻訳者は2名の独立したLCPを知らないネイティブスピーカー 順翻訳1,2の相違点を元に、オリジナルから翻訳作業を行う(2005年7月2日、9日 約270時間) 逆翻訳のチェック 邦訳第2案の確定 邦訳第2案のチェック 順翻訳1  医師1名 (英語→日本語) LCP日本語版(暫定版) 順翻訳2  オリジナル版LCP(英語) 邦訳第1案の確定

9 翻訳過程での具体的作業 LCPver.11の各項目を逐次日本語に翻訳
翻訳した各項目について、項目毎にその内容を日本で使用可能なものに修正・変更 専門家(緩和ケア領域、サイコオンコロジー領域、在宅領域の医師および看護師合計40名)による内容の修正 各目標項目の内容を日本の医療に見合う内容に修正する 日本で使用するにあたっての目標項目の取捨選択 日本語版用アルゴリズムの作成 日本で使用可能なアルゴリズムの作成

10 開発の過程2 パイロット試用とLCP日本語版の確定
パイロット試用(2009年1月〜3月)   淀川キリスト教病院ホスピスおよび聖隷三方原病院ホスピスにおいて各20例ずつのパイロット試用を行った 2009年7月   パイロット試用の結果をふまえて、研究チームによりLCP日本語版の修正を行い、LCP日本語版を確定した

11 暫定版と日本語版のちがい パイロット試用の結果を受けての修正点

12 基本的にはオリジナルのLCP(英語版ver.11)と項目は同じである 一部日本の実情に併せて内容を変更している部分はある
  パイロット試用前(暫定版) 基本的にはオリジナルのLCP(英語版ver.11)と項目は同じである 一部日本の実情に併せて内容を変更している部分はある

13 パイロット試用後(日本語版) 主な変更のポイント 日本語の表記についての見直し 記載(特にバリアンスの記載)がしやすいように全体の構成を変更
 パイロット試用後(日本語版) 主な変更のポイント 日本語の表記についての見直し 記載(特にバリアンスの記載)がしやすいように全体の構成を変更 パイロット試用にて全例バリアンスになった項目の削除

14  主な変更点とそのポイント


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