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Published byうのすけ のたけ Modified 約 5 年前
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資料 http://www.slis.tsukuba.ac.jp/~hiraga/LA/
線型変換のイメージ 固有値、固有ベクトル 平賀譲(209研究室) 資料
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話の概要 線型写像、線型変換とは 線型変換と図形、ベクトル 固有値と固有ベクトル 線型変換と座標変換 線型変換・座標変換の応用
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線型変換 ベクトル x, y、行列 A によって: y = A x で表される x → y の関係
( x, y は n 次元ベクトル、A は n×n 行列) 正比例 y=ax の一般化(多変数化) 「掛け算」で表せる関係
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線型変換の(代数的)定義 ベクトル空間 V 上の写像 f: V→V で:
足してから掛けても掛けてから足しても同じ: f (x+y) = f (x)+f (y) 定数倍してから掛けても、掛けてから定数倍しても同じ: f (ax) = af (x) 特に f (0) = 0 (0 はゼロベクトル) 行列積はこの条件を満たす(確かめよ): A(x+y) = Ax+Ay A(ax) = aAx
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変換の合成、逆変換 2つの変換φ、ψ(変換行列 A, B)の合成 x → φ(x) → ψ(φ(x)) は、行列の積として表せる。 x → Ax → BAx 逆変換は逆行列で表せる。 x → y = φ(x)= Ax ⇒ x = A-1y (ただし正則変換であることが条件)
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(参考:「線形」と「線型」) “linear” の訳語で、どちらでもいいようなものだが、正確に言えば「線型」のほうが正しいだろう。
しかし世の中は「線形」のほうが優勢。 ここでは(趣味として)「線型」を用いる。 高校等で「1次結合」、「1次変換」、「1次独立」などと言う場合の「1次」も同じ意味。
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図形的な性質(1) 一般には、線型変換によってベクトルの向きも大きさも変わる。 どのように変わるかは、変換行列 A の性質として決まる。
個別のベクトルでは特殊な性質が成り立つものがある。 向きが変わらない⇒「固有ベクトル」 デモ1
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図形的な性質(2):正則変換 直線 ⇒ 直線 同じ向きの線分は長さの比が変わらない 多角形 ⇒ 多角形
原点を通る直線 ⇒ 原点を通る直線 平行な2直線 ⇒ 平行な2直線 同じ向きの線分は長さの比が変わらない 多角形 ⇒ 多角形 平行四辺形 ⇒ 平行四辺形 (長方形 ⇒ 平行四辺形) 三角形 ⇒ 三角形
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図形的な性質(3):正則変換 円 ⇒ 円、楕円 放物線 ⇒ 放物線 (一般に2次曲線は2次曲線に写る)
図形の面積 ⇒ 定数倍 (定数:行列式の値(の絶対値)) デモ2
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図形的な性質(4):非正則な場合 A x = 0(x≠0)となるベクトル x が存在する場合、A は非正則行列。
非正則な場合、変換によって情報が失われる(復元不能である)。 例: (正)射影 任意の x について、Ox = 0(O はゼロ行列) 1 0 0 0 x y x 0 0 0 1 x y y = = デモ3
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(正則)線型変換の分類(2次元) 角 q の回転 相似拡大 反転(鏡映) ずらし変換(Shear 変換) cosq -sinq
sinq cosq a 0 0 a a 0 0 b 1 0 0 -1 0 1 1 0 1 a 0 1 デモ4
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(続き) どのベクトルの向きも変わらない変換 ←この場合だけ a 0 どのベクトルの大きさも変わらない変換 ⇒ 直交変換(直交行列) 0 a
どのベクトルの向きも変わらない変換 ←この場合だけ どのベクトルの大きさも変わらない変換 ⇒ 直交変換(直交行列) 直交変換は回転と鏡映の2種類。 これに平行移動を加えたもの:「合同変換」 直交行列の列ベクトル同士・行ベクトル同士は互いに直交する。 直交行列の行列式は±1。 a 0 0 a
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固有値、固有ベクトル(1) 行列 A によって向きが変わらないベクトル⇒ A の 固有ベクトル
x が A の固有ベクトルなら、 Ax = lx となる定数 l がある ⇒ A の 固有値
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固有値、固有ベクトル(2) 一般に n 次正方行列には、複素数まで許せば(重複も数えて) n 個の固有値がある。
回転行列の固有値は複素数(非実数)。 ⇔ 回転はすべてのベクトルの向きを変える。 対称行列の固有値はすべて実数。 A が非正則 ⇔ A は固有値 0 をもつ。 (Ax = 0・x = 0 だから) デモ5
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固有値、固有ベクトル(3) l が A の固有値なら、 Ax = lx = lI x (I は単位行列)
したがって: (AーlI ) x = 0 つまり行列 AーlI は非正則 ⇔ det(A ーlI ) = 0 (det A は A の行列式) これを A の 固有方程式、 左辺を 固有多項式 と呼ぶ。
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固有値、固有ベクトル(4) a-l b c d-l 2次元なら: AーlI = det(AーlI ) = (a-l)(d-l)-bc = l2 -(a+d)l + ad-bc = 0 つまりl はこの2次方程式の根。 (一般に n 次行列なら n 次方程式になる) 参考: n 次方程式は複素数の範囲で必ず n 個の根を持つ(代数学の基本定理)。
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おまけ 行列A の固有多項式を f (l) とする。 このとき f (A) = O が成り立つ。 (Cayley-Hamilton の定理)
2次元の場合が高校で覚えさせられるもの: A2 -(a+d) A + ad-bc = O
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固有値・固有ベクトルの役割 行列 A による線型変換は、固有ベクトルの方向には単なる定数倍として働く。
対角行列(対称行列の場合など) 一般には対角化できない場合もあるが、その場合でも「ジョルダン標準形」にはできる。 ⇒ 座標変換
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座標変換 座標系を固定して図形を変換するのと、図形を固定して座標系を逆変換するのとは実質的に同じこと。 例: 図形を角q 回転するのと、座標系を 角(-q) 回転するのとは同じ結果。 座標系の移動 ⇒ 座標変換 デモ6
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座標変換(2) x y 1 1 = x y が、一次独立なベクトル , により = X Y と表せる ⇒(x,y) 座標系から (X,Y) 座標系への変換 = F = :座標変換行列 a b c d x y a b c d x y a c b d X Y a c b d
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座標変換(3) 行列(=線型変換)A により y = Ax とする。
x = FX, y = FY として、FY = AFX、つまり Y = F-1AF X (XY 座標系での変換) 同様に Y = BX なら y = FBF-1 x B = F-1AF: A の 相似変換
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座標変換(4) xy 座標系での y = Ax を計算するには、 XY 座標系で Y = BX を計算して xy 座標系に戻せばよい。
B = F-1AF が簡単な形の場合に有効。 (特に B が対角行列の場合) 例えば An = (FBF-1)n = (FBF-1) (FBF-1)...(FBF-1) = FBnF-1 であり、B が対角行列なら計算が簡単。
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相似変換 B = F-1AF が対角行列であるような F が存在するとき: (一般には対角化できない場合もある。)
B の対角成分は A の固有値 F の行・列ベクトルは A の固有ベクトル (一般には対角化できない場合もある。) A が対称行列の場合、固有値はすべて実数、対角化可能で、F は直交行列。
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線型変換・座標変換の応用 応用例はヤマのようにある。 漸化式(線型差分方程式)の解法 (線型)微分方程式の解法
統計解析(回帰分析、相関分析等々) 2次曲線・2次曲面の分類 コンピュータグラフィックス、計算幾何 正射影(平行投影) 透視射影 同次座標 事例紹介
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