1 宇宙は何からできてくるか ? 理学部 物理 森川雅博 宇宙を満たす未知のエネルギー:暗黒エネル ギー 局在する見えない未知の物質:暗黒物質 銀河・星・ガス 何からできているか … 2006/7/25.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
物理科3回 尾尻礼菜 ブラウン運動 ブラウン運動のシミュレーション。黒色の媒質粒子の衝 突により、黄色の微粒子が不規則に運動している。
Advertisements

1 銀河系力学構造の 構築について 上田晴彦 ( 秋田大学 ) 郷田直輝, 矢野太平 ( 国立天文台 ) 竹原理論物理学研究会 2011年6月7日 ホテル大広苑.
ボース・アインシュタイン凝縮体 での時空アナロジー 栗田泰生 ( 関西学院大学 ) 『アインシュタインの物理』でリンクする研究・教育拠 点研究会 11日 10月 2008 於 大阪市立大学 共同研究者の皆様 : 小林未知数 ( 東大理 ) 、 坪田誠 ( 大阪市立大学 ) 石原秀樹 ( 大阪市立大学.
Sophia University 2005/9/23 体験授業 相転移の物理 磁性,超伝導,宇宙 理工学部物理学科 大槻東巳,黒江晴彦,大沢明
2009/5/16 SilverlightSquare Sao Haruka 量子暗号について 量子力学から量子暗号まで 2009/5/16 Sao Haruka.
宇宙ジェット形成シミュレー ションの 可視化 宇宙物理学研究室 木村佳史 03S2015Z. 発表の流れ 1. 本研究の概要・目的・動機 2. モデルの仮定・設定と基礎方程式 3. シンクロトロン放射 1. 放射係数 2. 吸収係数 4. 輻射輸送方程式 5. 結果 6. まとめと今後の発展.
ボース・アインシュタイン凝縮体 での時空アナロジー 栗田泰生 ( 神奈川工科大学) 『アインシュタインの物理』でリンクする研究・教育拠 点研究会 於 大阪市立大学 共同研究者の皆様 : 小林未知数 ( 東京大学 ) 、 坪田誠 ( 大阪市立大学 ) 石原秀樹 ( 大阪市立大学.
重力波で探る暗黒物質の起源 齊藤 遼 重力波研究交流会
ニュートン重力理論における ブラックホール形成のシミュレーション
自己重力多体系の 1次元シミュレーション 物理学科4年 宇宙物理学研究室  丸山典宏.
宇宙はどうやって始まったか? ー 宇宙の誕生と進化の光景 ー 京都大学基礎物理学研究所 佐々木節.
学年 名列 名前 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 名列____ 氏名________
学年 名列 名前 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 名列____ 氏名________
第6回 制動放射 東京大学教養学部前期課程 2012年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
原始惑星系円盤の形成と進化の理論 1. 導入:円盤の形成と進化とは? 2. 自己重力円盤の進化 3. 円盤内での固体物質の輸送
重力レンズ効果を想定した回転する ブラックホールの周りの粒子の軌道
はじめに m 長さスケール 固体、液体、気体 マクロスコピックな 金属、絶縁体、超伝導体 世界
課題演習 B6 量子エレクトロニクス 物理第一教室・量子光学研究室 教授 高橋義朗
INTRODUCTION n-アルカン結晶 低温秩序相(LO) 回転相(R) 融液相(L) 秩序無秩序固相転移 融解・結晶化.
数値相対論の展望        柴田 大 (東大総合文化:1月から京大基研).
高エネルギー物理学特論 岡田安弘(KEK) 2007.1.23 広島大学理学部.
準光速ロケットでのブラックホール旅行における時間の遅れ
現実の有限密度QCDの定性的な振る舞いに
課題研究 Q11 凝縮系の理論  教授  川上則雄 講師 R. Peters 准教授 池田隆介  助教 手塚真樹  准教授 柳瀬陽一.
ゴースト場凝縮と宇宙論 向山信治 (東京大学) 平成19年5月29日
黒体輻射とプランクの輻射式 1. プランクの輻射式  2. エネルギー量子 プランクの定数(作用量子)h 3. 光量子 4. 固体の比熱.
NTTコミュニケーション科学基礎研究所 村山 立人
Cosmic strings and early structure formation
古典論 マクロな世界 Newtonの運動方程式 量子論 ミクロな世界 極低温 Schrodinger方程式 ..
一次元光学格子中の冷却気体Bose-Einstein凝縮系 における量子輸送方程式による数値シミュレーション
重力・重力波物理学 安東 正樹 (京都大学 理学系研究科) GCOE特別講義 (2011年11月15-17日, 京都大学) イラスト
担当: 松田祐司 教授, 笠原裕一 准教授, 笠原成 助教
原子で書いた文字「PEACE ’91 HCRL」.白い丸はMoS2結晶上の硫黄原子.走査型トンネル顕微鏡写真.
担当教官 理論: 菅沼 秀夫 実験: 成木 恵 藤岡 宏之 前期: それぞれ週1回のゼミ 後期: 理論ゼミ + 実験作業
運動の規則性と不規則性 科学的認識の芽生えと発展 2012/8/4 京都教育大学 オープンキャンパス.
担当教官 理論: 菅沼 秀夫 実験: 成木 恵 前期: それぞれ週1回のゼミ 後期: 理論ゼミ + 実験作業
LHC計画が目指す物理とは × 1:ヒッグス粒子の発見 2:標準理論を越える新しい物理の発見 未発見!
東邦大学理学部物理学科 宇宙・素粒子教室 上村 洸太
連続体とは 連続体(continuum) 密度*が連続関数として定義できる場合
 DPF サイエンス検討会 宇宙論的な重力波源 東大ビッグバンセンター (RESCEU) 齊藤 遼.
担当: 松田 祐司 教授, 寺嶋 孝仁 教授, 笠原 裕一 准教授, 笠原 成 助教
京大他、東大やアデレード大学など日豪の16機関が共同で、オーストラリアの砂漠地帯に望遠鏡4台を建設しTeVγ線を観測している。
新潟大学集中講義 ープラズマ物理学特論ー (天体電磁流体力学入門) 2004年1月19日ー1月21日
素粒子、原子核、宇宙の理論研究のフロンティア
LHC計画で期待される物理 ヒッグス粒子の発見 < 質量の起源を求めて > 2. TeVエネルギースケールに展開する新しい物理パラダイム
LHC計画で期待される物理 ヒッグス粒子の発見 < 質量の起源を求めて > 2. TeVエネルギースケールに展開する新しい物理パラダイム
高エネルギー物理学特論 岡田安弘(KEK) 2008.1.15 広島大学理学部.
銀河座 12月番組 製作:高梨 ダークが支配 我が宇宙 2011年度 ノーベル物理学賞 解説.
大阪市立大学 宇宙物理(重力)研究室 D2 孝森 洋介
インフレーション宇宙における 大域的磁場の生成
宇 宙 その進化.
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
Marco Ruggieri 、大西 明(京大基研)
定常剛体回転する宇宙ひもからの 重力波放射
Massive Gravityの基礎と宇宙論
強結合プラズマ 四方山話 − 水素とクォーク、高密核融合、 クーロンクラスター、そして粘性 −
P5 田中貴浩(教授)、細川隆史(准教授)、瀬戸直樹(助教) 担当:天体核研究室の教員
α decay of nucleus and Gamow penetration factor ~原子核のα崩壊とGamowの透過因子~
課題研究 P4 原子核とハドロンの物理 (理論)延與 佳子 原子核理論研究室 5号館514号室(x3857)
天文・宇宙分野1 梅村雅之 「次世代スーパーコンピュータでせまる物質と宇宙の起源と構造」
記者懇談会 重力の謎に迫る ~ブラックホール、ストリング、10次元宇宙~
媒質中でのカイラル摂動論を用いた カイラル凝縮の解析
研究紹介:山形大学物理学科 宇宙物理研究グループ 柴田研究室
2016年夏までの成果:標準理論を超える新粒子の探索(その1) 緑:除外されたSUSY粒子の質量範囲 [TeV]
2017年夏までの成果:標準理論を超える新粒子の探索(その1) 緑:除外されたSUSY粒子の質量範囲 [TeV]
Massive Gravityの基礎と宇宙論
教育学部 自然環境教育課程 天文ゼミ 菊池かおり
[2] 超対称性理論(SuperSymmetry, SUSY) [4] ヒッグス粒子の階層性(微調整・不自然さ)問題
[2] 超対称性理論(SuperSymmetry, SUSY) [4] ヒッグス粒子の階層性(微調整・不自然さ)問題
Presentation transcript:

1 宇宙は何からできてくるか ? 理学部 物理 森川雅博 宇宙を満たす未知のエネルギー:暗黒エネル ギー 局在する見えない未知の物質:暗黒物質 銀河・星・ガス 何からできているか … 2006/7/25

2 プランク点 原子核・クォーク 宇宙 エネルギー密度と天体のスケール de Vaucouleurs-Ikeuchi 図 ( 量子論 ) ( 一般相対論 ) 密度 スケール ( cm ) 銀河 銀河団 ★ Stars ★ WD ★N★N 原子 分子 生命 惑星 因果限界 ハイゼンベルグ不確定性限界 Λ

3 clusters Λ 暗黒エネルギー73% 暗黒物質23% ★暗黒物質・暗黒エネルギーは何か ? ★それらはどう関連している ? なぜ現在ほぼ等量か ? ⇒それらは 同一の物? ヒント ★宇宙の骨格を作るのは、重力+ 量子力学 であった ⇒ DE= 量子凝縮体! 宇宙論の問題と解決の糸口

4 量子凝縮体(ボーズアインシュタイン)とは BEC :充分低温で原子が マクロにそろった状態 ⇒ DE Bose ガス:熱的に励起し、 ばらばらな状態 ⇒ DM ◆ 宇宙は充分低温か ? そう!もし ボソン質量が 20eV より軽け れば

5 ボーズアインシュタイン凝縮( BEC )の宇宙モデル エネルギー → 宇宙膨張 ゆっくりと凝縮が進む 凝縮体の運動 BEC は不安定 BEC は不安定になり崩壊する → 銀河サイズに局在 → 巨大ブラックホールを 作る → 銀河にブラックホール 付随 崩壊のタイミング:対数周期! 宇宙は最後に加速膨張する → インフレーション機構 … これからの帰結 時間 密度 DE DM

6 BEC 宇宙論からの推測 BEC に限らず一般に 相転移 が構造を作る! 秩序 無秩序 例えば: 水蒸気の凝縮 温度低下による結晶化 磁石になる

7 density scale ( cm ) ミクロ量子論から マクロ古典論への相転移 自発的対称性の破れの観測論 量子揺らぎの古典化相転移 一般化された有効作用の方法 広がったガスから 自己重力系への相転移 自己重力系の非ボルツマン統計力学 暗黒物質・エネルギー ボーズアインシュタイン相転移宇宙論 様々な相転移が宇宙の構造を作っていく

8 宇宙は何からできてくるか … 相転移を通して秩序構造が出現する → 時間発展の2元論(周期的&突発的)を示唆する → 普遍か ? 周期的(可逆)突発的(不可逆) 物理一般 時間変化 (ニュートン、 Maxwell 等) 相転移 (一般有効作用) 量子論 ユニタリ発展 (シュレディンガー方程 式) 量子測定 ( 対称性の自発的破れ ) 宇宙物理 連続変化 (アインシュタイン方程 式) 構造形成 (ボーズ E 凝縮&崩 壊) 地球磁場 定常磁場 (ダイナモ理論 ? ) 磁場の反転 ( ? ) 生物 世代交代の連続 (DNA 継承 ) 突然変異・絶滅 (?) 数学 正則領域 ( 解析的接続 ) 特異点 ( ? )