Maximal likelihood 法に基づく Matched filter について 田越秀行(阪大理) 2004.4.22 LCGT コヒーレンス解析 WG 2004.4.26 修正 Ref: Finn, PRD63, 102001 (2001) Pai, Dhurandhar, Bose, PRD64,

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Maximal likelihood 法に基づく Matched filter について 田越秀行(阪大理) LCGT コヒーレンス解析 WG 修正 Ref: Finn, PRD63, (2001) Pai, Dhurandhar, Bose, PRD64, (2001) Helstrom, “Statistical Theory of Signal Detection”, (Pergamon, 1968)

Maximal likelihood 法に基づく Matched filter について Finn, PRD46, 5236 (1992) Likelihood ratio :s が存在するとき, g を観測する確 率 :s が存在しないとき, g を観測する 確率 ノイズ n(t) : 平均値 =0 のガウス過程とする ガウス的時系列データ + 信号のとき

ノイズだけの時,個々の は に従う に従 う 連続極 限: とおくと,

未知パラメータを含むとき Maximum-likelihood estimate: Maximum-likelihood 検定 : 対応する false alarm 確率は 信号の振幅 と信号が表されている S/N 比:

検出器が複数台ある時について 複数台の検出器があるときの,全体の likelihood ratio は それぞれの検出器のノイズがお互いに独立ならば, 個々の検出器の LR の積で書ける と,検出器によらない振幅を取り出す を最大にする は

このときの lnλ は 従って,検出器の感度に差があるとき,感度の悪い検出 器からの寄与は,自動的に小さくなる. これは平均値が と規格化された S/N となる もしすべての検出器が同一ならば, となる.

ある振幅 A をもつ信号を各検出器へ入射させる すると, 一方,各検出器単独の S/N は S/N は約 倍 平均値

Pai et al. (PRD64, ) : Inspiral の場合について,位相,偏極角, inclination 角 について,解析的に最大化した.その結果, rho は各検出器からの rho の2乗 和の 形となる.もし,各検出器からの rho の2乗和を取ると, A=0 の時には, つまり, を規格化された S/N と解釈するために は N で割る必要がある. N で割ってしまうと,信号がある時の の期待値 は 1台の検出器の値と同じ. つまり, には S/N のゲインが読みとれな い. S/N の 2 乗和によるネットワーク S/N につい て

より詳細には,確率分布関数を使い, false alarm rate を固定して検出効率を比較する 必要がある. 信号がないときには,カイ2乗分布の自由度を増やすことになるので,同じ S/N で の false alarm rate は小さくなり, false alarm rate を固定すれば, S/N の閾値が下がり, 検出効率が向上する. しかし, 2 乗和によるネットワーク S/N の定義は,我々が期待する性質を持っておら ず,注意が必要. 少し疑問:解析的な最大化を取る前と後での検出効率の差はあるか?

検出器出 力: フィルター : フィル ター 出力 のときで,その 時 参考: Matched filter の性質 ( 最大 S/N フィルター )