サノフィと Regeneron 社は、脂質管理の重要性の認知 向上と LDL コレステロール治療におけるアンメット メディカルニーズの研究に寄与してまいります。 脂質管理におけるアンメットニーズ 2015 年 6 月作成 2016 年 5 月改訂 SAJP.ALI 監修 : 帝京大学医学部 臨床研究センター センター長 寺本 民生 先生

2 心血管系疾患の既往歴の有無にかかわらず高コレステロール血症患 者の主要治療目的はLDL-Cを低下させることです 1,2,3 欧州心臓病学会 (ESC）/欧州動脈硬化学会 (EAS) および全米コレステロール教育プログラム成人治療委員 会 成人治療パネル（NECP ATP）III ガイドラインは、心血管イベント発症高リスク群の LDL-C管理目標値 は100 mg/dL未満、非常に高いリスク群では70 mg/dL未満 と推奨しています 1,2 高リスク群 LDL-C 管理目標値 100 mg/dL未満 非常に高いリスク群 LDL-C 管理目標値 70 mg/dL未満 1）European Association for Cardiovascular Prevention & Rehabilitation, et al.: Eur Heart J 32(14): , ）Grundy SM, et al.: Circulation 110(2): , ） 日本動脈硬化学会 編 : 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版, 杏林舎, 東京, 2012

3 LDL-C 1 mmol/L（39mg/dL）の減少につき、1年あたりの心 血管系イベントの相対リスクが22 ％低下することが示されています 4 4) Cholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaboration, et al.: Lancet 376(9753): , ) Cannon CP, et al.: N Engl J Med June 3, 2015 a: GISSI Prevenzione; b: ALLHAT-LLT);c: ALERT; d: LIPS; e: FCAPS/TexCAPS; f: CARE; g: LIPID; h: PROSPER; i: ASCOT-LLA; j: WOSCOPS; k: Post CABG; l: CARDS; m: HPS; n: 4S LDL-Cの減少量 39 ( mmol/L ) (mg/dL) n m l i j k f e d g h c b a (%) IMPROVE-IT ● LDL-Cの減少と主要な冠動脈疾患イベント発症率の低下 5 22%22%22%22%

4 LDL-C 50mg/dL未満の群で主要な心血管系イベントの発症率 のハザード比は0.44と最も低値であることが示されています 6 ＜50 （n=4,375） *LDL-C 175mg/dL以上群を1.00とした場合 50〜＜75 （n=10,393） （mg/dL） 75〜＜100 （n=10,091） 100〜＜125 （n=8,953） 125〜＜150 （n=3,128） 150〜＜175 （n=836） ≧175 （n=375） 6) Boekholdt SM, et al.: J Am Coll Cardiol 64(5): , 対象 : スタチンによる治療が行われ、その後1年以上のフォローアップがなされた8つの無作為化臨床試験、解析対象38,153例 方法：メタ解析の手法を用い、管理LDL-C値ごとの主要心血管系イベント発症リスクについて検討

5 日本において、心血管疾患のハイリスク患者は、厳格な脂質管 理が必要であるにもかかわらず、約3割は管理不十分です 7 ● 二次予防群・一次予防カテゴリー III 群の合併疾患別 LDL-C 管理目標値未到達率 全国 15 施設の電子カルテシステムより、 ) 寺本 民生 ほか：薬理と治療 41： , 2013

6 NIPPON DATA 90 ● 耐糖能異常の有無別に見た危険因子数と循環器疾患死の関係 耐糖能異常なし耐糖能異常あり なし1個1個2個2個3個以上なしまたは 1個 2個2個3個以上 （n=181） （n= 1,604） （n=2,600）（n=1,451）（n=985）（n=249）（n=149） 耐糖能異常以外の危険因子数 日本においても、糖尿病など複数の代謝危険因子を保有する一次予 防患者では、心血管死亡率は高いことが示されています 8 8) Kadota A, et al.: Diabetes Care 30(6): , 2007

7 ACS発症後の追跡期間 薬物治療, ％ 入院患者フォローアップ患者 全例 (n=3,597) 一年 (n=3,351) 二年 (n=3,228) 抗血小板薬(全例) 抗高血圧薬 スタチン ST上昇型心筋梗塞患者 全例 非ST上昇型ACS患者 (日)(日) 累積心血管系 イベント発症率 p＝0.001（STEMI vs NSTE-ACS, Log-rank test） 対象：20歳以上日本人ACS入院患者3,597人を2年間追跡調査 方法：2年間主要な心血管系イベントの累積発症率をKaplan-Meier法で解析 既存の薬物療法にもかかわらず急性冠症候群（ACS）患者の 心血管系イベント再発率は依然高いままです % 4.75% 9) Daida H, et al.: Cric J 77(4): , 2013

8 推定累積LDL-C値：推定LDL-C値×年 推定LDL-C値算出モデル 非FH：0-15歳 80mg/dL、15-24歳 100mg/dL、25-34歳 120mg/dL、35-54歳 140mg/dL FH：無治療 180mg/dL ：低用量スタチンを用い10-18歳より治療開始 120mg/dL ：高用量スタチンを用い18歳時点で治療開始 100mg/dL 推定累積LDL-C値* 低用量スタチン 開始 高用量スタチン 開始 (mg/dL) 10) Wiegman A et al.: Eur Heart J May 25. pii: ehv ,000 6,000 4,000 2, FH：無治療 FH：18歳より治療 FH：10歳より治療 非FH脂質異常症 （歳） FH患者は若年からの累積LDL-C値がきわめて高く、CHD発症予防 のために早期からの介入が必須です 10 53歳 35歳 48歳 55歳

9 糖尿病を含む二次予防患者および一次予防患者では、LDL-C低下 によるCHDイベント予防効果が複数の研究によって示されています 11 11) Fisher M: Heart 90(3): 336–340, 2004 (％)(％) LDL-C 平均値（mg/dL） CARE DM (プラバスタチン) LIPID DM (プラバスタチン) 4S DM (シンバスタチン) CARE (プラバスタチン) LIPID (プラバスタチン) AFCAPS (ロバスタチン) CARE (プラセボ) LIPID (プラセボ) 4S (プラセボ) LIPID DM (プラセボ) CARE DM (プラセボ) AFCAPS (プラセボ) WOSCOPS (プラセボ) WOSCOPS (プラバスタチン) 4S DM (プラセボ群) 糖尿病患者の二次予防 二次予防 一次予防 4S (シンバスタチン)

10 まとめ ●LDL-C 値とCVイベント発症との間には明らかな相関が認められる ●CVイベント発症リスクに応じてLDL-C値を管理することが重要 （二次予防の場合：日本のGLでは＜100mg/dL, 欧米では＜70mg/dL） ●欧米のデータでは、LDL-C値を50mg/dL未満に管理した際のHRは0.44と最も低 いことが示されている ●日本では、約3割がLDL-C管理目標値を達成していない ●複数の危険因子を保有する糖尿病併発高コレステロール血症、ACS発症後の2次 予防、家族性高コレステロール血症など、未だにCVイベントリスクが高い病態もあり、 現状の脂質低下療法の課題となっている ●LDL-C 値とCVイベント発症との間には明らかな相関が認められる ●CVイベント発症リスクに応じてLDL-C値を管理することが重要 （二次予防の場合：日本のGLでは＜100mg/dL, 欧米では＜70mg/dL） ●欧米のデータでは、LDL-C値を50mg/dL未満に管理した際のHRは0.44と最も低 いことが示されている ●日本では、約3割がLDL-C管理目標値を達成していない ●複数の危険因子を保有する糖尿病併発高コレステロール血症、ACS発症後の2次 予防、家族性高コレステロール血症など、未だにCVイベントリスクが高い病態もあり、 現状の脂質低下療法の課題となっている