“ 生きもの ” のリズム 心臓細胞 (五島氏提供) 多様性の起源 京大理 吉川研一 Jan., 8, ’04 at Kyoto “ もの ” のリズム運動 5 mm.

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相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
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“ 生きもの ” のリズム 心臓細胞 (五島氏提供) 多様性の起源 京大理 吉川研一 Jan., 8, ’04 at Kyoto “ もの ” のリズム運動 5 mm

Rhythm : Breaking of Translational Symmetry of Time 自由度が大きい系 では、「エネル ギー等分配則」に より安定なリズム は起こり得ない 平衡系

生物のリズム現象 ・卵割(発生) ・日周性(サーカディアン)リズム ・神経発火・脳波 ・心臓の拍動 ・自発呼吸 ・歩行 etc 1) 軌道安定なリズム 2) モードスイチング(分 岐) 3) 引き込み同調 非線形振動の特徴 すべてが 非線形振動 シナリオは簡単 速い変数が断熱的に消 去され、少数の遅い変 数 (Order Parameter) に 縮約される

油滴の “ ランダムウオーク ”

自発的な界面張力振動 Magome&Yoshikawa, J.Phys.Chem. (1996) 急激な油水界面張力の増加 ↓ 振動に同期した界面運動 water oil

往復運動をする油滴 ⇒ Octadecyl trimethyl ammonium chloride Nitrobenzene (KI & I 2 ) glass substrate aqueous phase oil droplet 5 mm Magome & Sumino

坂道を上る油滴 5 mm  = 25° Magome & Sumino

宙返りする油滴 25 mm Magome & Sumino

m nm mm 古典力学 量子力学 ゆらぎの世界 エネルギー散逸 mm  m~nm スケールの定常的なリズムは, 非平衡 散逸系の非線形現象としての特質を示す  m~nm の世界のリズ ム:エネルギーの補給 と散逸との競争

Symmetry of Argument in a Mesoscopic System Thermodynamics Kinetics

フィードバックとリズム If: 軌道不安定なリズム xy x,y: システムの状態を表す変 数 x が双安定であるとき: 水の流れ、交 通流、化学反応系、光エネルギーの流れ など 軌道安定なリズム y x

Earth Energy Source Limit cycle Bifurcation Self-synchronization Spatio-temporal structure Life !! 光が生み出すミクロな世界のリズ ム open system Energy Source SunlightLaser Chemical Reaction

光が生み出すミクロな世界のリ ズム 第一景: 光駆動型スチームエンジン 第二景: ミクロクラスターの成長爆発のリズ ム 第三景: ミクロ相分離:ミクロ液滴の流転 第四景: 単一高分子の伸縮のリズム 第五景: ミクロチューブの往復運動 第六景: 光駆動ロータリー・モーター

Mie regime ( 2R >> ) 幾何光学の概念によるトラップ力の定性的な説明 (A) 入射光軸の中心に物体があるが、焦点よりも物体が遠い 場合, (B) 入射光軸の中心に物体があり、焦点よりも物体が 近い場合, (C) 入射光軸の中心から物体がずれている場合の いずれの場合も、物体に働く力はビームの焦点方向を向く。 (A)(B)(C)

Rayleigh regime (  >> 2R )   H ★ Nd:YAG Laser  ~ 1  m ↓  ~  3*10 14 (Hz) ★原子間振動運動  ~ 3  m ↓ OH ~  1*10 14 (Hz) ★光吸収:可視光線  ~ 0.5  m ↓ green ~  6*10 14 (Hz) E h

第一景 微小水滴のリズム(光駆動スチームエ ンジン) Ichikawa, et al., Eur.Phys.Lett.

実験装置 Ichikawa, et al.

ミクロ水滴の成長消滅のリズム スチームエンジ ン Ichikawa, et al.

振動モデル 実験で得られた表面積の成長速度とレーザー パワー依存より、以下の振動モデルを考える。 面積sの時間発展 元の水相への水蒸気・水の流れ これに、適当な値を入れて時間発展を見 る。 Ichikawa, et al.

理論計算実験結果 Ichikawa, et al. 二つの異なる状態の間の周期的なスイッチ

実験結果数値計算 第ニ景 ビーズクラスターの成長と爆発 N. Magome et al., Phys.Rev.E,’02.

Periodic clustering and busting Magome, et al., Phys.Rev.E,’02. Period: 1-2 s Limit Cycle Oscillation (軌道安 定なリズ ム)

N. Magome et al., Phys.Rev.E,’02.

実験計算 N. Magome et al., Phys.Rev.E,’02. 二つの異なる状態の間の 周期的なスイッチ

実験計算 N. Magome et al., Phys.Rev.E,’02. 二つの異なる状態の間の周期的なスイッチ

第三景 ミクロ相分離 レーザー照射 水-トリエチルアミン混合溶液 相分離 水 油 Mukai,Appl.Phys.Le t t. et al.(‘03)

10  m 水ートリエチルアミンの溶解曲線 水 油 10  m 油滴の定常トラッ プ 水滴の湧き出 し Mukai,Appl.Phys.Le t t. et al.(‘03)

均一相から油滴の湧き出 し Mukai,Appl.Phys.Le t t. et al.(‘03)

均一相からの水滴の 湧き出しと消滅 二つの異なるプロセスの 競争 Mukai,Appl.Phys.Le t t. et al.(‘03)

第四景 単一高 分子鎖のリズム 運動

Mayama, et al., Faraday Discuss,01.

DNA 分子の周期的高次構造転移 実験結果 数値計算 Mayama, et al., Faraday Discuss,01. 凝縮状態コイル状態 → ←

Nomura, et al., Phys.Rev.Lett.,01. 第五景 チューブの往復運 動

第六景 回転運動 μm Harada, et al., Appl.Phys.Lett.,02.

Full length 57  m G T 4 DN A ( 166 kbp) Bar: 0.1  m T4 DNA: 166kbp 全長 57  m Cationic surfactant 長鎖 DNA の折り畳み : on/off スイッチング TEM 像

Experiment Simulation Sakaue, et al., JCP(’02) Matsuzawa, et al., JACS(’96) 単一 DNA 分子レベルでの折り畳みの過程 (T4 DNA) Time Interval : 2s 凝縮DNAの 電子顕微鏡像

Natural Swelling

ChemBioChem(2003).