Interactive Session 「症例から学ぶ HIV 感染症診療のコツ 」 座長:岩本 愛吉 山元 泰之 味澤 篤 中村 哲也 第 17 回日本エイズ学会学術集会・総会 特別教育セッション Improving the Management of HIV Diseases 第 17 回日本エイズ学会学術集会・総会 特別教育セッション Improving the Management of HIV Diseases
///// 症例 ///// ///// 症例 ///// 山元 泰之
症例 歳 男性 MSM 会社員20 歳 男性 MSM 会社員 新しいパートナーに勧められ保健所の検査を受け HIV 感染症と診断された 新しいパートナーに勧められ保健所の検査を受け HIV 感染症と診断された 感染時期は不明 感染時期は不明 既往歴:特記するものなし 既往歴:特記するものなし 疾患としての HIV 感染症には比較的詳しく、 CD4 数 、ウイルス量によっては抗 HIV 療法開始の必要のあ ることなどは理解している 疾患としての HIV 感染症には比較的詳しく、 CD4 数 、ウイルス量によっては抗 HIV 療法開始の必要のあ ることなどは理解している Y 症例 1-1
症例 1-2 初回検査時の CD4 は 150 cells/ul 、ウイルス量は 750,000 c/ml 以上であった 初回検査時の CD4 は 150 cells/ul 、ウイルス量は 750,000 c/ml 以上であった スクリーニングの範囲内では、日和見感染症の徴候 はみられない スクリーニングの範囲内では、日和見感染症の徴候 はみられない STD 、肝炎等のマーカーはなかったSTD 、肝炎等のマーカーはなかった Y 症例 1-2
症例 1-3 初診 2 週後に検査結果説明、疾患の教育などが行わ れた 初診 2 週後に検査結果説明、疾患の教育などが行わ れた 詳しい問診により、感染成立は約 4 年前と推定され た 詳しい問診により、感染成立は約 4 年前と推定され た 1 ヶ月後の CD4 は 120 cells/ul 、ウイルス量は 750,000 c/ml 以上であった1 ヶ月後の CD4 は 120 cells/ul 、ウイルス量は 750,000 c/ml 以上であった 抗 HIV 療法を開始することで合意が得られた 抗 HIV 療法を開始することで合意が得られた Y 症例 1-4
症例 1-4 治療薬剤は、 AZT/3TC/LPV rに決定された 治療薬剤は、 AZT/3TC/LPV rに決定された 治療開始 1 ヶ月後の CD4 は 230 cells/ul 、ウイルス 量は 7,000 c/ml であった 治療開始 1 ヶ月後の CD4 は 230 cells/ul 、ウイルス 量は 7,000 c/ml であった その後の経過 その後の経過 CD4 ウイル ス量 CD4 ウイル ス量 2 ヶ月後 ,000 2 ヶ月後 ,000 3 ヶ月後 ,000 3 ヶ月後 ,000 Y 症例 1-6
症例 歳代、女性30 歳代、女性 覚醒剤常用。 HCV 陽性 覚醒剤常用。 HCV 陽性 来院は一定しない 来院は一定しない CD4 は 300 cells/ul 前後、ウイルス量は 10,000 c/ml ~ 20,000 c/mlCD4 は 300 cells/ul 前後、ウイルス量は 10,000 c/ml ~ 20,000 c/ml 覚醒剤中毒、不眠などの治療のためジアゼパム、ト リアゾラム服用中 覚醒剤中毒、不眠などの治療のためジアゼパム、ト リアゾラム服用中 挙児希望があり、母子感染予防のための抗 HIV 療法開 始の要望があった 挙児希望があり、母子感染予防のための抗 HIV 療法開 始の要望があった Y 症例 2-1
症例 2-2 覚醒剤からの離脱を先決事項とすることで合意し た。覚醒剤・抗不安薬・睡眠導入剤の妊娠分娩に 与える影響の説明が行われた。 覚醒剤からの離脱を先決事項とすることで合意し た。覚醒剤・抗不安薬・睡眠導入剤の妊娠分娩に 与える影響の説明が行われた。 Safer Sex と自然妊娠という形の排反性について の認識不足。Safer Sex と自然妊娠という形の排反性について の認識不足。 挙児希望表明 2 ヶ月後、不正性器出血にて来院。妊 娠反応、 GS 確認にて妊娠 3 ヶ月と判定された。 挙児希望表明 2 ヶ月後、不正性器出血にて来院。妊 娠反応、 GS 確認にて妊娠 3 ヶ月と判定された。 Y 症例 2-2
症例 2-3 アンフェタミン,ジアゼパム,コカインの使用は月経周期 にほとんど影響しないため,受胎を妨げるものではない。 アンフェタミン,ジアゼパム,コカインの使用は月経周期 にほとんど影響しないため,受胎を妨げるものではない。 コカイン以外の薬剤なら妊娠に気づいた時点で薬を止めれ ばあまり問題はないとされる。アンフェタミン、ヘロイン 、 LSD の類などを妊娠初期に使用しても先天奇形の児が生 まれる頻度は非使用者と変わらない。ただし妊娠経過中使 用し続けると胎児の発育に影響する。コカインの場合、妊 娠初期以降も継続使用すると母体で心筋梗塞や痙攣発作を きたし死亡する可能性がある。コカインは胎児に様々な影 響がでる。胎児に中枢神経系、心臓の奇形、腎・泌尿器系 の奇形が起こる確率が高まる。 コカイン以外の薬剤なら妊娠に気づいた時点で薬を止めれ ばあまり問題はないとされる。アンフェタミン、ヘロイン 、 LSD の類などを妊娠初期に使用しても先天奇形の児が生 まれる頻度は非使用者と変わらない。ただし妊娠経過中使 用し続けると胎児の発育に影響する。コカインの場合、妊 娠初期以降も継続使用すると母体で心筋梗塞や痙攣発作を きたし死亡する可能性がある。コカインは胎児に様々な影 響がでる。胎児に中枢神経系、心臓の奇形、腎・泌尿器系 の奇形が起こる確率が高まる。 アンフェタミン中毒者では、流産の確率も高まるとされて いる。 アンフェタミン中毒者では、流産の確率も高まるとされて いる。 Y 症例 2-4
症例 歳代、男性、 MSM20 歳代、男性、 MSM 抑うつにより、精神科医受診中 抑うつにより、精神科医受診中 精神科医により HIV 抗体検査を勧められ感染を確認 され紹介来院した 精神科医により HIV 抗体検査を勧められ感染を確認 され紹介来院した 数回にわたる検査において、 CD4 は 500 ~ 800 cells/ul 前後、ウイルス量は 20,000 c/ml ~ 40,000 c/ml であった 数回にわたる検査において、 CD4 は 500 ~ 800 cells/ul 前後、ウイルス量は 20,000 c/ml ~ 40,000 c/ml であった 経過観察中、 ALT/AST が 3000 IU 前後まで上昇し HBV 感染が確認された 経過観察中、 ALT/AST が 3000 IU 前後まで上昇し HBV 感染が確認された Y 症例 3-1
症例 3-2 急性 B 型肝炎の診断で入院、安静臥床のうえ経過観 察 急性 B 型肝炎の診断で入院、安静臥床のうえ経過観 察 1 ヶ月の経過観察後、 ALT/AST は 200 前後に低下し た1 ヶ月の経過観察後、 ALT/AST は 200 前後に低下し た しかし、 HBe 抗原陽性が持続し、 HBV DNA 値も高 値( 10 6 c/ml [ PCR 法])を持続した しかし、 HBe 抗原陽性が持続し、 HBV DNA 値も高 値( 10 6 c/ml [ PCR 法])を持続した CD4 は 700 cells/ul 、 HIV ウイルス量は 20,000 c/mlCD4 は 700 cells/ul 、 HIV ウイルス量は 20,000 c/ml Y 症例 3-2
症例 3-3 HIV 感染者では、 3TC 治療による YMDD 耐性変異は 21-25%/ 年認められる。HIV 感染者では、 3TC 治療による YMDD 耐性変異は 21-25%/ 年認められる。 非 HIV 感染者では、急性 B 型肝炎の慢性化率は 5% な いしはそれ以下であるが、 HIV 感染者では 20 ~ 40% にのぼり、早期に肝硬変への移行もありうる。 非 HIV 感染者では、急性 B 型肝炎の慢性化率は 5% な いしはそれ以下であるが、 HIV 感染者では 20 ~ 40% にのぼり、早期に肝硬変への移行もありうる。 BHIVA ガイドライン等では、 ALT/AST が基準値の 1.5 倍を越える症例、 HBV DNA が 10 5 c/ml を越える 症例での治療開始を推奨している。BHIVA ガイドライン等では、 ALT/AST が基準値の 1.5 倍を越える症例、 HBV DNA が 10 5 c/ml を越える 症例での治療開始を推奨している。 3TC 中止例では、野生株の増殖により肝不全が経験 されている。3TC 中止例では、野生株の増殖により肝不全が経験 されている。 Y 症例 3-4
症例 3-4 本症例では、 CD4 高値、ウイルス量非高値などに より 2 ヶ月程度の経過観察の後 COM/ABC による治 療を開始した。 IFN も併用している。 本症例では、 CD4 高値、ウイルス量非高値などに より 2 ヶ月程度の経過観察の後 COM/ABC による治 療を開始した。 IFN も併用している。 Y 症例 3-5
症例 年診断の HIV 感染症患者。1999 年診断の HIV 感染症患者。 CD4 は 500 cells/ul 前後、ウイルス量は 20,000 c/ml ~ 30,000 c/ml 前後で推移している。CD4 は 500 cells/ul 前後、ウイルス量は 20,000 c/ml ~ 30,000 c/ml 前後で推移している。 抗 HIV 薬は未投与。 抗 HIV 薬は未投与。 ペニスに潰瘍性病変が発生し受診した。 ペニスに潰瘍性病変が発生し受診した。 Y 症例 4-1
症例 4-2 ペニスの潰瘍性病変は、軽度の疼痛を伴った。 ペニスの潰瘍性病変は、軽度の疼痛を伴った。 Y 症例 4-2
症例 4-3 潰瘍発生時点での、 RPR 、 TPHA は陰性。 潰瘍発生時点での、 RPR 、 TPHA は陰性。 ペニスの潰瘍性病変に、疼痛を伴うことから、 HSV 感染を疑いバラシクロビル(バルトレックス)、 1000mg/ 日の投与が行われた。 ペニスの潰瘍性病変に、疼痛を伴うことから、 HSV 感染を疑いバラシクロビル(バルトレックス)、 1000mg/ 日の投与が行われた。 2 週間後の受診時、ペニスの潰瘍性病変は軽快して いた。2 週間後の受診時、ペニスの潰瘍性病変は軽快して いた。 Y 症例 4-3
症例 ヶ月後の受診時、下に示すような皮膚病変が認め られた。3 ヶ月後の受診時、下に示すような皮膚病変が認め られた。 Y 症例 4-4
Y 症例 4-6 梅毒疹
梅毒疹 Y 症例 4-7
///// 症例 ///// 味澤 篤
症例 歳台男性40 歳台男性 2000 年夏より体幹に発疹。 2001 年 3 月より口腔内違 和感あり2000 年夏より体幹に発疹。 2001 年 3 月より口腔内違 和感あり 近医受診しカポジ肉腫( KS )および HIV 感染症が疑 われ紹介入院した 近医受診しカポジ肉腫( KS )および HIV 感染症が疑 われ紹介入院した うつ病の既往がある うつ病の既往がある CD4+ は 11 個 /μL で HIV RNA は 110,000 copies/mlCD4+ は 11 個 /μL で HIV RNA は 110,000 copies/ml カリニ肺炎、 KS 、 CMV 胃炎と診断され加療し軽快 した カリニ肺炎、 KS 、 CMV 胃炎と診断され加療し軽快 した WBC 2000 個 /μL 、 Hb 8.6g/dL 、 Plt 90,000 個 /μLWBC 2000 個 /μL 、 Hb 8.6g/dL 、 Plt 90,000 個 /μL A 症例 1-1
ACTG 5095 Interim DSMB analysis revealed more rapid virologic failure in the Trizivir treated group (p < 0.001)Interim DSMB analysis revealed more rapid virologic failure in the Trizivir treated group (p < 0.001) The estimated risk of virologic failure with Trizivir is 7% over 3 months versus 3.5% for the EFV-containing regimensThe estimated risk of virologic failure with Trizivir is 7% over 3 months versus 3.5% for the EFV-containing regimens A 症例 1-3
症例 年 5 月より d4T+3TC+LPV/ r開始2001 年 5 月より d4T+3TC+LPV/ r開始 2001 年 12 月、 CD4+ は 140 個 /μL で HIV RNA は <50 copies/ml2001 年 12 月、 CD4+ は 140 個 /μL で HIV RNA は <50 copies/ml 2002 年 3 月、末梢神経炎にて d4T を ZDV に変更2002 年 3 月、末梢神経炎にて d4T を ZDV に変更 2002 年 4 月中旬、同僚が突然死、以後嘔気、嘔吐さ らに体重減少、下肢脱力および四肢しびれあり2002 年 4 月中旬、同僚が突然死、以後嘔気、嘔吐さ らに体重減少、下肢脱力および四肢しびれあり A 症例 1-4
症例 1-3 入院し HAART は中止 入院し HAART は中止 上部内視鏡では胃炎の所見 上部内視鏡では胃炎の所見 後日判明した乳酸は 52.2mg/dl と高値 後日判明した乳酸は 52.2mg/dl と高値 PO2 102mmHg 、 PCO2 30mmHg 、p H 7.42 、 HCO3- は 20mEq/lPO2 102mmHg 、 PCO2 30mmHg 、p H 7.42 、 HCO3- は 20mEq/l 輸液などで徐々に全身状態は改善、乳酸値も 24.4 mg/dl と改善 輸液などで徐々に全身状態は改善、乳酸値も 24.4 mg/dl と改善 2002 年 5 月、 CD4+ は 90 個 /μL で HIV RNA は 680,000 copies/ml 、乳酸値は 16.6 mg/dl2002 年 5 月、 CD4+ は 90 個 /μL で HIV RNA は 680,000 copies/ml 、乳酸値は 16.6 mg/dl A 症例 1-6
症例 1-4 (経過) 2002 年 6 月、 Abacavir+3TC+LPV/r で再開2002 年 6 月、 Abacavir+3TC+LPV/r で再開 全身状態に変化なし 全身状態に変化なし 2003 年 1 月、 CD4+ は 112 個 /μL で HIV RNA は <50 copies/ml2003 年 1 月、 CD4+ は 112 個 /μL で HIV RNA は <50 copies/ml A 症例 1-8
Mitochondrial DNA content in HepG2 liver cells (A) and skeletal muscle cells (B) treated with NRTIs for 9 days Gabriel Birkus, et al. 9th CROI, Washington, Abstract 708-T. A 症例 1-9
症例 歳台男性、運転手50 歳台男性、運転手 2001 年 2 月 1 日より発熱、咽頭痛あり。近医受診し 皮疹、頚部 LN 腫大指摘される。肝機能障害も認め 、その後下痢も出現したため当院紹介入院した。2001 年 2 月 1 日より発熱、咽頭痛あり。近医受診し 皮疹、頚部 LN 腫大指摘される。肝機能障害も認め 、その後下痢も出現したため当院紹介入院した。 HIV 急性感染が疑われ、 18 日の HIV スクリーニング が陽性であった。既に WB 検査も陽性で、 CD4+ は 294 個 /μL で HIV RNA は 27,000,000 copies/ml と高 値であった。HIV 急性感染が疑われ、 18 日の HIV スクリーニング が陽性であった。既に WB 検査も陽性で、 CD4+ は 294 個 /μL で HIV RNA は 27,000,000 copies/ml と高 値であった。 2001 年 8 月、 CD4+ は 274 個 /μL で HIV RNA は 500,000 copies/ml2001 年 8 月、 CD4+ は 274 個 /μL で HIV RNA は 500,000 copies/ml A 症例 2-1
症例 年 9 月より ZDV+3TC+LPV/r で開始したところ 倦怠感、心窩部痛が出現。 AST 473 、 ALT 767 を認 めたため HAART を中止したところ肝機能は正常化 した。 HBV および HCV は陰性であった。2001 年 9 月より ZDV+3TC+LPV/r で開始したところ 倦怠感、心窩部痛が出現。 AST 473 、 ALT 767 を認 めたため HAART を中止したところ肝機能は正常化 した。 HBV および HCV は陰性であった。 心窩部痛が継続するため 2001 年 10 月、上部内視鏡 施行。進行胃癌を認めた。 心窩部痛が継続するため 2001 年 10 月、上部内視鏡 施行。進行胃癌を認めた。 2001 年 11 月、幽門側胃切除し、リンパ節郭清およ び Billroth- Ⅰ吻合。合併症なく経過した。2001 年 11 月、幽門側胃切除し、リンパ節郭清およ び Billroth- Ⅰ吻合。合併症なく経過した。 2002 年 1 月、 CD4+ は 230 個 /μL で HIV RNA は 280,000 copies/ml2002 年 1 月、 CD4+ は 230 個 /μL で HIV RNA は 280,000 copies/ml A 症例 2-3
症例 2-3 (経過) 休暇を取ってもらい、 ZDV+3TC+EFV で HAART を 再開した。 休暇を取ってもらい、 ZDV+3TC+EFV で HAART を 再開した。 投与初期に軽度のふらつきを認めたのみでほとんど 副作用は見られなかった。肝機能異常もみられなか った。 投与初期に軽度のふらつきを認めたのみでほとんど 副作用は見られなかった。肝機能異常もみられなか った。 2002 年 10 月、 CD4+ は 287 個 /μL で HIV RNA は <50 copies/ml2002 年 10 月、 CD4+ は 287 個 /μL で HIV RNA は <50 copies/ml A 症例 2-5
Nelfinavir の吸収と食事の影響 桒原 健、治療学 35; 39-46, 2001 ng/mL n =695 A 症例 2-6
症例 歳台既婚女性30 歳台既婚女性 2001 年 12 月カリニ肺炎発病2001 年 12 月カリニ肺炎発病 CD4+ は 87 個 /μL で HIV RNA は 360,000 copies/mlCD4+ は 87 個 /μL で HIV RNA は 360,000 copies/ml 他に合併症はなくカリニ肺炎は軽快した 他に合併症はなくカリニ肺炎は軽快した 挙児希望あり 挙児希望あり A 症例 3-1
妊娠と抗 HIV 薬 EFV は催奇形性が認められるEFV は催奇形性が認められる LPV/ rはプロテアーゼ阻害薬の推奨治療である が、妊婦での使用経験が少ないLPV/ rはプロテアーゼ阻害薬の推奨治療である が、妊婦での使用経験が少ない NFV はプロテアーゼ阻害薬のセカンドチョイスで あるが、妊婦での使用経験が豊富であるNFV はプロテアーゼ阻害薬のセカンドチョイスで あるが、妊婦での使用経験が豊富である A 症例 3-3
症例 年 1 月より ZDV+3TC+NFV で治療した2002 年 1 月より ZDV+3TC+NFV で治療した 2002 年 6 月、 CD4+ は 287 個 /μL で HIV RNA は <50 copies/ml2002 年 6 月、 CD4+ は 287 個 /μL で HIV RNA は <50 copies/ml 以後順調に経過していたが、 2003 年 6 月の検査で、 CD4+ は 487 個 /μL 、 HIV RNA は 2000 copies/ml とな った 以後順調に経過していたが、 2003 年 6 月の検査で、 CD4+ は 487 個 /μL 、 HIV RNA は 2000 copies/ml とな った A 症例 3-4
症例 3-3 (経過) アドヒアランスを確認したところほぼ 100% 近く内 服しているとのことであった アドヒアランスを確認したところほぼ 100% 近く内 服しているとのことであった HIV-RNA を再検したところ HIV RNA は <50 copies/ml であったHIV-RNA を再検したところ HIV RNA は <50 copies/ml であった 以後も CD4+ は 500 個 /μL 前後、 HIV RNA は <50 copies/ml で維持している 以後も CD4+ は 500 個 /μL 前後、 HIV RNA は <50 copies/ml で維持している A 症例 3-6
///// 症例 ///// 中村 哲也
症例 才代男性、特記すべき 合併症なし。 2001 年 4 月 から、抗 HIV 療法 ( AZT+3TC+ABC )を開 始した。30 才代男性、特記すべき 合併症なし。 2001 年 4 月 から、抗 HIV 療法 ( AZT+3TC+ABC )を開 始した。 ウイルス量は一過性に <50 copy/ml となったが、 その後徐々に増加する傾 向にある。服薬コンプラ イアンスを聞いたところ、 ほぼ 100% 内服していると のことであった。 ウイルス量は一過性に <50 copy/ml となったが、 その後徐々に増加する傾 向にある。服薬コンプラ イアンスを聞いたところ、 ほぼ 100% 内服していると のことであった。 AZT+3TC+ABC N 症例 1-1
症例 1-2 <経過> <経過> 2002 年 9 月に、耐性検 査( genotype )を実施 した。 2002 年 9 月に、耐性検 査( genotype )を実施 した。 AZT+3TC+ABC genotype N 症例 1-3
症例 1-3 <経過> <経過> genotype 検査の結果、逆 転写酵素の以下のアミノ 酸に耐性変異が見られた 。genotype 検査の結果、逆 転写酵素の以下のアミノ 酸に耐性変異が見られた 。 67, 70, 184 AZT+3TC+ABC genotype N 症例 1-5
症例 年 12 月から ddI+ABC+EFV に変更し ウイルス量は減少した が、検出感度未満まで 下がらなかった。2002 年 12 月から ddI+ABC+EFV に変更し ウイルス量は減少した が、検出感度未満まで 下がらなかった。 AZT+3TC+ABC ddI+ABC+EFV N 症例 1-7
症例 1-5 <経過> 2003 年 6 月から LPV/r を 追加し、強化療法を行 った。2003 年 6 月から LPV/r を 追加し、強化療法を行 った。 その結果、ウイルス量 は検出感度未満を維持 している。 その結果、ウイルス量 は検出感度未満を維持 している。 AZT+3TC+ABC ddI+ABC+EFV ddI+ABC+EFV+LPV/r N 症例 1-9
症例 才代男性、食道カンジ ダ症にて HIV 感染症 / エイ ズと診断される。 10 月カ リニ肺炎発症。 2001 年 1 月より d4T+3TC+EFV で HAART を開始した。40 才代男性、食道カンジ ダ症にて HIV 感染症 / エイ ズと診断される。 10 月カ リニ肺炎発症。 2001 年 1 月より d4T+3TC+EFV で HAART を開始した。 ウイルス量は一旦 <50 copy/ml となるも、その 後 50 〜 500 の範囲で推移 する。 ウイルス量は一旦 <50 copy/ml となるも、その 後 50 〜 500 の範囲で推移 する。 d4T+3TC+EFV N 症例 2-1
症例 2-2 <経過> 2003 年 3 月より、強化療 法として ABC を追加した 。その後ウイルス量は <50copy/ml 未満を維持し ている。2003 年 3 月より、強化療 法として ABC を追加した 。その後ウイルス量は <50copy/ml 未満を維持し ている。 d4T+3TC+EFV d4T+3TC+EFV+ABC N 症例 2-3
Blip があると HAART は失敗するか ? (1) (a) Blip の次のウイルス量 >500 割 合 (%) n=366 n=388 blip 時のウイルス量 Blip→ 1 回 VL が 次回測定で VL<50 Bump→ 2 回連続の Blip Greub et al. AIDS 16: 1967, 2001 N 症例 2-4
Blip があると HAART は失敗するか ? (2) (b) ウイルス学的失敗( VL>500 )の危険率 Greub et al. AIDS 16: 1967, 2001 Blip→ 1 回 VL が 、次回測定で VL<50 Bump→ 2 回連続の Blip 平均 17.7 ヶ月観察 N 症例 2-5
症例 才代男性、検査で HIV 抗体陽性を指摘される。 2001 年 4 月より AZT+3TC+ABC で HAART を開始した。30 才代男性、検査で HIV 抗体陽性を指摘される。 2001 年 4 月より AZT+3TC+ABC で HAART を開始した。 ウイルス量は一旦 <50 copy/ml となるも、その後 50 以上 で推移し、 2002 年 8 月には、 37,000 に増加した。 ウイルス量は一旦 <50 copy/ml となるも、その後 50 以上 で推移し、 2002 年 8 月には、 37,000 に増加した。 AZT+3TC+ABC N 症例 3-1
症例 3-2 患者に再受診を促し genotype 検査を行ったところ、耐 性変異は存在しなかった。 患者に再受診を促し genotype 検査を行ったところ、耐 性変異は存在しなかった。 AZT+3TC+ABC 受診促す、 genotype 採血 N 症例 3-3
症例 3-3 <経過> 服薬コンプライアンスを 確認したところ「ほとん ど内服しています」との 返事であったが、同じメ ニューの処方で次回採血 は 60 copy/ml であった。 服薬コンプライアンスを 確認したところ「ほとん ど内服しています」との 返事であったが、同じメ ニューの処方で次回採血 は 60 copy/ml であった。 その後、再びウイルス量 が上昇するため再度 genotype 検査を行ったと ころ、逆転写酵素の M184V 変異が見られた。 その後、再びウイルス量 が上昇するため再度 genotype 検査を行ったと ころ、逆転写酵素の M184V 変異が見られた。 AZT+3TC+ABC genotype N 症例 3-5
症例 才代男性。アフリカで HIV 感染。 1995 年 10 月より抗 HIV 療法を開始したが、下表のように効果が見られず 、 2000 年 2 月 CMV 網膜症などで入院となる。30 才代男性。アフリカで HIV 感染。 1995 年 10 月より抗 HIV 療法を開始したが、下表のように効果が見られず 、 2000 年 2 月 CMV 網膜症などで入院となる。 N 症例 4-1
症例 4-2 genotype 検査の結果は以下の通りであった。 NRTI: 41, 67, 70, 184, 215 NNRTI: なし PI: 10, 20, 36, 46, 63, 71, 84 <過去の治療> AZT+ddI AZT+ddI AZT+3TC+IDV AZT+3TC+IDV d4T+3TC+NFV d4T+3TC+NFV d4T+3TC+SQV+RTV d4T+3TC+SQV+RTV AZT+ddI+SQV+RTV AZT+ddI+SQV+RTV N 症例 4-2
症例 4-3 (その後の経過) 2000 年 2 月より ddI+3TC+ABC+APV+RTV+EFV を開 始し、以後順調に経過している。2000 年 2 月より ddI+3TC+ABC+APV+RTV+EFV を開 始し、以後順調に経過している。 N 症例 4-4
症例 4-4 現在のメニュー( ddI+3TC+ABC+APV+RTV+EFV )は 1 日に 27 錠(カプセル)の薬を内服しなくてはならず、患 者が苦労している。 現在のメニュー( ddI+3TC+ABC+APV+RTV+EFV )は 1 日に 27 錠(カプセル)の薬を内服しなくてはならず、患 者が苦労している。 N 症例 4-5
症例 年 9 月より HAART を開始した。服薬コンプライア ンスはほぼ 100 %を保っていたが、ウイルス量が低下し ないため下記のように薬剤変更を行った。1996 年 9 月より HAART を開始した。服薬コンプライア ンスはほぼ 100 %を保っていたが、ウイルス量が低下し ないため下記のように薬剤変更を行った。 2001 年 3 月に genotype 、 phenotype 検査を実施した。2001 年 3 月に genotype 、 phenotype 検査を実施した。 genotypephenotype N 症例 5-1
症例 5-2 genotype NRTI: 67, 74, 184, 219 NNRTI: 103 PI: 10, 46, 54, 63, 77, 82, 84, 90 phenotype 注)過去の治療 AZT+IDV AZT+IDV d4T+3TC+NFV d4T+3TC+NFV ddI+EFV+APV+RTV ddI+EFV+APV+RTV N 症例 5-2
症例 5-3 AZT+3TC+LPV/r+SQV を開始し、いったんウイルス量 は検出感度近くまで低下したが、その後再び増加した。AZT+3TC+LPV/r+SQV を開始し、いったんウイルス量 は検出感度近くまで低下したが、その後再び増加した。 N 症例 5-4
症例 年 5 月の genotype の結果は以下の通りであった。2002 年 5 月の genotype の結果は以下の通りであった。 NRTI: 67, 184, 219 NNRTI: なし PI: 10, 46, 54, 63, 71, 73, 77, 82, 90 <前治療> AZT+IDV AZT+IDV d4T+3TC+NFV d4T+3TC+NFV ddI+EFV+APV+RTV ddI+EFV+APV+RTV AZT+3TC+LPV/r+SQV AZT+3TC+LPV/r+SQV N 症例 5-5
症例 5-5 <経過> 2002 年 5 月の時点で、ウ イルス量を検出感度以 下にする治療はあきら め、比較的容易に内服 できる AZT+3TC (CBV)+LPV/r を継続す ることとした。 <経過> 2002 年 5 月の時点で、ウ イルス量を検出感度以 下にする治療はあきら め、比較的容易に内服 できる AZT+3TC (CBV)+LPV/r を継続す ることとした。 N 症例 5-7
多剤耐性 HIV 感染者における治療中断の影響 salvage 治療 治療中断 CD4数の変化CD4数の変化 ウイルス量の変化ウイルス量の変化 NEJM 349: 837, 2003 N 症例 5-8
薬剤変更の 5 つのシナリオ( DHHS ) 治療歴が短く、ウイルス量が多くない場合 治療歴が短く、ウイルス量が多くない場合 –TDF など 1 剤追加するか RTV による booster (強化療法) – 全薬剤変更 – 経過観察(こまめにウイルス量のチェック) 治療歴が短く、 1 剤にのみ耐性 治療歴が短く、 1 剤にのみ耐性 –1 剤のみ変更 – 全薬剤変更 治療歴が短く、 2 剤以上に耐性 治療歴が短く、 2 剤以上に耐性 – 薬剤の class を変える and/or 新しい薬剤の追加 薬剤耐性が認められない 薬剤耐性が認められない – 服薬率を確認、服薬しているときの genotype を再検 前治療が長い 前治療が長い – 同じ治療を続ける – 新しい薬剤を加える N 症例 5-9