宇宙ジェット形成シミュレー ションの 可視化 宇宙物理学研究室 木村佳史 03S2015Z. 発表の流れ 1. 本研究の概要・目的・動機 2. モデルの仮定・設定と基礎方程式 3. シンクロトロン放射 1. 放射係数 2. 吸収係数 4. 輻射輸送方程式 5. 結果 6. まとめと今後の発展.

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宇宙ジェット形成シミュレー ションの 可視化 宇宙物理学研究室 木村佳史 03S2015Z

発表の流れ 1. 本研究の概要・目的・動機 2. モデルの仮定・設定と基礎方程式 3. シンクロトロン放射 1. 放射係数 2. 吸収係数 4. 輻射輸送方程式 5. 結果 6. まとめと今後の発展

本研究の概要・目的 磁気流体シミュレー ションの結果をもと にして、宇宙ジェッ トの可視化をする。  放射強度の計算による 実際のジェットの写真 の ようなイメージを作る。 電波銀河(電波と可視光)

銀河核からのジェット

本研究の動機 シンクロトロ ン放射で可視 化する理由。 これまでは密 度の図などで 可視化されて きたが、実際 にそれが見え る訳ではない。 それを実際に 見えるような イメージにす るため、放射 光を考える。 等密度面のアニメーショ ン

ジェットの密度分布と磁力線

シミュレーションモデルの仮定・設 定① 鉛直磁場に貫かれた降着円盤を考える。 理想磁気流体(非粘性・磁気拡散なし)を仮 定。 中心重力源による外場gが存在。 円盤の外に高温ガスコロナ(温度一 様・回転無し) 磁場 B 降着円盤(鉛直方向を軸として回 転) 中心重力源(例えばブラックホール) 初期状態では 鉛直方向のみ

シミュレーションモデルの仮定・設 定② 円盤密度は重力と遠心力と圧力勾配力のつり合いよ り決める。  圧力はポリトロープを仮定。 高温ガスコロナの密度は静水圧平衡(圧力勾配力と 重力のつり合い)より決める。  圧力は と仮定。 としてシミュ レーションをし た。

基礎方程式 質量保存の式 (連続の式) 運動方程式 (外力 ) 誘導方程式 エネルギー式 ε :内部エネルギー γ :比熱比

シンクロトロン放射① 光速近くまで加速された電子が磁場中で曲げられる ときに電磁波を発生する。 運動方程式 プラズマ(多数の陽子電子)を考えたときの、1つ の電子が放射する放射エネルギー(全振動数につい て積分したもの) α :速度と磁場のなす角 たくさんの電子があるとして いるので平均化して1/2と した。 B e

シンクロトロン放射② 電子は熱的な分布をしていると仮定する。  エネルギーEを持つ電子の個数 マクスウェルの速度分布より 相対論的な電子を考えているので また

シンクロトロン放射③ 放射係数 吸収係数  (シンクロトロン自己吸収) キルヒホッフの法則 :黒体輻射強度 レイリージーンズ極限

輻射輸送方程式  sは光線の通る道筋 放射のみの場合 放射と吸収の両方がある場合 の 2 つの場合で、シンクロトロン放射から得ら れた 放射・吸収係数を用いて、放射強度の図を描 く。 振動数 ν =10 10 Hz (電波)とした。 光線

可視化 3 次元ビジュアリゼーションソフト AVS ( Application Visualization System )を使用。

真横から見た時 放射と吸収を含めた ジェット 放射のみの場合のジェッ ト

放射のみの場合 スクリーンを傾けて見たジェット真横から見たジェット

放射と吸収の場合 スクリーンを傾けて見たジェット真横から見たジェット

温度との比較 温度が高いところは放射が強い。 同じ時刻の放射強度と温度の図

まとめと今後の発展 今回は放射強度の図を描くことにより、宇宙 ジェットの可視化をした。 ドップラー効果や屈折や他の吸収要因を加え てみることもできそう。

参考:スクリーンと積分方法 スクリーンの原点の座標 スクリーン上の座標 光線が通る点の座標 スクリーンからの距離 s スクリーンの法線ベクトルnと平行に積分して いく。 スクリーンの直交基底はx方向の基底のz座標が 0になるようにとった。