高度実践看護師の養成教育と活動の展望 新潟県立看護大学 看護研究交流センター どこでもカレッジ 公開講座 高度実践看護師の養成教育と活動の展望 平成 2 4年9月15日(土) 独立行政法人労働者健康福祉機構新潟労災病院 がん看護専門看護師 星野 めぐみ がん看護の専門実践から ー専門看護師への道のりと活.

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高度実践看護師の養成教育と活動の展望 新潟県立看護大学 看護研究交流センター どこでもカレッジ 公開講座 高度実践看護師の養成教育と活動の展望 平成 2 4年9月15日(土) 独立行政法人労働者健康福祉機構新潟労災病院 がん看護専門看護師 星野 めぐみ がん看護の専門実践から ー専門看護師への道のりと活 動ー

本日の内容 1. 自己紹介・病院紹介 2. 専門看護師認定までの経 過 3. 活動の実際 4. 現在の課題 1

2 自己紹介 1997年 3月 新潟県立看護短期大学卒業 1997年 4月 新潟労災病院 就職 ( 泌尿器科、整形外科、外科、歯科口腔外科、皮膚 科、内科 など、様々な診療科を病 棟、外来で経験) 2007年 4月 新潟県立看護大学大学院入学 2009年 3月 新潟県立看護大学大学院修了 2010年12月 がん看護専門看護師認定

3 新潟労災病院の概要 病床数 360床 24診療科 平成20年2月 地域がん診療連携拠点病院に 認定 がんにかかわる診療体制 外来化学療法室、緩和ケアチーム、放射線治療 、 セカンドオピニオン外来、緩和ケア外来、相談 支援室、など

専門看護師認定までの経過

専門看護師の目的と役割 5 専門看護師は、 複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、 家族及び集団に対して水準の高い看護ケア を効率よく提供するための、特定の専門看 護分野の知識及び技術を深め、保健医療福 祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をは かります。 役割:実践・相談・調整・倫理調整・教 育・研究

6 専門看護師への道のり 【受験資格】 1.免許所有(保・助・看) 2.実務経験5年以上 3.大学院修士課程修了および、 専門看護師教育課程基準の所定単位を 取得 【審査】 一次試験:書類審査 二次審査:書類審査(実践報告書) 筆記試験 120分(論述 式)

私が CNS に認定されるまで 年 月経 過 2006 年(平成 18 年) 9 月 2007 年(平成 19 年) 4 月 2009 年(平成 21 年) 3 月 2009 年(平成 21 年) 12 月 2010 年(平成 22 年) 12 月 新潟県立看護大学大学院看護学研究科入学試験受験 新潟県立看護大学大学院入学 病院勤務を続けながら大学院通学 新潟県立看護大学大学院修了 臨床での実践と大学でのフォローアップを受けなが ら 受験準備 社団法人 日本看護協会 専門看護師認定審査受験 1 年間フォローアップを受けながら再受験の準備 専門看護師認定審査再受験 がん看護専門看護師認定へ 7

大学院入学~修了まで 1. 大学院の通学状況  週一日の通学日と土日の集中講義  静岡がんセンター、がんセンター新潟病院、国立がん センター等での実習(合計11週間) 2. 通学中の身分保障  平日の通学時は公用外出扱いで、実習期間は出張とし て扱われた  給与は通常通り 3. 学費について  当機構は平成21年7月より「専門看護師・認定看護 師育成支援要綱」が施行され、資格習得後に学費や認 定料など資格習得にかかる費用の2分の1について助 成が受けられる 8

大学院修了~認定審査合格まで 1. 臨床での実践  外来化学療法室や放射線治療室などで実践を 積み、認定試験の準備(主に実践報告書の作 成)を進めた 2. 大学でのフォローアップ  実践報告書作成にあたりアドバイスをうけた り、他受験者と試験に関する情報交換を行っ た 3. 再受験にあたり  試験結果を分析し、弱みであったコンサルテ ーションや倫理調整を中心に再学習・実践を 行った 9

活動の実際

11 CNS 認定後~昨年度までの活動 外来に所属、主に化学療法室と放射線治療室を 担当 緩和ケア委員、化学療法委員、教育委員 ⇒専任の立場で専門性を生かしながら実践中心 看護部の「がん看護」教育体制の基礎を作る と共に、スタッフの「がん看護」に対する知識 の底上げを図る

平成22年度 活動実績 (1)  師長と相談・調整し、活動日を月曜・金曜の午後に設定した。化学療 法室、放射線治療科、その他外来看護業務の状況に応じて活動日の時間 確保を行った。活動時間は、活動日 1 日あたり、平均 2 時間程度であっ た。  県立看護大学にて、第 2 月曜日に大学教員、専門・認定看護師、大学 院生などで行われるがん看護に関する勉強会に参加した。その他、がん 専門看護師である大学教員にコメントやアドバイスを得ながら試験準備 をすすめた。  全看護師を対象に「化学療法看護」「緩和ケア」「放射線治療看護」 研修を実施。

平成22年度 活動実績(2) 【教育】 《院内》 ・看護部専門教育「がん看護」研修 企画、講師 ・新潟県立看護大学 学生 2 名に対し、研究指導 《院外》 ・茨城キリスト教大学 看護学部講師 【研究】 第 15 回日本緩和医療学会学術集会 示説発表 テーマ 「外来化学療法を受ける患者の口腔有害事象の現 状」

平成23年度 活動実績(1) 6 月よりがん患者カウンセリングを開始し、平成 23 年 1 月末まで 21 件実 施した。カウンセリング内容は、①治療開始時のインフォームドコン セントの同席②退院時面談の同席③病名告知時の同席④患者のニーズ と必要に応じたフォローアップであった。 緩和ケアチーム介入患者に対しては、必要に応じた患者訪問を行う。 2 月からは、緩和ケアチーム担当医師と共に患者訪問を開始した。 基礎知識の習得を目的とした「全体研修」、応用知識の習得を目的と した「専門研修」の組み立てにて研修を実施した。 学会や勉強会などで、他院のがん看護研修の情報収集を行った。 14

平成23年度 活動実績(2) 【教育・研究】 学会発表  第 16 回 日本緩和医療学会学術大会 「当院のがん看護 研修アンケートの分析~一般病院における緩和ケア教育 の課題~」 ポスター発表 講師  第 5 回 日本がん看護学会 特別関心活動グループ(化 学療法看護)研修会 シンポジスト  新潟県立看護大学 大学院 CNS コース 非常勤講師  新潟がん看護研究会 ELNEC-J 講師 15

現在の活動 4月より師長補佐として外来に所属 専任の立場で CNS 活動を行っている 緩和ケア委員、化学療法委員を務める 今年度の活動目標  個別性に沿ったがん看護研修の実施  必要に応じた相談対応の実施  研究の取り組み 16

活動評価 当院看護師を対象とした 「専門・認定看護師への相談における課題」 アンケート結果より (n=197) 1. がん看護 CNS が当院で活動している事を知っている  知っている・・・97%  知らない・・・・・・3% 2. がん看護 CNS に相談したことがある  相談したことがある・・・11%  相談したことがない・・・85% (相談できる内容がわからない・・・17%) 17

18 1. 活動形態  専任として活動し、師長補佐業務と並行  医療者や患者の依頼に対し十分な対応がで きない場合がある  時間確保が困難な場合があり、時間外とな ることも 2.CNS の活用についての認知不足 3.CNS の活動と診療報酬  CNS に特化した診療報酬制度がない 現在の課題