復習
外来誘導雑音の対策 ~ モーター等 スイッチング電源 オートバイ・自動車・携帯電話 ①発生源のシールド ②計測回路のシールド ③ツイストペアケーブル
④同軸ケーブル 外来誘導雑音の対策 ~ モーター等 スイッチング電源 オートバイ・自動車・携帯電話 ①発生源のシールド ②計測回路のシールド ③ツイストペアケーブル ⑤ フィル タ
電源ノイズの対策 バイパスコンデンサで変動をバイパスす る ~ Vcc GND 電磁誘導 静電誘導 電圧変動 (他の機器の動作等)
静電気によるノイズ 静電誘導によるノイズ 静電シールドで GND に落とす ~
アナログ・ディジタル混在回路 アナログ回路はノイズの影響を受けやす い ディジタル回路はノイズに強い – わずかに電圧が変動しても、 1/0 の符号は変化 しない ディジタル回路はアナログ回路にとって、 強烈な雑音源である – ディジタル値が変化する時には、符号が 0→1 や 1→0 で変化し、この時ディジタル信号線の 電圧は 0V→5V や 5V→0V で変化する(急激な変 化がある)
アナログ・ディジタル混在回路 ディジタル信号線をアナログ回路から物 理的に引き離す たとえばプリント基板上に混在する場合 でも デジタ ル アナロ グ コネクタ アンプ フィルタ ADC ディジタ ル処理 ディジタ ル通信・ 伝送 × デジタ ル アナロ グ コネクタ アンプ フィルタ ADC ディジタ ル処理 ディジタ ル通信・ 伝送 ○
アナログ・ディジタル混在回路 アナログ入力信号線をツイストペアとし、 静電シールドする(電磁誘導・静電誘導 ノイズ対策)
アナログ・ディジタル混在回路 ディジタル信号線もツイストペア線とす る(ノイズ源を小さくする) 発生する電磁ノイズは逆向きで打ち消しあう
アナログ・ディジタル混在回路 フォトカプラなどを使用し、アナロググ ランドとディジタルグランドを分離する 両回路は電気的には接続されていない
アナログ・ディジタル混在回路 ディジタル信号線をアナログ回路から物 理的に引き離す アナログ入力信号線をツイストペアとし、 静電シールドする(電磁誘導・静電誘導 ノイズ対策) ディジタル信号線もツイストペア線とす る(ノイズ源を小さくする) フォトカプラなどを使用し、アナロググ ランドとディジタルグランドを分離する
計測工学20 信号の処理
AD コンバータ アナログーディジタル変換を行う – 標本化( sampling ) 時間的に連続なアナログ信号の瞬時値を一 定周期ごとに取り出す – 量子化( digital 化) サンプリングしたアナログ量をディジタル 数値に変換する – 符号化 2 進nビットデータに直す 標本化( sampling) サンプリング 周期 量子化: 最も近いディジタル値に変換 量子化誤差 1 LSB
サンプリング ディジタルデータの取得 – 標本化(サンプリング) 時間的に連続なアナログ信号の瞬時値を一定周期ごとに取り 出す サンプリング定理「サンプリングによって得られた信号から 、元の信号へ完全に再現できるためには、信号波が含む最大 周波数 fc の2倍以上のサンプリング周波数 fs でサンプリング しなければならない」 – 量子化(ディジタル化) サンプリングしたアナログ量をディジタル数値に変換する – 符号化 2 進nビットデータに直す
サンプリング 信号処理(周波数解析など)のためのデータの 個数 – FFT (高速フーリエ変換)は 2 n 個のデータを必要とす るため、 2 n 個とすることが多い 2 n 個のデータ 周波数解析等
データの平均 サンプリングした信号データの平均 μ が0でない 場合は、相関等の解析のためには平均が0とな るように信号データから μ を減算すると良い
ノイズの性質(ランダム雑音) 確率過程 ノイズの値は確率的(性質は平均値と分散で表すが 、実際の値は予測不可能) 定常過程 ランダムなノイズの平均や分散が、どの時刻におい ても変わらない確率過程を定常過程という。 平均、分散 変わらない 非定常過程 平均や分散が変化している 平均、分散 変化している
ノイズの性質 エルゴード性 – 時間平均がどの時間帯をとっても変わらず(定常過 程)、集合平均とも一致する過程をエルゴード過程 という 集合平均とは多数の標本記録間での平均 う 集合平均が時間平均と一致
信号のアベレージング 入力信号の再現性が高い場合、同一条件 で波形の測定をN回行い、始点と位相を 考慮して加算平均することでS/N(信 号とノイズの比)が改善する(ノイズを 除去できる)。これをアベレージングと いう。 – N回の信号成分の加算平均 → 振幅は同じ – N回のノイズ成分の加算平均 → 1/ √n – S/Nは √n 倍に改善される
アベレージング(例:9回) :::: 測定1 測定2 測定9 :::: 9回の測定データの加算平均
演習 Excel のデータ系列に対してアベレージン グを行い、効果を確認する – まず、元データ系列(数系列)をグラフにす る – 次に、すべてのデータ系列の集合平均による 、アベレージングを行い、アベレージングし たデータをグラフにする – 元データとアベレージングデータのS/Nの 改善を確認する
移動平均法(平滑化) 移動平均法(MA: moving average ) – 中心の信号と、その前後m個の信号に重みをかけて 加算する 加算する信号の個数 2m+1 重みの合計=1 (合計が1でない場合は、合計Wで割って 正規化する)
移動平均法(MA) j= × w(-2) × w(-1) × w(0) × w(1) × w(2) + y(0) 重み 平滑化された値 測定データ
単純移動平均法 重みが均一(通常の平均) – 両端の信号のないところは 0とおく 5点と3点を併用する などすればよい
演習 Excelのデータ系列に対して、単純 移動平均を行い、効果を確認する – まず、元データをグラフ化する – 次に、移動平均のデータを作成する(3点、 5点) – 移動平均のデータをグラフ化する
多項式適合法による移動平均 Savitzky-Golay 法 – 最小二乗法によって多項式(2次式または3 次式)に近時できる点を求める データ 最小二乗法による 2次の近似曲線 この値を平滑値とする (この値は移動平均で 求めることができる)
Savitzky-Golay 法:重みの導出(5 点) 標本番号 t サンプル x 近似 y -2X -2 4a 2 -2a 1 +a 0 X -1 a 2 -a 1 +a 0 0X0X0 a0a0 1X1X1 a 2 +a 1 +a 0 2X2X2 4a 2 +2a 1 +a 0 2次式: y=a 2 t 2 +a 1 t+a 0
演習 Savitzky-Golay 法による移動平均の計算を行 い、効果を確認する – 先ほどの単純移動平均に用いた元データに対 して、 Savitzky-Golay 法による移動平均を計算 する – Savitzky-Golay 法の重みは教科書P159 表 9.1の参照点数5の重みを使用する。( -3, 12, 17, 12, -3) – 結果をグラフ化する