経済学部国際経済学科 新保博彦ゼミ 08E147 兼光 健一 08E474 藤田 真也 08E509 松岡 真生 世界の高速鉄道の発展 経済学部国際経済学科 新保博彦ゼミ 08E147 兼光 健一 08E474 藤田 真也 08E509 松岡 真生
はじめに いま不景気に悩んでいる先進国や発展を目指す新興国で, インフラ整備が国家をあげて行われている. そのインフラ整備の中でもっとも注目されているのが, 高速鉄道網の整備. 私たちは「世界の高速鉄道の発展」と題し,おもに日本,ヨーロッパ, 中国の3つの主要高速鉄道国に注目. なぜ高速鉄道の整備が注目されているか. 各国の高速鉄道の重要性は. 今後高速鉄道はどのように創り上げられていくのか. 以上の点について研究し,発表することにした.
目次 発展する高速鉄道 鉄道の重要性 環境と新幹線 まとめ インフラとは 高速鉄道整備の必要性 世界の主要高速鉄道の紹介 世界の延伸計画とその課題 鉄道の重要性 先進国で鉄道が注目される理由 新興国で鉄道が注目される理由 環境と新幹線 環境にやさしい新幹線 環境への対応 まとめ
発展する高速鉄道 インフラとは? 国家経済や国民の生活の基礎・基盤となるもの. インフラは市場による供給がされにくい. など… なので⇒ 一度公共事業として整備され、後に社会資本として経済の 供給力に多大な好影響を及ぼす. など… これらを整備することをインフラ整備という. 電気・水道・ ガス・電話 工業用地 学校・病院・ 公衆衛生 運輸施設 (道路・鉄道路線) 情報通信システム (インターネット設備)
高速鉄道整備の必要性 高速鉄道はなぜ必要か? 例えば・・・ 不況期の工業先進国のみならず, 新興国にも高速鉄道整備は必要不可欠! ⇒それぞれ発展した都市と都市の間の,人やモノの移動の高速化を達成するため. 例えば・・・ 都市間を結ぶ鉄道を整備することで, 交通コストが低下,工場立地が容易に. 都市に人口が集中することで商業圏が拡大. 域内の経済活動が活性化. 不況期の工業先進国のみならず, 新興国にも高速鉄道整備は必要不可欠! 都市 都市 =雇用の創出
世界の主要高速鉄道の紹介 日本 中国 新幹線 - 世界初の高速鉄道(1964年). CRH - 2008年開業し急激に発展. ヨーロッパ TGV - フランス.ヨーロッパ初の高速鉄道. ICE - ドイツ. 中国 CRH - 2008年開業し急激に発展.
日本の鉄道開発計画 中間駅の建設は各県1駅の計画. 長らく導入にむけて開発が進められていたリニアモーターカーの路線が 今月20日に決定された. 東京~大阪間全体の建設費は約9兆円と試算(1kmあたり180億円). ⇒JR東海はこれを全額自社負担すると明言. しかし資金の調達方法は未定. 中間駅の建設は各県1駅の計画. ⇒地上駅の場合460億円,地下駅の場合は2200億円. JR東海は建設費を全額地元負担を希望. ・・・中間駅建設を放棄する自治体も出てくるのではないか? 所要時間について 新幹線 リニア(試算) 東京~名古屋間(2025年) 1時間20分 40分 東京~大阪間(2045年) 2時間25分 1時間7分 (出所:JR東海ホームページ)
ヨーロッパの路線延長計画 EU国家間をまたぐ都市と都市のつながりはさらに活発化. 人や物の交流がさらにさかんに. ストックホルム ベネチア バルセロナ EU国家間をまたぐ都市と都市のつながりはさらに活発化. 人や物の交流がさらにさかんに.
中国 路線延長計画 急激な国家経済の成長とともに,今後4年間毎年10兆円 規模の高速鉄道整備に着手する方針.
新たな路線開発の課題 費用面での課題は山積 重要⇒ 国民に借金のツケが回ってはならない。 中国やヨーロッパの鉄道会社は基本的に国営. ところが⇒ 国家財政すべてを鉄道建設に充てるわけにはいかない. 採算はとれるのか. 日本のJR東海・・・・資金調達先は? 従来の新幹線はリニアと同じ区間で営業を続ける. ⇒リニアモーターカーに、莫大な建設費を取り返すほどの 需要や経済効果が生まれるのか. 重要⇒ 国民に借金のツケが回ってはならない。 では需要が増加する移動手段の中で、航空機や自動車道路 ではなく鉄道事業が注目される理由とは?
高速鉄道の重要性 先進国で高速鉄道が注目される理由 先進国では,原油価格の上昇や環境問題から 消費エネルギーが少なく,環境負荷の低い輸送 省エネ – 1人あたりの消費エネルギーが少ない エネルギー・コストが相対的に少ない 環境への負荷が低い 以上の3点が主にあげられます. 先進国では,原油価格の上昇や環境問題から 消費エネルギーが少なく,環境負荷の低い輸送 手段が見直されています.
(出所:国際投信投資顧問株式会社pdf)
モーダル・シフトについて 近年,先進国では「モーダル・シフト」と呼ばれる動きが広がっています. 「モーダル・シフト」とは,自動車や航空機などよりCO2排出量の少ない鉄道などに輸送手段を転換しようとする考えです.各国は2020年までのCO2排出量の削減目標を提示しており,鉄道が注目されています. 鉄道は走行時のエネルギー損失が非常に少なく,自動車のような渋滞はないのでエネルギー効率が極めて高い輸送機関であります.
主要各国,地域のCO2排出量削減目標 国 期限 目標削減量 比 米国 2020年 日本 EU 中国 インド ロシア 17% 2005年 25% 1990年 EU 20~30% 中国 40~45% インド 20~25% ロシア 15~25%
新興国で鉄道が注目される理由 輸送インフラ ⇒一度に大量輸送(人,貨物)を行うことができます. 鉄道 航空 フェリー バス 約1300人 (新幹線) 約850人 (総2階建の場合) 約900人 (日本海航路) 約80人 (2階建バス)
・新興国では、 将来的に(高速)鉄道インフラ整備が不可欠であります。 ・発展した都市間を結ぶ交通網整備として (高速)鉄道需要が高まると考えられます。
環境と新幹線 世界ではじめの高速鉄道 環境に優しい日本の新幹線 1964年,世界初の高速鉄道が日本で誕生. 東京オリンピックの開催に伴って東海道新幹線が開通. 当時は東京~大阪間を約3~4時間で運行していた. 現在では同じ距離を2時間半程度で運行している. 環境に優しい日本の新幹線 CO2の排出量が少ない 省エネルギーで大量輸送 ⇒フランス,ドイツにおいても高速鉄道は環境に優しい移動手段としての認識がありますが,高速鉄道自体を環境に優しくする取り組みは日本ほど発達していない.
環境への対応 JR東海における環境データ 電気消費量のシミュレーション 1年間に事業活動を行う上で使用した資源,エネルギー及び 廃棄物. 電気 ・・・・・・・・・ 29.6億kWh 燃料 ・・・・・・・・・ 3.0万kℓ 水 ・・・・・・・・・ 410.6万㎥ 排出CO2 ・・・・・ 136.2万t ごみ,廃棄物 ・・・ 48.4万t → リサイクル30.7万t (JR東海ホームページより) 電気消費量のシミュレーション 東京~大阪間を走行した時の新幹線の電力消費量を, 0系,300系,700系,N700系を用いて比較.
車種別電力消費量の比較 0系 300系 700系 N700系
JR東海における環境保全活動のデータ
まとめ 鉄道を整備することは先進国,新興国ともに重要である. 各地で進められる大規模な延伸計画も,財源に課題がある. 高速鉄道は自動車や航空機などよりも省エネ. ⇒先進国ではモーダルシフト. 日本の高速鉄道の環境対策は世界トップ. 今後中国や台湾への,日本の新幹線車両の輸出も活発化.
参考文献 『図解・TGV vs.新幹線 日仏高速鉄道を徹底比較』 佐藤芳彦/著 講談社 2008年 『レール300 世界の高速列車大競争』 マレー・ヒューズ著/菅 建彦訳 BIGLOBEウィキペディア TGVが乗り入れている国々 http://www.jorsa.or.jp/jp/kumiai/data/237/237p30.pdf#search=‘TGV JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/