総和記号 Σ(サメーション,シグマ) n Σ xi = x1 + x2 + ・・・ + xn i=1 @ATSUTO NISHIO

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総和記号 Σ(サメーション,シグマ) n Σ xi = x1 + x2 + ・・・ + xn i=1 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 総和記号 Σ(サメーション,シグマ) n Σ xi = x1 + x2 + ・・・ + xn i=1 @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 Σの性質 n Σ c = c + c + ・・・ + c = nc i=1 n n Σ cxi = cΣxi i=1 i=1 n n n Σ( xi ± yi ) = Σxi ±Σyi (複号同順) i=1 i=1 i=1 n 個 @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 たとえば 5 Σ i = 1 + 2 + 3 + 4 + 5 i=1 5 Σ 7 = 7 + 7 + 7 + 7 + 7 5 Σ 3i = 3×3 + 3×4 + 3×5 = 36 i=3 @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 総乗記号 Π(パイ) n Π xi = x1 × x2 × ・・・ × xn i=1 5 Π i = 1 × 2× 3× 4× 5 4 Π 2i = (2×1)× (2×2)× (2×3)× (2×4) @ATSUTO NISHIO

階乗 ! (factorial) n! = n × (n-1) × (n-2) ×・・・ ×3×2×1 5! = 5×4×3×2×1 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 階乗 ! (factorial) n! = n × (n-1) × (n-2) ×・・・ ×3×2×1 5! = 5×4×3×2×1 @ATSUTO NISHIO

順列 (permutation) n 個の中から r 個取り出して出来る順列は n! n P r = (n - r) ! pp.2- @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 pp.2- 順列 (permutation) n 個の中から r 個取り出して出来る順列は n! n P r = (n - r) ! @ATSUTO NISHIO

順列 (例題 1) 4P3 =4×3×2 =24 p.4 集合A={a,b,c,d}より3個取り出し、並べる順列の方法 【解答例】 6通り @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.4 順列 (例題 1) 集合A={a,b,c,d}より3個取り出し、並べる順列の方法 ③ c d 【解答例】 ① a b c d ② b c d 4P3 =4×3×2 =24 b d 6通り 6通り b c 6通り 24通り 6通り @ATSUTO NISHIO

円順列 (circular permutation) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 円順列 (circular permutation) n 個の中から r 個取り出し 一つの円周上に並べる円順列は n P r n Z r = r @ATSUTO NISHIO

円順列 (例題) A,B,Cの3人が丸いテーブルに座る方法 【解答例】 順列は ABC ACB BAC BCA CAB CBA の6通り @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 円順列  (例題) A,B,Cの3人が丸いテーブルに座る方法 【解答例】 順列は  ABC  ACB  BAC  BCA  CAB  CBA の6通り ただし A B C B C A C A B 3P3 =3×2×1 =6 の隣関係は同じ ∴ 3P3 =2 3 @ATSUTO NISHIO

重複順列 (repeated permutation) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 重複順列 (repeated permutation) n 個の中から同じものを取ることを許して r 個取り出しできる順列は n Π r = n r @ATSUTO NISHIO

重複順列 (例題) a,b,c,d の中から3個取り出す重複順列 【解答例】 ① a b c d ② a b c d ③ a b c d @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 重複順列 (例題) a,b,c,d の中から3個取り出す重複順列 【解答例】 ① a b c d ② a b c d ③ a b c d 43 =64 16通り 64通り @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 順列 同じものを含む n 個を一列に並べる順列 (ただし,r1 + r2 +r3 +・・・ + rk = n) n! nCr1,r2,・・・,rk = r1!・ r2!・ r3!・・・ rk! @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 pp.6- 組合せ (combination) n 個の中から r 個取り出す取出し方は n P r n ! n C r = = r! r ! ( n – r ) ! @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.7 Cの性質 n C r = n C n - r n C r = n - 1 C r - 1 + n -1 C r n C r + n C r - 1 = n + 1 C r @ATSUTO NISHIO

重複組合せ(repeated combination) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 重複組合せ(repeated combination) n 個の中から同じものを取ることを許して r 個取り出しできる組合せは ( n + r - 1 )! n H r = n + r – 1 C r = ( n – 1 ) ! ・ r! @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 Excel関数の利用 5C3 @ATSUTO NISHIO

標本空間 (sample space) 偶然に起こる現象が出現することの確からしさを表現する数値 pp.10- 確率 試行 (trial) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 pp.10- 標本空間 (sample space) 確率   偶然に起こる現象が出現することの確からしさを表現する数値 試行 (trial)    結果の起こり方が一通りには定まらないような仕組みを持つ実験あるいは調査 事象(event)    試行の結果として起こったり起こらなかったりする事柄.従って,試行は事象を起こす操作 基本(根元)事象 (elementary event)    1つの操作の結果として起こり得る相異なる幾つかの事象があり,その事象を1回試みる際には,    そのうちのどれか1つが必ず起こるとみなせるときの各事象 全事象 (totally event) U    根元事象全体の集合 同様に確からしい (equally likely)    基本事象のうち,どの1つについてもそれが他の基本事象に比べて,より起こりやすいとか,より    起こり難いという区別を付ける必要のないとき (たとえば,公正なサイコロを無作為に転がすとき) @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 pp.13- 和事象 (union event) 2つ以上の事象 E1,E2,・・・En のうち 少なくとも1つが起こるという事象 E1∪E2∪・・・∪En ∪:オア記号 P( E1∪E2∪・・・∪En) = P( E1)+P(E2)+・・・+P(En) @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.13 積事象 (product event) 2つ以上の事象 E1,E2,・・・En が 同時に起こるという事象 E1∩E2∩・・・∩En ∩:アンド記号 @ATSUTO NISHIO

余事象 (complementary event) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.13 余事象 (complementary event) 事象Eに対して,Eが起こらないという事象 E Ec P ( E ) = 1- P ( E ) U - P(E) P(E) @ATSUTO NISHIO

空集合 (null event) 何事も起こらないということを1つの事象と考え 空集合という P ( φ ) = 0 p.13 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.13 空集合 (null event) 何事も起こらないということを1つの事象と考え 空集合という P ( φ ) = 0 @ATSUTO NISHIO

和事象と積事象のBenn図 p.13 P(A∪B) P(A∩B) P(A∪B)=P(A)+P(B)-P(A∩B) P(A) P(B) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.13 和事象と積事象のBenn図 P(A∪B) P(A∩B) P(A∪B)=P(A)+P(B)-P(A∩B) P(A) P(B) P(A∩B)=φ P(A∪B)=P(A)+P(B) @ATSUTO NISHIO

排反事象 (exclusive event) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.15 排反事象 (exclusive event) 2つの事象のうち,   一方が起これば他方は起こらないとき,   これらはお互いに排反である E1,E2が互いに排反であるとき,即ちE1∩E2 =φのとき    P(E1∪E2)=P(E1)+P( E2 )  【加法定理】 E1,E2が互いに排反でないとき,即ちE1∩E2 ≠φのとき    P(E1∪E2)=P(E1)+P( E2 )- P(E1∩E2)   E1 E2 E1 E2 @ATSUTO NISHIO

独立事象 (independent event) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 独立事象 (independent event) 2つの事象 E1,E2 があるとき, 事象E1が起こるか起こらないかということが, 事象E2の起こる確率に何の影響も与えないとき, この2つの事象はお互いに独立であるという     P (E1∩E2)=P(E1) ・ P( E2 )  【乗法定理】 @ATSUTO NISHIO

従属事象 (dependent event) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 従属事象 (dependent event) 2つの事象 E1,E2 があるとき,もしも 事象E1が起きたか起きなかったかということが, 事象E2の起こる確率に影響を与えているならば, 事象E2は事象E1に従属する, あるいは従属事象であるという  PE1 (E2) P (E2│ E1) P(E1∩E2) = P(E1) ・ P E1 ( E2 ) = P(E2) ・ P E2 ( E1 ) @ATSUTO NISHIO

確率 (probability) 偶然に起こる現象が出現することの確からしさを表現する数値 pp.16- 確率 試行 (trial) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 pp.16- 確率 (probability) 確率   偶然に起こる現象が出現することの確からしさを表現する数値 試行 (trial)    結果の起こり方が一通りには定まらないような仕組みを持つ実験あるいは調査 事象(event)    試行の結果として起こったり起こらなかったりする事柄.従って,試行は事象を起こす操作 基本(根元)事象 (elementary event)    1つの操作の結果として起こり得る相異なる幾つかの事象があり,その事象を1回試みる際には,    そのうちのどれか1つが必ず起こるとみなせるときの各事象 全事象 (totally event) U    根元事象全体の集合 同様に確からしい (equally likely)    基本事象のうち,どの1つについてもそれが他の基本事象に比べて,より起こりやすいとか,より    起こり難いという区別を付ける必要のないとき (たとえば,公正なサイコロを無作為に転がすとき) @ATSUTO NISHIO

ラプラスの定理 Uが有限個数の根元事象{ω1,ω2,・・・,ωn}からなり, ある 事象A は k 個の根元事象を含み, 各の根元事象が @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 ラプラスの定理 Uが有限個数の根元事象{ω1,ω2,・・・,ωn}からなり, ある 事象A は k 個の根元事象を含み, 各の根元事象が 同様に確からしい確率で起きるとき,事象Aの起こる確率を  P(A)= k / n で定義する. 何も起こらない事象を空集合(empty event, null event)と呼び,Φ で表す.  P(φ)=0 @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 確率の種類 数学的(先験的)確率 (a priori prob.) 統計的(経験的)確率 (experimental prob.) 主観的確率 (subjective prob.) @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 pp.16- 数学的(先験的)確率 有限個の根源事象からなる標本空間 U を持つ試行において、 どの試行も同様に確からしく起こる場合、 この試行の事象 A において、 P (A) = = を事象 A の数学的確率という。 n(A) A に含まれている根源事象の数 n(U) U に含まれている根源事象の数 @ATSUTO NISHIO

例題 8 p.17 同様に確からしいコインを3回投げる試行において、 (1) 事象A : 1回目は表 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.17 例題 8 同様に確からしいコインを3回投げる試行において、  (1) 事象A : 1回目は表  (2) 事象B : 3回とも同じ側 の確率を求めよ. U 【解答例】   (1)  P (A) =4 / 8 = ½ (2)   P (B) =2 / 8 = 1/4 H H H H H T H T H H T T T H H T H T T T H T T T A B @ATSUTO NISHIO

統計的(経験的)確率 過去のデータに限って言えば たまたま pp.18- n 回の試行で事象 A が r 回起こるとき、 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 pp.18- 統計的(経験的)確率 n 回の試行で事象 A が r 回起こるとき、 試行回数 n を増加させると A の起こる相対度数 r / n は ほぼ一定の値になる。 このときの確率 P (A) を事象 A の統計的確率という。 過去のデータに限って言えば たまたま 【例題】  過去50年間のプロ野球の歴史で、  開幕10連勝をしたチームは5チームあり、  そのうち4チームは優勝をしている。  開幕10連勝したチームの優勝確率は? (解答例)  A : 10連勝チームの優勝  P(A)=1 / 5 @ATSUTO NISHIO

確率の表し方 P ( X ) P ( X=a) Pr ( X ) P (a≦ X<b) Prob ( X ) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 確率の表し方 P ( X ) P ( X=a) Pr ( X ) P (a≦ X<b) Prob ( X ) @ATSUTO NISHIO

確率のとる値 p.20 0 ≦ P ( A ) ≦ 1 P ( A ) = 0 ということは、 A は絶対に起こらないことを意味する。 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.20 確率のとる値 0 ≦ P ( A ) ≦ 1 P ( A ) = 0 ということは、 A は絶対に起こらないことを意味する。 P ( A ) = 1 ということは、A は必ず起こることを意味する。 P(φ) = 0   P(U) = 1 AとBが排反事象のとき、すなわち P (A∩B) =φのとき、    P(A∪B) = P(A) + P(B)     ∵ P(A∪B) = P(A) + P(B) - P(A∩B) 空事象の確率 全事象の確率 A,Bは同時に起こらない =0 @ATSUTO NISHIO

加法定理 p.20 P(A∪B) = P(A) + P(B) - P(A∩B) ・・・ 加法定理 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.20 加法定理 P(A∪B) = P(A) + P(B) - P(A∩B)   ・・・ 加法定理 P ( A )=1- P( A )  ⇔   P ( A )=1- P( A ) ⇔ P ( A ) + P( A )=1 ・・・ 余事象の定理 事象A,B,C,・・・,Z が互いに排反ならば    P(A∪B∪C・・・Z)=P(A)+P(B)+P(C)+・・・P(Z)                      ・・・ 排反事象の加法定理 @ATSUTO NISHIO

Benn図で説明 ・・・ 面積で考える P(A∪B) U B A A A C A B D @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 Benn図で説明 ・・・ 面積で考える U B A A P(A∪B) A P(A∪B) = P(A) + P(B) - P(A∩B) P ( A )=1- P( A ) P ( A ) + P( A )=1 C A B P(A∪B∪C・・・Z) =P(A)+P(B)+P(C)+・・・P(Z) D @ATSUTO NISHIO

例1 目の出方が同様に確からしい2個のサイコロ投げて、 ①目の和が6になる確率 および ②少なくとも1個が6を出す確率 を求めよ。 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 例1 目の出方が同様に確からしい2個のサイコロ投げて、 ①目の和が6になる確率 および ②少なくとも1個が6を出す確率 を求めよ。 @ATSUTO NISHIO

例1の解答例 2個のサイコロを投げたときの目を( x , y )とする ⇒ 根元事象 ( x , y )の組は全部で6×6=36通りある。 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 例1の解答例 2個のサイコロを投げたときの目を( x , y )とする ⇒ 根元事象 ( x , y )の組は全部で6×6=36通りある。 ① x+ y =6 となるのは、    (1,5),(2,4),(3,3),(4,2),(5,1)の 5 通り。   A = x + y = 6 とすると、   P(A)= 5/36 ② 少なくとも1個は6が出る事象は、 (6,1),(6,2),(6,3),(6,4),(6,5),(6,6),       (1,6),(2,6),(3,6),(4,6),(5,6)の 11 通り。 Bを少なくとも1個は6が出る事象とすると、  P(B)=11/36 @ATSUTO NISHIO

条件付き確率 (conditional prob.) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 pp.22- 条件付き確率 (conditional prob.) 事象Bが起きたという条件の下で,事象Aが起きる確率. PB (A) P( A│B ) 事象Bのもとで事象Aの起こる確率は、 P( A│B )= ただし、P(B)≠0 事象A,Bが互いに独立ならば、 P( A│B ) = P(A) = P( A│B ) cf.p.24 P( A∩B ) P( B ) @ATSUTO NISHIO

条件付き確率 の考え方 P( A│B )= p.22 U P( A∩B ) B P( B ) A n(A) 事象Aの起こる確率= n(U) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.22 条件付き確率 の考え方 U P( A∩B ) P( A│B )=             B 個数 P( B ) A n(A) 事象Aの起こる確率= n(U) n( A∩B ) Bの中でAが起こる確率 P(A|B) = n( B ) 分子,分母を n(U) で割ると、 P( A∩B ) P( A│B )= P( B ) @ATSUTO NISHIO

例題 11 HHH THH HHT THT HTH TTH HTT TTT p.23 ① A:1回目、2回目が異なる側 U @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.23 例題 11 コインを3回投げる試行を考える。 1回目、2回目が異なった側で、3回目は2回目と同じ側が出る確率。 ① A:1回目、2回目が異なる側 ② B:3回目が2回目と同じ側 ∴ A∩B ={ HTT ,THH } P(B) = n(B) / n(U) =1/2 P(A∩B)=n(A∩B) / n(U) =1/4 ∴ P(A|B) = P(A∩B) / P(B) =1/4 ÷ 1/2 =1/2      U HHH HHT HTH HTT THH THT TTH TTT @ATSUTO NISHIO

独立事象の確率 p.24 事象A,Bについて、 P(A|B) = P(A) U が成立するとき、 = P(A|B) 事象AとBは独立である @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.24 独立事象の確率 事象A,Bについて、   P(A|B) = P(A) が成立するとき、 事象AとBは独立である   あるいは、 AとBは互いに独立である という. 同様に  P(B|A) = P(B|A) =P(B) U = P(A|B) B A @ATSUTO NISHIO

例題 12 p.25 1-2-3 コインを3回投げる試行がある. 事象A : 3回目は2回目と同じ側が出る. @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.25 例題 12 1-2-3 コインを3回投げる試行がある.   事象A : 3回目は2回目と同じ側が出る.   事象B : 1回目,2回目は異なった側が出る. としたとき、事象Aと事象Bは独立かどうか? ○○○ ○○● ○●○ ○●● ●○○ ●○● ●●○ ●●● A B 【解答例】   cf. p.24 定理1.7 P(A∩B) =n (A∩B) / n (U) P(A) = n (A) / n (U) = 1/2    P(B) = n (B) / n (U) = 1/2 P(A)・P(B)=1/2×1/2=1/4 ∴ P(A∩B) = P(A)・P(B)=1/4  よって 事象Aと事象Bは独立である. @ATSUTO NISHIO

応用 A B 1-P(A) 3つの事象A,B,C があり、 これらの事象の2つずつが独立で、 かつ @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 応用 A 1-P(A) 3つの事象A,B,C があり、 これらの事象の2つずつが独立で、 かつ P(A∩B∩C) = P(A) ・ P(B) ・ P(C) が成立するとき、 A,B,C は独立であるという。 A,B,C が独立のとき、 P(A∪B)=1-{1-P(A)}{1-P(B)} P(A∪B∪C)=1-{1-P(A)}{1-P(B)} {1-P(C)} が成立する。 B 1-P(B) {1-P(A)} {1-P(B)} @ATSUTO NISHIO

稼働率への応用 駅の改札に2台の自動改札機A,Bがある。 それぞれの稼働率は、Aが95%、Bが90%である。 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 稼働率への応用 駅の改札に2台の自動改札機A,Bがある。 それぞれの稼働率は、Aが95%、Bが90%である。 改札機が1台でも稼働していて利用できる確率は? 【解答例】 Aの故障率=1-0.95  Bの故障率=1-0.90        =0.05            =0.10 AとBが同時に故障する確率=0.05×0.10=0.005 AとBのいづれか一方が稼働している確率=1-0.005                            =0.995 @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 例 例. ①コインを2回投げる場合,P( 2回目に表が出る│1回目に表が出る ) B={1回目に表が出る},A={2回目に表が出る}とする. P( A│B )=1/2×1/2=1/4 ②赤と青の2個のサイコロを投げる場合, 目の和が4という条件の下で,2個のサイコロの目が等しくなる確率 目の組合せは,{ 2,2 },{ 1,3 },{ 3,1 }である. ∴ 1/3 @ATSUTO NISHIO

例4 同型・同質・同大の白玉5個と黒玉2個の入った壺がある。 ランダムに1個の玉を抽出する。 これを元に戻さないで、再び1個の玉を抽出する。 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 例4 同型・同質・同大の白玉5個と黒玉2個の入った壺がある。 ランダムに1個の玉を抽出する。 これを元に戻さないで、再び1個の玉を抽出する。 このとき、 ①1回目が白玉、2回目が黒玉である確率を求めよ。 また ②1回目の玉が何であれ、2回目の玉が黒である確率を求めよ。 (非復元抽出) @ATSUTO NISHIO

例4の解答例 ① A : 2個の玉のうち、1回目が白である確率、 B : 2個の玉のうち、2回目が黒である確率 とすると、 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 同型・同質・同大の白玉5個と黒玉2個の入った壺がある。 ランダムに1個の玉を抽出する。 これを元に戻さないで、再び1個の玉を抽出する。 このとき、 ①1回目が白玉、2回目が黒玉である確率を求めよ。 また ②1回目の玉が何であれ、2回目の玉が黒である確率を求めよ。 例4の解答例 ① A : 2個の玉のうち、1回目が白である確率、   B : 2個の玉のうち、2回目が黒である確率 とすると、   求める確率は P(A∩B)。   条件付き確率より、 P(A∩B)=P(A)・P(B│A)    P(A)=5/7  , P(B│A)=2/6 だから    P(A∩B)=(5/7)(2/6)=5/21 ② P(A∩B)=P(A)・P( B│A )=(2/7)(1/6)=1/21   ∴ P(A∩B)+ P(A∩B)=(5/21)+(1/21)=2/7 @ATSUTO NISHIO

例5 復元抽出 (sampling with replacement) A : 1回目で1が出る、 B : 2回目で偶数が出る とする。 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 例5 サイコロを2回投げるとき(2個のサイコロを投げるのと同じ)、 最初1の目が出、次に偶数の目が出る確率を求めよ。 復元抽出 (sampling with replacement) A : 1回目で1が出る、 B : 2回目で偶数が出る とする。 P(A)=1/6  P(B)=1/2 AとBは独立事象だから、 P(A∩B)=P(A)・P(B)=1/12 @ATSUTO NISHIO

ベイズの定理 (Bayesian theorem) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 pp.26- ベイズの定理 (Bayesian theorem) P(A)=P(A∩B1)P(B1) +P(A∩B2)P(B2)    = ΣP(A∩Bi)P(Bi) U A B1 A∩B1 A∩B2 2 B2 i=1 U = B1+B2 条件付き確率 P(A∩B) P(A|B)= P(A∩B)= P(A|B) P(B) P(B) @ATSUTO NISHIO

例題 13 p.27 本来なら、 DかN チューリップの球根5個入りを10袋購入した. そのうち、7袋は日本産で発芽率0.90 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 p.27 例題 13 チューリップの球根5個入りを10袋購入した. そのうち、7袋は日本産で発芽率0.90       3袋はオランダ産で発芽率0.75   である. 全体として球根の発芽率はどの位になるか? 本来なら、 DかN 【解答例】   J :日本産  H :オランダ産  B :発芽   P(A) :1個の 球根が発芽する確率   とする. P(A) = P(B|J) P(J)  + P(B|H) P(H)     =0.90×(5×7)/50+0.75×(5×3)/50     =0.885 P(J) :  日本産の確率 P(B|J) :  日本産の発芽する確率 @ATSUTO NISHIO

ベイズの定理 (Bayesian theorem) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 ベイズの定理 (Bayesian theorem) 事象B={ B1 , B2,・・・,Bn } ,事象Aがあり, P( B ),P( A) ,P( A│B ) が事前に分かっているとき, P( B│A ) を求める. すなわち 結果が分かっているときに,その原因となる確率を見つけ出す. P( Bi ) P( A│Bi ) P( Bi│A ) = ΣP( Bi ) P( A│Bi ) 原因Bの事後確率 原因Bの事前確率 n i = 1 @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 ベイズの定理のグラフ表示 P( Bi ) P( A│Bi ) P( Bi│A ) = ΣP( Bi ) P( A│Bi ) n i = 1 B1 B2 B3 A B n B @ATSUTO NISHIO

例題 ある調査によると,転職は次のような不満ないし悩みのいずれかが原因で起こっている. (a) 与えられた仕事に対する不満 ・・・A1 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 例題 ある調査によると,転職は次のような不満ないし悩みのいずれかが原因で起こっている.   (a) 与えられた仕事に対する不満 ・・・A1   (b) 今の給与に不満 ・・・・・・・・・・・・・・A2   (c) 上司との折り合いが悪い ・・・・・・・ A3 調査の結果では(a),(b),(c) の人の割合はそれぞれ,0.4,0.3,0.3 である. また,不満を持つ (a),(b),(c) の中で実際に転職した人 ( Bとする ) の割合はそれぞれ,0.3,0.4,0.6 であった.  いまある人が転職したとして,その人の転職原因が (a) である確率を求めよ. 【解答例】 調査より, P(A1)=0.4,P(A2)=0.3,P(A3)=0.3,P(B│A1)=0.3,P(B│A2)=0.4,P(B│A3)=0.6 P(A1│B)=(0.4×0.3)/(0.4×0.3+0.3×0.4+0.3×0.6)=0.12/0.42=2/7 @ATSUTO NISHIO

期待値 (expectation,expected value) @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 期待値 (expectation,expected value) 事象 xi(i=1,2,・・・n)に対し、 その事象の起こる確率がp(xi) (i=1,2,・・・n)で与えられるとき、 E(X)=Σxi p(xi)  をXの期待値という。 n i=1 サイコロの目  1  2  3  4  5  6 確     率 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6 【例題】  同様に確からしいサイコロを振ったとき、出る目の期待値。 サイコロの目を:X E(X)=1×1/6+2×1/6+・・・6×1/6=3.5 @ATSUTO NISHIO

@ATSUTO NISHIO 2017/2/26 期待値の意味 回目  サイコロの目  合計  平均  1       4      4    4  2       1      5   2.5  3       1      6    2  4       6     12    3  5       3     15    3  ・ サイコロの目の期待値 3.5 @ATSUTO NISHIO

例題 1,000本のくじの中に、 1等1本10,000円 2等5本 5,000円 3等10本 1,000円 が入っている。 @ATSUTO NISHIO 2017/2/26 例題 【解答例】 10000× 1 /1000  +5000× 5 /1000  +1000× 10 /1000  + 0  ×984/1000 =(10000×1+5000×5  +1000×10) / 1000 =45 1,000本のくじの中に、   1等1本10,000円   2等5本 5,000円   3等10本 1,000円 が入っている。 期待金額を求めよ。 このことは、1本45円でくじを売れば±0となることを意味する すなわち、当選金額=販売金額 @ATSUTO NISHIO