民間主導による取組の強化 46
各関係者に求められる役割について (総務省研究会中間報告書より) 各関係者に求められる役割について (総務省研究会中間報告書より) 携帯電話事業者 ○ フィルタリングサービスの導入促進 ➢ 第三者機関が認定するリストをサービスに反映し、実装 ➢ 申告がない場合に適用となるサービスを「特定分類アクセス 制限方式」(ブラックリスト方式)に ※「携帯事業者提供リスト方式」(ホワイトリスト方式)は年齢や利用 実態等を考慮し推奨 ➢ 保護者等へのサービスの説明、意思確認の徹底 ○ 利用者の選択肢を増やすサービス提供の検討等 ➢ カスタマイズ機能を有するサービスなど利用者の 選択肢を増やすサービスの構築 47
「安心ネットづくり」促進プログラムについて 「青少年インターネット環境整備法」、「改正特定電子メール法」の成立を踏まえ、インターネット上の 違法・有害情報への対策を効果的・効率的に推進するため、平成21年1月、総務省としての今後3 年間の政策の方向性を提示。 (※)「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」において昨年7月以降検討。 48
政策の柱①:安心を実現する基本的枠組の整備(法制度・推進体制) 1.安心してインターネットを利用するための基本法制の整備 青少年インターネット環境整備法に基づく取組 ○ 本年以降順次、年齢別の設定を可能にするなど携帯電話フィルタリングサービスの多様化を実施。 自主的取組を促進する法制の在り方検討(違法情報対策): 民間の取組状況を踏まえ、上記法律の見直し年度(2011年度)まで継続的に検討。 ③ 改正特定電子メール法の着実な執行: 罰金額の引き上げ等の改正内容を踏まえ、迷惑メール送信者に対する行政処分等、法執行を着実に進める。 2.国際的な連携の推進 国際的なルール作りへ向けた働きかけ: ・日本の取組を国際会議を開催して広めるとともに、関係省庁と協力しITU(国際電気通信連合)やOECD (経済協力開発機構)等の国際機関において国境を越えたルール作りに向けて今年から働きかけを実施。 3.様々な連携の推進 民間と政府の連携強化: ・官民関係者による円卓会議等(内閣官房に設置)を活用し、問題の所在や対策の現状等につき認識を共有。 ② 地方における情報の共有: 2011年までに、全都道府県で1回ずつ以上、親子・教員等を啓発するシンポジウムを切れ目なく開催。 ③ 産学連携の枠組みの構築(安心ネットづくり促進協議会(※)): インターネット利用環境整備を協調的に推進する産学連携の枠組みを設立する動きを支援。 49
違法・有害情報への対応に関する契約約款モデル条項の概要 (下線部が改訂箇所) 政策の柱②:民間における取組の促進(民間活動の支援) 1.違法・有害情報対策の推進 業界団体のこれまでの取組の強化: (1)08年度中に「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」の改訂(※)等、既存の指針を 見直し。 (2)09年度中に、既存の指針の周知強化、事業者に加え一般のサイト管理者等が対応方策等につき相談でき る体制づくり(※)を推進。 「自主憲章」による新たな取組の推進: 上記のような業界団体による取組を超え、一般企業や利用者などインターネット上のあらゆるプレイヤーが 参加できる緩やかな共通目標(「自主憲章」)の達成を宣言する取組み(※)の09年度中の開始を支援。 違法・有害情報への対応に関する契約約款モデル条項の概要 (下線部が改訂箇所) (1)違法な情報及び公序良俗に反する情報の例示 ○ 詐欺、規制薬物の濫用、児童売買春等の犯罪を助長する情報 ○ わいせつ、児童ポルノ、児童虐待等の画像の送信及びそれらの売買に関する情報等 ○ 人の殺害現場の画像、動物を虐待する画像等の残虐な情報 ○ 違法行為(けん銃の譲渡、爆発物の不正な製造、殺人等)を請負、仲介、誘引する情報 ○ 人を自殺に誘引・勧誘する又は第三者に危害の及ぶおそれのある自殺の手段等を紹介する行為 ○ 犯罪や違法行為に結びつく情報や誹謗中傷、プライバシー侵害の掲載を助長する行為 等 (2)情報の削除等の対応(警告、削除要請、削除等) 契約者によるサービスの利用が(1)の各号に該当する場合などには、当該情報の削除等の対応を行う (3)利用の停止 (4)解約 50
違法・有害情報相談センターの開設 サイト管理者や学校関係者等に対して、インターネット掲示板の書き込み等によるいじめ、誹謗中傷等の 違法・有害情報への適切な対応手法について助言する窓口として本年8月に開設。総務省業務請負事業。 学校機関等に配布している業務案内 51
政策の柱③:利用者を育てる取組の促進 安心ネットづくり促進協議会 《検討の方向性》 これまで家庭・地域・学校において様々な利用者啓発活動が行われてきており、引き続き推進して いくことが有益。他方、従来の取組については、単発的な活動に留まっている等、改善の余地が残さ れている等の指摘。 既存の取組を整理・分類し、分かり易い形で有機的に連携させることにより、支援を必要とする利 用者が公平に支援を受けることのできる仕組みの構築について検討することが必要。 【既存の取組から浮かび上がる解決すべき課題】 産学、地域を含む様々な主体が緩やかにつながり、取組を共同して推進する新たな枠組が必要 《面的な拡大》 保護者の意識が高くない地域や過疎地等におい て取組が不足する地域がある。 《主体の拡大》 中小事業者の多くは資金面等の理由で十分な活 動を行うことが困難。意欲のある一般企業が啓 発活動を行おうとしても適切な場がない。 安心ネットづくり促進協議会 ◆取組例 情報モラル教育の支援強化 e-ネットキャラバンの拡大、教材の開発 等 保護者による適切な管理の促進 保護者向け啓発活動、機能限定携帯の普及 等 違法・有害情報対策の基礎となる調査 《優れた取組の共有》 個別企業による優れた取組が様々にあるにもか かわらず、既存の活動領域を超えて共有されに くい。 52
安心ネットづくり促進協議会 ■ 本年2月27日、これまで普及啓発活動等にバラバラに取り組んできた利用者・産業界・教育関係者等が相互に連携するため、安心ネットづくり促進協議会が設立された。 ■ 設立総会で会長に選任された鷲田大阪大学総長から、活動指針「1億人のネット宣言もっとグッドネット」が示され、インター ネット利用環境整備に関する自主宣言「もっとグッドネット宣言」の普及や各地域における普及・啓発活動(もっとグッドネッ トin大阪等)が図られている。 【 発起人 】 (五十音順・敬称略) 石原 邦夫 (東京海上日動火災保険株式会社 取締役会長) 井上 雅博 (ヤフー株式会社 代表取締役社長) 小野寺 正 (KDDI株式会社 代表取締役社長兼会長) 笠原 健治 (株式会社ミクシィ 代表取締役社長) 金子 郁容 (慶應義塾大学教授) 清原 慶子 (東京都三鷹市市長) 鈴木 幸一 (株式会社インターネットイニシアティブ 代表取締役社長) 曽我 邦彦 (社団法人日本PTA全国協議会顧問) 孫 正義 (ソフトバンクモバイル株式会社 代表取締役社長兼CEO) 髙橋 正夫 (社団法人全国高等学校PTA連合会顧問) 南場 智子 (株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役社長) 樋口 泰行 (マイクロソフト株式会社 代表執行役社長) 福島 保 (株式会社ベネッセコーポレーション 代表取締役社長兼COO) 堀部 政男 (一橋大学名誉教授) 間塚 道義 (富士通株式会社 代表取締役会長) 三木谷 浩史 (楽天株式会社 代表取締役会長兼社長) 村井 純 (慶應義塾大学教授) 山田 隆持 (株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 代表取締役社長) 山元 峯生 (全日本空輸株式会社 代表取締役社長) 53
今後の課題について 54
携帯電話をめぐる最近の動向 【持ち込ませない動き】 【持たせない動き】 昨年 7月 文科省、学校での携帯電話の取扱いルールを明確化するよう通知を発出 昨年12月 橋下大阪府知事、府内公立小中校への携帯電話の持ち込みを原則禁止 ☞ 2月2日、文科省は小中学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止する通知を発出 「学校における携帯電話の取扱い等について(平成21年1月30日文科省初等中等教育局長通知)」 ・ 小・中学校では持ち込みは原則禁止すべき ・ 高等学校で持ち込みを認める場合には、授業中の使用禁止などのルールを定めるとの指針に 沿って、学校や地域の実態を踏まえ、教育委員会や学校の基本的な方針を定めるべき。 【持たせない動き】 2003年~ 石川県野々市町、小中学生に携帯電話を持たせない啓発活動を開始 昨年 5月 教育再生懇談会、小中学生による携帯電話所持の原則禁止を提唱(一次提言) ☞ 2月9日、教育再生懇は一次提言を踏まえ、携帯所持禁止等を提言(三次提言) 「これまでの審議のまとめ -第三次提言-(平成21年2月9日教育再生懇談会)」 ・ 必要のない限り、小中学生に携帯電話を持たせないための取組を進める ・ 公衆電話事業者は一定台数の公衆電話の確保等に配慮する ・ 保護者は、子どもに携帯電話を持たせる場合、通話機能等に限定した携帯端末を持たせる。 等 ☞ 6月29日、石川県議会は携帯所持を原則禁止する旨の努力規定を含む「いしかわ子ども 総合条例」を可決 55
ご静聴ありがとうございました。 56