『失業克服の経済学』 橘木俊詔著 E040037 市野 翔.

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第 13 章 制度設定の変更が必要な 社会保障制度. 社会保障制度の重要性と それに対する根強い不安感 不景気の一因 不景気の一因 1997 年以降 かつてない不況 原因 ① 消費税率の引き上げ 原因 ① 消費税率の引き上げ ② タイや韓国を中心とした アジアの通 貨危機 アジアの通 貨危機 ③ 山一證券の経営破綻に代表さ.
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1 公債政策の推移② -バブル経済崩壊後から現在まで-. 2 ( 第 18 講の再説 ) 公債政策の推移 … 資料 18-2 ,資料 18-3 ,資料 18-4  1947 年の財政法制定 =国債の発行に厳しい制約  財政法制定~ 1965 年度当初予算 ⇒国債発行禁止規定 ( 財政法第 4 条.
井手 鑑人 岡村 佳祐 中嶋 仁 橋本 佳奈.  生活水準の向上には、物価上昇しないことが関係  衣料費の場合 ファストファッションブランドが多数誕生  その背景には 安価 安価 良質 安い労働力を提供する中国などの発展途上国が役割担う安い労働力を提供する中国などの発展途上国が役割担う.
終章 結論~迷走する経済学~ E班 堀口・石川・細野・武井・赤見・伊藤 デフレの原因はマネーサプライでもない!人工減少でもな い!ではデフレの正体は何か … この章ではその正体を含め、歴史的に見る経済低滞とデフレ の関係性、デフレの害悪、そして現在の経学の現状について も論じていく。 1.
1 II マクロ経済学のデータ. 2 第5章 国民所得の測定 マクロ経済学とは 国内総生産 = GDP ( Gross Domestic Product ) – 社会の経済的福祉を測定する尺度の1つ ミクロ経済学とマクロ経済学の違いについては、 pp. 40 – 41 も参照.
1 財政-第 22 講 6. 社会保障財政 (3) 2008 年 6 月 24 日 第 2 限. 2 公的年金③  今後の課題-公的年金制度全般に関して-  将来の給付水準見通し  厚生年金と共済年金の一元化  社会保険方式から税方式への移行  制度上の問題点  未納・未加入問題.
1 経済学-第 13 回 年金② 2008 年 7 月 4 日. 2 日本の公的年金制度 ( 続 )  今後の課題-公的年金制度全般に関して-  将来の給付水準見通し  社会保険方式から税方式への移行  制度上の問題点  国民年金保険料未納問題.
短期均衡 (2) IS-LM モデル 財市場 IS 曲線 – 財市場の均衡 – 政府支出の増加,減税 貨幣市場 LM 曲線 – 貨幣需要,貨幣市場の均衡 – マネーサプライの増加 IS-LM モデル – 財政政策の効果,金融政策の効果 – 流動性の罠 – 実質利子率と名目利子率の区別 貨幣供給.
ゆとりある生活を送る ためには. 老後生活に対する不安 80 %以上の人々が老後生活に不安を感じています 出所:生命保険文化センター平成 16 年.
  環境税導入の是非     -否定派-     神野・上原・入江.
多々納 裕一 京都大学防災研究所社会システム研究分野
第1章 金融の基本的要素 Q.4~Q /5/6 棚倉 彩香.
第6章 閉鎖経済における短期のマクロ経済理論
最低賃金1000円の是非.
現代の経済学B 橘木俊詔「ライフサイクルの経済学」第2回 第3章 転職か昇進か 第4章 結婚と家族 京大 経済学研究科 依田高典.
労働市場マクロ班.
第6章 3節 2011/7/1 09BC053J  新井友海.
日本消滅 ~若者の失業の先に~ 龍谷大学 小峯ゼミナール第2班 平成18年10月28日.
安心して好きな仕事ができますか? E040070   内林武生.
第1章 国民所得勘定.
消費税10%導入の是非                    肯定派 大岸・福田・山田.
第16章 総需要に対する 金融・財政政策の影響 1.総需要曲線は三つの理由によって右下がりである 資産効果 利子率効果 為替相場効果
第3章 実態経済に大きな影響を及ぼす金融面の動向
<キーワード> 景気循環 総需要・総供給モデル
年金・定年引き上げの是非 否定派 棚倉 彩香 林 和輝 西山 夏穂 水田 大介.
量的質的金融緩和は 日本にとってプラスか? 否定派.
第8章 家計部門でいま起こっていること.
第2章 バブル崩壊後における経済の長期停滞の原因をどうみるか
再分配政策(3) 公共政策論II No.6 麻生良文.
わが国の社会福祉現場における 人材確保の動向と今後の展望
お金がなければ刷りなさい 於:未来構想フォーラム
<キーワード> 生産関数、労働、資本 限界生産物
人事労務管理の仕組み・体系と労働市場・労働法 2016 年5月24日
Ooshiro.R Sanada.H Nishimura.A Miyamoto.A Wakabayashi.A
現代の経済学B 橘木俊詔「ライフサイクルの経済学」第3回 第5章 消費と貯蓄 第6章 引退後の生活 京大 経済学研究科 依田高典.
入門B・ミクロ基礎 (第7回) 第4章続き 2014年12月1日 2014/12/01.
デフレの正体―経済は「人口の波」で動く 補講 高齢者の激増に対処するための「船中八策」 山下 真弘
スペイン財政支援の是非 <否定派> 田中・棚倉・川村・石塚.
貯蓄税導入の是非 ~否定派~ 松村・田邉・川村・藤山.
マクロ経済学 II 第9章 久松佳彰.
(景気が良くなり)ハンバーガーの需要が拡大すると
短期均衡モデル(3) AD-ASモデル ケインジアン・モデルにおける物価水準の決定 AD曲線 AS曲線 AD-ASモデル
三、安定成長期(1973年~1986年) 1 高度成長の挫折 2 産業構造の変化 3 円高と貿易摩擦 4 逆輸入と内需拡大.
第10章 失業と自然失業率 失業率はマクロ経済学においてGDP(5章)、インフレ率(6章)と並び重要な指標 各国の失業率(2012年、%)
マクロ経済学 II 第5章 久松佳彰.
<キーワード> 景気循環 総需要・総供給モデル
インフラ政策の推進による経済再生 公益社団法人 日本青年会議所 2017年度 経済再生グループ 防災大国日本確立委員会.
マクロ経済学 II 第10章 久松佳彰.
最近の中国と通貨に関する動向 08ba231c 松江沙織.
経済情報入門Ⅱ(三井) 公共事業と社会保障.
前期ゼミまとめ スラックス経済.
制度経済学Ⅰ⑪ Q1 年金記録はなぜ改ざんされたのか? Q2 実際の改ざんの程度は把握できるか? DVD 2008年11月26日放映.
制度経済学Ⅰ⑩ 6.22. Q1 年金記録はなぜ改ざんされたのか? Q2 実際の改ざんの程度は把握できるか?
社会的包摂への課題 -雇用システムの変動と 若年世代に着目して-
「ニート」って言うな! 第一部 第二章 岸本 可奈子
デフレ・スパイラル 2009年以降の事例から 長谷川 正
制度経済学Ⅰ⑦ DVD質問 Q1 多重派遣とは? Q2 なぜ違法派遣が増えている? Q3 社会保険に未加入の派遣は違法か?
2008年までの好景気がつづいた 世界経済が現在同時不況 日本経済?
 脱・フリーター社会                                      京都大学橘木研究室         
VI 短期の経済変動.
日本の経常収支黒字  → 外国に失業輸出? 高齢化の進展 → 日本の国内貯蓄超過の減少         → 日本の経常収支黒字は減少へ.
第7回 社会福祉の法制度.
岩本 康志 2013年5月25日 日本金融学会 中央銀行パネル
制度経済学Ⅰ⑥ Q1 FX取引とはなにか? Q2 FX取引の背景? Q3 どう改善? 2008.10.7.放映.
2004年度入門経済学1A 担当教員:奥井克美.
古典派モデル(1) 基本モデル 生産要素市場の均衡(労働市場,資本市場) 生産関数 消費関数,投資関数 財市場の均衡 政策の効果
経済学(第7週) 前回のおさらい 前回学習したこと(テキストp.16,19) ◆ マクロ経済学における短期と長期 ◆ 完全雇用とはなにか ◆ 短期のマクロ経済モデルの背後にある考え方 (不況の経済学/有効需要原理) ◆ 民間部門はどのように消費や投資を決定するか ◆ ケインズ型消費関数とはなにか ◆
第6章 デフレの鍵は賃金 ー「なぜ日本だけが?」の答え
80年代のアメリカ経済 現代資本主義分析.
経済学入門 ミクロ経済学とマクロ経済学 ケインズ経済学と古典派マクロ経済学 経済学の特徴 経済学の基礎概念 部分均衡分析の応用.
Presentation transcript:

『失業克服の経済学』 橘木俊詔著 E040037 市野 翔

第1章 失業する人は誰か 失業する人…若年と高年に集中 失業者を出現させている産業…建設・製造・流通・金融業 第1章 失業する人は誰か 失業する人…若年と高年に集中 失業者を出現させている産業…建設・製造・流通・金融業 企業規模別の差・職業による差 → あまりない  (ただし、従業上の地位の差、パートタイマーや派遣労働者は失業者になる確立が相当高い。) 失業する理由…非自発的な場合(倒産やリストラ)が急増 次の職が見つからない → 若年…ふさわしい仕事に遭遇していない                  → 中・高年…年齢と賃金

第2章 失業率はなぜ高くなったか 原因 (これがすべてではない。これらの要因が複雑にからまったもの。) 産業構造の変化と空洞化 第2章 失業率はなぜ高くなったか 原因 (これがすべてではない。これらの要因が複雑にからまったもの。) 産業構造の変化と空洞化 規制緩和策の影響 公共・民間投資の減少 家計消費の低迷 高い賃金払い 企業経営の不振と倒産 労働市場におけるミス・マッチ

第3章 失業の経済学 4つの理論(わが国の失業の実態を考えて) 賃金を代表にして労働コストが高いこと 有効需要の不足がある 第3章 失業の経済学 4つの理論(わが国の失業の実態を考えて) 賃金を代表にして労働コストが高いこと 有効需要の不足がある 労働市場におけるミス・マッチの存在 物価下落というデフレの状態にある

失業を理解するうえで重要な視点 労働保護 職探しの理論 賃金決定の中央集権型・分権型 プロフィット・シェアリング

第4章 失業保険制度の充実を わが国の失業保険制度…他の先進諸国、特にヨーロッパ諸国と比較すると、給付額と給付期間の双方で見劣る。 第4章 失業保険制度の充実を わが国の失業保険制度…他の先進諸国、特にヨーロッパ諸国と比較すると、給付額と給付期間の双方で見劣る。 失業保険への加入資格が厳しい、失業保険に加入しない人がいる  → 公的な強制保険制度の精神に反する。 ⇒ 制度改革が望まれる。 保険財政の健全化のため、保険料アップ。 給付決定が、過度に年齢や勤続年数に依存。

第5章 危険なインフレ・ターゲティング デフレ解消、あるいは不況からの脱出のために、意図的に物価上昇を行う(=インフレ・ターゲット論)には、賛否両論がある。

◎4つの理由 世界一高いわが国の物価水準を意図的に上げるのは、「内外価格差是正」を政策目標にしていたことと矛盾する。 意図的に物価を上げる手段、特に金融政策に関していえば、実行可能性に限界がある。 新規国債の日銀引受けや日銀による株、土地の購入という強硬策は、臨界点を超えたインフレになる恐れがある。 不況対策としての代替案があるので、まだインフレ・ターゲティングという非常手段の時期ではない。(不良債権処理の必要性)

もう1つの問題点  政府当局が日銀を、日銀が政府当局を、といったように、政策担当の相手側に責任を押しつける雰囲気がややある。

第6章 ワークシェアリング 雇用維持型と雇用創出型 わが国は雇用維持型を目指す → 手探り状態  雇用創出型には程遠い

第7章 豊かさを分かち合う精神を ワークシェアリング = 「豊かさを分かち合う」精神の発露 第7章 豊かさを分かち合う精神を ワークシェアリング = 「豊かさを分かち合う」精神の発露 税金で分かち合う…国民の多くから、特に高所得者から税を徴収して、その財源を国民の教育や職業訓練に支出して、国民の資質向上に努める方法。多くの国民の労働生産を高めるし、失業の低下にも貢献する。

第8章 望ましい労使関係を求めて 「終身雇用」「年功序列」「企業別組合」→ 大きな変革期にある 「終身雇用」「年功序列」「企業別組合」→ 大きな変革期にある 「労働流動化」「能力・実績主義」「労働組合の変化」 労使関係のあるべき姿…協調的な労使関係   うまくいっていたのは、大企業のフルタイマーを中心とした労働側と経営側が協調関係にあったことによる。中・小企業では、労働条件が劣っていた為に労使関係は満足できるものでなかった。

第9章 企業活力強化に向けて 失業者を生まない為、雇用者の数を増加するには、企業の活性化が必須 企業活性化の具体策 第9章 企業活力強化に向けて 失業者を生まない為、雇用者の数を増加するには、企業の活性化が必須 企業活性化の具体策 労働賃金や社会保険料負担の削減策 企業の福祉からの撤退 規制緩和や競争促進 付加価値の高い産業へのシフト 売上高の上昇や法人税の減税を含んだコストの削減 労務管理やコンポレート・ガバナンス

第10章 失業を減らすための政策 失業問題は解決できる。国民と企業が失業問題に危機感を共有して事にあたれば、失業者の数は減る。 そのために、 第10章 失業を減らすための政策 失業問題は解決できる。国民と企業が失業問題に危機感を共有して事にあたれば、失業者の数は減る。           そのために、  政策の根幹として、 ①ワークシェアリング(労働時間短縮を中心とした仕事の分かち合い) ②時間あたりの賃金率の低下策

これらによって労働者の名目所得水準はやや落ちるが、デフレ下なので物価の下落と、名目賃金(名目所得)の下落が同時に進むので、実質所得の低下は少しですむ。   ⇒ 家計消費への影響は非常に限定的となる。むしろ、失業から脱却して新しく職を得た人たちの新しい所得と、パートの人たちの所得が加わるので、消費の増加が期待できる。

労働時間短縮によるゆとりある生活は、賃金の減少を補うものがある。 時間あたり賃金率の下落による労働費用の節約効果は、企業の活性化と利潤の向上に役立つ。 新しい人を雇用できる余裕が生じるメリットが、第1の目的。

国民の失業に対する不安感の解消 ⇒ 社会保険制度の改革 労働市場に存在する求人・求職のミス・マッチを最小に。 労使の協調関係 企業の福祉からの撤退 企業に活力をあたえる政策 新しい仕事、新しい企業、新しい産業の創出

参考文献   『失業克服の経済学』    橘木俊詔著  岩波書店  2002・6・6