租 税 教 室 ● ● 中 学 校 広島主税くん 広島国税局キャラクター 【講師の方へ】 当パワーポイントの構成は、平成24年度副教材と同様の流れとしていますが、45分授業を想定して内容を一部割愛していますので、授業で触れていない部分に関しては、自主的に学習するよう指導を行ってください。 広島主税くん ちから 広島国税局キャラクター 【★マークでクリックする】 皆さん、こんにちは。 私は、●の●といいます。 仕事(活動)の内容は、●です。 【主な自己紹介の内容】 ・ 所属する組織(団体)名、仕事(活動)内容 ・ その他(自分の出身中学校・中学生時代の話など) 今日は租税教室ということで、皆さんと一緒に税金の役割や使い道について考えていきたいと思います。よろしくお願いします。 まず、皆さんに配付したプリントにクラスと名前を記入してください。プリントの答えは説明の中で出てきますのでよく聞いて記入してください。 では、最初に税金クイズをしましょう。★
正解 税金がかかる (所得税) 税金クイズ(問1) 落とし主不明でその後警察からこの1億円をもらったとき、税金はかかるでしょうか。 ●●中学校に来る途中で1億円入りのスーツケースを拾いました。 落とし主不明でその後警察からこの1億円をもらったとき、税金はかかるでしょうか。 【税金クイズ第1問目】 ●●中学校に来る途中で1億円入りのスーツケースを拾いました(1億円のレプリカを取り出す)。 交番に届けましたが、落とし主が現れず、その後この1億円はもらえることになりました。 さて問題です。このもらった1億円に税金はかかるでしょうか。 かかると思う人?かからないと思う人?(挙手を求める) 正解を見てみましょう。★正解は★「税金がかかる」です。 落し物を拾った人がもらった1億円は、「一時所得」という所得に該当し所得税がかかります。 ちなみにこの場合、ほかに所得がなければ、17,104,000円(所得税が約1,700万円)の税金を納めてもらうことになります。 続いて第2問目です。★ 《参考:計算過程》 (1億円-50万円)÷2=4,975万円に他の所得を合計し、所得税の最高税率40%を掛けて2,796,000円を差し引いた金額が納税額となる。 正解 税金がかかる (所得税)
正解 税金がかかる (贈与税) 税金クイズ(問2) 進級祝におじいちゃんから現金を1億円もらいました。この進級祝に税金はかかるでしょうか。 進級祝におじいちゃんから現金を1億円もらいました。この進級祝に税金はかかるでしょうか。 正解 【税金クイズ第2問目】 進級祝に、おじいちゃんから現金を1億円もらいました。 この1億円に税金はかかるでしょうか。 かかると思う人?かからないと思う人?(挙手を求める) ★正解は★「税金がかかる」です。 このように個人から個人へお金を与えた場合には、贈与税という税金がかかります。 ちなみに、この場合は4,720万円の税金を納めてもらうことになります。 続いて第3問目です。★ 《参考:計算過程》 (1億円-110万円)×50%(贈与税の最高税率)-225万円が納税額となる。 税金がかかる (贈与税)
正解 税金はかからない (非課税) 税金クイズ(問3) 宝くじを買ったら、1億円当たりました。 この当せん金に税金はかかるでしょうか? 宝くじを買ったら、1億円当たりました。 この当せん金に税金はかかるでしょうか? 正解 【税金クイズ第3問目】 宝くじを買ったら、1億円当たりました。 この当選金1億円に税金はかかるでしょうか。 かかると思う人?かからないと思う人? (挙手を求める) ★正解は★「税金はかかりません。」これを「非課税」と言います。 これは当せん金付証票法という法律の第13条で特別に「税金はかからない」と規定されているからです。★ 税金はかからない (非課税)
なぜ税金を納めなければならないのですか? 所得税 消費税 酒税 相続税 たばこ税 贈与税 法人税 【税金の必要性】 「税金」といったらどんなイメージですか?★難しいとか、複雑とか、そんな感じでしょうか? 皆さんもコンビニで買い物をした時には消費税を払っています。つまり税金を負担しているのです。 それでは、なぜ税金が必要なのでしょうか?★ 「私たちの生活と税」の1ページを開いてください。 私たちは、暮らしの中で義務教育などいろいろな公共サービスを受けています。国や地方公共団体はこれらを提供するために、たくさんのお金が必要です。 それを「税金」という形で集めているのです。★ 国民が豊かで安全に暮らすためには、いろいろな公共施設や公共サービスが必要です。 これらの建設や提供のために、国や地方公共団体には多くの費用が必要です。
国民は、法律の定めるところにより、 納税の義務を負ふ。 納税の義務(日本国憲法第30条) 国民は、法律の定めるところにより、 納税の義務を負ふ。 国民の三大義務 ① 普通教育を受けさせる義務(日本国憲法第26条2項) ② 勤労の義務(日本国憲法第27条1項) ③ 納税の義務(日本国憲法第30条) 【法的根拠】 税金は、国を維持し、発展させていくために欠かせないものですから、憲法でも、納税は国民の義務と定めています。★ 日本国憲法第30条で定める納税の義務は、★普通教育を受けさせる義務、勤労の義務と並んで国民の三大義務の一つとされています。 また、皆さん知っているように、日本は民主主義の国です。 税は、国民の代表である国会の決定によってのみ定められ、集められます。★ これが、税についての民主主義の基本原則である租税法律主義です。★ 《参考》 ・教育を受けさせる義務(憲26②) 「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。」 ・勤労の義務(憲27①) 「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。」 租税法律主義(日本国憲法第84条) あらたに租税を課し、又は現行の租税を 変更するには、法律又は法律の定める 条件によることを必要とする。
なぜいろいろな種類の税金があるのですか? 国 税 22種類 合計 約50種類 地方税 約25種類 地 方 税 県民税、自動車税 不動産取得税等 市町村民税、固定資産税軽自動車税等 市町たばこ税 入湯税等 地方消費税 県たばこ税等 県 (約12種類) 市町村 (約13種類) 直接税 間接税 国税 消費税、酒税 たばこ税、揮発油税 自動車重量税、印紙税等 所得税、法人税 相続税、贈与税等 【税金の区分と種類】 現在、日本には何種類の税金があると思いますか? なんと約50種類の税金があるんです。★国の税金である「国税」が22種類、★県の税金「県税」が約12種類、市町村の税金「市町村税」が約13種類の合計約50種類あります。 国の税金は全国どこへ行っても同じですが、県や市町村の税金は住んでいる地域によって変わってきます。 ★表の左側ピンクの部分の税金は、所得税など、税金を負担する人が直接納める税金であり、直接税といいます。 ★右側ブルーの部分の税金は、消費税など、税金を負担する人が直接納めるのではなく、別の人を経て納める税金であり、間接税といいます。 次に、皆さんにも身近な消費税について見てみましょう。★
消費税の引上げ 消費税 消費税の導入 平成 年4月 % 元 3 平成 年4月 % 9 5 消費税(付加価値税)の標準税率 平成 年4月 % 元 3 平成 年4月 % 9 5 消費税の引上げ 消費税(付加価値税)の標準税率 【消費税の歴史・国際比較】 消費税は★平成元年4月に導入され、その当時の税率は3%でしたが、その後引き上げられ、★平成9年4月から現在の5%になりました。 【消費税法改正法案が通ったら】 また、消費税率は平成26年4月から8%、平成27年10月から10%となります。 それではここで、世界の消費税を見てみましょう。 ★日本の消費税率は5%ですが、これは世界の主要国の中でも最も低い方の国になっています。 ★デンマーク・スウェーデン・ノルウェーのような北欧の国は、消費税率は25%と日本より高いですが、これらの国は、医療費や年金、教育などにはお金がかからない高福祉の国であるといえます。★
国の一般会計歳入額 内訳(平成24年度当初予算) 国の一般会計歳入額 内訳(平成24年度当初予算) 国の収入の内訳は? 【国の財政について】 では、税金は1年間でどのくらい納められているのでしょうか。 財政の事務は、4月から翌年3月までの「会計年度」で行われます。この1年間の収入を「歳入」、支出を「歳出」といいます。 国の予算には一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算などがあります。その中で最も基本的なものが「一般会計予算」です。 我が国の財政は非常に厳しい状況となっています。 黄色の所得税から紫色の印紙収入までを★「租税及び印紙収入」といい、所得税、消費税、法人税などで財政が支えられていることが分かります。租税及び印紙収入が、一般会計歳入のうち46.9%を占めています。 歳入の内訳は、所得税 14.9%、消費税 11.5%、法人税 9.8%、その他の税などが10.7%、一方、49%、約半分が公債金収入、つまり国の借金です。★ 次に歳出について説明しますが、この歳出を賄うのに、税収だけでは不足しているということです。★
国の一般会計歳出額 内訳(平成24年度当初予算) 国の一般会計歳出額 内訳(平成24年度当初予算) 【歳出】 日本の国全体ではいくらのお金が使われるのでしょうか。 歳出の内訳を見ると、年金や医療費に使われる社会保険関係費が約30%を占めています。★ また、国の借金返済・利息支払に約24%、つまり約4分の1相当が過去からの借金返済に使われているということです。★ 国の借金残高は毎年増えています。これを子や孫の世代に先送りしてよいのか、大きな課題と言えるでしょう。 また、県の歳入・歳出の状況については、「私たちの生活と税」の5・6ページに記載されていますので、後で確認してみてください。 では、このような税金の使い道というのは、誰が決めているのでしょうか。★
集まった税金の使い道は誰が決めるのですか? 国民 選挙 公共 施設 公共 サービス 納税 国会 内閣 予算案 税に関する法律案 議決 【民主主義の側面からの納税の義務】 納められた税金は、★国民の代表である国会議員が国民のためにどう使ったらいいかを国会で話し合って決めます。 ★国民が選挙でその代表を決め、★内閣が予算案や法律案を国会に提出し、★国会の審議・議決を経て「誰の、何に、いつ、どのように、いくら」税金をかけるかなどの税に関する法律(税負担の方法)や、集めた税金の使い道を決定し、それに基づいて国民は納税をするのです。★ こうして納められた税金で★国民は様々な公共サービスを受けたり、公共施設を使うことができます。 国民の代表である議員が、税金の納め方とその使い方を決めているわけですから、間接的には私たちが、税金の納め方と使い方を決めていることになります。★ 自分たちが納め方や使い方を決めた税金ですから、決めた自分たち自身が納税の義務を果たすというのが民主主義です。 この民主主義の根本原則からも、税金は納めなければならないのです。★ 税に関する法律(税負担の方法)と税の使い道(予算)は 国民の代表者である議員が決めています。
私たちが学校で勉強するのに税金が使われていますか? 公立学校の児童・生徒一人当たりに使われる国や県・ 市町村の年間教育費の負担額 (平成21年度) 小 学 生 年間約84万8,000円 中 学 生 年間約97万9,000円 高 校 生 年間約91万3,000円 ここで、教育にはどのくらいの税金が使われているか見てみましょう。 小学校では、一人当たり月約7万700円★ 中学校では、一人当たり月約8万1,600円★ 高校では、一人当たり月約7万6,100円の税金が使われています。★ つまり、小学校、中学校、高校の合計12年間で、皆さん一人当たりの教育費として、約1,076万4,000円の税金が使われていることになります。★ このように、教育には多額の税金が使われています。 「私たちの生活と税」の7ページを見てください。 これらの税金が具体的に何に使われているかというと、机やいす、黒板、チョーク、実験道具といった備品や教科書の購入、校舎や体育館等の建設費などに使われています。 皆さんが勉強するのに、これだけの税金が使われているわけですから、一生懸命勉強してくださいね。★ 公立学校12年間の負担額の合計額 約1,076万4,000円
国民一人当たりに使われている税金 1年間に国民一人当たりに使われている税金 (国と地方公共団体の負担額合計) 警察・消防費 総額 4兆9,955億円 国民一人当たり 年間約39,000円 (平成22年度) 市町村の ゴミ処理費用 総額 2兆410億円 国民一人当たり 年間約16,000円 (平成22年度) では、税金はどのくらい公共サービスに使われているのでしょうか。 ★犯罪、事故防止及び消火活動等のためには、一人当たり年間約3万9,000円 ★ゴミの処理などのためには、一人当たり年間約1万6,000円 ★病気などの治療のためには、一人当たり年間約10万5,800円の税金が使われています。★ 国民医療費の 公的負担額 総額 13兆4,933億円 国民一人当たり 年間約105,800円 (平成21年度)
国の公債残高の推移 【国の財政の現状】 国の歳入について、約半分が公債金収入であると説明しましたが、これは、国の公債残高の推移を表したグラフです。あまりに膨大な金額でピンとこないかもしれませんが、平成24年度の国の公債残高は709兆円という金額です。★ 「私たちの生活と税」の8ページを見てください。これを家計に例えてみるとどうでしょう。毎月の生活費の不足額が38万円で、1年間に借金が約450万円増加していくことになります。★ ≪参考≫ 地方の債務残高を合わせると「約850兆円」相当となる。 14
少子・高齢化の進行 ~ 少子・高齢化の現状 ~ 年金や老人医療費はますます増加が予想される一方で 日本が一番高齢化が進んでいる 歴年 1965 1980 1995 2000 2005 2025 2050 日本 6.3 9.1 14.6 17.4 20.2 30.5 39.6 ドイツ 12.5 15.6 15.5 16.4 18.8 24.4 30.2 フランス 12.1 14.0 16.3 21.7 25.9 イギリス 12.0 14.9 15.8 16.1 19.9 24.1 アメリカ 9.5 11.2 12.4 12.3 17.8 21.0 【少子・高齢化の現状】 このグラフは、65歳以上の人口が総人口に占める割合を表しています。 日本は、主要先進国でも類をみない速さで少子・高齢化が進んでいることが分かります。 1980年まではアメリカ・ドイツなどの国よりも高齢化率は低かったのですが、その後、急速に高齢化が進み、現在ではこれらの国の中で一番高齢化の進んでいる国になっています。★ 20歳から64歳までの働く世代の人口の、65歳以上の高齢者の人口に対する比率は、★2000年では3.6人に一人でしたが★2025年には1.8人に一人、★2050年には1.2人に一人になると言われています。つまり、働く世代一人で一人のお年寄りを養っていく超高齢社会が訪れるということです。そうなると、どうなるのでしょうか?★ 年金や老人医療費はますます増加が予想される一方で 働く世代の減少は税収低下を招くおそれもあります。
社会保障給付費の増大 社会保障給付費の推移 年金生活者が増加し、老人医療費の増加が予想されます。一方では、働く世代の減少で税収は落ち込むかもしれません。しかし、年金や医療といった社会保障は、将来にわたり安心して生活する上でなくてはならない制度です。 政府は、働く世代のみに負担を求める税制を見直ししたり、年齢に関わらず能力のある人にそれなりの負担をしてもらうことを検討しています。これからは、働く世代から高齢者まで皆で助け合っていく社会、相互扶助が必要になるでしょう。★
会 費 税金とは、社会を支える のようなもの おわりに 税金とは、社会を支える 会 費 のようなもの 税金に対して正しい知識と理解を持ち、その使い道についても十分に関心を持つことが必要です。 【税金とは】 ここまでお話してきたように、国や地方公共団体は、財政状況や少子・高齢化等の問題を踏まえ、日本の将来を考えた長期的な展望に立って政策を実行しています。 私たちが安心・安全に生活するためには、税金はなくてはならないものであり、税金は、まさに「社会を支える●●のようなもの」と言えるでしょう。 さて、皆さん、ここでこの●●の中に言葉を入れてみてください。何が入れば良いと思いますか?(数人の生徒に発言を求める。) 皆さんの回答は全てすばらしい答えだと思います。 私は「税金とは、社会を支える★会費のようなもの」だと思います。 会費とは、直接自分に戻ってくるものではありませんが、会に参加し運営するために、みんなが、お互いのために拠出しなければならないお金だからです。★ 皆さんが、健康で豊かな生活ができるよう、「税金を正しく納めることはとても大事なことだ」ということを覚えておいてください。 また、税金に対して正しい知識と理解を持ち、その使い道についても十分に関心を持ってもらいたいと思います。★
税の学習コーナー 税に関する質問タックスアンサー (動画で解説) We-TAX-TV 【ホームページの紹介】 We-TAX-TV (動画で解説) 税の学習コーナー 税に関する質問タックスアンサー 【ホームページの紹介】 インターネット上の国税庁のホームページでは、税に関する様々な情報を提供しています。 また、「税の学習コーナー」というコンテンツがあり、税金について更に詳しく勉強できるので、是非一度見てみてください。 それでは、以上で租税教室を終わります。これからも勉強やスポーツを頑張ってださい。 今日はどうもありがとうございました。