第4章 ABC/ABMと原価情報 原価計算・原価低減の新技法 1.ABCとは何か 2.ABCの有効性 3.ABMとは何か 4.ABMの有効性.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
第 5 章 総合的会計情報システムにおける 管理会計 1. ERP パッケージとは何か 2. ERP パッケージと管理会計 3. ERP パッケージ導入の効果.
Advertisements

1 第4章 棚卸資産 ケース/セブンーイレブン、 トヨタ自動車 この章のポイント: ①棚卸資産とは売上を待つ在庫のこと。 ②価値減少分は売上原価に加えられる。 ③粗利益率は在庫管理いかんである。
経済と株価ー講義② 企業活動と付加価値①・・・GDP上の考察 ・マクロ経済学上の付加価値 ・GDP統計の相互関係 ・GDP統計とは①~③
価格決定 重要な意思決定として価格決定がある 価格決定の形態 新製品や改良製品の価格決定
市場機会の発見・評価・選択.
Anthony and Govindarajan Management Control Systems
サプライ・チェインの設計と管理 第6章 戦略的提携 pp 音複堂のケーススタディを読んでおくこと!
   Webサイトの       ROIについて 理工学部 情報学科 吉田 克己.
マーケティング・プログラム: 価格設定戦略
サプライ・チェインの設計と管理 第9章 顧客価値とサプライ・チェイン・マネジメント pp
生産量差異の本質 生産量差異=固定間接費配賦額-固定間接費予算額 =(実際生産量×固定間接費配賦率) -(予定生産量×固定間接費配賦率)
ABCの概要とその有用性 加登豊(神戸大学大学院経営学研究科教授) 清水信匡(桃山学院大学経営学部教授)
■日時 平成22年7月16日(金) ■講師 特定非営利活動法人 政策21 理事長 鎌田 徳幸
目標純利益 CVP分析を用いると目標利益を達成するために必要な販売量と売上高を算定できる 損益分岐点の式を「変形する」
経営情報論B 第4回 第4回 経営情報システムの管理②(第7章).
「知的財産(活動)による事業貢献の“見える化”に向けて」
財 務 諸 表 論 Ⅱ 第六回 損益会計①.
ERPとして必要な統合管理機能を有し、内部統制等の様々なニーズに柔軟に対応
SCMとトヨタ生産方式を比較する 再編 ∞Infinity
第3章 原価計算制度と原価情報 1.原価計算目的と原価計算制度 2.実際原価計算 3.標準原価計算 4.新しい原価計算
多々納 裕一 京都大学防災研究所社会システム研究分野
第2章 管理会計 ケース/スターバックスコーヒージャパン
大谷経営労務管理事務所のISO9001認証取得について
経済と株価ー講義① 企業活動と付加価値①・・・会計上の考察 ・企業の付加価値と株価 ・貸借対照表(B/S)上の利益
1 業績測定システム 財務管理システムの限界 2 反復管理 3 要約
     総合原価計算.
事業計画 発表者名 | 会社名.
第2回 バリューチェーン1 【 Value Chain(価値連鎖) 】
グループ研究1班 第一章 経営戦略とは何か 雨森 彩 大嶋 健夫 小沢 博之.
情報技術とビジネス・プロセス革新③(第8章) 3.プロセス革新と技術革新
経済・経営情報コース コース紹介.
市場調査のプロセス 企画段階.
マーケティング計画.
顧客 「ISO9001」と「ISO22000」の違い ISO22000 ISO9001 リスクをなくす 顧客満足 食の安全性 品質の差別化
生産本部 生産革新部 改善テーマ活動計画書 須藤 正美 X-Session2次問い合わせ対応率向上 活動ステップ
中小企業の発展と管理会計 ~戦略とBSCに焦点を当てて~ 発表者:商学部3回生 萬徳貴久.
copyright 株式会社ドモドモコーポレーション 遠田幹雄
マーケティング概念.
正常原価計算システム 正常原価計算システム 製品原価計算するにあたり、年間を通じて一定の年平均間接費率を用いている
「保険会計テンプレート」全体構成図 <財務会計> <管理会計> 保険会計テンプレート 会計DB (SAP R/3) 統合DWH
活動基準原価計算(ABC) 活動基準原価計算(Activity-Based Costing:ABC)
明治大学経営学部 鈴木研一ゼミナール 担当: 増山 宏美、 李 亨奈
管理的側面 管理者に必要な経営知識 経営学の基本 ①マネジメントと組織.
経済学とは 経済学は、経済活動を研究対象とする学問。 経済活動とは? 生産・取引・消費 等 なぜ、経済活動を行うのか?
製造準備段階における 工程FMEAの実施と不具合未然防止
最適設計と設備投資の経済計算 JMAセミナー 目標 6時間 期間 3ヶ月 講師 MEマネジメントサービス編
マーケティング・マネジメント.
第2回 業務プロセスと価値連鎖分析.
小山健太(総合政策学部4年) 松本健太郎(総合政策学部4年)
平成19年度青年部会「第2回~第4回研修会」(人材育成研修会)実施計画書
管理的側面 管理者に必要な経営知識 経営学の基本 ②環境と戦略と競争優位.
plan do see マネジメント・サイクル 皆さんの中で、より良い生活を送ろうとしている方々は、
総合政策学部3年 鋤先麻美 環境情報学部3年 生田目啓
競争の戦略 マイケル・E・ポーター 藤井 海太.
ビジネス プロジェクトの計画 発表者名 | 会社名.
第11回 内部統制.
第3分科会要旨 テーマ: 新市場創造型商品の事例研究 発表者: 古橋 雅彦
管理会計 1回目 会計情報の管理とは.
第8回 生産プロセスの管理.
標準時間の設定と生産性改善 日本能率協会セミナー 目標 6時間 期間 3ヶ月 講師 MEマネジメントサービス編
会計業務の概要 会計情報システムの対象業務.
2012年10月30日(火)総務部 2013年(平成25年)3月期 第3四半期 決算参考資料 2013年1月31日 東洋水産株式会社 1.
パブリック・マネージメント 戦略行政への理論と実践
1.経営改善に役立つ「変動損益計算書」の考え方 1-1.商法・税法の決算書は経営者に役立たない!
「経理・財務サービス スキルスタンダード研究開発事業」
テキスト第7章 スライドを中心として講義する 田宮治雄
第1章 現状メソッドの標準化 対象工程を流れる代表品種に対し作業を区分し、時間・頻度を 明らかにして、オペレーションリストを作成する。
内部統制とは何か.
●利益計画(参考) 前 期 G.経常利益(E-F) F.営業外損益 E.営業利益(C-D) その他経費 減価償却費 研究開発費 広告宣伝費
ABC(活動基準原価計算) 伝統的な原価配賦システム 部門などの組織単位への原価集計に着目 ABC(活動基準原価計算システム)
Presentation transcript:

第4章 ABC/ABMと原価情報 原価計算・原価低減の新技法 1.ABCとは何か 2.ABCの有効性 3.ABMとは何か 4.ABMの有効性

1. ABCとは何か ABC開発の背景: ABCは、間接費を活動(activity)と呼ばれる基準に分解した。 ABC(activity-based costing){活動基準原価計算} ABC開発の背景: →伝統的な原価計算に間接費の配賦問題を解決するために考え出された原価計算技法。 →間接費の配賦問題とは間接費とその製品への配賦基準との間に比例関係がないために、間接費を正確に製品原価に配賦できないという問題。 ABCは、間接費を活動(activity)と呼ばれる基準に分解した。 活動とは、ある機能の目的を遂行するのに必要とされる行為(桜井[1995])である。

伝統的な原価計算とABCとの違い 図4-1 伝統的な原価計算 ABC 間接費 間接費 製造部門費 製造部門費 活動原価 活動原価 製品 製品 発生額と 配賦基準との間に 比例関係が あるかないか? 直接作業時間 などによる配賦 活動回数など による配賦 製品 製品 製品 製品 活動原価がある行為のために発生した費用であるため、行為の回数といった活動原価の発生額と比例関係にある基準を見つけやすい。

伝統的な原価計算とABCの計算例 表4-1 原価計算の前提条件 製品A 製品B 合 計 生産個数 900個 100個 1,000個 表4-1 原価計算の前提条件 製品A 製品B 合 計 生産個数 900個 100個 1,000個 直接材料費 直接労務費 製造間接費 90万円 20万円 10万円 直接作業時間 直接作業時間/個 材料受入回数 段取回数 品質検査回数 梱包回数 90時間 0.1時間/個 10回 10時間 100時間 20回

表4-2 間接費の配賦計算

表4-3 製造原価 表4-4 1個当たり製造原価

計算の結果 伝統的原価計算:配賦基準→直接作業 A:200万円/100=2万円*90時間=180万円  B:200万円/100=2万円*10時間=20万円 ABC:配賦基準→活動  ex)材料受入:200万円/4活動=2.5万円*10回=25万円  各活動別に計算し、総計はAは100万円、Bは100万円 製品A,Bの製造原価:表4-3 1個当たりの製造原価:伝統的な原価計算はABCに比べて単位原価を、製品Aの場合889円多く、製品Bの場合の単位原価を8000円少なく計算している。

2.ABCの有効性 Column コスト・ドライバー 物流や販売にかかわる間接費を配送先や販売先別に計算できるから、物流や販売についての意思決定に有効な情報を提供できる。 Column        コスト・ドライバー コスト・ドライバー(cost driver {原価作用因})とは、活動原価を増減させる要因である。したがって活動原価の配賦基準はコスト・ドライバーと考えられる。

3. ABMとは何か 活動基準の意義 原価低減技法:原価を活動原価に分解することでそれぞれの活動原価のコスト・ドライバーを把握できる。 どの活動原価を削減することが合理的かを明らかにできる。  →顧客満足の向上に役に立つか否かによって付加価値活動と非付加価値活動に区分し、非付加価値活動を原価低減対象にする。 全体として最適な原価低減の方向性を示す。 

図4-4 PLAN DO SEE ABMのステップ プロセス分析 プロセス改善 改善効果測定 プロセスの識別 活動の抽出 活動属性の設定 活動原価の測定 コスト・ドライバー 付加価値構造の検討 改善の方向性決定 改善効果測定 PLAN DO SEE

プロセス分析  →目的は原価低減の機会がプロセスのどこにあるのかを発見するとともに、それに向けたコンセンサス形成や効果測定のためのデータを入手である。 プロセス改善  →目的はプロセスの改善をとおして顧客満足を下げずに原価低減を果たすことである→活動の効率化や合理化 改善効果測定  →プロセス改善の効果は、原価低減額や企業利益の改善額などの財務的成果に加えて、コスト・トライバーに基づく指標といった財務的成果を生み出す要因となる尺度によって測定される。継続的な改善のために、改善効果の測定尺度が業績評価基準として組み込まれる。

4. ABMの有効性 ABMはプロセスを構成する活動に着目して、顧客満足の向上の視点からプロセスの改善を行い、原価を低減するための技法である。  特徴 部門別予算管理に基づく管理会計技法に比べて、部門で行われる間接業務の費用対効果やそのコスト増減要因の把握を容易にする。 部門横断的なプロセス全体の最適化をにらんだ経営資源の配分を促進すること→間接費低減やリエンジニアリングの技法として注目されている。

まとめ ABCは間接費を活動基準で分解することによって、伝統的原価計算に比べて間接費の精度が高い配賦を可能とする原価計算技法である。  →そのため、ABCは製造間接費だけでなく物流費、販売費、本社費などの間接費にも利用され、その原価情報は意思決定に活用される。 ABMはプロセスを構成する活動に着目して、顧客の視点に立ったプロセスの改善をとおして原価低減を促す管理会計技法である。

4章で学んだキーワード ABC 活動 間接費 コスト・ドライバ 死の循環 少量多品種化 ABM 顧客満足 付加価値活動 非付加価値活動 顧客満足   付加価値活動   非付加価値活動 プロセス    活動属性   リエンジニアリン