ドナーリンパ球輸注療法 長崎大学輸血部 長井一浩
ドナーリンパ球輸注(Donor Lymphocyte Infusion; DLI) 同種造血幹細胞移植療法後に再発した造血器腫瘍症例に対して、同一ドナーから採取したリンパ球を輸注する治療法 白血病細胞を排除する効果《 graft versus leukemia(GVL)効果》を狙う ドナーリンパ球(T細胞) レシピエントの組織 GVHD レシピエントの残存腫瘍細胞 GVL
ドナーリンパ球輸注療法の概略図 同種造血幹細胞移植 ドナー レシピエント 再発 末梢血アフェレーシス リンパ球またはbuffy coat 移植1~6ヶ月後に輸注 輸注細胞数はT細胞として1~7x107/kg
ドナーリンパ球輸注療法の臨床効果 n GVHD合併例数 長期生存例数 完全寛解率 慢性骨髄性白血病 慢性期 67 37 41 77.6% 慢性期 67 37 41 77.6% 移行期 9 6 3 66.6% 急性期 9 4 0 0% 急性骨髄性白血病 25 10 8 36.0% 急性リンパ性白血病 10 4 4 50.0% 骨髄異形成症候群 6 3 0 16.7% EBV関連リンパ腫 8 4 6 100.0% その他 9 2 2 33.3% Slavin et al. Exp Hematol. 1995より