Yutaka Yasuda, 2004 spring term #10 電子政府 Yutaka Yasuda, 2004 spring term
電子政府 行政サービスへの電子的なアクセス 2000.11 - IT 基本法 (高度情報通信ネットワーク社会形成基本法) 2001.1 - e-Japan 戦略 2003.5.15 - e-Japan 戦略II 2003.7.17 - 電子政府構築計画 2004.2.6 - e-Japan戦略II加速化パッケージ 狭義には 政府システムに対する電子化されたアクセスを可能にするというプロジェクト 全体的には 新しい社会を形成する計画の一つの結果 高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進する 2000.11 - IT 基本法 (高度情報通信ネットワーク社会形成基本法) 2001.1 - e-Japan 戦略 2003.5.15 - e-Japan 戦略II 2003.7.17 - 電子政府構築計画 2004.2.6 - e-Japan戦略II加速化パッケージ
行政の情報化 民間企業などと同じく情報化は行われている 官公庁間で温度差あり 1960年代からの電算機業務導入 1990年代からのパソコン現場導入 1995年以降のインターネット導入 官公庁間で温度差あり 1992年特許庁(経済産業省)のオンライン出願 通産省、郵政省、総務庁が先行、他は停滞 民間企業などと同じく情報化は行われている 1960年代からの電算機業務導入 1990年代からのパソコン現場導入 1995年以降のインターネット導入 官公庁間で温度差あり 1992年特許庁(経済産業省)のオンライン出願 通産省、郵政省、総務庁が先行、他は停滞 「官公庁で、情報化が単なるパソコン導入ではなく『経営問題』のレベルであると認識され始めたのは 2001.1 e-Japan 戦略によってである」 経産省 牧内勝哉
e-Japan 戦略 世界最先端の情報化国家をめざして 五年計画を僅か一年半で見直し 「我が国は、すべての国民が情報通信技術 (IT) を積極的に活用し、その恩恵を最大限に享受できる….5 年以内に世界最先端の IT 国家となることを目指す」 五年計画を僅か一年半で見直し 世界最先端の情報化国家をめざして策定 「我が国は、すべての国民が情報通信技術 (IT) を積極的に活用し、その恩恵を最大限に享受できる….5 年以内に世界最先端の IT 国家となることを目指す」 長期不況が背景にある 同じ冒頭に「市場原理に基づき民間が最大限に活力を発揮できる環境を整備し」とも 五年計画を僅か一年半で見直し
e-Japan 戦略 アクセス網の整備 電子商取引 電子政府の実現 人材育成の強化 少なくとも3000万世帯が高速インターネット網に 2002年までに、規制改革、電子契約等法制整備 電子政府の実現 2003年までに、電子情報を紙情報と同等に扱う行政を実現 人材育成の強化 国民の情報リテラシーの向上、ITを指導する人材の育成 アクセス網の整備 5年以内に超高速 (30〜100Mbps) 接続網の整備 必要とするすべての国民へ低廉な料金で提供 少なくとも3000万世帯が高速インターネット網に、 1000万世帯が超高速インターネット網に接続可能な状態に 電子商取引 2002年までに、規制改革、電子契約等法制整備 電子政府の実現 2003年までに、電子情報を紙情報と同等に扱う行政を実現 人材育成の強化 国民の情報リテラシーの向上、ITを指導する人材の育成
e-Japan 戦略 一年半での見直し インフラはできたが使われていない 利益(実益)を伴わせることで活性化 3000万世帯におけるブロードバンド接続可能性は1年(2002.6)で達成 だが社会も経済も変わっていない インフラはできたが使われていない 実際の加入者数は ADSLだけで1200万世帯 利益(実益)を伴わせることで活性化 一年半での見直し 3000万世帯におけるブロードバンド接続可能性は1年(2002.6)で達成 だが社会も経済も変わっていない インフラはできたが使われていない 実際の加入者数は ADSLだけで1200万世帯 (2004.6 現在 www.soumu.gr.jp) 世界の速度は更に速い インターネット普及ランキングで 13->16位へ後退 (2002当時, 2003 末の報告でも 15 位, http://www.itu.int/newsarchive/press_releases/2003/30.html) 利益(実益)を伴わせることで活性化
e-Japan 戦略II IT 戦略第一期:基盤整備は達成されつつある 方策の優先付け、評価等 新しいIT社会基盤整備 インターネット利用環境の整備 世界最安価水準の月額利用料金 電子商取引、電子政府関連の制度整備 方策の優先付け、評価等 7 分野での IT 利活用の先導(医療、食、生活、中小企業金融、知、就労・労働、行政サービス) 新しいIT社会基盤整備 注目:分野として行政が最終にあげられている 基盤を整える phase から利益を産み出す phase へ
先導的取組例 (行政) サービス向上 住民の行政直接参加 (末尾にあげられていたが分かりやすいので先に紹介) 24時間365 日ノンストップ・ワンストップ 行政部門の業務効率向上 住民の行政直接参加 従来は間接政治システムしかなかった (末尾にあげられていたが分かりやすいので先に紹介) サービス向上 「24時間365 日ノンストップ・ワンストップ」の行政サービスの提供 行政部門の業務効率向上 住民の行政直接参加 国民が必要な時に、政治、行政、司法部門の情報を入手し、発言できる、広く国民が参画できる社会の実現 従来は間接政治システムしかなかった
先導的取組例 (医療) 患者基点の総合的医療サービス、継続的治療等 医療機関の経営効率と医療サービスの向上 診療報酬請求業務の効率化 医療機関情報の国民への開示(第3 者機関による審査) 診療報酬請求業務の効率化 レセプト処理のオンライン化開始〔2004 年度から〕医療機関100%対応可能〔2010 年まで〕 患者基点の総合的医療サービス、継続的治療等 認証基盤整備、電子カルテのネットワーク転送・外部保存の容認〔2005 年まで〕 医療機関の経営効率と医療サービスの向上 医療機関情報の国民への開示(第3 者機関による審査) 診療報酬請求業務の効率化 診療報酬請求業務のオンライン化開始〔2004 年度から〕医療機関100%対応可能〔2010 年まで〕 電子レセプトを担保にした金融機関からの融資
e-Japan戦略II加速化パッケージ 2004.2.6 IT 戦略本部 方針 2. セキュリティ(安全・安心)政策の強化 3. コンテンツ政策の推進 4. IT規制改革の推進 5. 評価 6.電子政府・電子自治体の推進
目的かつ手段としての電子化 目的は一般的 産業界での情報技術導入 業務態勢の変革など、特に IT 依存のものではない 切り込むための手段として情報化を利用 産業界での情報技術導入 業務の機械化、しかし実体は明確・単純化 情報技術導入を目的としていながら手段としても活かす 目的は一般的 業務態勢の変革など、特に IT 依存のものではない 切り込むための手段として情報化を利用 過去に 産業界で業務体制変革のために情報技術を利用した時期もある 業務の機械化と呼ばれたが、実質は業務手続きの明確・単純化だった例が少なくない 単純化して機械処理に乗せる=単純化しないと機械処理に乗せられない 情報技術導入を目的としていながら手段としても活かす
BPR, APR 企業で行われた業務機械化 業務の内容、組織構造、流れを分析、最適化するところから手を付けた BPR (Business Process Reengineering) と呼ばれる 機械化は手段でありかつ目的でもある 企業で行われた業務機械化 機械化に際してまず既存業務の内容、組織構造、仕事の流れを分析し、最適化するところからはじめる 1980年代から多く行われたが、限定的なコンピュータ能力にあわせて業務簡略化を要求された 複雑化した業務の簡略化のために機械化した側面もある BPR (Business Process Reengineering) と呼ばれる 機械化は手段でありかつ目的でもある
BPR, APR 政府の業務電子化も同じ 紙ベースの業務内容をそのまま電子化 APR (Administration Process Reengineering) 紙ベースの業務内容をそのまま電子化 電子化の効果が薄い、または逆効果 例: 紙で申告手続き開始、途中で電子化 政府の業務電子化も同じ APR (Administration Process Reengineering) 紙ベースの業務内容をそのまま電子化 電子化の効果が薄い 紙処理をやめられないところに電子化処理の負担が重なるようでは逆効果ですらある 例:紙で申告手続き開始、途中で電子化 紙の流れを管理し、保管する義務が残る 情報の発生時点でのデータ化が重要 プリントアウトは一時的ハードコピーとする
電子政府のための法的枠組みの整備 法的問題 2000.5 電子署名法 2000.11 書面一括法 2002.12 オンライン通則法 5万を超える法令に基づく手続きが存在 逐次的に電子化の法令改変を行うのは非現実的 2000.5 電子署名法 電子署名に自署や押印と同じ法的効力を与える 2000.11 書面一括法 書面が必要と定めた法律を改正、電子的手段による手続きを許可(約 50 本の法令を改正) 2002.12 オンライン通則法 行政手続きを一括して電子的に行うことを認める 法的問題 5万を超える法令に基づく手続きが存在 逐次的に電子化の法令改変を行うのは非現実的 2000.5 電子署名法 電子署名に自署や押印と同じ法的効力を与える 帝国データバンクなどが認証局として動き出している 2001.4 より施行 2000.11 書面一括法 書面が必要と定めた法律を改正、電子的手段による手続きを許可(約 50 本の法令を改正) 公正証書などは残る 2002.12 オンライン通則法 行政手続きを一括して電子的に行うことを認める 2003.2 より施行
それ以外の法的枠組みの整備 プロバイダ責任法 不正アクセス禁止法 盗聴法 住民基本台帳法 個人情報保護法 掲示板などでの名誉棄損を理由に発言の削除、発信者情報の開示が請求できる 不正アクセス禁止法 盗聴法 プロバイダに捜査機関が立ち入って通信内容を調査可能に 住民基本台帳法 個人情報保護法 電子化され蓄積されていく個人情報の利用の濫用を防ぐ プロバイダ責任法 掲示板などでの名誉棄損を理由に発言の削除、発信者情報の開示が請求できる 記事の削除などについてプロバイダが損害賠償請求の責任を免れる 不正アクセス禁止法 盗聴法 プロバイダに捜査機関が立ち入って通信内容を調査可能に 住民基本台帳法 個人情報保護法 電子化され蓄積されていく個人情報の利用の濫用を防ぐ 住民基本台帳法と対をなす メディア規制にかかわるとして反対も多かった 2003.5 に国会で可決、施行。2年後までに実施義務や罰則の施行開始。
プライバシーマーク プライバシーマーク制度 社団法人情報サービス産業協会(JISA) 個人情報保護体制が JIS Q 15001準拠を認証するもの 平成10年4月から運用開始 社団法人情報サービス産業協会(JISA) システム・インテグレータやソフトウェア開発企業らによる業界団体 経済産業省認可 プライバシーマーク制度 企業の個人情報保護体制が JIS Q 15001 に準拠しているかどうかを (財)日本情報処理開発協会(JIPDEC)およびその指定機関であるJISA等が認証 平成10年4月から運用開始 社団法人情報サービス産業協会(JISA) システム・インテグレータやソフトウェア開発企業らによる業界団体 経済産業省認可 See, privacymark.jp
国民的コンテンツとしての電子政府 利用可能性はあるが利用されない 実施計画と法整備が重要な局面 全体像と目的を忘れずに コンテンツの不在 電子政府は「高度情報通信ネットワーク社会」を形成する過程であり結果の一部である 利用可能性はあるが利用されない コンテンツの不在 電子政府システムは大きなコンテンツ 使うことの利益と使われるための整備の好循環を 実施計画と法整備が重要な局面 全体像と目的を忘れずに 電子政府は「高度情報通信ネットワーク社会」を形成する過程であり結果の一部である
デジタルデバイド 情報弱者をつくらない 利用者の情報ハンドリング能力向上 普及と共に 一般にはリテラシーと呼ぶ? 情報サービスのユニバーサルデザイン 情報弱者をつくらない 利用者の情報ハンドリング能力向上 一般にはリテラシーと呼ぶ? 高校での正課に「情報」が入った 普及と共に 「少なくともそれを望む3000万世帯が高速インターネット網に接続可能な状態に」から、「それが無ければ不利益がある状態」への移行 情報サービスのユニバーサルデザイン
e-democracy 住民の行政参加 地方行政 特に直接参加の可能性に注目 直接選挙などが実現可能になりつつある 横浜市:電子市役所 http://www.city.yokohama.jp/ 各種申請書類が PDF で取得可能 ユーザに自由とともに業務負担を渡している
経済産業省電子政府構築計画の見直しについて パブリック・コメントの例 経済産業省電子政府構築計画の見直しについて 平成16年6月3日 経済産業省 e-METI推進室 政府では電子政府構築計画(2003年(平成15年)7月17日CIO連絡会議決定)に基づき、国民の利便性、サービスの向上化、IT化に対応した業務改革等に取り組んでいるところでありますが、同計画では、毎年度その結果を踏まえて見直しを行うこととしております。 今般、政府全体の計画の見直しを行うに伴い、経済産業省電子政府構築計画についても見直しを行うことといたしました。 つきましては、見直し案の最終的なとりまとめを行うにあたり、下記の要領にて広く意見を募集致しますので、忌憚のないご意見をお寄せ頂きますようお願い申し上げます。 ==== 残念なことに締め切りが6/9でした(一週間しかない?)
独占禁止法改正(案)の概要及び 独占禁止法改正(案)の意見募集 2004年5月19日 公正取引委員会事務総局経済取引局企画室 公正取引委員会は、独占禁止法の改正について、平成14年10月から独占禁止法研究会を開催し、検討を行ってきたところ….(中略)…. 以上のような経緯を経て現在に至ったののでありますが、この際、この「独占禁止法改正(案)の概要及び独占禁止法改正(案)の考え方」について、御意見等がございましたら,郵送・電子メール・FAXのいずれかの方法により提出してください。 締切り 2004年6月25日