ニッチ市場を開拓せよ! ~ハイブリッドカーのデザイン化~ ニッチ市場を開拓せよ! ~ハイブリッドカーのデザイン化~ 明治学院大学 肥田ゼミ
目次 1.はじめに 2.仮説 3.マーケティング案 4.結論 5.参考文献
研究テーマ HV車の新たなマーケッ トを創造し、潜在的な購 買者の意欲を喚起する
研究意義 車をはじめとする基幹産業 今後も日本を支え続ける 新たなハイブリッドデザインカーを提案するこ とで 不況打破への第一歩になる
着眼点 ①作られたエコカーブーム ②世界に誇る日本技術 ③デザインの固定化
①作られたれたエコカーブーム 「環境対応車への買い替え・購入に対する補助制度」 →エコカー補助とエコカー減税 国土交通省 平成24年には終了 →エコカー補助とエコカー減税 制度 廃車 対象者 環境性能 割引or補助 エコカー減税 なし ハイブリッド車 ★★★★+25% 取得税&重量税100%減税 ガソリン車 取得税&重量税75%減税 ★★★★+15% 取得税&重量税50%減税 ディーゼル車 排出ガス規制適合の乗用車 エコカー補助 13年超えの廃車を伴う新車買い替え 乗用車 燃費基準達成 25万円補助 軽自動車 12万5千円補助 上記以外の新車購入 10万円補助 5万円補助 平成24年には終了
②世界に誇る日本技術 世界の自動車生産台数6,956万1,356台 うち、日本自動車生産台数は2,298万2,924台 →約3割を占めている うち、日本自動車生産台数は2,298万2,924台 →約3割を占めている 信頼性の高い車種・燃費のよい車種 →日本車がリード アメリカの自動車耐久品質調査において、レ クサスが1995~2008年まで14年連続でトップ
③デザインの固定化 戦後に欧米車の模倣から始まる →アメリカのモデルイヤー制の影響を受けて 頻繁なイメージチェンジを繰り返してきた トヨタ 戦後に欧米車の模倣から始まる →アメリカのモデルイヤー制の影響を受けて 頻繁なイメージチェンジを繰り返してきた トヨタ プリウス ホンダ インサイト 株式会社野村総合研究所 「ハイブリッド車に関するアンケート」
ハイブリッドカーとは エンジンとモーターの使い分けが可能 ガソリンエンジンと高性能モーターを搭載した自動車 エコカー(CO2などの温室効果ガスの排出量が少なく、環境への 負荷が小さい自動車の総称)のひとつ ガソリンエンジンと高性能モーターを搭載した自動車 エンジンとモーターの使い分けが可能 ガソリンエンジンが最もガソリンを 消費する発進時や加速時のマイ ス部分をモーターが補うことで、 ガソリンの消費量を抑え、燃費の 向上とCO2の低減が可能 出典:株式会社カーチス
デザインとは ①建築・工業製品・服飾・商業美術などの分野 で、実用面などを考慮して造形作品を意匠す ること。 ②図案や模様を考案すること。また、そのもの。 ③目的を持って具体的に立案・設計すること。 (大辞林) 形・模様・色、またはその構成について工夫を凝らすこと
車のボディタイプ ステーション ワゴン ミニバン クーペ オープン SUV セダン 軽 マツダ「ロードスター」 日産「フェアレディz」
= デザインカーの定義 デザインカー デザインカー = デザイン性に優れた車 スポーツカー レトロカー ・趣味性が高い ・実用性低い デザインカー = デザイン性に優れた車 ・趣味性が高い ・実用性低い ・価格高い 大衆車になりにくい スポーツカー レトロカー = デザインカー
仮説
仮説 ①今後もターゲット層に対するHV車の需要は拡大することが見込まれるのではないだろうか。 ②ターゲット層に対するデザインカーの普及が見込まれるのではないだろうか。
ハイブリッド×デザイン=? 現在のハイブリッドカー ・・・デザインの一貫性 ◇構造上、似たボディタイプになってしまう。 現在のハイブリッドカー ・・・デザインの一貫性 ◇構造上、似たボディタイプになってしまう。 ・空気抵抗を少なくするため ・後部下に高出力ハイブリッドバッテリーが 搭載されているため 車好きの消費者にとってはアイデンティティが 表現しづらくなってしまう!! トヨタ 「プリウス」 ホンダ 「インサイト」
ハイブリッドカーに対する意識調査 ハイブリッドカーに対する意識調査をするために、 街頭アンケートを行った。(街頭アンケート①) ハイブリッドカーに対する意識調査をするために、 街頭アンケートを行った。(街頭アンケート①) ・実施日 2009年10月30日(金) ・実施場所 新橋駅周辺 ・実施対象 40歳後半~50歳代、 60歳代男性
販売すれば売れるのでは?? 「今のデザインはかっこよくない。デザイン性のある車が欲しい!」 ⇒ デザイン性のあるハイブリッドカーを アンケートの結果から 注目すべき点 ・HV車への関心は高い ⇒②「購入を考えている」人は過半数存在。 ・③「何を重視して購入するか」への回答 ・価格、燃費 (経済面) ・デザイン、車種 ・④「購入しないと考える理由」への回答 ⇒・欲しい車種、デザインがない ・金銭的余裕がない 「今のデザインはかっこよくない。デザイン性のある車が欲しい!」 ⇒ デザイン性のあるハイブリッドカーを 販売すれば売れるのでは??
① ⑤ ⑨ ⑫ ② ⑥ ⑩ ⑬ ③ ⑦ ⑪ ⑭ ④ ⑧ 大衆車(一般的なタイプ) デザインカー
デザインカーの需要 ◇デザインカーの需要がどれだけあるのか アンケート調査を実施。(街頭アンケート② ) 〈概要〉 アンケート調査を実施。(街頭アンケート② ) 〈概要〉 ・前スライドの写真を見てもらい、「乗ってみた い」と 思う車を選んでもらう。 ⇒ デザインカーへの興味・関心、 需要(購買意欲)を調査。 ・実施日 2009年11月7日(土) ・実施場所 銀座 ・実施対象 20代~60代男女 ハイブリッドデザインカーの需要はあるのか??
アンケート結果: ハイブリッドデザインカーのニーズは確かに存在する!!! ・⑨~⑭より、①~⑧の中から選ぶ人が圧倒的に多い。 ・年齢・男女問わずデザインカーのニーズはあ る!! ↑とくに人気だったデザイン↑ ハイブリッドデザインカーのニーズは確かに存在する!!!
・購入可能な経済力のある消費者 ・乗車機会のある消費者 ・高価格のため購入が難しい ・乗車機会が少ない しかし実際は・・・ しかし実際は・・・ ・高価格のため購入が難しい ・乗車機会が少ない したがって ・購入可能な経済力のある消費者 ・乗車機会のある消費者 をターゲットにする必要がある‼
ターゲット顧客の確定 ・経済力のある消費者 ・・・ 50歳代~団 塊世代 ・2007年の平均退職金額 ⇒2,000万円※ ・経済力のある消費者 ・・・ 50歳代~団 塊世代 ・2007年の平均退職金額 ⇒2,000万円※ ※(株)シニアコミュニケーションの調査 ・退職金の受取額が1,000万円を 超す層 ⇒団塊世代の男性勤労者の 約53%(過半数を占める)※ ※2005年総務省の国勢調査 ※出典:家計の金融資産に関する世論調査(平成18度) [金融広報中央委員会]
団塊世代とは 団塊の世代は巨大な消費ターゲット ・・・1947~1949年に生まれた人口約800万人の一群 ≪特徴と傾向≫ ・人口が多い⇒有力な労働者&有力な消費者 高い購買力を有する消費者として、市場への影響力大 ・「年相応」を好まない ・年齢やライフステージにしばられず、自由でいたい ・気持ちや感性が若い ・年齢を気にせず、自分が好きなものを追求する 団塊の世代は巨大な消費ターゲット ※出典:川北義則[2004]『人口減少時代に売れるモノ売れないモノ』ダイヤモンド社 ※参考:JETRO(日本貿易振興機構)
事例:日産フェアレディZ 団塊世代の消費心理をつかみ、 いかに取り込むかがカギ 日産「フェアレディZ」 一般的に、スポーツカーの購入層 ・2002年7月発売以来ヒットし続けている ・最高時速250キロ ・2人乗りのスポーツカー 一般的に、スポーツカーの購入層 ・・・20~30代 だが、購入者の4割以上を50代以上が占めた 「若者ではないが、自分もスポーツカーに乗りたい」 という車が好きな団塊世代の本音を取り込み、 シニア世代でも乗りやすい構造に!! →人気であり続ける要因 団塊世代の消費心理をつかみ、 いかに取り込むかがカギ ※出典:川北義則[2004]『人口減少時代に売れるモノ売れないモノ』ダイヤモンド社
マーケティング案
・ハイブリッドデザインカーの需要は確実にある。 (街頭アン ケート①・②より) 経済力があり、乗車機会もある 団塊世代をターゲットとする。 有力な消費者! 効果的な広告戦略を創造し、ハイブリッドデザイカーの知名度をあげることができれば、購買への喚起につながるのでは?
効果的な広告とは? 街頭アンケート③ 『車を購入する際に参考にする広告媒体は? 』 結果: 車購入の際、TVCMの広告効果は ・実施日 2009年11月7日(土) ・実施場所 銀座 ・実施対象 20代~60代男女 街頭アンケート③ 『車を購入する際に参考にする広告媒体は? 』 結果: 車購入の際、TVCMの広告効果は 認知度を高めることが目的だと わかった。 実際に購買行動への喚起が発生するのは HP。 TVCMや雑誌・鉄道広告からHPへのアクセス を 誘引。 インターネットとリンクさせることが最重要!!
購買行動の意思決定プロセス ステージ1.問題・ニーズ認知 ステージ2. 情報探索 ステージ3. 購入代替案評価 ステージ4. 購買行動 ステージ2. 情報探索 ステージ3. 購入代替案評価 ステージ4. 購買行動 ステージ5.購買後評価 ステージ6.廃棄行動 (田中洋著『消費者行動論体系』より) 自家用車の情報収集 包括的問題解決(EPSモデル) ・・・複雑性の高い意思決定のスタイル。 例:価格が高い商品⇒買うためには種々のリスクが伴う。 また、購買頻度が低い商品など。
広告媒体の決定1 ◇インターネット ・・・急成長の広告媒体 広告費の媒体別構成比 2008年 2004年 ◇インターネット ・・・急成長の広告媒体 広告費の媒体別構成比 2008年 2004年 ※Dentsu Online 出版・データより抜粋
広告媒体の決定2 ◇TV ・・・ 低下傾向ではあるが、 ファッション誌 ライフスタイル誌 ◇雑誌 ・・・ 車雑誌 + (TVCM) 依然露出度は高い おしゃれな団塊世代の増加 ファッション誌 ライフスタイル誌 ◇雑誌 ・・・ 車雑誌 + ◇鉄道 ・・・ 多くの人が利用。 また、同じ人に同じ広告を 何度も宣伝できるチャンスがある。 ⇒効果的
広告提案1.TVCM イメージ訴求型の広告 パターン2 パターン1 http://www.youtube.com/watch?v=ZJsutpL1Eh0
広告提案2.雑誌・鉄道広告 インターネット検索へ導く 進化するハイブリッドデザインカー http:www.------------------co.jp
結論
消費者が消費者情報をベースに 消費者自身で決定を下す この生活者たちの「こころ」を動かすこと 不況打破への第一歩!!
広告 消費者の潜在的なニーズを的確に捉える 購買意欲を掻き立てる
参考文献 川北義則[2004] 『人口減少時代に売れるモノ売れ ないモノ』ダイヤモンド社 川北義則[2004] 『人口減少時代に売れるモノ売れ ないモノ』ダイヤモンド社 日本経済センター編 伊藤由樹子・青木美香・金子 雄一・長尾邦彦・武藤博道著[2006]『図説 団塊マ ーケット』日本経済新聞社 田中洋[2008]『消費者行動論体系』㈱中央経済社 山田理英[2007]『脳科学から広告・ブランド論を考 察する』㈱評言社
御清聴ありがとうございました。