インストールジグ 撓み(たわみ)測定器・矯正ジグの試作と課題

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インストールジグ 撓み(たわみ)測定器・矯正ジグの試作と課題 インストールジグ  撓み(たわみ)測定器・矯正ジグの試作と課題 装置開発室 立花

背景 ■要求 SUPERKEKB検出円筒部内に取付けたQBBのタワミを測定する。 (測定結果を見て、矯正ジグで押して(引いて)撓みを減らす) ■アイデア 1、ストレートエッジを持ち込む   問題点・・・重量があり(20kg以上)、実現困難。 2、ある程度の張力で糸を張り、糸を基準にして撓みを測定。 上記の 2 を検討した。

実現可能性の検討 条件:破断張力が大きく、密度が小さいこと(たわみが少ない)、表面の導電性が高いこと 使用した糸(ワイヤー):ワイヤカット放電加工用ハイブリッド電極線 SP100S(テクノス)   ピアノ線(φ0.1)に真鍮めっき したもの。   カタログ上の破断応力 1960 N/mm2 (http://www.technos-corp.co.jp/publics/index/30/)   φ0.1では、15.39Nの張力で破断する(実測では、大体1.5kgfで破断) テクノスHPより

糸の撓みの推定 ■ワイヤ自重によるワイヤの最大タワミ量についての計算  支点間 S [m]、たわみ D [m]、線の水平張力を T [N]、線 1 [m]あたりの重量を W [N/m]としたとき、たわみDは  D = C(cosh(S / 2C) - 1)   C = T / W (C はカテナリ数)  D = (W × S2) / (8 × T) [m] (近似式)  上記のSP-100Sの場合、ピアノ線なので密度を7800kg/m3とすると線密度は(1mあたり)、0.00601N/m)  支点間2.8m、 線の水平張力を10N(約1000g、安全を見て)と仮定し、近似式に数値を代入すると  D=(0.000601×2.8^2)/(8×10)   =0.000058.9 m ( =58.9um )

測定装置の概略 導通したら、ピーっと鳴る。 マイクロメータヘッド (デジタル式が良い) 絶縁体 QBB 錘 (バネ秤) φ0.1 ワイヤー(SP100S)     錘 (バネ秤)  導通 ① マイクロメータヘッドは、デジタルマイクロ(直進式)を切断して製作した。    (測定面は平面でなく、ブレードタイプ(ナイフエッジ(または類似の先端形状))。 ② タワミ測定部のマイクロメータヘッドとベースは絶縁してある。そこが導通チェッカーと繋がれいる。   マイクロメータヘッドの先端とワイヤーが接触すると電子音がする。そのときのマイクロメータの   読みをみるとタワミが分かる仕組みである。

製作する部品 1、撓み測定器本体 2、ワイヤー支持部分・・・ワイヤーの位置決めを行う。 3、張力保持機構・・・ワイヤーを一定の張力に保つ

1、撓み測定器本体 製作する部品 2、ワイヤー支持部分・・・ワイヤーの位置決めを行う。 3、張力保持機構・・・ワイヤーを一定の張力に保つ 4、矯正ジグ

撓み測定器 机上テスト 机の上にワイヤーを張って、実際に撓み測定ができるか試した。 デジタル内側マイクロメータ(新潟精機、直進式)を使用。

撓み測定器 加工 マイクロメータを2つに切断 QBBに固定する足

2、ワイヤー支持部分・・・ワイヤーの位置決めを行う。 製作する部品 1、撓み測定器本体 2、ワイヤー支持部分・・・ワイヤーの位置決めを行う。 3、張力保持機構・・・ワイヤーを一定の張力に保つ 4、矯正ジグ

ワイヤー保持部 ECLフランジにとりつけたアルミ板(撓み矯正ジグの取り付け板)にあけた0.1mmの穴を通してワイヤーを張っている。 ECLフランジ 矯正ジグ取り付け板

3、張力保持機構・・・ワイヤーを一定の張力に保つ 製作する部品 1、撓み測定器本体 2、ワイヤー支持部分・・・ワイヤーの位置決めを行う。 3、張力保持機構・・・ワイヤーを一定の張力に保つ 4、矯正ジグ

張力調整機構 張力測定器として、バネばかりを採用した。 (YAWATA製 秤量2kgf) ※ワイヤーは1.5kgfで破断する。

ECLフランジとQBBと撓み測定器の位置関係 QBBに固定する足 ECLフランジとQBBと撓み測定器の位置関係 1、ワイヤーと撓み測定部との導通が不安定な事がある。   →マイクロメータヘッドの接触子先端を金メッキする。   →ワイヤーを接点復活材を付けた布で拭く。 2、ストロングバック内側空間に矯正ジグが入って来ているため、撓み測定器が扱いにくい。 3、ワイヤー保持部が位置の基準になるが、ワイヤー保持部が矯正ジグのベースプレートに 付いており、位置が定まっていない。

1、撓み測定器本体 2、ワイヤー支持部分・・・ワイヤーの位置決めを行う。 3、張力保持機構・・・ワイヤーを一定の張力に保つ 4、矯正ジグ

機構とアイデア 矯正ジグの全体像 ■ Φ48.6の足場用鋼管を2本使用。 (厚さ1.8mm) ■重さ:約14kg ■ Φ48.6の足場用鋼管を2本使用。   (厚さ1.8mm) ■重さ:約14kg ■鋼管が長いので、中央部でジョイントを用いて連結している(1号機)。 ■鋼管のタワミは50kgの中央集中荷重で10mmである(連結なしの場合)。

試作品(1号) ECLフランジにM6のキャップスクリュー2本で固定。

2号機 改良点・・・ 1、梁を分割式から一体型にした。 2、ベースプレートと称する取り付け金具の形状変更  (ECLフランジへの負担を軽減)

動作テスト 名大にあるECLフランジモックアップで確認 ストロングバックの内部に矯正ジグのパイプと 100分の1mmでデジタル表示される。 撓み測定器の位置関係 100分の1mmでデジタル表示される。

課題 今後の予定 1、ワイヤーとマイクロメータとの導通が不安定なことがある。 ワイヤーの錆びが問題。   ワイヤーの錆びが問題。   (素手で触ったワイヤーは、表面が黒く変色) 2、撓み測定器の大きさが大きいため、取り回しが困難。  (特に、矯正ジグがあるために、取り回しが困難) 3、撓み測定器とQBBとの固定に工夫が必要。  (STBとQBBの固定用ネジを使って固定する予定) 今後の予定 名大にあるECLモックアップ、ダミーQBB等を利用して、たわみを測定する。

ワイヤー保持部 QBBに固定する足