1節 企業福祉の目的 <福利厚生> ・ 法定福利費・・・企業が負担する社会保険料 ・ 法定外福利費・・・企業独自で設定

Slides:



Advertisements
Similar presentations
男女平等社会の実現 10 月 23 日 下田ゼミ 4 年 河内健介. 論文構成 序章 男女平等社会とは? 序章 男女平等社会とは? 第一章 女性の社会進出 第一章 女性の社会進出 第二章 男女格差の現状 第二章 男女格差の現状 第三章 男性の育児休業取得 第三章 男性の育児休業取得 第四章 男女平等社会実現へ.
Advertisements

地域社会論 第9回 _2 ⅩⅠ.自立する世帯 12 月 14 日. 1.大きな世帯.
少子高齢化社会と年金 澤崎 下村 戸田 山川 中京大学総合政策学部 大森ゼミⅱ. 労働力の枯渇 生産年齢人口の減少 参照 平成 25 年度総務省「人口統計」 現状 高齢者を労働力として活躍させよう.
1.管理職を対象とした配付書式 自社の育児休業の取得条件や部署名を記入して配付してください。 有期契約労働者(パート・派遣・契約社員)の産休・育休取得について 産休(産前・産後休業)は、法律に基づき全ての有期契約労働者が取得できます 育休(育児休業)は、一定の要件を満たす有期契約労働者が取得できます.
第 15 章ケース紹介 どらみ 1. 目次 ワークライフバランスの概要 事例紹介 2 ワーク・ライフ・バランス( WLB )とは 3 個人の働き方や企業の制度を見直すことで、 ワークとライフを共に充実 → 個人も企業も HAPPY !! 個人の働き方や企業の制度を見直すことで、 ワークとライフを共に充実.
Japan Medical Association 17 Ⅰ‐ 3 ) 出産・育児休業の現状と問題点.
福利厚生の種類 大きく分けて二つ存在 法定福利 ・・・国会の議決を経て法律によって定め たもの 法定外福利 ・・・企業の意思決定で設定されたもの.
女性医師等就労支援事業事務局 清水 薫子 女性医師就労の問題点 ホームページ URL:
1 経済学-第 9 回 医療保険① 2008 年 6 月 6 日. 2 日本の公的医療保険  制度の目的  制度体系  給付と負担.
2節 福利厚生の現状 現金給与と現金以外の給付の関係 [ データ ] 一人一ヶ月平均労働費用額と構成 (226 ページ参照 ) ⇒労働費用総額に占める現金給与の割合は、 8 割強が現金、 2 割弱が現金以外で支払われている ※小規模企業になるほど現金給与の割合が増加する傾向にある 企業規模計 1000.
少子高齢化 高橋香央里 加藤裕子 松本結 海老澤優.
第6章 労働時間管理 労働サービスの供給量とタイミングの管理

社会保険の適用拡大について.
最低賃金1000円の是非.
出産や育児のためのお休み(産前・産後休業、育児休業)を取得できます
非正規雇用の現状 MR1051 アキ.
第8章 非正規社員と派遣労働者 ~コンティンジエント・ワーカーの活用~
定年制 企業 従業員 定年までの雇用機会の提供を 企業に期待できる 定年で雇用関係を終了できる 職業生活の設計ができる 【定年制】
社会保険ワンポイント情報 16号 キャリアアップ助成金 <助成金のコース(6コース)> 助成金の活用
(社)神奈川県理学療法士会 会員ライフサポート部 堀 七湖
安心して好きな仕事ができますか? E040070   内林武生.
グローバル化に対応した 日本の雇用制度改革
ベーシックインカム導入の是非 肯定派 神谷・棚倉・水田・安塚.
以下の内容「福利厚生」部分に差し替えて頂けますか?
年金・定年引き上げの是非 否定派 棚倉 彩香 林 和輝 西山 夏穂 水田 大介.
2.非正規従業員の活用 非正規従業員の雇用量と構成 非正規雇用・・・雇用期間に定めのある(有期契約)労働者
厚生白書 職場における子育て支援 学校とその他の教育の場 971221 波多野宏美.
第9章 従業員の生活支援 C班  今西・鈴木・出山・藤野・大木・山口.
男性理学療法士及び作業療法士の育児休業取得から見えてくるもの
三平事務所通信 【コラム】 『育児・介護休業法改正のねらいとは』
産める国フランスの子育て事情 ~出生率はなぜ高いのか~
連合が提案する「子育て基金(仮称)」 現行の次世代育成支援制度の課題 1 日本労働組合総連合会(連合)
少子高齢化について 商学部 2307068 李海燕.
松橋ゼミ          B E S T   年金制度の今とこれから                     薬師川 裕真                       金子 直広                       三又 結実.
管理職(上司)向け 妊娠期~復職後までの制度対象者に対する主な対応
ワークライフバランス 「仕事と家庭の調和」 ~女性活躍の展望~
株式会社 〇〇〇〇 質問、相談は○○課まで 担当:○山、□田 マタニティハラスメントを防止するために
ワークライフバランス ~働く女性がキャリアアップのしやすい社会を目指す~
第8章 従業員の生活支援 企業の福利厚生制度 E班:末次・机・岡本・依田・鈴木・兼平 .
お金を使う ①お金はどこからやってくる?.
人材育成 1.従業員の雇用 1-1 従業員採用への配慮事項 1-2 人材の募集 1-3 労働契約の締結 Appendix-1 労働者保護法規
(一社)大学女性協会新潟支部研究発表 新潟県内の中小企業における 労働環境調査 ~女性活躍の状況に関して~
2018/11/9 第7章  非正規従業員と派遣労働者 E班 岩橋・片山・高倉・水上・森下.
大阪大学一般事業主行動計画 一般事業主行動計画の策定について 一般事業主行動計画策定年月日 一般事業主行動計画策定の計画期間
労働時間短縮の課題 課題 ②所定外労働時間の短縮 ③有給休暇の所得率を上げる +職業生涯でみた労働時間の短縮 →これらを実現するためには?
出産や育児のためのお休み(産前・産後休業、育児休業)を取得できます
E社 管理職に向けた制度周知用パンフレット
輝いて、自宅で ~終わりよければすべてよし~
第7回 社会福祉の法制度.
取得例 (夫婦で取得したパパ・ママ育休プラスの場合)
晩婚化・非婚化の解決に向けて 岩橋 加藤 渡邉 彌富 橘 保田
(C)2011女性にやさしい職場づくりナビ.
公益社団法人日本青年会議所 2017年度 経済再生グループ 強い産業構造創出委員会
管理職(上司)向け 妊娠期~復職後までの制度対象者に対する主な対応
妊娠・出産、育休等を理由として不利益取扱いを行う とは
(C)2011女性にやさしい職場づくりナビ.
育児・介護休業法が改正されました! -平成29年1月1日施行-
「雇用と社会保障の密接な連携」を通じた介護分野の成長戦略
5章 女性の社会復帰が進むために 【配偶者によるサポート】 ≪対策≫ 2009年:育児・介護休業法改正
第9章 従業員の生活支援 C班  今西・鈴木・出山・藤野・大木・山口.
21年度から実施する施策~雇用保険のセーフティネット機能を強化します。
全国介護保険担当部(局)長会議資料 ~介護保険制度改正の検討状況等について~
事例5 管理職の理解を深めるため妊娠・出産・育児休業等で利用できる制度を パンフレットで周知した例
取得例 (夫婦で取得したパパ・ママ育休プラスの場合)
ワークライフバランス ~働く女性がキャリアアップのしやすい社会を目指す~
58.6% 58.6% 17.8% ママインターンプロジェクト 女性の労働力問題の背景
改正育児・介護休業法の概要 改正ポイント ◆非正規雇用労働者の育児休業の取得促進や妊娠・出産・育児休業・
駒澤大学 経営学部経営学科 MG8007 市川綾由美 出生率と少子化 駒澤大学 経営学部経営学科 MG8007 市川綾由美.
ワーク・ライフ・バランスの実現 重要性を増す生活と仕事の調和 従業員がワーク・ライフ・バランスを重要視する背景要因 ⒈家族形態の多様化
Presentation transcript:

1節 企業福祉の目的 <福利厚生> ・ 法定福利費・・・企業が負担する社会保険料 ・ 法定外福利費・・・企業独自で設定 1節 企業福祉の目的      ~福利費を給与として支払わない理由~ <福利厚生> ・ 法定福利費・・・企業が負担する社会保険料  (健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料など) ・ 法定外福利費・・・企業独自で設定 (住宅手当、交通費、社員食堂、健康診断費など)

<福利厚生を提供する理由> ④人材確保 ⑤規模の経済性 ⑥税制上の優遇 ①従業員が組織の要請に応えるための条件整備 ②従業員の労働意欲の向上       (転勤者用住居・旅費・社宅など) ②従業員の労働意欲の向上       (従業員間のコミュニケーション向上のための社員旅行・運動会など) ③従業員の生活の安定       (医療・託児所・介護施設の費用の援助など) ④人材確保      (生活安定の支援・快適な環境や魅力を宣伝) ⑤規模の経済性      (企業所有施設・体育館・プール) ⑥税制上の優遇      (所得に含まれないー所得税でとられない・資産形成)

2.福利厚生の現状 ●現金給付と現金以外の給付の関係 →大企業の方が法定外福利費が高い。 なぜ? A.大企業は複数の事業所を持っているこが多いた め、転勤者のために社宅を用意しておく必要性が高 い。

●福利厚生費の構成 福利厚生費のうち半分近くを占めるのが法定 福利費。→企業の規模 が小さくなるほど高まる。 厚生年金保険料 53.7% 健康保険料、介護保険料 33.2% 法定福利費 法定福利費 労働保険料 11.8% 児童手当拠出金 0.9% 障害者雇用納付金 0.1% その他 0.3%

●福利厚生の国際比較 社会保障制度が充実していない日本では、企業が福利厚生制度を整備す ることによって、従業員の生活安定を図ってきた。だから、日本企業の従業 員は企業に縛られるよう様な生活しかできないのだ。労働市場を流動化さ せるには、企業福祉の在り方を見直さなければならない。 現金給与以外で見る限り、日本は企業福祉の手厚い国とは言えないが、従 業員の勤続年数と強固に結びついている退職金制度が従業員を企業に 縛っている。 退職金制度を見直して、長く勤めても以前ほど多額の退職金にはならない 仕組みが導入されている。

結婚・出産により労働市場から一時退出するM字型の労働力率 3.個人生活と職業生活の両立支援 女性層・高齢者層の活用が大切! <育児休業> 少子高齢化による労働力不足 1960年代に女性の労働力率は40%台後半~50%前後でトップ →1970年代トップではなくなる 日本の女性労働問題 結婚・出産により労働市場から一時退出するM字型の労働力率 →働き続ける or 労働市場から退出

育児をしながら働く女性を支える育児休業法 「事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない」 改正育児・介護休業法  子育て期間中の働き方の見直し 3歳未満の子を養育する労働者について、短時間勤務制度を設けることを事業主の義務とし労 働者から請求があったときの所定外労働の免除を制度化する 子どもの看護休暇制度を拡充する 父親も子育てができる働き方の実現 父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2か月までの間に、1年間育児休業を取得可能とす る 父親が子の誕生後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度、育児休業を取得可能とする 配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止する

<介護休業> 介護を必要とする人たちが増える→人口構成の高齢化 介護をする女性の負担が大きいため仕事と介護の両立を支援する …介護休業制度 ↓ 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関 する法律」 現状は… 常用労働者の介護休暇取得者の割合 女性 0.11% 男性 0.02% 全体 0.06% 取得者全体の男女の割合 女性 82.4% 男性 17.6%  

  4.ワークライフバランスの実現 ワークライフバランスとは… ↓ 生活と仕事の調和 3つの要因 ・家族形態の多様化 ・高齢化 ・性別役割分業観と生活価値観の変化

 ワークライフバランス支援の施策 「育児休業」「介護休業」「短時間勤務制度」 「フレックスタイム制度」「ジョブ・シェアリング」 「事業所内託児施設」「在宅勤務」etc… ・フレックスタイム制度 仕事の進み具合にあわせて出退勤時間を従業員自身が決める制度。 ・ジョブシェアリング フルタイムの仕事を分割し2人で担当し、労働時間は短時間勤務扱いとな る

以前の企業福祉の対象→「結婚して子供がいる男性社員」 5企業福祉のこれからの姿 以前の企業福祉の対象→「結婚して子供がいる男性社員」  従業員層が多様になった現在→従業員のさまざまなニーズ            に合わせる制度改革が必要! 「メンタルヘルス」・・・現在日本企業で心の病が増えてい る 37.6%の企業が最近3年間で心の病が増加。 メンタルヘルスが悪化することによる生産性の低下が懸念さ れる。企業は適切な予防措置を講じることが必要である。

明治安田生活福祉研究所による調査 →上場企業など約1500社対象 *今後新設、拡充したいと考える福利厚生は? →メンタルヘルス対策(21.3%)人間ドックへの費用補助(19.9%) 生活習慣病検診の実施(17.6%)~健康医療分野の増加~ *廃止、縮小したい福利厚生制度は? →社宅(12.0%)独身寮(8.4%)住宅手当(6.3%)~住宅の施策~ *従業員が新設・拡充を望む制度(正規従業員) →住宅手当(36.2%)人間ドックへの費用補助(34.3%) 【課題】 企業が非正規従業員に向けて用意している福利厚生制度は限定的なも のである。正規従業員以外の従業員にも配慮した福利厚生制度の再編 が課題となっている。

カフェテリア・プラン・・・どの制度を選択するか従業員    個人が選択できるプラン。 従業員個人のニーズに対応しているが導入している企業が少ない。→5つの理由(p227) *ベネッセコーポレーション・・・日本で初めて カフェテリア・プランを開始。 *資生堂・・・余ったポイントを自社製品の購入 に当てられるようにした。 総労働力費用と従業員の公正感を検証し、 福利厚生制度を考えていく必要がある。