学校におけるいじめの現状とその対応の在り方 平成27年度 いじめ・不登校対応研修 学校におけるいじめの現状とその対応の在り方 大分県教育庁 生徒指導推進室
本日の内容 「いじめ」の理解 大分県内の状況について いじめの対応について いじめの未然防止について おわりに
1.「いじめ」の理解
いじめの定義 (いじめ防止対策推進法第2条) この法律において「いじめ」とは、児童生徒に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
【いじめの定義】 文部科学省(~平成18年度まで) ① 自分より弱いものに対して一方的に いじめの発生件数 ① 自分より弱いものに対して一方的に ② 身体的・心理的な攻撃を継続的に加え ③ 相手が深刻な苦痛を感じているもの いじめの発生件数 文部科学省(平成19年度~平成24年度) ① 一定の人間関係のあるものから ② 心理的・物理的な攻撃を受けたことにより ③ 精神的な苦痛を感じているもの いじめの認知件数 文部科学省(平成25年度~現在) ※ いじめ防止対策推進法 第2条 児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
いじめの判断で、「心身の苦痛を感じているもの」 との要件が限定して解釈されないように。 何らかの人的関係 一定の人的関係 学校の内外を問わない。 学級・部活動 塾・スポーツクラブなど いじめられた被害生徒の感じる被害性に着目した見極め 物理的な影響 身体的影響 金品をたからたり、隠されたり、嫌なことを無理矢理させられたりすること。 外見的にはけんかに見えることでも、被害性に着目。 付帯決議から 心身の苦痛を・・・ いじめの判断で、「心身の苦痛を感じているもの」 との要件が限定して解釈されないように。
いじめられた児童生徒の立場に立つことが必要 いじめか否かの判断は? いじめられた児童生徒の立場に立つことが必要 なぜならば・・・ いじめは心に傷を 負わせる行為 被害は被害者の内面 ほかの人間が外からの 判断は容易でない。
【いじめ】
【いじめ事件】 ・1986年 中野富士見中学生いじめ自殺事件 ・生命や身体の安全が脅かされるような重大事態 278件 ○いじめに関する重要な事件 ・1986年 中野富士見中学生いじめ自殺事件 ・1993年 山形マット死事件 ・2000年 名古屋中学生5000万円恐喝事件 ・2007年 滝川高校いじめ自殺事件(4人逮捕、学校裏サイト) ・2009年 多摩川高校生水死事件(川で溺れる様子を動画撮影) ・2010年 大津市中学生いじめ自殺事件 ○文部科学省いじめ緊急調査による重大事案(H24.11.22) ・生命や身体の安全が脅かされるような重大事態 278件 (小学校 62件、 中学校 170件、 高校 41件、 特別支援5件)
2.大分県内の状況について
【いじめ】の認知(発生)件数 (大分県公立小・中学校)
【いじめの状況】(全国) ○1000人当りの認知件数 ○いじめの解消率 ○いじめの認知件数 (国公私立小、中、高、特支) 【平成25年度問題行動調査:文部科学省】 ○いじめの認知件数 大分県・・・・・ 3,496件(-243件) 全国・・・・・・・ 185,803件(-12,306件) ○1000人当りの認知件数 大分県・・・・・ 27.1件 全国・・・・・・・ 13.4件 最多:京都府 99.8件 最少:福島県 1.2件 ○いじめの解消率 大分県・・・・・ 84.4% 全国・・・・・・・ 88.1%
【いじめ】の解消率 (大分県公立小・中学校)
平成25年度児童生徒の問題行動等の諸問題における調査結果 (都道府県のいじめの認知件数と現在の状況) 平成18年10月19日 文部科学省初等教育局長通知によると・・・ 2 いじめを許さない学校づくりについて (3)いじめが解消したとみられる場合でも、教職員の気づかないところで陰湿ないじめが続いていること も少なくないことを認識し、その時の指導により解決したと即断することなく、継続して十分な注意を 払い折に触れて必要な指導を行うこと。 ちなみに! 一定の解消が図られたが、継続支援中 認知件数に対する割合は11.6%で全国22位です。
平成25年度都道府県別いじめ認知件数(国・公・私立)と解消率 (九州のみ抜粋)
加害者に「いじめ」の認識が 乏しいのが特徴か!! (4)いじめの態様(大分県) 〔複数回答〕 区 分 小 学 校 中 学 校 高等学校 特別支援 学校 計 1 冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、いやなことを言われる。 65.3% 65.9% 62.5% 50.0% 2 仲間はずれ、集団による無視をされる。 23.5% 20.4% 25.0% 22.9% 3 軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする。 22.2% 15.7% 22.3% 20.7% ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする。 5.7% 8.3% 3.8% 0.0% 6.2% 金品をたかられる。 0.6% 1.8% 5.4% 1.2% 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする。 8.9% 6.4% 4.9% 8.0% いやなことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする。 6.8% 6.3% 10.3% 6.9% パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷やいやなことをされる。 0.4% 10.9% 4.3% 3.3% その他 3.6% 加害者に「いじめ」の認識が 乏しいのが特徴か!!
平成25年度 いじめの学年別・男女別認知件数 大分県公立小・中・高等学校
いじめられた児童生徒の相談状況 誰にも相談していない14% 相談機関に相談 1% どうすればいいでしょうか?
3.いじめの対応について
「いじめ防止対策推進法」 社会総がかりでいじめの問題に向き合い、対処していくための、基本的な理念や体制を定めた法律。 平成25年9月28日施行 社会総がかりでいじめの問題に向き合い、対処していくための、基本的な理念や体制を定めた法律。
児童等の相談に応じる者及び児童等の保護者は相談を受けて、 いじめがあると思われる時は通報その他適切な措置を講じる。 学校が、いじめ通報の窓口です 児童等の相談に応じる者及び児童等の保護者は相談を受けて、 いじめがあると思われる時は通報その他適切な措置を講じる。 「いじめ」かなと思ったら学校に通報してください。 (第23条 いじめに対する措置) 学校は速やかにいじめの事実の有無を確認するための措置をし、結果を当該学校の設置者に報告する。
学校で冷やかされたり、無視されるんです(>_<) 「いじめ」の相談を受けました。 いじめの事実が あると思われる! 学校で冷やかされたり、無視されるんです(>_<) 相談所
事例1 保護者から朝「今日、息子は欠席します。」と電話連絡があった。理由を聞くと、「学校に行きたくないと言っています。今日は休ませます。」 その後2日間欠席し、3日目の朝保護者から再び電話があり、「クラスの数名の子から悪口を言われたり叩かれたりしているそうです。いじめられているので、学校に行けなくなっているんです!」と連絡があった。 どのように対応しますか
加害者が特定できる場合 ①被害者から聞き取り調査をする。 ②加害者から聞き取り調査をする。 ③緊急学活による指導、個人面談 ④加害者・保護者に謝罪を依頼 ⑤被害者・保護者に説明・謝罪
事例2 (相談)当該生徒を誹謗中傷する紙が、当該生徒の机のデスクマットの下に入れられ、本人が内容を確認した。当該生徒の保護者から、「誰が書いたかを必ず特定して、厳しく指導してもらいたい。」旨の連絡があった。
加害者が特定できない場合 ①加害者を特定するための調査。 ②被害者・加害者から聞き取り調査 ③緊急学活による指導、個人面談 ④加害者・保護者に謝罪を依頼 ⑤被害者・保護者に説明・謝罪
加害者がどうしても特定できない場合 ①学校側は、学校・学級全体に指導 ②被害者・保護者は納得しない ③被害保護者が弁護士に依頼 ④警察やマスコミに情報提供 ⑤いじめ解決支援チームが出動
いじめ対応組織図 本人 大分県教育委員会 迅速 誠実 慎重に いじめ対策の取組 早期発見・早期対応 組織的な対応 関係機関との連携 ・いじめは、人間として絶対に許されないとの強い認識に立つこと。 ・いじめ問題は、学校の姿勢が問われる問題であること。 ・いじめの兆候を見逃すことなく、早期発見、早期対応に努めること。 ・学校全体で組織的な取組の徹底を図ること。 ・教育委員会や関係機関(警察、福祉部門等)との連携を強化すること。 いじめ対応組織図 迅速 誠実 被害者への対応 学 級 担 任 養 護 教 諭 スクールカウンセラー 早期発見・早期対応 組織的な対応 加害者への対応 学 級 担 任 関 係 教 諭 継 続 的 な 指 導 情報収集 慎重に 生徒(生活)指導担当 周囲の児童生徒 事実関係 の究明 家庭でのサイン 関 係 教 師 傍観者・観衆 への対応 学 級 担 任 いじめ相談窓口(教頭) PTA役員 学校だより 保護者説明会 生徒(生活)指導担当 保護者 地 域 学 年 担 当 相談 担任・学年担当教師 生徒(生活)担当教師 校長・教頭 いじめ対策委員会 ・校長 ・教頭 ・生徒(生活)担当教師 ・学年主任 ・養護教諭 ・学級担任 ・関係教諭 訴え 発見 保護者への対応 学 級 担 任 本人 学 年 主 任 生徒(生活)指導担当 訴え 発見 地域・マスコミ への対応 他生徒教 師 校 長 情報提供 教 頭 教 育 委 員 会 職員会議 家庭訪問 どんな些細なことでも必ず報告する 学校でのサイン 関係機関との連携 警察・福祉部門 大分県教育委員会
被害者は本当のことを言いたがらない! 親に心配をかけたくない 仕返しが怖い 大袈裟にしたくない 別に何でもないと平気な顔をする 「チクる」・・・子どもたちの間では、悪いことと認識。被害を受 けていても、卑怯という認識を持つことが多い。 親に心配をかけたくない 仕返しが怖い 大袈裟にしたくない 別に何でもないと平気な顔をする 自分が悪いと思い込む 自分が我慢をすれば
いじめられた児童生徒を徹底的に守る あなたは悪くない、あなたのせいではないというメッセージを送る。 被害者の安全、保護が最優先。 チクって、安全が脅かされては助けを求めてこない。 絶対に守ると言う姿勢を示す。 あなたは悪くない、あなたのせいではないというメッセージを送る。 本人が、何をして欲しいのか傾聴しながら確認し、援助する。
いじめ防止対策推進法施行後の自殺 1 平成25年 11月 福岡県 高3男子 2 平成26年 1月 山形県 中1女子 3 〃 長崎県 中3男子 【参考】 いじめ防止対策推進法施行後の自殺 1 平成25年 11月 福岡県 高3男子 2 平成26年 1月 山形県 中1女子 3 〃 長崎県 中3男子 4 2月 広島県 高1男子 5 兵庫県 中2男子 調査決定 6 5月 岩手県 7 滋賀県 未遂 8 7月 青森県 高2女子 可能性あり 9 東京都 中学男子 10 8月 愛知県 小6女児 11 中1男子 不明 12 中2女子 13 9月 14 新潟県 15 福島県 小5女児
重大事態 いじめにより児童等の生命、心身又は、財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。 児童生徒が自殺を企図した場合。 身体に重大な障害を負ったとき。 金品等に重大な被害を被った場合。 精神性の疾患を発症した場合。 2.いじめにより児童等が相当の期間学校を欠席 することを余儀なくされる疑いがあると認めるとき。 年間30日を目安。一定期間連続しているような場合は、迅速に調査に着手。
「いじめ問題対応マニュアル」(平成25年4月発行) ○ 大分県内の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校、全ての教職員に配付 ○ 大分県教育委員会ホームページからダウンロード可 http://kyouiku.oita-ed.jp/sidou/ 資料の活用ということで、是非活用をお願いします。
「いじめ対応Q&A」(平成27年3月発行) ○ 大分県内の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校、全ての教職員に配付 「いじめ対応Q&A」(平成27年3月発行) ○ 大分県内の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校、全ての教職員に配付 ○ 大分県教育委員会生徒指導推進室ホームページからダウンロード可 http://kyouiku.oita-ed.jp/sidou/ これも資料の活用ということでお願いいたします。
4.いじめの未然防止について
いじめはどの子どもにも起こりうる 出典:国立教育政策研 究所生徒指導研究セン ター『いじめ追跡調査 2010-2012 いじめQ &A』2013 年 6 月 被害者は入れ替わり続け、最終的に6回とも「週に1回以上」の被害経験を訴えた生徒は714名中わずか1名(全体の0.14%)、被害が6回とも「ぜんぜんなかった」と回答した生徒は205名(全体の28.7%)しかない。
いじめはどの子どもにも起こりうる 被害経験人数 加害経験人数 被害・加害経験ともに、両者が驚くほど酷似している。どちらも特定の児童生徒に偏ることなく、入れ替わるためにこのような数値になると考えられる。
いじめの被害者・加害者は大きく入れ替わる! いじめはどの子どもにも起こりうる 被害経験回数 加害経験回数 いじめの被害者・加害者は大きく入れ替わる! 出典:国立教育政策研 究所生徒指導研究セン ター『いじめ追跡調査 2010-2012 いじめQ &A』2013 年 6 月 被害者や加害者になりそうな児童生徒を発見・予見して対応するよりも、常に児童生徒全員に注意を注ぎ、取組を行うべき。
生徒指導の3機能を生かした授業づくり (大分県教育庁義務教育課より) これは、昨年度義務教育課が示した大分県における授業改善に向けた「新大分スタンダード」です。義務教育課はこの「新大分スタンダード」の中で、「生徒指導の3機能を意識して」問題解決的な展開の授業を行っていただきたいとお願いしております。
生徒指導の3機能 自己存在感を与える 共感的人間関係を育成 自己決定の場を与える 生徒指導の3機能とは、ご存じの通り、この3つです。
行事で 授業で 生徒指導の3機能をあらゆる教育活動に!! 自己存在感を与える 自己決定の場を与える 共感的人間関係を育成する 自己指導能力 の育成 この生徒指導の3機能をあらゆる教育活動に取り入れることが大切です。すでに行事ではこの3機能を取り入れた取組が多くなされておりますが、課題は日常の授業において生徒指導の3機能を取り入れていくことではないでしょうか。日常の授業に、このような3つの場が取り入れられているでしょうか。
自己存在感とは その人に変わる人が存在しない、 かけがえのない存在であるという 感覚 自己存在感とは、ここにかいている通りです。
「児童生徒一人一人に学ぶ楽しさ や成就感を味わわせることのでき る授業」 授業の中で自己存在感を与える 授業の中で自己存在感を与えるとは、こういうことです。
(全員の出番を作る、つぶやきを生かす等) 授業で自己存在感を与えるために 場の設定 児童生徒への対応 一人学びの場 名前で呼ぶ ネームプレート つぶやき 児童生徒に説明させる グループ学習 認める・ほめる 個を生かす 練り合いの場 個々の児童生徒の理解 具体的には、ここにのせているような配慮や場の設定を行うことだと考えております。こうしたことは、どの学年、どの教科、小学校でも中学校でも毎時間実施することが大切です。 まとめ・振り返り 間違いを大切に 児童生徒一人一人への配慮 (全員の出番を作る、つぶやきを生かす等)
共感的人間関係とは ともに努力する姿勢を基盤とする。 互いに人間として、無条件に尊敬し合う態度で、自分を語り,共感的に理解し合う関係。 共感的人間関係とはこのようなことです。
授業の中で共感的人間関係を築く 「お互いに認め合い、学び合う ことができる授業」 それを授業の中で築くということはこういうことです。
共感的人間関係を育成するために 聴き合う 認め合う 教師の姿勢・学習環境の整備 互いに教え合い励まし合う 学習のルール 話をしっかり興味をもって聞く 間違った応答でも笑わない 相互評価 異なる意見も理解するように 友だちの良さを見つけ、認める 発言を一人占めしない 相手の立場や気持ちを考える 具体的に共感的人間関係を育成するためにここにのせたことも、どの学年、どの教科においても毎時間実施することが大切です。 発言をつなぐ 学習のルール 教師の姿勢・学習環境の整備
自己決定の場とは 児童・生徒が自らの行動を 決断し、実行し、責任を持つこと 最後に自己決定の場とは、こういうことです。
「自ら課題を見つけそれを追究 し、自ら考え、判断し、表現する 授業」 授業の中で自己決定の場を与える 授業の中で自己決定の場を与えるとは、こういう授業のことです。
自己決定の場を与えるために 課題設定 課題追究・課題解決 選択 学習形態の工夫 学習方法の工夫 一人学び 自ら考え、判断し表現する 問題解決的な学習 ここに掲載したことも、どの学年、どの教科においても行うことが可能ですが、特に総合的な学習の時間において、探究的に行うことがこの自己決定の場に直結しています。総合的な学習の時間を探究的・協同的に行うことが求められておりますが、その理由はここにあるのではないでしょうか。 グループ学習 TT・少人数、習熟度別指導 まとめ・表現 体験的な学習
つまり すべての児童生徒に「出番」を与える!! 岩手県立総合教育センター「生徒指導の機能を生かした授業づくりの手引き つまり、生徒指導の三機能を生かした授業作りとは、「すべての児童生徒に出番を与える」ことであるのではないでしょうか。この生徒指導の3機能を生かした授業づくりについては、岩手県立総合教育センターが作成した手引きを参考にさせていただきました。。具体的な実践例が細かく記載されておりますので、ぜひホームページからダウンロードしてみてください。 岩手県立総合教育センター「生徒指導の機能を生かした授業づくりの手引き ~授業が変わる生徒が輝く~」 より
魅力ある学校づくり調査研究事業 実施地域:日田市教育委員会 日田市立東部中学校 事業の目的 拠点校 実施地域:日田市教育委員会 拠点校 日田市立東部中学校 事業の目的 ◎児童生徒の登校意欲が高く、少々のことでは学校を休まない魅力ある学校づくり 1.仲間作り ----自他共に尊重し、良好な人間関係を育成する教育活動のプログラム(グループエンカウンター等) 2.居場所作り----自己存在感、自己有用感が獲得できる学級作り(SEL-8Sを活用する) 3.分かる授業----グループ学習を取り入れた「学び合い」授業の工夫(よく分かる・楽しい授業) 4.特別活動の工夫--どの生徒も達成感、充実感が味わえる学校行事の工夫(生徒会を活性化した手作り行事の実施等) 5.家庭との連携---家庭と連携した登校支援、地域と連携した中学校校区内での行事実施 1.小中連携支援シートによる連携した生徒支援 2.小中合同行事の実施(地域合同行事) 3.小中の教員相互乗り入れ授業の実施 4.校区内教員の合同研修(学習指導、生徒指導の一貫指導) 5.児童生徒の小・中学校訪問(ようこそ先輩・ようこそ後輩) 等 小中連携 連携校① 咸宜小学校 連携校④ 三芳小学校 研究会に参加することも情報の収集につながります。これは平成26年・27年度に国立教育政策研究所の指定であります「魅力ある学校づくり調査研究事業」です。日田市立東部中学校を拠点校として、同中学校区の4小学校と連携して「学校が楽しい」「授業がよくわかる」と、児童生徒の登校意欲が高く、少々のことでは学校を休まない魅力ある学校作りに取り組んでおります。 小小連携 連携校③ 若宮小学校 連携校② 桂林小学校 1.児童実態の情報交換 2.授業規律の統一 3.小学校合同活動(修学旅行等)
「魅力ある学校づくり調査研究事業」(2年次) 平成26・27年度文部科学省指定 「魅力ある学校づくり調査研究事業」(2年次) 研究発表会 期日 平成27年11月20日(金) 会場 日田市立東部中学校 内容 ①授業参観 ②学級活動参観 ③研究発表(拠点校・連携校) ④研究協議 平成27年11月20日(金)に日田市立東部中学校においてこの魅力ある学校作り調査研究事業の研究発表会が行われます。この5校においては、不登校の児童生徒数が明らかに減少しておりますし、「学校が楽しい」「授業がよくわかる」と回答している児童生徒が増えております。ぜひ、その研究の一端を参観していただき、自校の取組に生かしていただければと思います。
5.おわりに
「あったかハート 1・2・3」 (ワン・ツー・スリー) 大分県教育委員会が進める運動 「あったかハート 1・2・3」 (ワン・ツー・スリー) ①欠席1日目=必ず電話連絡(励まし電話、安心電話、受信確認、適切な休み指導) ②欠席2日目=電話または家庭訪問(安心電話、症状の具体把握、場合により家庭訪問) ③欠席3日目=必ず家庭訪問(体調や最近の様子の確認、再登校不安の解消、安心) ④欠席3日目以上=チーム支援(担任・養護教諭・関係職員、スクールカウンセラー、関係機関連携) 大分県教育委員会では、現在「あったかハート1,2.3」を合い言葉に、問題を未然に防ぎ、早期に解決するための生徒指導の取組を進めております。もうご存じの事と思いますので、先生方の学校でも言葉に出して言い合っていただければと思います。
生徒指導に関する講演会のお知らせ 「学級集団づくり研修会」 「いじめ対応スキルアップ研修会」 平成27年8月27日(木)午前 平成27年7月31日(金)午前 講師 大阪市立大学名誉教授 森田 洋司 氏 演題「いじめ問題と教育現場の 課題(仮題)」 会場 別府大学大分キャンパス 文化ホール(定員700名) 「学級集団づくり研修会」 平成27年8月27日(木)午前 講師 高知大学教育学部准教授 鹿嶋 真弓 氏 演題「互いに認め合い高め合う集団づくり ― 人の中で人は育つ ―」 会場 別府大学大分キャンパス 文化ホール(定員700名) 最後に、生徒指導に関する講演会のお知らせをいたします。7月31日の森田先生と8月27日(木)の高知大学の鹿嶋先生の講演会です。生徒指導主任だけでなく、多くの先生方のご参加をよろしくお願いいたします。
平成27年度 大分県教育庁生徒指導推進室 主な施策について
いじめの総合対策 いじめのない学校づくり 未然防止 組織的で徹底した取組 重大事案 早期発見 連携対応 早期対応 =現状= =事業効果= いじめの総合対策 いじめのない学校づくり =現状= ●いじめの認知件数 3,496件 ●いじめの解消率 84.4% ●多様化・複雑化するいじめ ●いじめ解消が難しい事案もある =課題= ●いじめ防止基本方針の定着 ●徹底した早期発見・早期対応●いじめの解消率の向上 ●いじめによる重大事態の防止 =事業効果= ●いじめ許さない学校づくりの促進 ●小さないじめの早期の発見 ●教師、保護者、地域で協力した いじめ防止の組織的見守り ●組織的な対応によるいじめ解決 ●スクールカウンセラーの相談に よる専門的助言と効果的支援 ●関係機関と連携した支援充実 組織的で徹底した取組 未然防止 早期発見 早期対応 重大事案 連携対応 ①学級づくり研修会 (仲間づくり、社会規範育成) ②教職員の組織的見守り (小さなサインを見逃さない) ③いじめ対応マニュアル (校内相談体制作り・観察) ④教職員いじめ対応研修 ⑤いじめゼロ子どもサミット ①アンケート、面談の徹底 (年3会場児童生徒、*保護者) ②校内いじめ対策委員会 ③24時間相談ダイヤル ④ネットいじめメール相談 ⑤Sカウンセラー配置 (ケース会議、生徒・保護者支援) ⑥地域生徒指導連絡会議 ①いじめ解決支援チームの 配置(2名) (少年鑑別所OB、児童相談所OB等) ②いじめ対策連絡協議会 (福祉、警察、医療等) ③スクールサポーター活用 ④学校警察連絡制度活用 ⑤学校問題解決支援チーム (いじめ対応スキルの向上)
不登校の総合対策 不登校を生まない学校づくり 未然防止 学校復帰支援 組織的で徹底した取組 =現状= =事業効果= 不登校の総合対策 不登校を生まない学校づくり =現状= ●不登校の出現数、出現率 小― 226人、 0.36% 中― 1,023人、 2.69% ●不登校の学校復帰率 小― 39.8%(全国平均32.9) 中― 34.8%(全国平均29.8) =課題= ● 不登校未然防止体制の強化 =事業効果= ●不登校児童生徒数の減少 ●学校復帰率の向上 ●不登校の出ない学校作りの促進 (意欲的に登校できる魅力ある学校) ●教師、保護者、地域で協力した 不登校防止の組織的取り組み ●スクールカウンセラー等の相談に よる専門的分析と効果的支援 組織的で徹底した取組 未然防止 学校復帰支援 ①地域不登校防止対策推進教員配置事業 (拠点校:初期対応の組織化、校内不登校防止策の強化) (地 域:「あったかハート1・2・3」の展開、未然防止研修) ②魅力ある学校づくり推進事業(国研) (不登校を出さない魅力ある学校づくりを推進) ③スクールカウンセラーによる教育相談 (小中連携配置→小学校~中学校の継続した支援) (学校教育相談体制の充実→不登校傾向の早期発見) ④教職員不登校未然防止研修 (学級づくり、居場所・仲間づくり、不登校指導のスキル等) ⑤不登校実態調査(毎学期) ⑥中学新入生保護者向け・中学生活パンフ ①スクールカウンセラーによるカウンセ リング (不登校生の心の相談、自立支援、ケース会議) (配置の拡大→小67,中127、高26) ②市町村スクールカウンセラー連絡会議 ③教育支援センター連絡会議 (県内16教室と学校、教育機関等の連携した支援の促進) ④地域生徒指導連絡会議(非行系の不登校対応) ⑤教育相談実務者研修(悉皆:教育相談部と共同)⑥福祉関係機関との連携促進 (福祉事務所、児童、要保護児童対策地域協議会と連携)
年3回開催 いじめ対策連絡協議会 県警少年課 各関係機関による 専門的見地からの 指導・助言 児童相談所 県教委関係者 児童心理司(士) いじめ対策連絡協議会 ・いじめ事案に対する解消支援 ・関係機関の連携強化 県警少年課 年3回開催 各関係機関による 専門的見地からの 指導・助言 児童相談所 スクールサポーター 県教委関係者 児童心理司(士) いじめ解決支援員 福祉事務所 市町村教育委員会 法務局 児童福祉司(士) 指導主事
いじめ解決支援チーム いじめ発生解決支援時 支援内容(標準3日間) バックアップ いじめ解決支援 チーム いじめ・暴力行為事案が発生 (連携) 派遣要請 (小中学校→市町村教委→県) (県立学校→→→→→→→ 県) 福祉 警察 医療 いじめ解決支援 チーム 緊急派遣 支援内容(標準3日間) ①方針策定支援(情報整理、アセスメント等) ②被害・加害児童生徒への支援(カウンセリングによる心のケア) ③事案対応の校内体制づくり支援(いじめ対策委員会等へ参加・助言) ④被害・加害保護者対応支援(第三者的立場から調整・解決支援) ⑤関係機関連携支援(警察、福祉・医療機関等との連携) ⑥学校活動支援(周囲の児童生徒のケア、学級・学校集団づくり、教職員・ スクールカウンセラーとの連携等) ⑦情報発信体制への支援(PTAへの情報発信、報道機関への対応等) 暴力、盗難、強要等を伴ういじめ事案に対応 (いじめの事実、原因や子どもの背景を解明) 少年鑑別所、児童相談所等 経験者(臨床心理士有資格者)2名 【生徒指導推進室】 【各地区教育事務所】 【市町村教育委員会】 ※児童生徒の生命又は身体の安全がおびやかされるような重大な事態が懸念される場合は、5日間派遣 派遣の想定される 事案例 いじめの概要 学級内の人間関係のトラブルにより、不登校になった クラスの男子数人から差別発言で悪口を言われた バスケットの部活動中、他の部員から首を絞められたりした クラスの女子6人から、陰口を言われ、不登校になる Tシャツを隠されて、落書きされた 正面からあばらを蹴られ、骨折した 男子2名により悪口を何度も言われ、不登校になった ソフトボール部内で仲間外しにされ、不登校になった 同学年の女子2名に待ち伏せされ暴行を受ける インターネット上に差別用語で悪口や動画を掲載された 男子3人からの暴行により、不登校になった ベランダに出され、閉じ込められた。その際手首に怪我 バックアップ 大分県 学校問題解決支援チーム (弁護士・医師・臨床心理士)
24時間子供SOSダイヤル 0570-078310 いじめ被害者 電話 相談 相 談 平日昼間 夜間、休日 24時間 相談・対応 解 決 ネットいじめ メール相談 (表) (裏) 小(データ)中・高校(案内カード) 電話 相談 (24h対応目的)自殺、自傷を防ぐ 相 談 【いじめ相談】 児童生徒 保護者 教職員等 0570-078310 なやみ言おう 平日昼間 夜間、休日 24時間 生徒指導 推進室 9時~17時 17時~9時(平日) 24時間(休日) 教育センター 教育相談部 心理相談 専門機関へ委託 相談・対応 解 決 連携機関 学校 教委 大分県警 スクールサポーター いじめ解決支援 機動チーム 医療機関 サイバー犯罪対策室 福祉機関 ネットあんしんセンター 生徒指導推進室
ネ ッ ト い じ め 相 談 窓 口 生徒指導推進室 ネットいじめ等被害児童生徒 保護者、教職員等 教育センター 教育相談部 生徒向け 案内カード配布 ネットいじめ等被害児童生徒 保護者、教職員等 各種相談機関 電話 相談 メール相談 教育センター 教育相談部 24時間いじめ相談ダイヤル (昼間時対応) no-ijime@pref.oita.lg.jp メール相談 (パソコン) 法務局・子どもの人権110番 大分県警察本部 サイバー犯罪対策室 対応依頼 生徒指導推進室 連携 県・こころとからだの相談支援 センター ハイパー研究所 ネット安心センター 県警・大分っ子フレンドリー サポートセンター 相談用 携帯電話 等
スクールカウンセラー相談体制の充実及び機能の向上 H27 スクールカウンセラー配置事業 H22 H23 H24 H25 ・配置時間に軽重 ・配置校の拡充 ・効果的な配置体制 ・スーパーバイザーの配置 ・評価制度の見直し ・定通分校増配 ・小中連携配置 小 18校 中 12校 H26 H27 スクールカウンセラー相談体制の充実及び機能の向上 ・小中連携配置の増設 小 24校 中 18校 ・小中連携配置の 拡充 小 30校 中 22校 《事業の経緯》 ・事業開始(H7~ 中学校2校、高校1校) ・中学校全校配置(H19~)、小学校配置開始(H20~) ・一律週4時間、 年間35週配置→配置時間に軽重(H21~) (週8、6、4、2時間) ・配置方式(拠点校・対象校方式)の導入(H23~) ・16市町にスーパーバイザー配置(H23~) 《小中連携配置スクールカウンセラー》 小学校 中学校 小中連携配置 スクールカウンセラー 進学 継続的な支援 【中学校で不登校が増加する背景】 ・ 中1の不登校生徒の半数は小4~小6のいずれかで30日以上の欠席相当の経験を持ち、15日以上29日未満の欠席経験等まで含めると75~80%にまで上る。 ・ 家庭や地域の教育力の低下により、小学校が抱える問題が増大しているため、小学校において予兆が見えたり顕在化しても対応できないケースがある。 【大分県のSC配置状況】 ・ 小学校 59校(H26)→67校(H27) ・ 中学校 127校(H26)→127校(H27) ・ 高校 24校(H26)→26校(H27)) 小学校における相談体制の充実 【SC小中連携配置の効果】 ・ 継続的なカウンセリングによる児童生徒の安心感の醸成 ・ 情報収集、情報共有の充実 (兄弟関係、家庭環境、学校での様子 等) ・ 小中教職員による同一支援の継続
地域不登校防止推進教員 H27 地域不登校防止推進教員配置事業 県 県 拠点校(2~3日勤務) H27 地域不登校防止推進教員配置事業 市町村教育委員会=(不登校ゼロ運動)「○○っ子ほほえみアクションプラン」 18市町村の不登校未然防止の取組を推進し、大分県の不登校児童生徒数を低減する 地域不登校防止推進教員 大分県内で19人 ⇒ 市町村アクションプラン拠点校に県が生徒指導支援加配により配置 県 生徒の登校意欲向上 地域全体(2~3日勤務) 不登校の兆候時対応 拠点校(2~3日勤務) 「不登校ゼロの地域づくり」 ①地域欠席早期把握・早期支援体制の構築 ・連続3日以上の児童生徒の把握体制確立 (連続欠席3日、断続欠席7日生徒の把握) ・把握生徒の支援援助のコーディネート (子育て支援課、健康推進課、児童相談所等の連携) ②効果的な不登校未然防止策の地域展開 ・『あったかハート・1・2・3』運動 1日目=電話連絡(励まし電話、安心電話、受診確認、適切な休み指導) 2日目=電話か家庭訪問(安心電話、症状の具体把握、場合により訪問) 3日目=家庭訪問(体調や最近の様子の確認、再登校不安の解消、安心) 3日以上=チーム支援(担任・養護教諭・関係教員、SC、関係機関連携) ・地域で不登校未然防止研修の講師 ・不登校防止に効果的な小中連携の推進 不登校ゼロ運動 「不登校ゼロの学校づくり」 ①不登校ゼロの学校づくり ・校内不登校対策委員会でゼロ運動の組織的展開 (教員の意識アップ、情報共有、保護者啓発) ・生徒指導の3機能を活かした教育活動の展開 (学級づくり、授業づくり、特別活動) ・校区内小学校との小中接続推進 (児童生徒交流と指導・支援情報の共有) ②早期対応 ・『あったかハート・1・2・3』運動(左記) ・連続欠席3日、断続欠席7日の生徒の教委報告 ・学校組織での情報共有、早期対応、関係機関連携 ・スクールカウンセラーの見立てを活用した支援 県 大分県不登校対策のネットワーク化(市町村教委の不登校未然防止体制のボトムアップ) 「不登校対策連絡協議会」「毎学期不登校調査情報の共有」「不登校防止研修会(教育センター協働)」「福祉・医療連携や情報提供」
第3回 大分県いじめゼロ子どもサミット いじめに立ち向かう小中学生 (ムーブメントへ) 〈 平成27年度の取組 〉 第3回 大分県いじめゼロ子どもサミット 〈 趣 旨 〉 県内の小中学生代表によるいじめのない学校づくりに向けた取組発表や意見交換をとおして、児童生徒自らがいじめの問題を主体的に考え、その防止に取り組む気運を醸成するとともに、いじめの未然防止に向けた取組の充実を図る。 〈 平成25年度の取組 〉 H25/7/6(土) 県下18市町村の小・中学生の代表 79名による『大分県いじめゼロ宣言』(小、中)を採択 〈 平成26年度の取組 〉 H26/11/13(木) 県内6地域から6中学校の代表が参加し、自校の実践発表及びいじめ撲滅に向けた意見交換を実施 大分県いじめゼロ宣言 一 いじめはしません 二 いじめを止めます 三 いじめを大人に相談 します 四 友だちのいいところ をほめます 五 困っている人がいた ら助けます 宣言文採択 (アピールから) 〈 平成27年度の取組 〉 第3回 大分県いじめゼロ子どもサミット ○開催時期 H27年10~11月予定 ○会 場 中津教育事務所管内 ○参加者 小学生、保護者、教育関係者ほか ○その他 ・平成27年度は小学生大会とする。 ・県内6地域から6小学校の代表が参加する。 ・いじめ撲滅に向けた実践発表、意見交換を行う。 ・代表校の中から、「全国いじめ問題子供サミット」 への参加者を決定する。(予定) 〈 平成28年度以降の予定 〉 ・ 第6回まで実施予定(教育事務所単位で)。 ・ 小学生開催と中学生開催を交互に実施。 ・ 実施場所はH28以降、日田、竹田、佐伯を予定。 ・ サミットの様子を教育庁チャンネル等で発信。 ・ 県下全域にいじめ防止に向けた気運を醸成する。 いじめに立ち向かう小中学生 (ムーブメントへ) 児童生徒自らの手でいじめ問題の解決を目指す!
本日はご清聴ありがとうございました