―本日の講義― ・計量経済学とは ・入門計量経済学で学ぶこと ・授業の進め方と成績評価

Slides:



Advertisements
Similar presentations
4 月 10 日経済学 経済学 経済原論 (春学 期) 2002 年 白井 義昌. 4 月 10 日経済学 教科書 マンキュー経済学 II マクロ編 東洋経済新報社 Principles of Economics, 2 nd edition N. Gregory Mankiw, The Dryden.
Advertisements

2016/7/21 情報経済システム論 情報経済システム論:第1回 担当教員 黒田敏史 1. 教員の紹介 黒田 敏史(くろだ としふみ) – 略歴 1978年2月10日生まれ 1996年 神奈川県立藤沢西高校卒業 1997年 東京理科大学理学部物理学科中退 1999年 京都大学経済学部入学 2005年.
「前提科目」のしくみ 経済法学科. 履修の前提となる科目があります 《前提科目》 ← 例えば … 民 法 I ← 経済数学 ← or 基礎経済学 〈後継科目〉 (履修したい科目) 民 法 II ミクロ経済学.
2004/11/18hiroyuki moriya1 早稲田大学教育学部社会科学専修 現代社会研究4 ( マネー) 伝統的資産運用とオルタナティブ投 資 森谷博之 住商キャピタルマネジメント チーフストラテジスト オックスフォードファイナンシャルエデュケーション.
2016 年度 計量経済学 講義内容 担当者: 河田 正樹
経済の仕組みと経済学. 経済学とは 「経世済民」経済 世の中を治め、民の苦しみを救うこと 人々が幸せに暮らすためのしくみでありその活動 = 経済学とは: 「希少な資源を競合する目的のために, 選択・配分 を考える学問」 2.
新設科目:応用数学 イントロダクション 情報工学科 2 年前期 専門科目 担当:准教授 青木義満.
基礎セミナーA あなたが起業すると考えよう
寺尾 敦 青山学院大学社会情報学部 atsushi [at] si.aoyama.ac.jp
入門B・ミクロ基礎 (第4回) 第2章 2014年10月13日 2014/10/13.
第4章:資産価格とそのバブル P.115~137 08bc134k 畑 優花.
労働市場マクロ班.
入門 計量経済学 第02回 ―本日の講義― ・マクロ経済理論(消費関数を中心として) ・経済データの取得(分析準備) ・消費関数の推定
企業における母性健康管理体制の現状と課題についてお話いたします。
経済統計学 担当者:張 南.
  個人投資家向け株式分析   と予測システム A1グループ  劉 チュン.
第16章 総需要に対する 金融・財政政策の影響 1.総需要曲線は三つの理由によって右下がりである 資産効果 利子率効果 為替相場効果
実証分析の手順 経済データ解析 2011年度.
経済原論II  ミクロ経済学入門 2016年度 麻生良文.
月曜3限 1132教室 担当者: 河田 正樹 年度 経済データ解析講義内容 月曜3限  1132教室 担当者: 河田 正樹
寺尾 敦 青山学院大学社会情報学部 atsushi [at] si.aoyama.ac.jp
経済学特殊講義(医療経済学) ―医療経済学の理論を学ぶ―
平成27(2015)年度 資本市場論 オリエンテーション
現代の経済学B 伊東光晴「ケインズ」第3回 一般理論の骨組み(ii) 現代資本主義とケインズ経済学 京大 経済学研究科 依田高典.
イントロダクション.
7: 新古典派マクロ経済学 合理的期待学派とリアル・ビジネス・サイクル理論
マクロ経済学 II 第9章 久松佳彰.
第7章 どのように為替レートを 安定化させるのか
情報数理Ⅱ 平成27年9月30日 森田 彦.
短期均衡モデル(3) AD-ASモデル ケインジアン・モデルにおける物価水準の決定 AD曲線 AS曲線 AD-ASモデル
統計リテラシー教育における 携帯端末の利用
統計学 第1週 9/27(木) 担当:鈴木智也.
プログラミング言語論 プログラミング言語論 ガイダンス 水野 嘉明 ガイダンス 1 1.
地域社会論 第1回その1 授業の概要 10月2日.
スポーツ経営学 第4回目 スポーツ経営学の特徴.
マクロ経済学初級I (春学期) 2006年 白井 義昌 4月11日 マクロ経済学初級I.
第4章 投資関数.
経済情報入門Ⅱ(三井) 公共事業と社会保障.
統計学の基礎と応用 張 南   今日の話:序   論          履修の注意事項.
ボンドの効果 ―法と経済学による分析― 桑名謹三 法政大学政策科学研究所
箱庭経済シミュレーションの基礎モデル、および政策分析への可能性
シミュレーション論 Ⅱ 第14回 まとめ.
シミュレーション論 Ⅱ 第15回 まとめ.
経済学とは 経済学は、経済活動を研究対象とする学問。 経済活動とは? 生産・取引・消費 等 なぜ、経済活動を行うのか?
第6章 連立方程式モデル ー 計量経済学 ー.
動学的一般均衡モデルについて 2012年11月9日 蓮見 亮.
マーケティング・マネジメント ウィラワン・ドニ・ダハナ 火曜日2時限.
第8回講義 マクロ経済学初級I .
マクロ経済学初級I (春学期) 2005年 白井 義昌 4月19日 マクロ経済学初級I.
数量分析 第2回 データ解析技法とソフトウェア
経営学総論 サマリー Thursday, January 11, 2007
中級ミクロ経済(2004) 授業予定.
千葉大学とJSPS北京研究連絡センターとの共同シンポジウム
丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 経済学入門 2006年4月13日
経済情報処理ガイダンス 50分用ガイダンス。時間があれば、後半ログオンして操作させる。 神奈川大学 経済学部.
アセットマネジメントの実務と法 第1回 講義の目的と概要
2019年1月22日 生命環境科学域 応用生命科学類 尾形 善之
シミュレーション論Ⅰ 第14回 シミュレーションの分析と検討.
情報処理基礎A・B 坂口利裕 横浜市立大学・商学部
~求められる新しい経営観~ 経済学部 渡辺史門
情報経済システム論:第13回 担当教員 黒田敏史 2019/5/7 情報経済システム論.
シミュレーション論 Ⅱ 第1回.
自然言語処理2015 Natural Language Processing 2015
計算の理論 I -講義について+αー 月曜3校時 大月美佳 平成31年5月18日 佐賀大学理工学部知能情報システム学科.
経済学科の紹介 他大学との違いはなにか? 2019/5/26.
情報数理Ⅱ 平成28年9月21日 森田 彦.
「投資」の新たな展開 -株式会社以外に…-
企業ファイナンス 2009年9月30日 ガイダンス: 企業ファイナンスとは? 名古屋市立大学 佐々木 隆文.
情報処理の概念 #0 概説 / 2002 (秋) 一般教育研究センター 安田豊.
経済学入門 ミクロ経済学とマクロ経済学 ケインズ経済学と古典派マクロ経済学 経済学の特徴 経済学の基礎概念 部分均衡分析の応用.
Presentation transcript:

―本日の講義― ・計量経済学とは ・入門計量経済学で学ぶこと ・授業の進め方と成績評価 入門 計量経済学 第01回       ―本日の講義― ・計量経済学とは ・入門計量経済学で学ぶこと ・授業の進め方と成績評価 清水千弘(Chihiro SHIMIZU) cshimizu@reitaku-u.ac.jp

1.計量経済学とは? 1.1.計量経済学とは 「経済理論に実証的な内容をもたせ,それらを立証したり,反証したりするために,経済データの分析に経済的・数学的方法を応用すること」G.S.Maddala 数理統計学 vs. 計量経済学 数理経済学:数学の応用分野として導出された理論が必ずしも実証的な裏づけを持たない But.経済データの統計的分析をはじめるにも,適切な経済理論を数学を用いて明確に定式化しておくことは必要となる。  →経済数学の同時受講が望ましい 1.2.経済モデルと計量モデル 計量経済学と統計学:統計学を基礎とする 計量モデルの構築:モデルとは→現実の社会の動きを単純化して表現するもの 複雑な経済社会を単純なモデルで説明できるか モデルの前提になる仮定は現実的であるか 1.3.計量経済学の目的 計量モデルの構築/特定化 モデルの推定,検定/推測 予測+政策判断 cshimizu@reitaku-u.ac.jp

経済学とは選択の科学である!統計学は科学の文法である! 経済学は,社会科学の一分野 自然科学との違い1.研究方法 法則性が,自然科学と比較して不確実 検証が困難→実験経済学の登場 数学(法則性)+事実の列挙と分類の重要性 自然科学との違い2.研究対象 社会科学には,人間という不可解なものが含まれる 研究者のイデオロギー的立場の違い 科学的分析のフレーム 科学的説明の枠組み 演繹モデルによる説明 帰納的モデルによる説明 人間感情と科学 cshimizu@reitaku-u.ac.jp

計量経済学と科学的分析 一定の規則と手続きにのっとって分析を行う。 Aが起きたときに,Bも引き続き起こる→接近 原因は結果よりも時間的に先行する→継起 関係を明確にする(Path解析) 因果関係(原因と結果) 相関関係 対立関係 共通関係 Trade-off 哲学的に深く考察した最初の人:ヒューム 科学の分類 書斎科学・実験科学・野外科学 経済学は,もともと書斎科学+実験科学 野外科学の方法 方法論の体系化 問題提起と内部探索・外部探検 計量経済学は,生きた経済を対象として,実験を行う。単なる理論の検証を越えて,現象から新しい理論を創造することもできる。 cshimizu@reitaku-u.ac.jp

数学(法則性)+事実の列挙と分類の重要性 自然科学との違い2.研究対象 社会科学には,人間という不可解なものが含まれる 社会科学とは? 経済学は社会科学の一分野 自然科学との違い1.研究方法 法則性が,自然科学と比較して不確実 検証が困難→実験経済学の登場 数学(法則性)+事実の列挙と分類の重要性 自然科学との違い2.研究対象 社会科学には,人間という不可解なものが含まれる 研究者のイデオロギー的立場の違い cshimizu@reitaku-u.ac.jp

伝統的経済モデル/古典派経済学 と ケインズ派経済学 第2回講義ノートより 伝統的経済モデル/古典派経済学 と ケインズ派経済学                  第2回講義ノートより 計量モデルの構築にあたっては,どのような経済理論体系で考えるのかによって,モデルが変化してくる。 マクロモデルであれば,マクロ経済理論への精通が求められる。 古典派 ケインズ派 貨幣 生産関数 利潤最大化条件 労働供給関数 貯蓄 利子率 cshimizu@reitaku-u.ac.jp

3.講義の進め方と成績評価 (講義の進め方) 本講義は,毎授業,教材を中心として学習を進める。PCを用いて,実際にデータを分析しつつ,経済モデルと統計理論について学習していく。基本的には,前期には,MS-Excel,SPSSを,後期ではSASまたはTSPを利用する。その利用方法についても授業において解説する。これらのソフトウェアは,実社会においても頻繁に利用するものであるために,ある程度の基本的操作を学習しておくことの意義は高いと考える。 (提出物について) 各授業ごとに,最後に演習問題に回答し,印刷して提出する。提出物は,特に希望がない限り,返却しない。この提出をもって,出席とする。なお,その提出物は,授業の理解度を測るものであり,成績評価には連動しない。 また,試験前にレポート提出を要求する。このレポートは,成績評価の対象となると共に,期末試験を受ける上で必要になる。 (入門計量経済学の受講にあたって) 統計学A.Bを受講済みであることが望ましい 経済数学を同時に受講することが望ましい 計量経済学A.Bを将来に受講することが望ましい (教科書) 『Excelによる回帰分析』朝倉書店  *各自の判断で購入して下さい。 (成績評価) 成績評価は,・授業への貢献(出席状況),・課題提出,・試験の3つから判断いたします。 出席 45%,課題10%,期末試験・レポート45%で評価を行います。試験は,年2回実施します。(レポートのみになることもあります) 基準:14-15回 45点,12-13回 30点,10-11回 10点,10回以下 採点対象としない (質問等) 連絡は,メール(cshimizu@reitaku-u.ac.jp)およびOffice Hour等を利用してください。メイルでアポをとれば,可能な限り対応します。 cshimizu@reitaku-u.ac.jp

不動産市場の予測-意思決定支援ツールとしてのEconomate/清水千弘 計量経済学への応用///東洋経済・エコノメイトユーザー倶楽部1/http://www.toyokeizai.co.jp/db/economate/user/user02.html 不動産市場の予測-意思決定支援ツールとしてのEconomate/清水千弘 エコノメイトとの出会い  「これから地価(賃料)はどうなるのか?」こんな質問をしばしば受ける。  特に、近年では、資産市場はファンダメンタルズを重視してきているので、実務において収益還元価格を出すためには、将来の不動産収益の見通しを正確に出すことに対するニーズが高くなってきた。そのために、不動産市場を見通す場合、単なる「予想」から説明義務を伴った科学性を持つ「予測」が求められるようになってきた。  当時、研究部にいた私は、自分の得意とする開発言語でモデルを構築していたが、現在の部署への異動に伴い、予測業務を他のものに引き継がなければならなくなった。自分で構築したモデルを他人に引き継ぐ労力は、モデルを作成する以上に大変なものであった。そんなときに、Economateの導入を決断した。 意思決定支援ツールとしてのEconomate  Economateを導入して驚いたのが、操作性の良さとデータベースの充実であった。特に、月次データが毎月届けてもらえることは何より嬉しい。操作性の高さが故に、データベースが整っているが故に、簡単なサブモデルを構築し、わずか数十分で結論を導出することができる。社会情勢の変化速度が高まるなかで、意思決定を行う速度を高めることが大きく要請される現在においては、この効用は何よりも大きいのではないか。古くは、ローマ会議でSystem Dynamics(SD)が注目を浴びた頃、計量経済モデルと競った時期があったと聞くが、SDは、いち早く操作性が高いソフトが多く開発され、理論的な裏付けがないとされるその欠点を補うだけの操作性の高さを確保したが故に、シミュレーションまたは意思決定支援ツールとして根強く支持されている。  そもそも予測とは、意思決定支援のための科学的手続きではあると考えるが、Economateの誕生により、計量経済モデルが、多くのものに門を開くと共に、本当に意味での意思決定支援ツールとなってきたことが、何よりも嬉しいことである。 不動産の市場予測?  また話を戻して、「これから地価(賃料)はどうなるのか?」といった問題を考えよう。エコノメイトが供給してくれる年次モデルのなかでは、私どもの「市街地価格指数」のデータを用いて、地価予測をしてくれている。しかし、実務のなかで不動産市場を予測しようとした場合には、不動産自体に地域性が強く反映されているために、地域的特性を十分に反映させることが必要とされる。現実にバブル期において、地価が大きく上昇した地域は、三千を超える自治体のうち数十都市である。そのため、まず地域単位の時系列分析に耐えうる不動産価格情報の整備を行い、地域モデルを構築し、市場予測を行った。  しかし予測は、必ずしも的中するものではないため、批判の対象にもなる。モデルの開発者としては、予測が的中することよりもはずれることを望む。つまり、なぜはずれたのか、その原因を追及することの方が重要なのである。そしてモデルを改善する、または別のシステム(アンケートなどを通じてDI作成)を通じて相互補完することを考える。予測システムとは、単一の計量経済モデルではなく、複数のモデルの集合体であるべきだ。  Economateの誕生は、計量経済モデルを意思決定支援ツールに計量経済モデルを進化させると共に、各組織に根付いた予測システムづくりの環境を提供してくれたと考える。これから都道府県モデルが供給されると聞く。さらなる発展を期待したい。 cshimizu@reitaku-u.ac.jp

Economateが果たした役割-計量経済学・統計教育への貢献- /清水千弘 計量経済学への応用///東洋経済・エコノメイトユーザー倶楽部2/ http://www.toyokeizai.co.jp/db/economate/user/user12.html Economateが果たした役割-計量経済学・統計教育への貢献- /清水千弘 不動産金融市場の登場  J-REIT(日本版不動産投資信託)の上場をはじめ,不動産の証券化が本格化し不動産市場と金融市場が融合する過程で,不動産市場を科学的に分析することが必要不可欠な行為となってきた。不動産市場を,単なる実務者の経験と感だけではなく,シナリオが明確な形で透明度の高い分析が求められている。それは,単なる現象面を重視する金融工学的なアプローチだけではなく,経済学的な理論体系に裏付けられた計量経済学的接近法は,極めて重要な行為となる。具体的には,オフィスや住宅の供給動向は?,雇用者数などの需要サイド動向はどうなっていくのか?,またはそれらの動きが経済全体のなかでどのように決まっているのか?,価格に対してどのような影響をもつのか?,などを整合性をもって予測していくことが求められる。  さらに,このような市場の変化の中で不動産鑑定評価基準が改訂され,この秋からはDCF法(Discount Cash Flow Method)が鑑定実務のなかに登場する。ここでも,キャッシュフローの予測が不可欠となり,その予測シナリオを明確にしていくことが求められる。不動産金融市場の登場は,不動産市場分析を科学的なレベルに進化させることで,統計分析または計量経済学的接近法を必要不可欠なツールとしてきたのである。 オフィス立地動向と地域計量モデル・産業構造のリンク  例えば,オフィス需要の動向を予測しようとした場合,産業構造と企業の立地動向が一致することが多いため(例えば金融街・出版街など),産業構造の変化を観察することが必要となる。オフィスの需要は,一般には「就業者一人あたりのオフィス床面積×就業者数」として求められ,県別・行政市区別などの地域特性を加味しようとすればするほどに産業別の動向が重要な情報となる。そのようななかで,Economate-IOとリンクできることは,この種の分析を行うものにとって,極めて有益な分析機会を提供してくれる。  また,不動産市場分析は,地域性が強いために,日本全体を対象としたモデルでは極めて利用しにくい場合が多かった。近年においては,都道府県別モデルなどの地域計量モデルが提供されるようになった。不動産市場分析の裾野を広げるとともに,大きな進化をもたらす機会を提供されたと思う。 Economateの果たした役割と今後  Economateの登場は,計量経済モデルを多くの実務者に対して開放することとなった。かつては,計量経済モデルは一部の研究者によってのみ開発されるものであったため,一般利用者は無知であるがためにブラック・ボックス的なものとして結果のみを利用してきたといえよう。Economateは,モデルそのものを解放し,実務者に試行錯誤させることで,モデル全体の透明感を高め,間接的に計量経済学・統計教育を行ったという意味での市場への貢献は大きいと考えている。例えば,Economateとの出会いがなければ,計量経済モデルに触れることがなかった実務家は少なくないのではないか。経済全体の構造がめまぐるしく変化するなかで,計量経済モデルの限界を指摘する声も大きい。しかし,逆に市場が複雑化していくなかでは多くのシナリオを用意していくことが必要となるものと考える。その場合には,計量経済学的な接近法は必要な手段となってくるであろう。経済的な変動に伴うリスク管理をしていく上で,その重要性が高くなってくることを感じている。 Economateユーザーの裾野を広げることで,さらには事業リスクなどを直接に行っている主体に対して啓蒙・普及させることで,不動産市場に代表される非効率的な市場の改善を行うとともに,経済全体のリスク管理を科学的に行う文化が日本に根づいていくことを期待したい。 2002年7月16日 cshimizu@reitaku-u.ac.jp