「アジアの歴史」第2回 木戸孝允・岩倉具視・明治天皇: 明治維新とアジア近代化の発端
中華帝国の危機と日本への衝撃 齋藤竹堂『阿片始末』 坂原雄也『阿片乱記』 横山巻『乍浦詩鈔』 伊藤錦巣『表忠詩鈔』 『乍川記事詩』 松浦子重『陳元成劉国標表崇義集』など 広瀬旭荘『九桂草堂随筆』 佐藤信淵『海防余論』 杉田成卿『地学正宗』
中国で冷遇されたが日本で大好評だった『海国図志』 原著者は魏源。アジア最初の世界大百科全書 主旨は「師夷之長技以制夷」(外国の特技を学んで外国を制す) 中国で早くも絶版 日本では佐久間象山・吉田松陰・西郷隆盛らの愛読書
ペリーの来航と日本の「開国」 嘉永6年6月(1853年7月) 修好通商を要求 幕府の回答と日米和親条約の調印(1854年3月) あっさり開国した背景 1)幕府の弱体化 2)中華帝国の危機からの影響
「明治維新」とは 江戸幕府による幕藩体制から、明治政府による天皇親政体制の転換と、それに伴う一連の改革をいう。英文名称は"Meiji Restoration"または"Meiji Revolution"。その範囲は、中央官制・法制・宮廷・身分制・地方行政・金融・流通・産業・経済・教育・外交・宗教政策など多岐に及ぶ。
改革の方針 徳川幕府による大政奉還を受け、王政復古によって発足した明治新政府の方針は、天皇親政(旧来の幕府・摂関などの廃止)を基本とし、諸外国(主に欧米列強国を指す)に追いつくための改革を模索することであった。その方針は、翌1868年の五箇条の御誓文で具体的に明文化されることになる。合議体制、官民一体での国家形成、旧習の打破、世界列国と伍する実力の涵養などである。
改革の内容(その一) 中央行政:政体書官制の確立、帝国議会の開設、大日本帝国憲法の発布→立憲君主制・議会制民主主義国家 地方行政:版籍奉還、廃藩置県、琉球処分→府県制度の樹立
改革の内容(その二) 諸制度の改革:旧武士階級を士族、それ以外を平民とし、「四民平等」を歌う。 文明開化:学制改革、地租改正、徴兵令、太陽暦の採用、司法制度の整備、断髪令など。 経済分野:富国強兵・殖産興業の方針、資本主義的金融制度、流通制度などの導入
明治政府の外交政策 不平等条約の改正 日清修好条約の締結(1871年) 征韓論の勃興(1873年) 台湾出兵(1874年) 江華島事件(1876年)
明治維新の光と影 アジア諸国近代化の模範 近代的科学(合理)精神を受け入れる素地・教養 やがて、帝国主義的な領土・権益獲得のプレイヤーとなり、抑圧された国から抑圧国へ