エックス線の発見(1895) 3日後、妻をつかまえて 第一回ノーベル物理学賞 100日後! 既に京都(島津製作所)でも 光と影.

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X線で宇宙を見よう 1. X線て何だ? 2. ダークマターやブラックホールが 見える 3. 「すざく」衛星について 首都大学東京 ( 東京都立大学 ) 大橋隆哉.
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新星は新たな宇宙線の起源 か? 武井大、北本俊二 ( 立教大学 ) 、辻本匡弘 (JAXA) 、 Jan-Uwe Ness (ES A) Jeremy J. Drake (SAO) 、高橋弘充 ( 広島大学 ) 、向井浩二 (NASA) アメリカ天文学会研究報告誌より論文として発表 ( Takei et.
プラズマからのX線放射 X-ray Radiation from Plasmas 高杉 恵一 量子科学フロンティア 2002年10月17日.
ところで一般相対性理論によれば、太陽を半径3 kmにまで 圧縮したらブラックホールになるらしい。どんな世界なのか?
X線で宇宙を見る ようこそ 講演会に 京大の研究
「すざく」衛星が見たブラックホールの姿 〜速報〜 ① ケンタウルス座Aの場合 ② 白鳥座X-1ブラックホールの場合
2000年1月17日版 アストロ E 衛星 文部省宇宙科学研究所
NGC 2043 銀河中 の 超光度X線源 (ULX) の スペクトル状態の遷移
X線による超新星残骸の観測の現状 平賀純子(ISAS) SN1006 CasA Tycho RXJ1713 子Vela Vela SNR.
第6回 制動放射 東京大学教養学部前期課程 2012年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
南極からの新赤外線天文学の創成 南極内陸は、ブリザードがなく、非常に穏やかな、地球上で最も星空の美しい場所です。この場所で私たちは新しい赤外線天文学を展開します 宇宙初期の広域銀河地図を作って、私たちの銀河系の生い立ちを解明します 137億年前 100億年前 宇宙の果て 最初の星が生まれ、銀河が成長した時代.
ガンマ線連星LS 5039におけるTeVガンマ線放射とCTA
日本物理学会年次大会・総合パネル討論「現代プラズマ科学の 最前線:学際連携によるプラズマ理工学のさらなる展開」
--X線天文衛星「すざく」の成果を中心に--
○山口 弘悦、小山 勝二、中嶋 大(京大)、 馬場 彩、平賀 純子(理研)、 他 すざくSWGチーム
すざく衛星によるTeV γ線天体HESS J の観測 --dark accelerator?--
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
京都大学「宇宙総合学研究ユニット」 連携協力
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
Astro-E2衛星搭載 XISの データ処理方法の最適化
SEDA-APのデータ解析 ~Albedo中性子の検出~
愛媛大学理学部物理学科 & 愛媛大学宇宙進化研究センター 鍛冶澤 賢 理学部物理学科 松山市 (宇宙進化研究センター併任)
愛媛大学 理学部物理学科 & 宇宙進化研究センター
愛媛大学理学部物理学科 & 愛媛大学宇宙進化研究センター 鍛冶澤 賢 理学部物理学科 (宇宙進化研究センター併任) 松山市
信川 正順、小山 勝二、劉 周強、 鶴 剛、松本 浩典 (京大理)
内山 泰伸 (Yale University)
太陽を見る 可視光 X線(ようこう衛星) 太陽フレア.
X線天文学の歴史と 世界のX線天文アーカイブス
Astro-E2 Ascent Profile
平成十六年十一月 京都大学 小山勝二 このたび私儀、紫綬褒章受章の折には身に余るお祝い のお言葉を賜り、まことに有難うございました。
理科指導法D ノーベル物理学賞.
重力・重力波物理学 安東 正樹 (京都大学 理学系研究科) GCOE特別講義 (2011年11月15-17日, 京都大学) イラスト
高木慎一郎(博士2回) X線天文学のこと X線の特徴と宇宙を観測すること 当研究室で研究していること
(GAmma-ray burst Polarimeter : GAP)
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
「すざく」衛星と日本のX線天文学 July 10, 2005
星間物理学 講義1: 銀河系の星間空間の世界 太陽系近傍から銀河系全体への概観 星間空間の構成要素
東邦大学理学部物理学科 宇宙・素粒子教室 上村 洸太
小型衛星パスファインダーによる総合的試験
鉄輝線で解明したSgr A* の活動性: 京都大学 小山勝二 ブラックホールSgrA*の時空構造を鉄輝線で解明する
すばる望遠鏡による10GeV領域ガンマ線天体の観測
京都大学理学研究科 中村卓史 2006年2月24日 国立天文台
S5(理論宇宙物理学) 教 授 嶺重 慎 (ブラックホール)-4号館409 准教授 前田 啓一(超新星/物質循環)-4号館501
京大他、東大やアデレード大学など日豪の16機関が共同で、オーストラリアの砂漠地帯に望遠鏡4台を建設しTeVγ線を観測している。
宇宙線研究室 X線グループ 今こそ、宇宙線研究室へ! NeXT
コンパクト星連星の多様性と進化 MAXI MAXI 3周年シンポジウム 理研 2013年3月13日 30+10分
平成 31 年度 P6 高エネルギー宇宙実験 担当: 物理学第二教室 宇宙線研究室の教員 谷森達 教授、鶴剛 教授、 窪秀利 准教授、
柴田 晋平 山形大学理学部 With 早坂 由美子 NHK山形 キャスター
偏光X線の発生過程と その検出法 2004年7月28日 コロキウム 小野健一.
最近の宇宙マイクロ波背景輻射の観測 銀河の回転曲線 回転曲線の測定値 NASAが打ち上げたWMAP衛星が観測
ーラインX線天文学の歴史と展望をまじえてー
星間物理学 講義1の図など資料: 空間スケールを把握する。 太陽系近傍から 銀河系全体への概観、 観測事実に基づいて太陽系の周りの様子、銀河系全体の様子を概観する。それぞれの観測事実についての理解はこれ以降の講義で深める。 2010/10/05.
講義ガイダンス 「宇宙の物質循環を理解するために使われる物理・化学・数学」
「すざく」でみた天の川銀河系の中心 多数の輝線を過去最高のエネルギー精度 、統計、S/Nで検出、発見した。 Energy 6 7 8
日本史と現代宇宙物理学を散歩する:藤原定家の超新星
第12回 銀河とその活動現象 東京大学教養学部前期課程 2017年度Aセメスター 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
Introduction to the X-ray Universe
ようこそ Hot Universe へ Fes. 馬場 彩 Contents X線天文学とは?
エックス線の発見(1895) 3日後、妻をつかまえて 第一回ノーベル物理学賞 100日後! 既に京都(島津製作所)でも 光と影.
2011年8月金沢大学集中講義 「X線天文学」 第2回 相対性理論とブラックホール
CHANDRA衛星の観測結果による、 球状星団M4(NGC6121)のスペクトル解析
宇宙線もつくる。  (超高速の粒子) 藤原紀香が日記を書いた 定家 そこを「あすか」 でみたら.
研究紹介:山形大学物理学科 宇宙物理研究グループ 柴田研究室
S5(理論宇宙物理学) 教 授 嶺重 慎 (ブラックホール)-4号館409 准教授 前田 啓一(超新星/物質循環)-4号館501
BH science for Astro-E2/HXD and NeXT mission
X線天文衛星『すざく』の成果 1.5年経過 “すざく” (朱雀) 査読付専門雑誌 32 編 (日本の衛星、大型プロジェクトでは最多)
「すざく」(HXD, XIS)と銀河のエックス線写真
教育学部 自然環境教育課程 天文ゼミ 菊池かおり
すざく衛星によるSgr B2 分子雲からのX線放射の 時間変動の観測
「すざく」がみた銀河中心の活動性 : 衝突励起か電子捕獲か :広がっているか、点源の集まりか? (2) 超新星残骸の発見
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エックス線の発見(1895) 3日後、妻をつかまえて 第一回ノーベル物理学賞 100日後! 既に京都(島津製作所)でも 光と影

imaginative than we are ! エックス線天文学は意外性の歴史。 誕生からして劇的だった(1962)。 Nature may be much more     imaginative than we are !        (Bruno Rossi、Riccardo Giacconi) 月からの蛍光エックス線を計るという 口実(アポロ計画に便乗) 幸運にも、観測ロケットの打ち上げは ちょうど最も明るいX線天体から程よい 位置に月がきた時だった。

エックス線天文学の 光(4衛星の成功)と影(2衛星の失敗) 巨額の研究費を使う理論的根拠は何だろう? 日本初の天文衛星(1976)になるは  光(4衛星の成功)と影(2衛星の失敗) 巨額の研究費を使う理論的根拠は何だろう? 日本初の天文衛星(1976)になるは ずだった CORSA、ロケットの姿勢 制御ミス(3段目の制御信号が2段 目に入ってしまった)で失敗。 ○ 担当者は気が付いたが、緊急 ストップをかけられなかった。 ○ 敏速な判断力と決断力があれ   ば防げたミス。     (我々とは異なったカルチャー?) 「科学の光と影ースペースシャトル・ コロンビアに学ぶ」 Douglas D. Osheroff の講演

小山勝二ー30年 小田稔 曽野綾子 「はくちょう」(1979) 96 kg、感度1

その後のX線天文衛星 「てんま」(1983) 216 kg、感度 10 「ぎんが」(1987) 420 kg、感度200 「あすか」(1993) 417 kg、感度 5000 内之浦町でデータ受信 小山勝二-25年  と 宮崎緑 (NHKキャスター) 取材訪問 特徴ある衛星でActivityの継続 Quick is beautiful! Freeman Dyson Frequent is essential Frank McDonald 国際協力:資源の最大活用 Martin Turner

影(失敗)は光(成功)になる CORSAの失敗で「暇」になったの で蛍光比例計数管の開発に専念 =>成功 日本の道をエックス線分光に(特性X線) (科研費重点領域: ラインX線天文学)

銀河系内の超高温プラズマ(約1億度)の発見      (圧力 = 106 K/cc !!) これまでの星間空間の概念は 102 Kの中性ガス領域と104 Kの電離領域の2相安定      (nT = 103-104 K/cc) 銀河中心 銀河内円盤

高分解能分光観測:特性X線の有無が検出できる。 平安の文化が残した超新星の記録は千年の時を越 えて、現在中性子星、宇宙線加速など最先端科学 の研究対象=極限状態の「実験室」=になりました。

宇宙最高エネルギー粒子(宇宙線)の加速 シンクロトロン放射 高温プラズマ

キトラ古墳天井画 飛鳥時代:世界最古の正確 な星図 (BC65+-数100年 北緯 38-39度) 宇宙線を加速する超新星AD393の      北緯 38-39度) 宇宙線を加速する超新星AD393の 痕跡を「あすか」衛星が発見 超高エネルギーの電子 がだすシンクロトロン X線放射 小山さんがNon-thermal !     (佐藤文隆先生) Koyama et al.

宇宙線加速=巨大ブラックホール(100万-10億の太陽)。最も近い巨大ブラックホールは天の川の中心にある 2 3 ブラックホールの加速の最も象 徴的な現象は相対論的ジェット 個々の粒子も加速(1020 eV)さ れるに違いない  巨大ブラックホールの例 銀河中心 ジェットが吹き出たのは江戸 時代、そのころ京都では 3C273

京都から最新の物理学を世界に(覇気と躍動感) 理論物理 学の伝統 現代 飛鳥時代 キトラ古墳 平安時代 理論偏重でなく実験=自然との 対話でその魅力にふれる=基礎 物理学の拠点を。 ○ Presenceが世界に知れる(存在感)。 ○ 日本中の理科少年、少女が「将来   は京大で」(求心力) 人知れずいい研究から(創造力) 人知れるいい研究へ(発信力) 江戸時代 国友一貫斎

再び影から光へ 2005年度、再挑戦 ASTRO-E2 21COEの顕著な成果 として、結果を出したい 「てんま」(1983) 216 kg、感度 10 「ぎんが」(1987) 420 kg、感度200 「あすか」(1993) 417 kg、感度 5000 2005年度、再挑戦 ASTRO-E2 「ASTRO-E」(2000) 1600 kg、感度 50000 21COEの顕著な成果 として、結果を出したい 「ASTRO-E2」 (2005) 1600 kg、感度 50000

京の散歩 北 一条陵 定家の墓 冷泉家 島津資料館 後冷泉陵 定家の居 小督局の墓 真鍮工場