医療法人 社団 カレス アライアンス・ 北海道家庭医療学センター 山田康介

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高齢者の救急搬送に係る意見交換会 資料7 1 意見交換会開催に至る経緯と今年度の取り組み  平成26年度    病院連絡会議にて,高齢者の救急搬送に関して,患者及び家族の延命治   療の希望確認ができているかの課題提起がなされた。  平成27年度   (1)介護サービス事業者協議会主催研修会および施設ごとの講演会の開催.
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保 健 医 療 連 携 室  北海道立江差病院では、患者さまやご家族の皆様に、より良い医療・看護を効率的に提供できるように、地域における医療、介護福祉施設、関係機関と連携し、各機関・施設の機能と役割を最大限に発揮できるように、調整していくための窓口です。 ○ 診察療予約受付の流れ 報告書 □ 保健医療連携室 
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Ⅱ.高齢者に係る地域アセスメントの    手法について
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地域支え合い会議 地域 行政 地域福祉推進のイメージ 高知市社会福祉協議会 専門機関 健康福祉部 水道局 市民協働部 防災対策部 環境部
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高齢者の救急搬送に係る意見交換会 資料7-1 1  意見交換会開催に至る経緯  平成26年度    病院連絡会議にて,高齢者の救急搬送に関して,患者及び家族の延命治療 に関する意向確認ができているかという課題提起がなされた。  平成27年度   (1) 介護サービス事業者協議会主催研修会・施設ごとの講演会(救急課)                  
1日目 10:05~10:25〔20分〕 【講義】研修の意図と期待すること
熊本DCATの概要について ●高齢者支援団体 ●障がい者支援団体 協定締結団体(H )
各施設の悩みなど 西関東グループ.
自殺対策基本法(振り返り) 資料4 基本理念(第2条)
老年看護学概論 第9回 「高齢者を支える社会資源」 担当:鈴木直美.
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ビデオレビューによる 外来教育 北海道家庭医療学センター 草場鉄周.
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実習プログラミングシート 時間 実習課題(ねらい) 具体的実習内容 必要となる知識等 指導担当者の留意点 例) アセスメント演習 例)
健康サポート薬局に求められる機能 健康サポート薬局について かかりつけ薬局の基本的機能 健康サポート機能 【背景・課題】
Presentation transcript:

医療法人 社団 カレス アライアンス・ 北海道家庭医療学センター 山田康介 地域包括ケアを 教える 医療法人 社団 カレス アライアンス・ 北海道家庭医療学センター 山田康介

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 彼は何をしているところでしょうか? 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

このとき、彼は何を学ぶことに なるのでしょうか? 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS このミニレクチャーの目標 地域包括ケアの定義をここにいる皆さんと共有する 地域包括ケアを教育することは重要であると認識する。 研修医が学ぶべき最も重要なものは? みなさんが現場に戻られたあと、 それぞれの研修プログラムに 地域包括ケアの教育を盛り込む 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

質問: 地域包括ケアとはどのようなもの でしょうか? 質問:  地域包括ケアとはどのようなもの でしょうか? 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 地域包括ケア 「地域包括ケア」を明確に定義する文は ない 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

地域(コミュニティ)における家庭医に対するニーズ 診療 地域住民 企業 団体 個人 講演 産業医 学校医 国 都道府県 市町村 保健師 その他の職種 検診 予防接種 各種の会議 その他の住民の健康に関連した団体 例: 社会福祉法人 介護保険に関する業務 講演 サービス担当者会議 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

こういったニーズに応えることにより、結果として・・・ 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

家庭医の診療を受けない地域住民に対する 家庭医による能動的な働きかけ ○○がこの地域の 健康問題だなあ・・・ 解決のために何をしようかな・・・? 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 地域住民に対する介入 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 地域包括ケアとは 広義には 診療以外に地域のニーズに応じて様々な活動を行うこと 地域の多くの人と協力して住民の健康的な生活を 支えること 狭義には 地域の健康に関するニーズを 能動的に把握し働きかけること これを系統だって行う方法論をCOPC(Community Oriented Primary Care)と呼ぶ。 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 地域包括ケアの教育 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS さきほどの彼、 何を学んだのでしょうか? 足がないせいで医療機関を受診できない人もいるんだなあ・・・ 巡回バスの制度を整えるだけで地域の 医療の質が向上することもあるんだなあ・・・ 医療を支えているのは医療専門職だけ じゃないんだねえ・・・ このバスの運転手さんの存在も大きいなあ・・・ 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 彼に学んで欲しかったこと ~研修目標~ 地域(コミュニティ)において家庭医に求められる役割(ニーズ)は診察室を飛び出して至るところに それに答えていくことが重要であること ニーズがどこにあるのか敏感であれ! 患者を患者個人としてだけではなく、リスクを持ったPopulationの一員としてもみること いろいろな人とのコミュニケーションを大切に! 敷居の低い(ガードの甘い?)人になろう! いろいろな人と協力しよう 自分がリーダーである必要はない 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 地域包括ケアどう教育する? 上記の研修目標を達成するための条件 地域包括ケアを実践している場があること 指導医の、地域包括ケアを実践しているという自覚 それを人に伝えられる言葉を持っていること 研修医が学ぶためのいろいろな「しかけ」を 準備すること 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 実例 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 実習として 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

事前レクチャー ~更別村の保健・医療・福祉について~ 最初に。 保健って なにか知ってる? そんな唐突に言われても・・ 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 実習のレジュメ 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 実習の数だけレジュメを準備 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS いざ実習へ! 研修医 介護福祉士 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 日常業務の中で 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 訪問患者さんのサービス担当者会議 ケアマネ 研修医 PT 介護福祉士 患者の家族 訪問入浴 担当看護師 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

地域のニーズを能動的に把握し 行動を起こす 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 地域住民のニーズを日常診療から感じ取る 毎日行われる症例のカンファレンスにて 患者さんの診察中に家族から認知症の相談をされ、 とても時間がかかってしまった・・・ こまった。 実際はもっともっとたくさん患者さんがいるのでは? かなわん! 認知症の相談をうけるための外来を 始めてしまおう! 講演でスタッフ、住民に対して知識の啓蒙を事前に行おう! 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 講演会キャラバン(出前宅配便) 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

認知症外来の要綱作成→ 診療所スタッフと打ち合わせ→ 認知症外来開始 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS ある研修医は・・・ こういう田舎の診療所で人手が足りないときに心肺停止の患者さんが発生したらどうしよう・・・ この村の実情にあったACLSシナリオ の形を考えて、救急隊やスタッフと共有しよう! 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

救急隊、診療所スタッフ合同 ACLS訓練会 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 評価 ~研修目標を達成したか?~ 観察 研修期間の後半、研修医の日常業務やカンファレンスにおける言動から レポート 実習のレポートから ポートフォリオから 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS まとめ 地域包括ケアとは 地域のニーズに応えるためのあらゆる活動 地域包括ケアを教えることの重要性 家庭医に求められる多様な役割を知ってもらう 学んでもらうために 少しだけ準備を。 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS

第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS 参考資料 スタンダード家庭医療マニュアル 編著 葛西龍樹,永井書店 診療所マニュアル 編集 社団法人 地域医療振興協会,医学書院 Community-Oriented Primary Care: Health Care for the 21st Century 編集 Robert Rhyne,  American Public Health Assciation 「健康日本21」HP http://www.kenkounippon21.gr.jp/ 2006/09/24 第2回家庭医療後期研修プログラム認定と指導医養成のためのWS